◇東京五輪、返上しませんか?
■誇り高くてミーハー 一筋縄でいかぬIOC委員(9/6,日経)
http://www.nikkei.com/article/DGXZZO59287070U3A900C1000000/
招致を目指す東京、マドリード(スペイン)、イスタンブール(トルコ)の3都市は、投票権を持つ約100人のIOC委員にあの手この手で接近し、支持を求めてロビー活動を展開してきた。
だが、2回目の投票ではシカゴ票を全く取り込めなかったばかりか、1回目から2票減らして敗退した。「1回目は東京、2回目は別の都市」と複数の都市と取引していた委員がいたと考えられる。こうした票のやりとりは、IOCの投票では珍しいことではない。
透明性は以前より高まったが、委員が委員を選び、解任できるのも委員だけという閉鎖的な世界は変わらない。それゆえに委員同士のファミリー意識は強い。匿名投票のため、出身国の政治的な影響を受けにくく、投票行動の軸になるのはそれぞれの価値観や互いの義理や貸し借りだ。私益の追求も否めない。ときにはその場の「風向き」で投票することもある。投票行動が読めないのは、投票の動機が委員によって異なるためだ。
舛本教授は「質問が出ないというのは、開催都市選挙にはあまり興味がないということ。今のIOC委員の関心はもっぱら次のボスが誰になるか。関心は会長選に集中している」とみる。
舛本教授は「最近の招致レースを制した都市の共通点は、いずれも政治のトップが招致にかかわっていた」と指摘する。12年夏季五輪の開催都市を決めた05年シンガポール総会ではパリが本命といわれた中、ロンドンは当時のブレア英首相を引っ張り出し、総会直前まで多くのIOC委員と接触を図って巻き返した。
ソチが開催地に決まったのは、プーチン大統領の総会参加と、IOCの公用語である仏語と英語を駆使したプレゼンテーションがIOC委員に強烈なインパクトを与えたためだともいわれる。
「皇太子が現れた途端、会場にいたIOC委員たちが一斉に盛り上がった。ロンドンの時は(サッカー選手の)ベッカム、ソチの時はプーチン大統領とのツーショットを委員たちはせがんだ。皇族やベッカム、プーチンのオーラには結局かなわない」
元IOC委員の猪谷千春氏は著書「IOC オリンピックを動かす巨大組織」でIOC委員の素顔について、「己の主義、主張を優先する。自分の存在感をいかに示し、言葉は悪いかもしれないが、自分を高く売ろうとする」としている。数々のエピソードや証言を総合すると、ミーハーだが、「自分は選ばれたスポーツ貴族である」という特権意識が強く、「主役はあくまでも自分たち」という高いプライドを持つ。こんな委員像が浮かび上がる。(引用、強調筆者)
こういう具合ですからね・・・
まあ、蓋を開ければ、2度の国政選挙と同様、なるべくしてなった結果といえるのかもしれません。
そもそもIOCってのは、国連などの国際機関とは何の関係もない、多国籍企業のスポンサーをバックにしたただのイベント企画屋さんなわけです。すさまじい権威と影響力を備えているとはいえ。
五輪という象徴的なイベントの開催国となる権利を、咽喉から出るほど一番欲しがっていたのはどこの国か、その競争だったわけです。で、勝ったのは日本でした。
会長選やその次の開催国をめぐる鞘当を含む、ドロドロした政争の舞台。
そのIOCの裏側を最も研究し尽くし、テーブルの上に最も高く札束(国民の知らぬままプールされていた裏金も用意したはず)を積み上げ、水面下で最も効果的≠ネアプローチを駆使することで、他の2候補都市を制したわけです。東京が。
余談になりますが、「仏語と英語を駆使したプレゼンテーション」はICJ調査捕鯨裁判でも使いました。実態のないコトバと演出に頼るのは、もはや日本のオーソドックスな外交戦術といえそう。そっちの相手は、利益を追求するスポーツ貴族ではなく国連機関の司法のプロでしたから、仏語を使ったくらいで影響なんかないはずですけど。
とはいえ・・・
やめた方がよくないですか? いまからでも。
決まったことはどうしようもない? 動かせない?
そんなこと言っても、やろうにもできなくなるかもしれませんよ? 無理やりやって、取り返しのつかないことになるかもしれませんよ?
であれば、遅すぎることはないのではありませんか?
ムチャだとか言わずに。やるほうがムチャですよ。
一夜限りのお祭り騒ぎが、まるで無から富を生み出す魔法ででもあるかのようにみなし、国の持続的発展を賭けてしまうほうが、よっぽどムチャだと思いませんか?
何より、大勢の国民の生活や自然の持続性≠ェそのために失われてしまうのでは、本末転倒なのではありませんか?
大きな問題があります。
1.国民の財政負担
2.自然破壊
3.福島の原発事故収束への影響と推進路線へのお墨付き
4.右傾化の加速
5.震災リスク
@経済波及効果、試算3兆円 コンパクト五輪実現 (9/8,日経)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0302Y_T00C13A9GO2000/
A北京五輪の経済効果(1)国情による影響の違い ('08/8/4,人民網日本語版)
http://j.people.com.cn/2008/08/04/jp20080804_92222.html
B2008年北京五輪の効果 ('08/07/25,チャイナネット)
http://japanese.china.org.cn/business/txt/2008-07/25/content_16073446_5.htm
C何故、オリンピックを誘致したいのですか?
http://okwave.jp/qa/q1499187.html
過去の五輪を例にとってみると、五輪はその準備期間と開催年の国民経済にとっては顕著な牽引力となるものの、五輪終了後の各国の経済発展には比較的大きな軌道の違いが見られ、五輪効果をはっきりと検証するのは難しい状況だ。実際には各国の経済成長の変数状況にかかってくる。各国の五輪開催前後のGDP成長率から見ると、韓国、スペイン、オーストラリアなどの国では、五輪前年および開催年のGDP成長率が大幅に増加したが、開催翌年にはその勢いが右肩下がりとなった。しかし、米国の場合、これらの国とは反対に、開催後も右肩上がりを続けている。このため、五輪の経済への促進効果は大国よりも小国に与える影響が大きく、開催後よりも開催前と開催年により効果を発揮することが分かる。 (A〜引用)
五輪を開催するには、大量のスポーツ施設や都市インフラの建設・改修を行い、開催期間中の「爆発的な需要」に対応しなければならない。五輪が終わると、需要はあっという間に低下する。このような投資ニーズの巨大な落差は、ポスト五輪経済のリスクを形成する基本的な要因だ。(B〜引用)
北京五輪の競技場建設では、社会からの投資が投資総額の半分以上を占め、政府の投資圧力を大幅に軽減するとともに、企業もこの中で発展チャンスを追求することができた。(B〜引用)
確かに世界的に知名度が上がったり、その地方・国の景気に対する刺激にはなるかと思いますが、こうした一時的なメリットに比べて、オリンピック後の競技施設の活用法や開催したことによる莫大な借金等を考えるとデメリットの方が大きいのではないかと思います。
過去にオリンピックを開催して黒字になったのはロサンゼルスとアトランタだけでその他は全て赤字であるということを聞いたことがあります。
やり方によっては黒字になるのかもしれませんが、例えば長野でも大きな赤字負担が今でも解消できていないという状況を考えると、何故、そうまでして各国はオリンピックを誘致したいのでしょうか?(C〜引用)
誘致国・地域は多額のお金を使い、IOCの役員や関係者を招待し「接待攻勢?」をすることも行われていますね? 長野オリンピック後、関連資料(予算)が紛失したこともまだ記憶に新しいことです。(C〜引用)
いくつかWebで拾ってみましたが、ABは北京五輪の開催前の中国発の記事で、事後の検証でさえありません。
言論の自由が保障されているハズのこの国で、「ポスト五輪リスク」をどうするつもりなのか問う声があまりにもか細いことに、さらに不安をそそられてしまいます。
「プレ五輪効果」については、都市のインフラが十分に整備されず、国民の所得が一定の水準に達していない、まだ成熟した先進国になりきってない成長途上の新興国でなら、財政負担の問題は別にしても、成長を加速する一定の効果はあるのかもしれません。
中国だって、現実にはリーマンショックの影響および同国内のバブル崩壊が重なって、期待通りにいかなかったわけですが。
しかし、日本は明らかに老熟期なのですよ。人口構成、賃金水準、産業構造を見ても。成長期にあった64年の東京五輪のときと事情は違います。
富士山で話題になった世界遺産登録の経済効果についても、実際の数字は決して持続性のあるものではなく、一時のピークにすら疑問符が付いているわけです。
世界遺産のブランドとしての価値以上に、五輪は具体的な経済活動に結び付いてはいますが、その性格はまさに行政のバラマキを下地にした便乗商売のススメ。
経済効果3兆だの150兆だのと、今のうちから皮算用されてますが、それは誰の財布から出るの? いつまで続くの?
公共事業の元手は税金です。未来の世代にツケを回す借金に頼りまくっている国の。
共産国家の中国で「社会からの投資が投資総額の半分以上」とありますが、今度の東京五輪はコンパクトといいつつ、施設整備には都が4千億円を負担し、足りなければ国が肩代わり。
建設ラッシュで雇用が増えるのも一時的。ホテルの宿泊等観光産業の需要増も一時的。お祭りが終わったらどうするの? 地域の伝統的な年中行事じゃないのですよ。
一過性のイベントによる経済波及効果に頼るやり方は、一時的な胃拡張と摂食中枢マヒをもたらすばかりです。
後になって表れるのは、公共事業麻薬中毒の禁断症状です。五輪招致運動自体がもうその域なのかもしれませんけど・・。
五輪で思いっきり膨らんだ胃袋を満たし続けることはできません。残るのはすさまじい飢餓感だけですよ。
夢見がちな推進派の理想論ばかりがマスコミを通じて流布されていますが、これは構造の変革・改革ではなく、逆戻り≠ナす。
高度成長のツケ、公共事業依存の産業構造の歪み、健全な財政規律の感覚の喪失、すさまじい自然破壊に対する反省が、あれほど口酸っぱく言われてきたはずなのに。
高度成長期にあった当時の東京五輪の夢を、懐古的に何度も取り上げるマスコミに踊らされて、あたかもそれが可能であるかのように思わされていませんか?
老人が青年時代に戻るのは逆立ちしたって不可能です。非現実的な回帰願望です。ないものねだりです。
自然破壊の問題については、以下のリンク必読です。
数少ない都民にとっての貴重な自然が、五輪という錦の御旗≠フもとに強引に潰されかねません。
−葛西オリンピック問題|Togetter
http://togetter.com/li/560917
−オリンピック施設計画に関する、団体署名のお願い|日本野鳥の会東京
http://tokyo-birders.way-nifty.com/blog/2013/03/post-5634.html
そして福島も。
−ハッピー氏のツイログ
http://twilog.org/Happy11311
2020年ってなると、現在のロードマップで進めば、溶けた燃料デブリ取り出し準備作業をやってるピークなんだよね。今までも何度かあったけど、なんかイベントがある時はトラブルリスクが高い作業は延期になっちゃう不思議な現場なんだ。(引用)
突貫工事と先送り、その後の投げ出しの様子が目に浮かぶようです・・
いままで純粋に東北の被災者のためにできなかったことが、復興予算を鯨研の赤字穴埋めはじめ天下り法人の食い物にまでしてきたのに、五輪という飾りが付いた途端、「復興!」「東北のため!」と言えてしまう不思議。
要するに、ダシに使ってるだけじゃないですか。
ハッピー氏が直前まで呟いていたように、「32年に復興した福島、東北でやらせてくれ」というなら、あるいは「二度と事故は起こしません。そのために日本は脱原発します」とはっきり宣言できたなら、まだ認められたでしょう。
しかし、われらが阿部首相は、まがりなりにも良心を持つ多くの日本国民を激怒させるだけの真っ赤な嘘を、世界に向かって胸を張って言いふらしてしまいました・・・
一体これのどこが「アンダーコントロール」なの!? 「港湾内でブロック」なの!?
−タンク汚染水、海流出か 底から漏れた可能性 福島第一原発 (8/22,朝日)
http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201308210765.html
−ただちにストロンチウム海洋汚染の監視強化を(拙過去記事)
http://kkneko.sblo.jp/article/73048874.html
「ブロック」と言ったって、低濃度♂染水、地下水の放出は今後やっていくつもりなんでしょうに。
ミスターおぼっちゃま首相は、「サヨクの人たち」、少数派の声には一切耳を貸さず、自分の耳に心地よいことを囁いてくれる取り巻きで周囲を固め、持ち上げられると有頂天になって突っ走るタイプ・・にしか見えないよね。。。
汚染水対策も、原発推進・再稼働も、放漫ツケ回しアベノミクスも、憲法改正をはじめとする右傾化路線も、これでぜーんぶ世界に認めてもらえたものと自分で自分を納得させ、「よし、いける!」と思っちゃえるタイプに。
誇り高くてミーハーで世界が見えてないスポーツ貴族のIOC理事たちは、まったくとんでもない選択をしてくれたものです・・
右傾化といえば、よりによって決定の当日に子供たちを狙い撃ちにした卑劣極まるレイシストデモが敢行されました。
−新大久保にて 0908|akiのブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/monotone18aki/25371082.html
https://twitter.com/aritayoshifu/status/376543166607794176/photo/1
カウンターをとめ、差別主義者たちを守る機動隊!(引用)
日本・東京都がヘイトスピーチ・レイシズムを厳正に取り締まれないのであれば、人権問題に関心のあるすべての国はそんな都市での五輪開催などボイコットして然るべきでしょう。
https://twitter.com/kikko_no_blog/status/376494437796294656
健全なスポーツの祭典であるはずのオリンピックが完全にナショナリズムを煽るための政治的道具と化した今日この頃、便利な道具のひとつとして利用されてる有名アスリートの皆さんが一番気の毒だな。(引用)
少し気になるのは、五輪招致に、福島・東北と同じようにこどもたちがダシにされてしまっていること。
言ってることがおかしくありませんか? 「毎年、すべての国で五輪やりましょうよ」というならいざ知らず。
スポーツの好きなこどもたちのため、スポーツの才能に恵まれたアスリートのため──ではなく、「一点集中で東京五輪の年≠ノ国を挙げて金メダルの数を稼ぐ」ことが目的なんだよね。
万人にスポーツの喜びを広め、伝えたいのではなく、「東京五輪という舞台に照準を定めたメダル製造機を養成する」ため。
その年代のこどもたちをそうみなすと。
メダルという栄光ばかりに目が向いてしまうこどもに育てたいのでしょうか?
こどもたちの健全な心身の育成のためならば、五輪という一時限りのイベントに頼る必要はないはず。むしろ頼るのはやめるべき。
最後に地震のリスク。
NHK特集でも、歪みのエネルギーが房総付近に溜まっていて、いつ関東大震災級の地震が来たっておかしくないって言ってたばかりだよね・・
海外の人たちを迎えるにあたって、きちんとリスクを話せるのですか?
彼らの生命と安全を保障できるのですか?
もちろん、訪日者対策ばかりで住民の安全対策がなおざりにされるのも困りますけど。
戦前、'40年に予定されていた東京五輪は、結局2年前に日本自ら辞退しました。
できるんじゃん。辞退。
戦争というとんでもない理由でさえ。その後日本が五輪永久出場権停止といったペナルティすらなく。
影響が大きくならないうちに、日本自ら辞めればいいのです。
今の日本は、まさに当時を彷彿させる状況になりつつあるのですから、辞める理由としては十分でしょう。違いますか?
一過性の五輪熱に浮かされるのでなく、本当の東北復興のため、本当の子供たちの未来のために、地に足の着いた″曹テくりをすべきではないのですか?
参考リンク:
−五輪とクジラ(拙過去記事、記事中のリンクもご参照)
http://kkneko.sblo.jp/article/57560187.html
−復興予算を食い物にしようとした調査捕鯨城下町・下関市(〃、経済効果関連)
http://kkneko.sblo.jp/article/56253779.html
◇捕鯨関連ニュースクリッピング
■アボット保守連合勝利宣言 (9/7,日豪プレス)
http://nichigopress.jp/ausnews/politics/49880/
■ラッド氏、辛くも議席を確保する (〃)
http://nichigopress.jp/ausnews/politics/49881/
ラッドが進めたICJアプローチへの批判はありましたが、弁論まで済んでしまいましたし、AUSは米国同様左右で捕鯨政策に差はありませんが、SSCSとリレーションのあった緑の党は抜けることに。
炭素税導入が響いたという話になってますが、日本の政権・政策の影響も無縁ではないでしょう。
それにしても、日本の民主党(/生活の党)の内紛劇とその結果を見るようですね・・
本当に嫌な流れです・・・