2013年11月30日

ちょっと待ってアノニマス! クジラ・イルカの味方は嬉しいけれど・・

■アノニマスが日本政府に警告 捕鯨批判 (6/1,共同)
http://www.47news.jp/CN/201306/CN2013060101001212.html
■ハッカー集団:「アノニマス」日本に攻撃予告 (11/14,毎日)
http://mainichi.jp/select/news/20131115k0000m040050000c.html
■ハッカー集団「アノニマス」が日本に攻撃予告 - トレンドマイクロが注意喚起 (11/14,マイナビニュース)
http://news.mynavi.jp/news/2013/11/14/363/


■アノニマス・ハッカーに禁固10年 秘密保護法施行後の日本を予告|Blogos/田中龍作氏
http://blogos.com/outline/73816/


 他の野生動物の問題にかまけていたこともあり、「ウヨガキ君たちが騒いでいるなあ」という程度でろくにチェックしていなかったのですが、通報をいただいて、「ちょっとマズイなあ」と思った次第。時間もありませんけど。
 ターゲットリストを見ると、官邸はじめ多くの省庁がリストアップされてますが、官邸ターゲットにやるんだったら、ネタはイルカ・クジラじゃなくて特定秘密保護法だよね・・・
 じゃなくて(汗)
 そう・・・・問題は特定秘密保護法。タイミングが悪いよね(--; そして相手が日本だということ。
 特定秘密保護法が強引に国会で通されようとしているこの状況下で、外国人ハッカー集団が反イルカ猟を訴え、省庁サイトをスプラッタな映像(になるかどうかわかんないけど)に書き換えることの意味を、真剣に考え直してほしいということです。

 北朝鮮から米国まで、権力に媚びへつらうことなく、全方位に抑圧に対する抵抗を貫く姿勢には敬服します。日本じゃ特に、白人中心というだけで色眼鏡で見られがちだからね・・
 輪郭の明瞭でない、自由な集団としての危うさはあるでしょう。既存の権力もそこを恐れているのかもしれません。筆者としては、集権国家以上の危うさは感じないけれど。
 ただ、手法については、対象が誰であれ(北朝鮮であれ、中東の専制国家であれ、米CIAのOS先であれ、麻薬マフィアであれ、あるいは日本政府や太地町であれ)、違法な破壊活動に準ずるもので、推奨できることではないでしょう。日本には、北朝鮮のサイト攻撃"だけ"喝采を送る類の人もいるかもしれませんが。それに、米ロ中日を問わず、正規の軍によるサイバー攻撃ならOKというわけでもないけれど。

 もっとも、彼らのアクションの目的、引き出される結果自体は、古典的なNGOのそれと変わるところはありません。それは情報の周知。真実を日の下に明らかにし、市民に発信し、共有してもらうこと。
 残念ながら、日本の捕鯨に関しては得るものが少ないです。「隠された事実の暴露」にならないから。
 SSCSが華々しく活躍し、動物・環境に関心のある層は既に十分注目しています。ある意味で食傷気味の感もあるくらい。
 インパクトのあるメッセージや動画で認知を図るキャンペーンの初期の段階はとっくに過ぎました。そして、遺憾ながら日本では、国・業界・マスコミが一丸となってより巧妙な反反捕鯨キャンペーンが展開され、逆予定調和の平衡状態に至っています。一歩進んだ戦術・戦略が必要なのです。
 太地からイルカの生体を買っている世界各地の水族館をターゲットにするのなら、また話は別かもしれないけれど。
 捕鯨サークルにもどす黒い暗部はありますが、それは霞ヶ関のサーバー上にデジタルのデータの形で存在してはいないです(たぶん・・・・)。拙小説『the next age』では、族議員たちの宴≠熾`写してますが、文書化される類のもんじゃないからね(--;;
 特にODA外交の裏側など、すっぱ抜けるものならそうして欲しいのは山々ですけどね。ウィキリークスでも漏れたのは外交公電のほんの切れ端。それに、日本の官公庁のITレベルは他の先進国より低いけど、霞ヶ関と霞ヶ浦を間違えているようでは、北朝鮮や中東諸国を相手にするのと同じようにはいかないでしょう。


 一方で、これまでのマニュアルの延長の形で、日本政府側には確実に利用されるでしょう。
 単に捕鯨サークルだけでなく、日本政府が産経やNHKなど大本営マスコミを通じて積極的に活用することになるでしょう。特定秘密保護法を国民に受け入れさせる材料として。
 

「それ見たことか、日本は攻撃されている。だから機密は守らなきゃ」

 というわけです。
 下手をすれば、"例の町"のサーバーにセキュリティホールを残しておいて、わざと改竄させる手まで使われかねません。
 そうすれば、陰湿な攻撃を受けた素朴な漁民、デントウブンカの担い手として、純然たる被害者としてスポットライトを当てられることになるでしょう。日本では。
 残念ながら、日本国民の多くは、そうした演出に容易に引っかかってしまう傾向があります。
 海外でどういう反応が起きようと、捕鯨サークルは馬耳東風で気にしやしません。むしろ、文化の対立として解説≠入れ、ルサンチマンの種を植え付けるのに利用するのみです。
 悲しいことに、太地という町は、外圧をかければかけるほど、自尊心を肥大させる体質が染み付いてしまいました。中央の捕鯨サークルや在特会をはじめとする拡張主義者の応援団のおかげで。もちろん、外圧に頼んできた反捕鯨運動自身にも非はありますが。
 太地町に対する攻撃は、硬直姿勢に拍車をかけ、国に対する依存心を増すことにしかなりません。現地での監視活動であればまだ実態を正確に把握する意味もありますが、サイバー攻撃にはデメリットしかないのです。
 それは同町の将来を真剣に憂える現実派の市民にとっても、立場を悪くするだけでマイナスにしか働かないでしょう。


 調査捕鯨に関する公文書は、内外のNGOが情報公開を請求したものの、真っ黒に墨塗りされたものしか提示されませんでした。
 まさに全体主義に一気に突き進もうとする今日の状況を示唆するかのように。


 日本版NSC設置法、特定秘密保護法等の一連の動きは、表向き軍事同盟の相手である米国を慮ったものです。しかし、目先の軍事利権を優先する余り、日本を「いつまでも鎖に繋いでおけるもの」と高を括って、東アジアの緊張をますますエスカレートさせる状況に目を瞑るなら、米国は将来重いツケを背負わされることになるでしょう。
 捕鯨の闇を見れば、そこには今現在尻尾を振って愛想よく振る舞っている相手、戦争に負けた米国に対するルサンチマンが燻っているのがはっきりと見て取れます。

「政府にとって国民に知られたくない情報を明るみに出したのがハモンド被告だった。政権と癒着していたことを暴かれた米国の既存メディアは、この事件をあまり扱っていない。事件は闇に葬られる恐れもある」


 これはジャーナリスト田中氏の記事(上掲リンク4番目)からの引用。魔女狩りを受ける犠牲の皮切りとなるのは、あるいはひょっとしたら、海の野生動物にとっての実利を求め、内外のギャップを埋めようと腐心してきた市民になるかもしれません。少なからぬ国民から「売国奴」の烙印を押される、都合のいいスケープゴートとして。何しろ、鯨肉窃盗事件でも、マスコミをすっかり掌握し、国民の無関心状態をキープした実績があるのですから。御用メディアが国民に植え付けたイメージがあれば、カルト、テロと結び付けるのも容易でしょう。

 アノニマスさん、繰り返しになりますが、対日本、対捕鯨・イルカ猟のアクションにはデリケートな戦術判断が必要です。クジラとイルカも大事ですが、サイバーアクションの標的としてもっとふさわしい環境破壊企業もあるはずです。あるいは、日本を標的にするとしても、メッセージがもっと活きるテーマがあるはずです(推奨はしないけど・・)。
 近々行う予定とのサイバーアタックは、どうか中止してくださるよう、クジラ、イルカたちのためにお願いしますm(_ _)m 彼らにとって何が本当の利益につながるか、もう一度落ち着いて考えてみてください。

参考リンク:
−ウィキリークスによって明らかになった赤松元農相の問題発言(拙HP)
http://www.kkneko.com/wiki.htm

posted by カメクジラネコ at 00:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会科学系
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