2013年09月29日

コントロール・シンドロームに陥った捕鯨ニッポン

◇風立ちぬ感想

 タダ券をもらったので「風立ちぬ」を観にいきました。
 うーん・・・
 宮崎氏には申し訳ないけど、ちょっと泣けんかった。
 自分の作品はどれも何度読んでも泣けるんだけど。。
 原作のプラモデル誌連載漫画、堀越二郎の伝記及び堀辰雄の同名小説についてある程度予備知識があれば、それなりに面白かったのだろうと思います。
 今までにない目新しい演出といえる部分は、「地震」「大人の恋愛」くらいだったかな。彼の場合、既に完成されすぎている部分もあるのでしょうが・・。宮崎駿氏はアニメ演出家としてはまさしく超一流で右に出る者のいない存在だと思うのですが、脚本は別の人間に任せたほうがいいように思うんですよね。制作スタイルとして無理なんでしょうけど。
 一言でまとめれば、伝記+サナトリウム文学をアニメ映画の形で表現したらこうなった、という感じなのでしょうか。
 まあ、そういう映画もあっていいと思うのですが……そういう前振りはなかったよね。
 これまでずっと、ジブリとスポンサーで入っている大手広告代理店等は、興行成績の数字を念頭に置いたプロモーションを展開してきたわけです。作品そのものと切り離して。今回は庵野氏の主役抜擢(人選は宮崎氏だというけど・・)とニンゲン効果音。
 ジブリの大罪の一つとしてしばしば挙げられる、プロの声優さんを起用しない方針については、筆者も以前から強い不満を覚えていたところ。絵コンテや動画を素人にやらせるのも、斬新な演出としてアリ、と言ってるのと同じだよね・・
 アニメ監督、クリエーターとしての庵野氏には、宮崎氏同様尊敬の念を奉っているのですが、声優としての起用はどう考えても大失敗としか思えませんでした。効果音も作品の雰囲気ぶち壊し。コメディやB級ホラーなら馴染んだかもしれませんけど。。

 映画を読んで感じたのは、宮崎氏の最後のわがまま
 筆者の好きな宮崎作品(アニメ作品)は、@ラピュタ、Aトトロ、Bナウシカ。後は、ルパン最終回やパンダコパンダ。数字をたたき出したその後の作品は、いずれもガッカリ感のほうが強いです・・
 ちなみに、原作で好きなのは「シュナの旅」と「もののけ姫」(映画は嫌い)。「ナウシカ」は終盤に入って宗教臭が強まったり、王蟲をバイオ工学の産物にしてしまったのがちょっと残念だった。テトも殺しちゃうし。。
 宮崎氏以外では「猫の恩返し」と「ぽんぽこ」。むしろ演出で宮崎氏に入って欲しかった。。
 これは筆者の勝手な想像にすぎませんが、映画ナウシカやルパン最終話(TV)は、作った本人は「青かった」と思っている節があるように感じました。筆者はそうは思わないんですけどね。むしろ=B
 メッセージ性を薄めてぼかして、わけのわからないものにして、勝手に視聴者に解釈させる(実はかなり素朴な教科書的回答が用意されているんだけど・・)中期以降の作品に対しては、返って幻滅感を覚えました。「もののけ」とか「千」とか「ポニョ」とかの辺り。だから、劇場には行かなかったんですけどね・・。
 今回の「風立ちぬ」は、本人はメッセージ性はないとおっしゃっていましたが、これまでの一連のジブリ作品に比べると、メッセージがはっきりと打ち出されていました。震災、復興、全体主義へ向かう風潮。二郎や本庄、カストルプ、カプローニらの、ほんの2、3の台詞の形で、しっかり示されていましたよ。短くでしたけど、強烈に。強烈すぎるくらいに。
 まあ、ちょっと青かった≠ゥもしれないです。強すぎたし、作品のエンターテイメント性との調和が取れていなかった部分は否めなかったかもしれません。ナウシカやラピュタに比べても。
 でも、爆発的にヒットした過去の一連の作品よりはマシだったかも。
 たぶん、宮崎氏自身自己矛盾だと思い続けておられるんでしょうけど。

 「風立ちぬ」を(大人の)恋愛モノとして見た場合、「純愛王道サナトリウム文学ってのはこういうもんなんだよ」というお約束≠あらかじめ頭に入れてない鑑賞者には、あまりにもシンプルでご都合すぎ、しょんぼりとしか言いようがありません。
 そして、堀越氏の伝記として見るならば、まさに宮崎氏のようなマニアならディティールに惹きつけられるでしょうが、人間ドラマ・伝記としては何よりも肝腎な部分、戦闘機を作った人間の悲劇性からは大きく焦点がはずれていました。設計者として真骨頂となる最も美しい飛行機であるべき零式を、敵のみならず搭乗員の命すらあえて奪う恐ろしい特攻兵器にされた苦悩、無念さが描かれず、思いっきり端折られてしまったのは、非常にもったいなく、やや尻切れトンボの印象にもつながりました。
 泣くだけなら、松任谷のエンディングだけで涙腺はそこそこ刺激されるでしょう。しかし、はたして「戦争に関わった技術者の心の痛み」に涙した人はいたでしょうか?
 その点については、批判の目を気にされた部分も確かにあったのでしょう。誤魔化すことを「要求」された部分も。長編アニメは1人じゃ作れませんからね・・。もちろん、それ以上に、鑑賞者各自が想像を膨らませてくれることに望みを託されたのでしょうが。

 残念ながら、いまの日本は驚くほど《想像力の欠如した社会》になってしまいました。
 想像を働かせるのは、ある意味脳をフル回転させる面倒な作業です。他者の用意したマニュアルに沿った模範回答を取り込み、自分の感想にしてしまう人が、今の時代、この国ではどれほど多いことか・・・
 実際に映画を観た人たちから「よかった」「感動した」という判を押したような感想ばかり聞くと、暗澹たる思いに駆られてしまいます・・
 だからこそ、筆者としては、むしろストレートに、これでもかとばかりに、汚く、醜い、血にまみれた「航空機開発の歴史」の負の側面にスポットライトを当てて欲しかったのです。逆に過剰なくらい描かれていた、「美しい純愛」の部分と釣り合いが取れるくらいには。
 聞こえてくる限り、最後の作品の出来栄えにご本人はある程度満足されているのでしょう。奥さんは不満だったという話だけど・・。
 純粋に作品に対する評価でいえば、筆者は高い点を付けられません。けれど、メッセージを前面に出す「青さ」に面映さを覚え、口では若い時代の作品を低く評価しながらも、実はメッセージ性とエンターテイメント性の狭間で揺れ動き、ずっと苦悩し続けていた宮崎監督らしさは感じました。
 歯の浮くような、あるいは鼻につくような、青いとさえ感じる、高い社会的なメッセージが気にならないほど、ずば抜けたエンターテイメント性を備えた作品でさえあるならば、どんどん発信していいというのが筆者の持論。
 それだけの優れた演出の才を備えた、稀有なクリエーターこそ宮崎氏だったと思うのです。残念ながら、実際には多くのジブリ作品が商業性を優先させられ、薄味の作品ばかりになってしまった感が否めませんが。
 結局最後まで宮崎氏のカラーに頼らざるを得ず、宮崎氏に匹敵する才能と、氏とは異なる強烈な個性をともに備えたクリエーターを発掘し、育てることのできなかったジブリの今後も、筆者としては気になるところ。


 そういえば、噛み付いてるヒトたちもいましたね。
 禁煙学会の批判については、筆者はもっともだと思いました。さすがに重度の結核患者の前で吸うのはいただけない。ほかにいくらでもやりようがあったという意味で、作品の本筋とは無関係な演出だし、これもヘビースモーカーの宮崎氏のわがままなんでしょうけど。
 「正論」の右翼らしいみっともない攻撃のほうは、「熱風」の憲法改正特集への当てつけなのが見え見えだったけどね〜。
 「戦闘機や戦艦を好む一方で戦争反対を主張する矛盾=v? 全ッ然OKですよ。
 筆者はあまりその属性はないのですが、別に嫌いでもありません。メカは描くのが苦手だからあんまり好きになれないだけ。
 殺しをやめて、戦争をやめて、博物館行きにして、たっぷり愛でればいいんですよ。いくらでも。そして、歴史は歴史。過去は過去。繰り返さなきゃいいんですよ。単に。メカフェチ、ミリオタ万々歳!
 いまこれから戦争そのものをやりさえしなければ。戦場に行かなければ。銃弾なり核兵器を積み、発射しなければ。命を奪わなければ。
 もちろん、「繰り返さないための反省」は日本という国が存続する限り決して怠ってはなりませんし、現状では戦争の準備の段階で環境汚染や税金の使い道の問題も厳然として発生しますけど・・
 それらはあくまでヒトの罪。メカの罪じゃありません。
 ニンゲンはもともと矛盾だらけの生き物です。想像を膨らませるのは自由。表現するのは自由。
 右翼のアホどもは何も矛盾を解消できているわけではありません。反反捕鯨論者のイカレた殺しの平等論≠ニそっくり同じで。
 創作、表現の場においては、徹底的に、とことん理想を追求するべきなのです。現実の枷を引きちぎって。
 萎縮を狙う国粋主義者たちがいくら脅しをかけようとも、妥協する必要など一切ありません。

 もちろん、それはアチラサイドのヒトたちについても同じですし、実際その手の作品が増加傾向にあるのを感じますが、人の命より国体を優先するような価値観の持ち主には、本物の感動を与えることなど決して出来はしないのですから、その点は筆者は楽観しています。
 宮崎作品の個性(アク)には筆者は少し肌が合わないところもあるのですが、はっきりと正論を言ってくれた宮崎氏らには、心から尊敬の念を覚えます。
 なぜなら、日本の著名人層・メディア人層の多くは、権威に迎合するか当たり障りのないことしか言わず、本当に必要な社会的発信をしたがらないから。それだけでも、応援したくなるというもの。
 また監督として次作を出してくれとか、そういうことを言う気はないけど。注文としては、やって欲しいのはむしろ、映画以外の表現への挑戦、後身を育てること、かな。
 ジブリについては、ラピュタのリメーク版とかどうかしら? 竜の巣への突入シーンとかゴリアテだけCG使って書き直して。興行的にはむしろペイすると思うんだけどなあ。まあ、宮崎氏は嫌がるだろうけど・・
 そうそう、ジブリさん、「平成狐合戦コンコン」なんてどうでしょうか?
 あと、「三獣使」も映像化すればエンターテイメント性の高い作品にきっと仕上がりますよ。ポケモンのプロダクションでもいいけど。ていうか、誰か作ってくれないかニャ〜。筆者の脳内だけじゃもったいないし・・・


参考リンク:
−風立ちぬ|ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A2%A8%E7%AB%8B%E3%81%A1%E3%81%AC_(%E5%AE%AE%E5%B4%8E%E9%A7%BF%E3%81%AE%E6%BC%AB%E7%94%BB)#cite_note-hochi-42



◇コントロール・シンドロームに陥った捕鯨ニッポン・その1─池上プロパガンダに見られる情報コントロール

■(池上彰の新聞ななめ読み)安倍首相の五輪招致演説 「ブロック」発言の意味は (9/27,朝日)
http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201309260575.html

■汚染水浄化装置、22時間で試運転中断 福島第一原発 (9/28,朝日)
http://www.asahi.com/national/update/0928/TKY201309280038.html
■(耕論)止まらない汚染水 野村修也さん、阿部博之さん (9/27,朝日)
http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201309260581.html
■安倍首相、再び「汚染水ブロック」 海へ流出続くなか 福島第一視察 (9/20,朝日)
http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201309190662.html
■POLITICS/実態なき「ブロック」 汚染水「影響は港湾だけ」安倍首相は明言 福島第一視察 (9/20,朝日)
http://www.asahi.com/business/articles/TKY201309200284.html
■朝日新聞ツイッターで東京落選と誤報 IOC総会、直後に訂正 (9/10,朝日)
http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201309090584.html

このとき朝日新聞のツイッター速報が「東京、落選しました」と報じましたが、(引用)
「フェロー」という聞きなれない肩書をそのまま記事で使っているため、この人がどういう地位にある人なのかわからず、どの程度重みのある発言か評価できないのが残念です。(引用)

 権力を監視し、チェックするのが本来のジャーナリストの役目。
 日本を代表するジャーナリストとしてTVに新聞に引っ張りだこの池上彰氏は、しかし、報道より誘導のプロといったほうがしっくりきます。
 池上氏は民主党政権時代は保守陣営から叩かれていたようですが、要は時の政権に擦り寄る風見鶏ということでしょう・・
 大勢につく迎合型の手法、茶の間に届けるネタに使っていいかどうかムードを読む感性が、この御仁の持ち味なのでしょうけど。
 27日の朝日に掲載されたオピニオンには、まさに氏の誘導のテクニックがいかんなく発揮されていました。
 タイトルが「新聞ななめ読み」となっていますが、安倍政権への批判の足をすくって安倍擁護にそっくり利用する手口は、「ななめ」というレベルではありません。記事をコケにされたに等しい朝日が、なぜこの御仁にこれだけの紙面を与えているのか不思議でなりません。
 しょうがないのでななめ読みのななめ読み≠「きましょうか・・・

 冒頭で落選誤報の件に触れ、真摯な謝罪を装って朝日をチクリと刺していますが(他紙もたたいてますけど)、朝日がツイッター上では数分後に削除、謝罪し、紙面でも記事で謝罪していることには触れていません。ここに池上氏のアンフェアぶりが露呈しています。
 「自分はすぐに謝ったし、ここでも謝ってるんだぞ、エッヘン♪」と胸を張るなら、引用文は「報じ、すぐに削除・謝罪しましたが」とするべきです。朝日の紙面を借りてるのにねえ・・
 意味のないパートですけど、ここで「早合点という恥ずかしい誤報」という言葉を伏線に使っているわけです。覚えておきましょう。
 少し飛ばして、池上氏がかなり行数を割いている「フェロー」について。フェローがどういうポジションか池上氏が知らないはずはありませんが、朝日の解説不足を指摘しながら自身が代わりに解説するわけでもありません。肩書きは東電が付けるもので、勝手にメディアが勝手に変えられるわけでもなし。
 一般読者は、たとえフェローが正確にどういう役職か知らなくても(日本語の役職だってそれは同じことです)、東電の人間がこう言ってるのかと受け止めますし、大事なのは内容。真っ先に地位に目が行き、その地位に基づいて発言の重みを斟酌する、池上彰のようなタイプの人間ばかりではないのですから。平の社員、下請けの作業員だろうと、重みのある発言だと市民は受け止めます。池上氏はきっと、ハッピー氏の指摘に重みなどまったく感じないのでしょうね・・・
 さて、ここからが重要。池上彰の真骨頂(?)誘導のテクニック。究極のミスリード。
以下、朝日の同氏論説からの引用。数字、強調は筆者。

@ あれっ、初めて聞いた話だぞ。
A やっぱり安倍首相の発言には根拠がないというわけです。
B これではまるで泥縄ではありませんか。
C これを「コントロール」や「ブロック」といえるのでしょうか。
D そうか、「汚染水をブロック」ではなく、「汚染水の影響をブロック」だったのですね。早合点した私がいけなかったのか……。

 @からCまでは、安倍IOC発言と汚染水問題をめぐる朝日報道に対する、一般の読者とさして変わらない感想を述べただけ。
 そして記事末にきて突然、朝日記事に「ふむふむ」と頷いていた読者を唖然とさせる、とんでもない誘導が行われます。
 多くの紙面を費やした朝日の汚染水問題の解説を読み、納得した読者の側に寄り添っていたかに見せかけていたのが、補足記事の一部を抜き出した上で、次の結論を提示して安倍擁護に回るわけです。
「いや〜、僕も、読者のみんなも、朝日の記者も、(恥ずかしい)早合点≠オちゃってたけどさぁ、安倍首相は本当はこう言いたかったんだね。目からウロコだね! 早合点した私がいけなかったんだよね!(お前らもだよ)」
 「汚染水」じゃなくて「汚染水の影響=vだからいいんだよ、と。
 これですべての疑問がすっきり解消されたといわんばかりに。
 びっくり!! もう見事なお手並みというほかありません。

 早合点していなかった読者が、池上氏のミスリード解説を読んで早合点≠キるといけませんから、再度文脈を整理してみましょうか。
 「The situation is under control」がスピーチで安倍氏が使用した言葉。その後質疑応答で「影響」とは口にしていますが、海外メディアのリポーターのインタビューに対しては、次のように答えたと報じられているわけです。
I explained about the water contamination in Fukushima and explained that the contaminated water was blocked.
 いちいち「影響」を入れるのが面倒くさかったのか、リポーターの側が聞き取れなかったのか知りませんが、少なくとも「ブロック」という言葉はこういう形で一人歩きしているということです。
 早合点≠オた世界中の人が恥ずかしいと思わなければならないのでしょうか? 安倍発言の真意をタダしく汲み取れなかったことを。
 それとも、早合点されかねない「ブロック」という言葉を安易に用いた安倍氏の首相としての資質を問うべきでしょうか?

 池上氏は、この論説を通じて、「後者じゃないんだ、前者なんだよ!」ということを言っているわけですが。
 「状況」も「影響」も、最もコントロールという言葉が似つかわしくない対象。定義・境界が明瞭でなく、受け取る人によって多義的な解釈が可能な代物。
 そもそも低線量被爆を含む放射能の人体への影響、生態系に及ぼす影響については、まだわからないことが山ほどあるのです。
 わかってないもんをどうやってコントロールするのでしょう!? ましてやブロックなどできるはずもなし。
 現在の科学でわかっている範囲では、直接ニンゲンの健康に「深刻な悪影響」(深刻≠熨椛ホ的な指標ですが)はないと考えられる──そう結論付ける人たちはいるでしょう。だからといって、「影響がない(影響を与えない)」という表現を用いるのは、子供でもわかることですが、日本語として明らかな誤りです。
 ブロックというのは、文字どおり「そこで止める」ということ。現状はだだ漏れしまくりで、どんどん拡散して薄まるから数字が低く見えるというだけ。生物圏に取り込まれた放射性物質が、どのような形で移動するか、まったくといっていいほど解明されていないのに、「影響をブロック」など出来るはずがないのです。
 それをないと言い切ってしまう、あまりにも単純素朴すぎる究極のオプティミズム。
 安倍氏が「コントロールできてると僕は思う! 信じる!」のは勝手。彼はコントロールの定義が世間とかけ離れているだけ。定義が合致しているのは、池上氏や擦り寄っているアホ右翼どもだけ。
 日本という国が、国民に、五輪関係者に、世界に対して、責任を負うことなどできるはずがありません。
 何をもって、どの範囲までをコントロール/ブロックと呼ぶのか。コントロール/ブロック出来ているか出来ていないかを誰が、どのような基準で判定するのか。出来なかった場合、誰が、どのような形で責任を負うのか。負えるのか。
 そうした問題に一切言及することなく、五輪欲しさのあまり、「The situation is under control」と言い、「Contaminated water is entirely blocked」と言てしまう、そんな恐ろしい人物を一国の首相に据えてしまっているのが日本なのです。
 追及するメディアの記事そのものを用いて政権批判を「ブロック」し、世論を「コントロール」しようとする──これほどまでの池上氏の熱意はむしろ、オピニオンリーダーとしての氏の立場を精一杯活用しようとする一つの勢力があるようにさえ思えてきます・・・

 原発・汚染水・リニアから、自然・野生動物・犬猫の命、そして一人ひとりの国民とその個人情報・表現の自由まで「コントロール」したがる、コントロール・シンドロームがいま、この国で蔓延しつつあります。
 こちらもそうした動きのひとつ。食文化御用学者加藤氏が何を言ったのかも気になるところですが。

−公開コロキアム「減る水産物、増える海獣−絶滅危惧の水産生物と持続可能な漁業−
http://www.cosie.ynu.ac.jp/news/94.html
http://d.hatena.ne.jp/hymatsuda/20130920/1379638672


参考リンク:
−安倍首相が五輪招致でついた「ウソ」 “汚染水は港湾内で完全にブロック” なんてありえない (9/8,水島宏明氏)
http://bylines.news.yahoo.co.jp/mizushimahiroaki/20130908-00027937/
-Japan Prime Minister’s Fiction vs. Fact: Fukushima contamination has never done any damage to Tokyo; Radioactive water at plant was “blocked” − Study: Tokyo was contaminated − Experts: Radioactive water is constantly flowing out to sea and almost impossible to stop | ENENEWS
http://enenews.com/japan-pm-fukushima-contamination-has-never-done-any-damage-to-tokyo-radioactive-water-at-plant-was-blocked-study-tokyo-was-contaminated-experts-radioactive-water-is-constantly-flowing-ou
−池上彰の反中プロパガンダ|世に倦む日日
http://critic6.blog63.fc2.com/blog-entry-396.html
−豪米戦略のターゲットは中国or捕鯨ニッポン?(拙ブログ過去記事)
http://kkneko.sblo.jp/article/75815825.html
−コントロール下にあるのは言論とメディア
http://kkneko.sblo.jp/article/75670669.html
−日本/東京が五輪開催国/都市に相応しくあるために
http://kkneko.sblo.jp/article/75365093.html
−ミツバチとクジラ──科学のまやかしと予防原則
http://kkneko.sblo.jp/article/74729858.html
−東京五輪返上しませんか?
http://kkneko.sblo.jp/article/74406344.html
−オマケ・池上彰のキャラ設定
http://kkneko.sblo.jp/article/46531519.html
http://twitter.com/kamekujiraneko/status/319807027423629313

posted by カメクジラネコ at 17:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会科学系
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