2013年09月12日

シリアの化学兵器と捕鯨ニッポンの調査捕鯨

■シリア、化学兵器の国際管理受け入れ 禁止条約加盟を希望 (9/11,AFP)
http://www.afpbb.com/article/politics/2967387/11319252
■化学兵器 国際管理下に シリア、提案受け入れ 安保理協議へ (9/11,東京)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2013091102000119.html
■シリア戦略で迷走するアメリカの政局 (9/3,Newsweek-J)
http://www.newsweekjapan.jp/reizei/2013/09/post-586.php
■シリア政府は本当に化学兵器を使ったのか (〃)
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2013/09/post-3035.php
■「イラク戦争と同じ」=シリア疑惑で欧米批判−ロシア外相 (8/27,時事)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201308/2013082700001
■英仏独国民、シリア軍事介入に「消極的」 世論調査 (9/4,CNN)
http://www.cnn.co.jp/world/35036763.html
■夏の終わり。|シリア日記
http://yoshikogh.exblog.jp/

自分たちは劣化ウラン弾をイラクにばら撒いておいて、よくそんな事が言えるなと思う。化学兵器を使ってるのは米国自身ではないかと。(引用〜リンク7番目)


派生的な問題としては、7日のブエノスアイレスでの「2020年の五輪開催地投票」は、この「待機期間」内に終わることになり、それまでに米軍が行動することはなくなりました。従って、日本がアメリカに同調することで欧州の一部委員たちの不評を買うリスクは軽減されたことになります。
(引用〜リンク3番目)

 予断は許しませんが、大勢の市民が巻き添えを食らいかねない戦争の回避は望ましいこと。化学兵器の使用と市民の虐殺をやめさせることも重要ですが、「目には目を」とばかり懲罰≠本当に≠竄チて命を救えるのかどうか、冷静に考える必要があります。いくらアサド大統領が食わせものの独裁者だとしても。
 それにしても、欧州でも米国内でも市民の反対の声が多数上がり、米国に一番近いオトモダチ英国ですら議会が軍事介入を否決しました。
 どうにも解せないことがあります。なぜ、日本の世論の数字が出てこないのでしょうか?
 いずれにせよ、市民の声がどうあれ、政府はあっさり米国支持を決めたわけですが。
 軍事介入で市民の命が奪われる可能性より、IOC欧州委員の機嫌を損ねることのほうが重要だと、日本人皆が考えているとしたら、あまりにも情けない話ですけど・・・

 米国にとっての果実が化学兵器使用と市民への迫害を止めることであるならば、「軍事介入するぞ」というポーズ≠ナ結果が出さえすれば、実際に行使する必要などないわけです。
 米国・英仏・ロ中・欧州で、容疑者を落とす脅し役となだめ役をうまく演じ分けて、結果が出るのなら、それに越したことはありません。たとえ克服すべき課題が多く残されているとしても。
 日本はあいかわらず、捕鯨・野生動物・環境保護文脈、あるいはIOCの場で結果を出すため、ありったけの熱意と狡知を投入した全力外交とは異なり、ただ単にご主人の複雑な意向さえ解せずに吠えかかる犬(ワンコたちごめんm(_ _)m)の役割を演じただけで、主要なプレイヤーとみなされてなかったわけだけど・・・
 まあ、内外の保守派・積極介入派(ex.捕鯨擁護新聞産経)は、中ロやシリアの思う壺的主張を述べてますけど。。彼らの言うところの「アサドの思惑」は、半分は軍事介入したい人たちの思惑が入ってるように見えますよね・・・
 軍事介入がこのまま回避され、化学兵器が国際的管理のもとで管理・適切に処分され、こどもたちが命を奪われることもなく、大量の難民が帰れるよう同国が民主化へ向かって進んでくれることを願いたいものです。どれだけ忍耐が必要であっても。
 イラクのように、拙速な武力行使により罪のない市民の命まで大量に奪われずにすむように。

 そう、米国はイラクに対しては今回のシリアと対照的に、大量破壊兵器保持疑惑で一気に軍事介入に突っ走ったわけです。いま多くの議員が介入反対を唱えている共和党政権時代に。主要な理由は資源、地政学的なものだったわけですけど。開戦はたったの十年前です。しかも、米国は劣化ウラン弾なんぞ使ったしね・・
 差別だよね? 明々白々な。
 イラクの国民が日本の反反捕鯨ナショナリストたちと同水準なら、「なんで俺たちだけ戦争吹っかけて大勢の命を奪ったんだ!? シリアに対して平等に軍事介入しろ!!」と怒鳴っていることでしょう。
 人権を尊重する人たち、平和を願う人たちに、「差別だから同じように戦争しろ!」というヒトがいますか? NOでしょ。
 ビョウドウの原理・原則≠ノ拘り、平和への道のりが一歩も進まない状況に満足感を覚えるヒトたちは、一人もいないはずです。
 現実的な、合理的な、前向きな選択とは、そういうものです。
 アフリカの悲惨な内戦でも、夥しい人命を奪った独裁者を、フセインやビンラディンと同じように、殺して裁く解決が常に選ばれたわけではありません。
 たとえ不公平、不公正であっても。大事なのは常にベクトル∞実効性≠ネのですから。


 人権・平和を尊重する人たちは、平等≠すべてに優先するあまり、「完全な平和が達成するまで等しい戦争状態を維持せよ!」とか、「あらゆる兵器がゼロになるまで核兵器や化学兵器を削減するような差別≠ヘ認められない!」なんてことを言い出したりなどしないわけです。
 それを平然とやっちまってるのが、日本の反反捕鯨論者たちなのです。まさに異常な心理。
 米国もオーストラリアも、昔は商業捕鯨をやっていました。だから?
 「ほんの少し前にイラクに軍事介入したんだからシリアを攻撃しないのはおかしい!!
 「米国だって化学兵器を大量に使って実際使ったし、いまだって核兵器持ってるし、劣化ウラン弾まで使用したんだからシリアにも化学兵器を認めないのはおかしい!!
 あなたはそんなことを言いますか??
 「欧米だってやってたんだから日本に南極海商業捕鯨/調査捕鯨を認めろ!!との主張は、まったく同じ論理です。
 正しい答えは、過ちを繰り返さないことです。違いますか?
 要するに、人権を尊重し平和を愛する市民が「ビョウドウに殺せ!」などと決して言わないのと同じく、本当に動物の命・福祉や環境・種の多様性保護を考えている人は、決してそんなことを言うはずがないのですよ。「ヒト以外の動物はビョウドウに殺せ!」「南極の自然をサンクチュアリにするな!ビョウドウに壊せ!」と主張している人たちは、つまるところ動物の命も自然も大切だなんてこれっぽっちも思っちゃいないのです。
 (いまのところですが)化学兵器禁止条約批准の意を表明したシリアは、ボン条約批准を拒み続ける硬直した捕鯨ニッポンより、外交姿勢に関する限りまだマシとさえいえるんじゃありませんか?

posted by カメクジラネコ at 02:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会科学系
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