2013年09月10日

捕鯨問題進展のカギは日本/イルカの話題2本

◇捕鯨問題進展のカギはAUSではなく日本

■捕鯨問題進展も? 豪州のアボット新首相は親日姿勢 (9/9,NEWSPHERE)
http://newsphere.jp/world-report/20130909-5/

 わかってないで記事書く方が多すぎますね。サイトの運営会社はWebサービス関連企業のようですが、本業のジャーナリストに頼んでいるのでしょうか? まあ、プロのマスコミ・ジャーナリストの捕鯨関連記事も日本は特にボロボロだけど・・・
 オーストラリア(AUS)も米国同様、保守連合(自由党・国民党)でもリベラル連合(労働党・緑の党)でも親日度に特段の差はありませんし、捕鯨政策も然り。
 違いはあくまで戦術です。そこは内向きの動機が絡んでくるわけですけど・・・
 日本との関係強化は経済・防衛面の話。南半球のクジラで譲歩するはずがありません。
 今回の政権交代では、TPPでの対日攻勢が強まったり、アベノミクスの悪いとこを見習ったり、気候変動対策等環境政策が軒並み後退したり、先住民が不利益を被る懸念はありますけど・・。AUS国民の皆さんの選択ですから、外から言っても詮無いことですが、炭素税導入等は急ぎすぎたのかもしれませんね。商業捕鯨モラトリアムじゃないけれど。
 確かに、'09年の日本の政権交代時には、捕鯨問題での進展がちょびっと期待されました。残念ながら、期待はずれでしたけどね・・・
 捕鯨問題が進展するためには、最もラディカルなAUSの軟化は必要ですが、ICJその他の場でも、沿岸ないし北西太平洋の捕鯨に関しては、既に軟化の姿勢は示されているのです。
 北朝鮮やシリアの如く、対外的な強硬姿勢に微塵の変化もない日本側が変わらない限り、進展は決して望めません。



◇興味深いイルカの話題・その1

■イルカ×クジラ、交雑種?の撮影に成功 東京都・御蔵島 (9/10,朝日)
http://www.asahi.com/tech_science/update/0910/OSK201309100006.html?ref=com_top_photo
■クジラとイルカの子がイルカの子を産んだ(なんのこっちゃ)
http://kisosuu.cocolog-nifty.com/zakki/2005/04/post_0750.html

 イルカ殺し列島%本の中でイルカたちのサンクチュアリに位置づけられる御蔵島。水中写真家の鈴木氏は「ソロモン流」に登場した方ですね。
 朝日記事には鴨シーの勝俣副館長と鯨研・西脇参事のコメントがあります(アナログ版だと西脇氏のコメントは削られちゃってるけど・・)。別に西脇氏が鯨研だからというわけではないのだけど、ここは勝俣氏に軍配かなあ。
 イルカも幼齢個体ほどネオテニーで口吻が短いのですが、この子は成熟したカズハゴンドウより尖って見えます。カズハの子なら親よりさらに丸みを帯びてるはず。
 オキゴンやハナゴンとハンドウのハイブリッドは、飼育個体で報告されています。オキゴン×ハンドウは継代繁殖が可能なほど近縁種ということですね。(リンク2番目)
 まあね・・・せっっまいプールの中に一緒に閉じ込められてるから、そういう不自然な過ち≠煖Nこっちゃったんだよね・・・・
 ただ、交雑は種(正確には遺伝子)にとって決して好ましくないわけです。基本的には。場合によっては、隔離の程度の低い異なる亜種間同士の再統合など、進化・種分化を引き起こす要素にもなるんでしょうけど。大体、ホッキョクグマとヒグマ、リクイグアナとウミイグアナ、アカウミガメとタイマイのケースなど、いま飼育下でない野生下で交雑が見られるケースは、大体が個体数の減少と環境異変(結局犯人はニンゲン)が原因と考えられます。人為的要因が絡まない自然交雑の例としては、一部のヒヒが挙げられるようです。
 種・個体群の分布を決めるのは基本的に地理的境界であり、海中では潮の流れや水温・水深などの要素が大きいわけですが、移動自体が阻まれがちな陸上に比べ、海を長距離回遊する鯨類などの動物の場合、社会行動・社会生態の差異から来る障壁≠熨蛯ォいかもしれません。以前関連する学説を紹介しましたが、それがハクジラ類において80種以上に及ぶ種分化が見られる理由のひとつとも考えられます。
 この子がカズハなりゴンドウのどれかの種とのハイブリッドだとすれば、野生動物としてはかなり稀少なケース、貴重な観察事例といえるでしょう。
 シチュエーションはやっぱり気になりますけどね。。母親の雌は普通にミナミハンドウの群れの中で暮らしていますし、雄の個体もいるはずです。フラッとやってきたゴンドウの雄に一目惚れしちゃったんでしょうか・・。母親の個体にしても、群れにしても、どうやって受け入れたのか、その辺が不思議。。
 西脇氏のよその子$烽煖サ味深い仮説ではあります。ザトウとシャチのNHK特集ではないけれど、完全に非互恵型の利他行動の一例といえるからです。
 西脇氏には映像で大雑把な感想しかいえない種の同定より、年齢査定のほうをお願いしたかったところ。その辺は飼育関係者のほうが詳しいでしょうが。ただ、カズハゴンドウは一時的な保護だけで長期飼育の事例はない模様。
 ミナミハンドウは成体の体長が2.5m、生まれたての仔イルカでは1mくらい。授乳期間は1年から1年半。親と比べてみると、この子はまだ離乳してないくらいなのではないでしょうか? 行動を見ても親子≠ツきっきりですし。
 それにしても・・知りたいのはやっぱり父親だよね(^^; 野暮かもしれないけど。。
 まずは無事に生き延びてほしいですが、もう少し大きくなったら、遺伝子サンプルを採取して調べてほしいもの。もちろん、非致死調査で!

参考リンク:
−シャチとザトウクジラの深すぎる愛 (拙ブログ過去記事)
http://kkneko.sblo.jp/article/60552101.html


 

◇興味深いイルカの話題・その2

■イルカの夢精、初めて撮影に成功 「夢とは無関係」 (9/3,朝日)
http://www.asahi.com/tech_science/update/0903/OSK201309030130.html?ref=reca
■イルカも夢精、撮影に成功 京都大、世界初 (9/3,産経)
http://sankei.jp.msn.com/science/news/130903/scn13090320560001-n1.htm
■「大切なことなんです!」野生イルカの“夢精”を撮影 京大研究グループ (9/3,産経関西版)
http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/130903/wlf13090319440017-n1.htm

 朝日の方は記事詳細を読めてませんが、どちらもタイトルが変。
 朝日「夢とは無関係」これは森氏のコメント? 科学的には無関係かどうかはわかりません。主観的にはほぼ間違いなく関係していると思いますけど。
 朝日のキャプション「交尾のときにしか露出しない」とありますが、これも間違い。触覚器官として使うケースもあります。フリークはご存知のとおり。
 産経タイトル、「大切なこと」ではまったくありません。ヒト以外でも。夢と同じで、「機能・必要性がよくわかっていない」という言い方もできるでしょうけど・・
 クジラ・イルカは、浮上呼吸の必要性から脳を半球ずつ休ませるといわれています。睡眠の仕方・質が多くの動物種と異なります。夢のほうも、ニンゲンやネコのように長時間ぐっすり眠ってときどきα波が出るレム睡眠の状態に入り、その間に夢を見てる(ときには夢精という生理現象にもつながることもある)パターンとはだいぶ違っていそう。このイルカの場合、いったん目覚めたようなので、正確には夢精といえない気もしますが。でも、ボノボのような社会的性行動もなかったということですから、きっとそういう夢≠見たに違いないでしょうね・・・
 いずれにしろ、森氏も「突発的な射精は観察が難しいが、多くの動物で起こっている可能性があり、人間の夢精の仕組みにも関係すると考えられる」(引用、リンク3番目)と指摘されているとおり、動物のありふれた生理現象です。
 実は、筆者はうちの子のこの生理現象を目の当たりにした機会があり(事後処理もしました・・)、別所の犬猫エッセイで詳細にまとめています・・

参考リンク:
−ちょっと恥ずかしい話(ワンニャンブログ)
http://www.wannyan.sakuraweb.com/wannyan/blog.htm#9

posted by カメクジラネコ at 20:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 自然科学系
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