2013年05月14日

求ム「クジラの味方」!

 例年ならそろそろクジラの季節≠ノ向けた準備に入る頃・・ですが、今年はIWC年次総会はなし。捕鯨関連のニュースを検索エンジンでチェックしても、拾われるは全然関係のないゲーム誌の記事のみ。。
 そういうわけなので、調査捕鯨の問題点については、こちらで(↓)勉強してくださいね。来年に向けて・・

■調査捕鯨の科学性を解体する
http://togetter.com/li/486896
■マスコミが伝えようとしない調査捕鯨の負の側面
http://www.asyura2.com/10/senkyo77/msg/177.html
■マスコミが伝えきれない調査捕鯨の復興予算流用問題
http://www.janjanblog.com/archives/84065

 


◇求ム「クジラの味方」!


 以前、このようなチャートと解説を用意しました。


■捕鯨をめぐる勢力図/賛成派と反対派の属性
http://kkneko.sblo.jp/article/22515238.html
■いのちを大切にする捕鯨賛成派???
http://kkneko.sblo.jp/article/29480333.html


 最近では、調査捕鯨反対を掲げる市民デモを行ったり、太地までリサーチに行ってくれる行動派の若い方たちが出てきてくれ、筆者としてはとても頼もしい思いです。以前から、日本国内でブログ等を通じ、調査捕鯨に対する批判的な見解を表明してくれる市民の皆さんは大勢いらっしゃいました。
 ただ、そうした批判層にはいくぶん偏りが見られます。
 上掲のチャートで示しましたが、捕鯨批判派の属性は主にリベラル系・環境保護系・動物愛護系・フリーク系に大別されます。多くの方は、4Dの座標空間のどこかに位置づけられるわけです。属性の詳細については、過去記事をご参照。
 このうちリベラルはどちらかというと副次的要素で(主の方もいますし、もっといてもいいと思うのですが・・)、主な柱は環境と動物の二本ということになります。フリーク系はちょっと特殊で、どうしてもクジラ・イルカ特化型になりがちなため、ここでは省きます。もちろん、運動にエネルギーを注ぎこむうえで対象を「好き」なことも欠かせませんから、他の要素も持ち合わせている限りOKなのですが・・
 そう、問題は、環境派か動物派に関心層が二分されちゃうことなのです。
 サッカーでいえば、MFのポジションを務められるプレイヤーがいないんだよね(--;

 捕鯨問題は、環境問題・動物問題の中でも特殊な位置づけにあります。
 環境・動物・リベラルという三要素のどれもが欠かせないからです。
 野生動物保護・生態系保護にしても、動物愛護にしても、右左が問われたり、政治が前面に出ることはあまりありません。実際には裏で政治が大きく関わっている面もしばしばありますが、支持を広げるためにも、NGOはノンポリ路線を取るしかないわけです。
 犬猫の保護活動等を行っている方々の中には、最近の外交懸案をめぐって保守派の典型と同様の主張をされる方も少なくありません。WWFJの総裁はどっかの誰かさんだったりしますし・・
 まあ、一応それでいいわけです。対象の動物や自然のことさえ考えていれば。
 ところが、クジラではまったく事情が変わってきます。
 海外の人たちが「対象の動物のことだけ考えて」日本に強い外圧をかける形の運動を展開したおかげで、それを逆手に取って対抗する巧妙なプロパガンダを打たれてしまいました。
 捕鯨問題をめぐる経緯・背景の説明だけでも、政治を語ることが抜きにできないのです。
 政治に関しては、税金・ODAの使途、政官業の癒着という視点もさることながら、拡張主義・復古主義的要素、資源ナショナリズム的要素、ルサンチマン的嫌米要素を多分に含むため、リベラル層への注意喚起という側面も必然的に帯びることに。その一部は、捕鯨業界と不可分の体質というより、「保守層へのPRが有効」という判断で持ち込まれたものではありますけど・・
 プロパガンダの中では、環境問題・動物問題における相対化・逆差別化という戦術も取られてしまいました。中身はツッコミの余地が山ほどあるのですが、環境・動物への理解の浅い人たちの耳にとってもわかりやすい=A業界に都合のいい主張を彼らは並べ立てたわけです。
 つまり、彼らの反反捕鯨プロパガンダに対抗するためにも、クジラだけに特化した関心と知識を持つだけでは駄目で、三分野に跨る事情通であることが求められるわけです。
 「○○の問題はどうなんだ?」といった指摘に、ある程度切り返せるように。内外の陸棲野生動物の現状、南極生態系・海洋生態系の諸問題(クジラ以外)、地球温暖化や原発、生体販売・畜産・動物実験・動物園等動物愛護関係のトピック。それらの概要から最近の動向まで。
 面倒な荷を背負い込まされるのも、すべて日本捕鯨協会と国際PRのおかげ、ということですが・・・・

 ここでもう一点、重要な要素があります。これも相対化・政治問題化と絡んでくるのですが。
 バランス感覚です。
 捕鯨業界は世論操作のためにマスコミを思いっきり活用しました。また、業界内に大きな格差と軋轢があるにも関わらず、霞ヶ関−業界団体のコネクションを利用することで、水産業界全体を見事に味方につけてしまいました。
 しかし、漁業者・水産関係者は、本来クジラ側の応援団に入ってもらうべき対象です。不可欠のメンバーとして。いままさに危機的状況を迎えている水産業界そのものが、捕鯨という一セクションの所為でものすごく割を食ってきたのは厳然たる事実だからです。
 漁業者を相手に問題を認識してもらうにあたって、クジラ特化・急進的な動物愛護(環境保護も)の姿勢を示すことは、返って障害になりかねません。
 沿岸捕鯨に関しては、稀少なミンククジラ個体群への影響、混獲、過去の違反操業、IWCで要求している伝統捕鯨としての容認要請と実態との乖離など、手放しではとても受け入れられない多くの問題があることも事実です。
 しかし、水産関係者、そして国民とそのパイプとなる国内メディアに対して、「沿岸捕鯨NO」と言い切ってしまえば、理解を得る余地が十分ある多くの人たちにさえそっぽを向かれ、クジラにとっての自殺点となるでしょう。
 外圧によって拙速にモラトリアムを強行したために、調査捕鯨の形で公海母船式捕鯨の長期延命を許した愚を、捕鯨批判派は自ら強く戒めなければなりません。
 「動物問題・環境問題の中での捕鯨問題」を訴える中で、条件付の沿岸捕鯨を許容するとすれば、ある程度整合性を保つ必要も出てきます。
 漁業者を味方につけるには、良い漁業、悪い漁業をきちんと整理したうえで、提示できなければなりません。ここでいう良い悪いは、もちろん環境・動物福祉の観点からということですが。同じように、狩猟と畜産についても、相対的な視点を持てることが大事です。
 一次産業仲間と認識されている狩猟・畜産すべてに対してNOと言ってしまえば、漁業者はやはりひいてしまいます。本当はコンペだとしても・・

 特に動物愛護に関しては、中心になって活動している人たちが、外目からは「急進的」に映りかねないスタンスを取っていることも、否定できません。
 純ヴィーガンベジである私の立場でさえ相当に急進的です。しかも、ARに偏っています。。
 バランスを保つには、ある程度自分の本音を抑制できなければなりません。犬猫等では決して珍しくない反応ですが、たとえ「一頭たりとも傷つけてほしくない、殺してほしくない」と内心思っていたとしても、その感情は押し殺す必要も出てきます。かといって、動物福祉オンリーでもいけません。
 もちろん、急進的な人たちがいくらいたっていいのですよ。しかし、急進的な主張は、クジラに関しては明らかにマイナスです。そうした方々には、他の分野で前に一歩進めるために注力していただきたいのです。結果が出れば、クジラにとって必ず後押しになりますから。
 ただし、どの分野であれ「言いたいことを言う"だけ"」では、価値観の異なる層、無関心層にはメッセージが届きません。戦術・戦略はどの動物・自然が対象であれ、絶対に必要になります。クジラでしっかり勉強した人は、きっとどのジャンルでも通用する逸材になると思うんですけどね・・
 動物フリークの皆さんに改めてお願いしたいのは、「クジラをのけ者にしない」ことです。
 特に、日本の市民運動の中では層の厚みだけは十分ある「犬猫問題」の関心層の皆さんは。行政殺処分の問題は、捕鯨の人道的捕殺問題とストレートに関係することです。ぜひ関心を持ち、応援≠してください。それに次ぐ、動物実験関心層、ベジタリアン層も。捕鯨をめぐる議論は、推進派の取った戦略の故に、すべての動物に対して必ず跳ね返ってきます。だからこそ、無関心でいることは許されないのです。

 もうひとつ厄介なのは、日本の環境派の動物問題に対する認識(関心と知識)の低さ。内野のプレイヤーも含めて、低"すぎる"人が多すぎます。
 動物と環境は、捕鯨問題の両輪です。動物派からは「純動物問題(環境問題ではない)」、環境派からは「純環境問題(動物問題ではない)」との声も聞かれます。これはどちらも間違いです。相互の認識不足に基づく。戦術的に「正しい」と考えている向きもあるようですが、やはりそれは過ちです。
 もちろん、主に外野の外縁にいる動物派も、環境問題に対する認識がもうちょっと欲しいところ。とはいえ、意識の高い人はそれなりにいるので、環境派の動物愛護意識よりマシかもしれませんけど・・

 日本では全体として少数派といえる捕鯨批判派で、環境派と動物派の間に大きな溝があることは結構深刻です。別に対立しているというわけではなく、共闘ができないレベルでもないけれど、言ってることがバラバラになるので、ある意味向こうの思う壺に。これをせめて補完的協力関係に格上げしなくてはなりません。
 動物派と環境派の仲立ちをし、動物派には環境問題全般の、環境派には動物問題全般の意識を高めさせ、双方の底上げができる、そういう強力なクジラの味方となれる人材が必要です。バランス感覚のあるミッドフィルダーが。
 優秀な若手を発掘して育成する作業を、古株の市民運動関係者は怠ってきました。一番責任が大きいのは海外の反捕鯨派ですが。
 他の動物の保護を訴えるよりも格段に厄介で、負担が大きいかもしれません。クジラ好きであるだけでは足りません。「すべての動物の味方」「すべての自然の味方」でないと、本当にクジラのために力になることができないのです。しかし、逆にいうなら「クジラの味方」は「すべての動物の味方」「すべての自然の味方」になれる人です。
 他にも、支援能力、戦闘力と耐久力、ネットワーク力など、市民運動を手がける際に必要な素養は、他分野以上に必要になってきますが。
 高いハードルにあえて挑戦したいという志のある若い方、どなたかいらっしゃいませんか?
 多少のバックアップはいたします。
 我こそはという方は、ホームページのメールフォームまでm(_ _)m



 求ム「クジラの味方」!──ということで、最近のマルチブラウザ対応になってない黴の生えたホームページの大改修に入る次第。日新丸じゃないけれど。。。
 若い世代に訴求力を持てるようにしないとニャ!


 小説「クジラたちの海──the next age」も執筆中。現在第V部リュウキュウ・ジュゴン編まで。感想よろしくニャ〜

posted by カメクジラネコ at 13:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会科学系
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