2013年04月09日

調査捕鯨船団帰港報道について/吉高の桜

◇調査捕鯨船団帰港報道について

■南極海の調査捕鯨が終了 捕獲頭数は過去最低に (4/5,産経)
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/130405/mca1304051824033-n1.htm
■調査捕鯨終了、捕獲頭数は計画を大幅に下回る (4/5,読売)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130405-OYT1T00544.htm?from=ylist
■捕鯨数、過去最低=SS妨害で南極海調査−水産庁 (4/5,時事)
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2013040500546
■調査終えた捕鯨船、下関に入港 妨害で捕獲数は過去最低 (4/7,朝日)
http://www.asahi.com/national/update/0407/SEB201304070009.html
■調査捕鯨終え下関に帰港 母船に傷、へこみ残る (4/7,共同)
http://www.47news.jp/CN/201304/CN2013040701001499.html
■調査捕鯨船団が下関入港 (4/7,NHK)
http://www3.nhk.or.jp/lnews/yamaguchi/4063699331.html (リンク切れ)
■「調査は妨害で崖っぷち」 捕鯨船団下関入港、捕獲数は最少 (4/8,共同)
http://www.47news.jp/news/2013/04/post_20130408162911.html
■調査捕鯨船団お帰り 下関で入港式、鯨肉陸揚げ (4/8,山口新聞)
http://www.minato-yamaguchi.co.jp/yama/news/digest/2013/0408/3p.html
■捕鯨数 妨害で最少に 103頭  調査船下関に帰港 (4/8,読売)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamaguchi/news/20130408-OYT8T00067.htm
■調査捕鯨終え帰港 下関、母船に傷やへこみ (4/8,日経)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK0701F_X00C13A4000000/


 7日に日新丸を始めとする調査捕鯨船団が下関に帰港しました。少しウロウロしてたのは、怪しい人物が桟橋とかをウロウロしてないか警戒してたのでしょうか・・
 マスコミ報道をざっとチェックしたうえで、問題点を6つ指摘しておきたいと思います。

※ 筆者の見落としていた重要な要点(E)について、flagburnerさんにご教示いただきました。Bも追記。

@減産はそんなに大ごと?


 各記事の見出しや、記事の中身でも「目標の900頭の約1割だった」(朝日)「計画していた850頭程度を大幅に下回った」(時事)といった具合で、減産の程度をかなり大げさに報じているところが目立ちます。
 しかし、これらの目標や計画の数字にはもはや何の意味もありません。KKP(クジラ改善プロジェクト)では目標生産量2400t、大幅減産を折込済なのです。今年は減らしてナンボ。
 KKP、儲かる漁業補助金を得たことについては、昨年12月に日経、今年に入って2月に東京新聞が取り上げただけ。捕獲頭数の数字の伝え方をみても、多くのマスコミ関係者は理解できていなかったようです。


A減産はぜーんぶSSCS(シーシェパード)のせいだった?


 さらに、この減産については、大本営に沿ってSSCSの妨害の責任にしていることが大半。この点は、「調査船の燃費を上げる改造に時間がかかり、例年よりも出港が1カ月程度遅れたことも影響した」(引用)と記述した、鯨研のオトモダチ新聞産経の記事が比較的マシでした・・。
 とはいえ、昨年の出港時にも改修の影響については指摘されていたのです。そして、林農相らは「影響はない」と回答していました。少なくとも報道機関は、なぜ事前の読み違えがあったのかと、追及して然るべきはず。
 

B本当は休むはずだったのに・・


 Aに関係しますが、水産庁は当初今季の出漁を取りやめ、老朽化した母船日新丸を大改修する予定でした。ところが、それを聞いた族議員たちが「中止だなんてけしからん!」と大激怒。大慌てでスケジュールを無視した小幅改修で済ませ、船団を南極海に送り出すことに急遽決めたのです。
 筆者が当初心配したような突貫工事による事故が起こらなかっただけ、まだ幸いでした。しかし、短い漁期でもやる羽目になったのは自民党の族議員たちの責任に他なりません。
 もう一点、おそらく今後、日新丸はドライドックに上げ、予定がずれ込んだ大改修を行うつもりなのでしょう。儲かる漁業の補助金をそのために付けたのですから・・。つまり、例年夏季に行う裏作≠フ北西太平洋調査捕鯨(JARPNU)の方は、休漁になると思われます。族議員たちは改修のための中止によって、反捕鯨国・NGOから批判されるのを恐れたようですが、どちらをやめても同じことです。
 休めるような調査であれば、無理に続ける必要もありません。

−調査捕鯨の正体は「儲かってないけど儲けたい商業捕鯨」だった(続)
http://kkneko.sblo.jp/article/59017147.html

C復興予算流用問題はどこへ?


 昨年、あれだけ捕鯨への復興予算の流用が槍玉に上ったにも関わらず、そのことについて触れたメディアは一件もありませんでした。
 また、今回帰港先として、内外に正当性をPRしやすいはずの被災地石巻港等東北が検討されることなく、すんなり下関市に決まった背景についても追及がありません。大体昨年は、中尾下関市長の要請に対して一度検討の姿勢を示しながら、配送の問題などを挙げて断っていたはずなのです。昨年見送った理由である課題は、今年になって克服されたという意味でしょうか??
 帰港先が、内外の理解も得やすい被災地石巻港等東北ではなく、東北への思いやりなどそっちのけで母港化による経済波及効果20億を謳い、農相林氏のまさにお膝元である下関市への入港が決まったことに対し、政治的な背景を分析する姿勢がマスコミにはまったくありませんでした。
 一応、昨年NGO等から批判されたことを受けてか、キャッチャーの1隻・第三勇新丸は塩釜に入ったようですが、復興予算問題に触れずにいかなくなるのを恐れてか、報道された様子がありませんね・・  

−東北の被災地を足蹴にして復興予算をせしめた厚顔無恥な捕鯨サークル (拙過去記事)
http://kkneko.sblo.jp/article/59017147.html


DSSCSによる被害をやたら強調


 日経や共同の記事、見出しなどでは、SSCS船舶との衝突による被害を受けたことが強調され、写真が紹介されています。しかし、’09年に転落事故が起きた際には、帰港時に詳細な扱いをしたメディアはありませんでした。
 ついでにいえば、入港式での式典の様子や農相他関係者のコメントなどを見ると、まるで戦地に赴いて傷つき、還ってきた兵士を労うかのようで、彼らの口にする「危険」とは別の意味で、筆者は危険≠ネ印象を受けました・・・

−ヒトの命に関わるリスクまで背負った飽食の国の鯨肉という食品 (拙過去記事)
http://kkneko.sblo.jp/article/25212992.html
−異常に高い調査捕鯨事業における死亡事故リスク
http://kkneko.sblo.jp/article/30992331.html
http://kkneko.sblo.jp/article/34484278.html


E補給船は韓国船籍のサン・ローレル号だよ!

 忘れてはいけないのがこの船の存在。鯨研は写真のキャプションを削除、NHKのニュースは「別の船」といって誤魔化そうとしましたが・・。
 SSCSの妨害をことさらに強調するのであれば、いちばん被害を被った補給船に関する詳細な情報もマスコミは国民に伝えるべきだったはずです。
 詳細はflagburnerさんの記事をご参照。

−Operation Zero Tolerance: Epilogue|flagburner's blog(仮)
http://blog.goo.ne.jp/flagburner/e/4fe9b8c07e1e9c2d1bf3cfe0f0074dcb
−南極海>>尖閣領海!? 日本の調査捕鯨強硬政策は狂っている
http://kkneko.sblo.jp/article/62765769.html

 その他気づいた点。
 8日には各紙が入港式の模様を主に山口県版で伝え、船長や地元選出の林芳正農相の言葉も伝えています。林氏は族議員の中でも最も通≠ネ方だけあってか、言い回しに慎重な部分も見られました。「認められた我が国の権利」(調査捕鯨が国際社会に認められているのではなく、権利として勝手にやっている)、「海賊にも類する行為」(海賊行為ではない)等。
 産経報道ではナガス捕獲がゼロだったとも。これは救いといえますが、「このままじゃ、南極産"極上ナガスの尾の身"が食べられなくなっちゃう!!」と永田町のグルメ議員たちに発破をかけるつもりかも・・・



◇吉高の大桜

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 今年も会いにいってきました。
 昨日、一昨日の大風のせいで葉桜・・というより葉っぱだけ(--;
 でもまあ、葉っぱだけでも紅葉のように美しいのがこの桜。
 今日も風が強く、手振れ補正も効かず(--;
 松虫寺のしだれ桜も例年はかなり見事なのですが、今年は見る影もなく・・。八重は間に合いましたが。
 今日は快晴で筑波山もくっきり拝めました。

 過去記事は下掲リンクをご参照。
 昨年も実は行ったのですが、今年よりマシながら、嵐の後で花がだいぶ散っていたので記事にせず。。


(2011)
http://kkneko.sblo.jp/article/44389907.html
(2010)
http://kkneko.sblo.jp/article/37285308.html
(2009)
http://kkneko.sblo.jp/article/28833920.html
(2008)
http://kkneko.sblo.jp/article/14961110.html


 311以降は、この桜に会うのも今年で最後になるだろうと思い続けて3年目。
 今年も気持ちはまったく変わりません。むしろ本当に見納め感が強まった感じ。
 地震・津波は自然災害で避けようがありません。しかし、原発事故と戦争は避けることができるはずです。
 そのためにやるべきことは、一つしかありません。
 原発をなくし、基地をなくすこと。
 それ以外に、ニンゲンが叡智ある万物の霊長であることを示す道はありません。

posted by カメクジラネコ at 00:07| Comment(0) | TrackBack(1) | 社会科学系
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Operation Zero Tolerance: Epilogue
Excerpt: ちうわけで、昨日になって南極海から「調査捕鯨」団が日本に戻ってきた。
Weblog: flagburner\'s blog(仮)
Tracked: 2013-04-09 20:58