2010年06月26日

IWCアガディール総会はほぼ捕鯨ニッポンの完勝/ラッドのアホ

◇IWCアガディール総会はほぼ捕鯨ニッポンの完勝〜今後10年(11年)の宿題は反捕鯨サイドに

<国際捕鯨委員会・公式HP>
http://www.iwcoffice.org/index.htm (リンク切れ)
http://iwc.int/

<市民サイド>
■現地から更新「オーシャン・ブログ」・他 (グリーンピース・ジャパン/GPJ)
http://www.greenpeace.or.jp/campaign/oceans/blog
http://www.greenpeace.or.jp/campaign/oceans/iwc/
http://twitter.com/gpjSato
■日本沿岸の希少種ミンククジラその混獲の実態 (イルカ・クジラアクションネットワーク/IKAN)
http://homepage1.nifty.com/IKAN/hogo/hogei/100617.html
■南極海ミンククジラ捕獲枠 (aplzsia氏・Yahoo!掲示板 - 環境と自然 - さあ!諸君!捕鯨問題だ!)
http://messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=GN&action=m&board=1834578&tid=a45a4a2a1aabdt7afa1aaja7dfldbja4c0a1aa&sid=1834578&mid=45183

<大本営発表>
■「国際捕鯨委員会(IWC)第62回年次会合」の開催について (6/19,農水省)
http://www.jfa.maff.go.jp/j/press/enyou/100618.html
■山田農林水産大臣記者会見概要 (6/22,〃)
http://www.maff.go.jp/j/press-conf/min/100622.html
■インターネットライブ中継 (鯨ポータルサイト)
http://www.e-kujira.or.jp/iwc/iwcmeeting.html (リンク切れ)
■IWCアガディール レポート・ブログ (〃)
http://blog.e-kujira.or.jp/iwc2010jp/

<マスコミ報道>
■IWC決裂 商業捕鯨再開先送り (6/23,Yahoo!トピックス バックナンバー)
http://backnumber.dailynews.yahoo.co.jp/?m=2716578&e=whales_and_whaling
■捕鯨議論仕切り直し=IWC総会が閉幕へ (6/25,時事)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100625-00000092-jij-int
■IWC総会決裂、商業捕鯨再開見送り (6/24,AFPBB News)
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2737415/5909328
■IWC:「南極海ゼロ」で攻防…商業捕鯨再開見送り (6/24,毎日)
http://mainichi.jp/select/wadai/news/m20100624k0000m030094000c.html (リンク切れ)
■IWC総会決裂 商業捕鯨再開案白紙に (6/23,産経)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100623-00000617-san-int (リンク切れ)
■IWCの結論先送りに (6/24,WBS和歌山放送)
http://www.wbs.co.jp/news.html?p=15038 (リンク切れ)
■捕鯨合意断念、政務官に無念さ 「努力も妥協もしたが…」 (6/24,共同)
http://www.47news.jp/CN/201006/CN2010062401000151.html
■“決裂は反捕鯨国側に要因” (6/24,NHK)
http://www3.nhk.or.jp/knews/20100624/k10015322251000.html (リンク切れ)

 第62回国際捕鯨委員会(IWC)年次総会は、正念場を迎えた今年、「大きな山が動くかも?」と囁かれながら、結局化学者ブロガーさんや筆者らの“予想通り”、結論先送りで何も決まらずに幕を閉じました・・。
 今年はチェックするつもりはなかったのですが、25日で閉会ということで、ざっとまとめておきましょう。
 例年のとおり、国際会議における政府代表たる政務官の公式の記者会見の模様は、国と癒着した業界団体である日本捕鯨協会の運営サイトで見れます・・。昨年のフンシャル(マデイラ諸島)総会では、ブログ(?)上で関係者の発言内容までアップされてたんですがね(特設リンクコーナーご参照)。。筆者をはじめ市民からテッテー的にこき下ろされた所為なのか、今年はメインサイトのビデオクリップだけで、ブログの方は初心者ブロガーの家族旅行アルバム並、情報量がかな〜り減ってます・・。文章の巧いGPJ花岡氏のブログに比べ、ちっとも面白くないです。
 民主党政権になってから、よそはともかく、少なくとも“ここ”(捕鯨という聖域)だけはかなり情報公開の流れから逆行していますね。
 で、現地に赴いたGPJ花岡氏&佐藤氏らが、秘密会合ばっかで締め出されていることもあり、捕鯨サークル関係者らの“生態”をウォッチして報告を送ってきています。記者会見に際しては、農水官僚から毛虫のように追い払われたらしい(〜GPJ佐藤氏のブログ)。「お国の御言葉に忠実な記事を書かないから」ってのが理由だとか。内外の参加者の目もあるのに。ここでも情報公開、報道の自由という民主主義の鉄則を蔑ろにする捕鯨ニッポンの閉鎖性、後進国ぶりをまざまざと見せつけてしまったわけで。一握りの鯨肉愛誤、ブンカ神聖視、ジゾクテキリヨウ教信者以外の目には、奇異に映ること間違いなし。
 続いてマスコミ報道。


日本の捕鯨団体は「南極海の調査捕鯨は“外堀”だ。調査捕鯨の廃止に応じたら次は内堀の沿岸捕鯨の番だ」
(〜産経)

 相変わらずの鯨研のオトモダチ新聞産経が、捕鯨サークルの中枢に巣食っているアチラさんの古株の異常に凝り固まった思考回路を披露してくれてます。
 “外堀”埋められんのやだからって、自分から“内堀”埋めたんですか????(笑)
 で、本丸は何なのよ?
 敗戦と北洋漁業交渉の怨念をいつまで〜〜も引きずった狭量な排外ナショナリズムの“核”ですか?
 残りは以下の解説でボチボチと。
 密室論議のため未確認情報ながら、今回日本からびっくり仰天のサプライズが飛び出した模様。なんと「南極海クロミンク捕獲枠を○頭(漢字1字)まで削ってもいい」といいだしたとか。北朝鮮流の原理主義を掲げ、唯我独尊崖っぷち外交でこれまで押し通してきた捕鯨ニッポンが、一体全体どういう風の吹き回しざんしょ!? と正直筆者は唖然としました。もしかして、政権交代も手伝って、あの捕鯨ニッポンがついに劇的にChangeした!? 山田農相&舟山政務官の政治主導で、頑なな農水官僚の牙城もついに折れた!?
 いいんじゃないの?
 森下さん、あなた方もついに生まれ変わったのですね・・・。今までさんざんコケにしてきてゴメンニャサイ(感涙)
 ──と、うっかりノせられるところでしたわい。
 ま、ホテル代・飛行機代から女で遊ぶ金まで渡して票を買うよーなきったねーやり方を繰り返してきた連中が、いきなり善良な国家に生まれ変わるってこともないでしょう・・・
 今回日本政府代表団はかなり余裕を見せていた様子。それもそのはず、ほぼ100%シナリオどおりの展開で外交成果を勝ち取ったからです。
 捕鯨サークルの描いたそのシナリオとは、もちろん純粋に国内向けの広報戦略に則って書かれたもの。
 ここ数年、捕鯨サークルにとっての悩みのタネは、これまで保守系のシンパをひたすら煽っているだけで済んでいたのに、制御が効きにくくなってきたこと。過去数回のIWC総会報道や、GPJが告発した調査鯨肉横領事件等の報道で、北海道、東京、朝日、果ては読売まで、マスコミ(ウヨ産経や西日本など一部を除く)の論調は大本営側の思惑と食い違いを見せています。鯨肉過剰在庫問題も各マスコミが度々報じてきました。水産官僚自身もときどき認めていることではありますが・・。ザ・コーブ騒動では、やはり大新聞各紙が表現の自由の原則を守る側につきました。優先順位が違ったのはウヨ産経のみ。
 かつてのモラトリアム決議当時、国際PR/捕鯨協会主導の情報操作プログラムにより、鯨肉パーティーとセットの懇親会等を通じて懐柔してきた古株マスコミ人が、時間の経過とともに世代交代したこともあるのでしょう。で、手綱が利かなくなってきたわけです。
 ○頭という数字をちらつかせたのは、マスコミ記者にホンキ度を示して好印象を与えるためだったのでしょう。参院選とW杯にほとんど紙面を取られているとはいえ、一両日中に何紙かは、日本政府の姿勢を高く評価し反捕鯨国を非難する、捕鯨官僚の用意したストーリーラインに沿った社説を書くことでしょう。
 脱官僚がいつのまにか看板倒れになった民主政権が続こうが、自公に戻ろうが、森下氏にとって年収2千万の天下りポストは約束されたも同然でしょうね・・。
 各グループ毎の個別交渉で、“敵”側のスタンスを探って「ここまで言っちゃっても大丈夫だろ」と感触を確かめたうえ、“味方”(とくに北欧組)との会合では役割分担を確認したのでしょう。
 農水官僚上がりながら捕鯨問題についてまったく知らなかったという舟山政務官、記者会見の内容を見てもクジラにあんまり関わりたくなさそうな(気持ちはわかるけど・・)山田農相のコメントを、総会開催中にクローズアップ現代でヨイショ報道をしたNHKや共同などがストレートに伝えました。


「意見の違いを乗り越え妥協点を見出していくのが、成熟した大人の世界、国際社会の一員として重要ではないかと思う」
(舟山政務官のコメント/GPJ花岡氏のブログ〜)

 ・・・・。たいしたイイ子ぶりっ子ちゃんですね。うちのブログの読者さんは、どっかで聞いたふうな言い回しだニャ〜・・と思う、よねぇ。。。
 日本の妥協が本心のものか、それとも偽りのものかどうかを確かめるのは簡単。
 官僚の用意したこれらの政府見解が、コンセンサスに失敗した経緯を正しく伝えているかどうか。答えはNO。
 レクチャーを受けた毎日が、「捕鯨をめぐる対立の図式 ※いずれも本紙推定」という図を掲げてますね。これ、「合意形成に熱心」じゃなくて、「今年になっていきなり熱心な“ポーズ”を見せた国」ですよ──少なくとも、日本に関しては。ついでにいえば、捕鯨支持国側はグルと思われます。この毎日報道を見る限り、捕鯨国側には妥協を拒む強硬派のアイスランド(一業者のみの)が、反捕鯨国側にも現実路線に転換して大幅な譲歩の姿勢を見せたNZがいるわけです。さて、AFP報道にあるとおり、NZは日本の示した譲歩(のふり)を、こっちがこそばゆくなるほど持ち上げています。ま、日本の大嘘を知ったうえで外交辞令として言ってるんでしょうけどね・・。相手国でアホが裁判にかけられ、国民の高い関心を呼んでいる国にしちゃ、実に殊勝な姿勢じゃないですか。
 一方、口蹄疫問題で引責辞任した赤松前農相は以前、自分がIWCに乗り込んでいってリーダーシップをとり、強硬派の捕鯨国ノルウェーやアイスランドを説得すると胸をたたいていたはず。アイスランドに対して一体どのような説得を試みたというでしょうか? 日本の説得(本当にしたのだったら)に応じず、足を引っ張ったアイスランドに対しては、苦言の一つもあって当然。それが事実≠ナあるならば。
 ところが、「努力も妥協もした」NZ、「テーブルをひっくり返そうとした」アイスランドについて、交渉を担当した当人であるはずの舟山政務官も、赤松氏からIWC問題を引き継いだ山田農相も、一言も触れませんでしたこれはNZに対してはきわめて失礼な話。
 コンセンサス作りが失敗したのは、意見の違いを乗り越え妥協点を見出」そうとせず、譲歩を拒んだ国が捕鯨支持・反対を問わず“双方に”いたからです。「反捕鯨国が歩み寄らなかったことが交渉決裂の要因」(NHK〜)ではないのです。
 沿岸とのトレードオフに関していえば、もともと沿岸“調査”捕獲枠があるため、議長案がオシャカになっても日本側のは何も痛まず、沿岸捕鯨関係者も従来どおり“日本の沽券”を優先する姿勢でいいわけです。大手の割を食ってる小型捕鯨事業者に対するオコボレ調査捕鯨が、こんなとこでしっかり効いてるわけですね。和歌山の地域放送WBSでは、「制約一切お断り」と当たり前の資源管理さえ拒否してしまう太地町議員のすさまじいばかりのコメントが紹介されてます。科学を持ち込まれると、逆にこのヒトたちは困っちゃうのかもしれませんね・・。
 「思い切った政治的妥協も必要」と、開催前におそらく自らのものと思われる意見を口にしていた舟山政務官ですが、官僚に手渡されたメモどおりに、「カガクが政治に負けた」というこれまでの捕鯨サークルのスタンスに沿ったコメントを棒読みしただけ。科学に忠実でありたいと思うなら、aplzsia氏がチェックした科学委での議論や、IKANがIWCに提出したJストックに関する資料を目を皿のようにして読んでもらいたいもの。
 ただ……そうは言っても、日本のシナリオどおりに会議を進めさせた、より大きな責任は反捕鯨国及び市民・NGOサイドにあります
 早いところ決着させることの重要性を理解していたはずのEU。
 ホッキョククジラ捕獲枠増を要求したKY独善国家・米国。これも中間選挙対策としか思えず。やる気なし。
 今回のA級戦犯は、最悪のタイミングでICJ提訴の愚挙に出た完全内向き指向のラッドだけど(前回のブログ参照、後述)。
 官民一体化した日本の捕鯨サークルにとって、描くシナリオ・演出は一本。それに対し、捕鯨サークルと同じ現状維持路線を目指す団体と、着実な成果を求める本物のNGO、多角的視野からやはりIWCの現状に危惧を抱く政府関係者の間で確執があり、さらに各国間で温度差もある中、筋書とおりの展開を進めるのは、森下氏・中前氏らエリート官僚&OBらにしてみれば、さぞかし楽な仕事だったことでしょう。それが、彼らの“余裕の笑み”に表れたんでしょう。
 10年後以降については、ゼロにもしない、100なり200にもしない、棚上げしてそのとき議論すればよい
 これが、他の国際会議等では当たり前の、正しい政治的妥協、“落としどころ”というものです。
 実際に計画目標年800頭、SS妨害を口実にした歩留まり調整目的による実績で500頭前後が毎年殺され続けている中で、それを○頭まで削るといっているのに、「科学科学」と原理原則を唱え続けた所為で、500頭殺させ続けるのはどう考えてもおかしな話。政治的な妥協案なのは誰もが百も承知。あとは、次の10年までに「科学的議論ではこういうことなのだ」と市民(とりわけ日本の)に周知させる努力をすればいいだけです。もちろん、RMPオンリーだと諸刃の剣だという見方もあるでしょうが、それはやはり太地など捕鯨サークル筋と同様の神経症的過敏反応でしかありません。やはり10年の間に温暖化と南極生態系問題等、それ以外の議論も定着させればいいだけ。
 確かに、捕鯨協会が業界の利益を代弁するのも、NGOが環境・野生動物保護に関心のある市民の声を伝えるのも、ある意味当然のことでしょう。原理・原則の立場に立つのは。
 しかし、政府/国際機関がそれをやっちゃいけません。人権・民主主義という国際社会の普遍的物差しは別として、独善的なゲンソクにしがみついちゃいけません。
 種・生態系の多様性維持や環境問題における予防原理を、IWCの場で、あるいは日本社会で立派に通用する国際社会の普遍的な原則にまで育てられなかったのは、やはり市民運動側の力不足の所為です。“相手”のある話とはいえ。
 今年の決着先送りは、猶予期間1年とはいえ、捕鯨サークルの連中にしてみれば願ったり叶ったりでしょう。後1年で終了するJARPAU(第二期南極海鯨類捕獲調査=調査捕鯨)の成果は、海外の科学界からまたぞろさんざん叩かれるのは目に見えていますが、そんなものは無視して国内での宣伝に大々的に利用されるでしょう。枠をめぐる駆け引きにも利用され、今年以上に厳しい展開になりかねません。今年の年次総会の結果そのものが、国際協調をめざす謙虚でカガク的なオトナの国ニッポンV.S.コドモじみた感情論をふりかざす強硬な反反捕鯨勢力という構図で喧伝され、マスコミや有識者に働きかけて「針を戻す」うえで効果的な役割を果たすでしょう。
 ギリギリまで「ゼロにしろ」と引っ張ったうえで、調子に乗った日本が「そんなに言うんだったら、5年後○頭まで減らしてやるぅ!(どうせ呑まねーだろ)」と言わせて引っ込みがつかなくなったところで、「じゃあ、それでいいッス」とハシゴを外してやればよかったものを・・。
 沿岸・Jストック問題も、「科学的に管理しましょうや」というところまでで、今年詳細を詰める必要はなかったのです。三重大勝川氏ら穏健捕鯨賛成派ながらまともな水産学者も育ってますし、厳格な科学的管理能力を証明するべく、ツキノワグマやトド、あるいはジュゴンの地域個体群と同様の扱いにして、国内のNACS−JなどのNGOと環境省にも口を出させれば済む話。まあ、陸上の野生動物管理の現状を考えると余計恥をさらすことになるかもしれませんが、少なくとも国内でクジラのみ例外扱いされる異常な状況・市民とマスコミの意識は大幅に改善されるでしょう。
 NGOらには「日本にしてやられた!」「生温い!」と好きなだけ言わせりゃいいんです。アホな連中と支持者は共存共栄で「運動のための運動」を続けるでしょう。一定の成果を収めたと考える現実派のNGOは、細かな問題点の監視は必要にしろ、他の環境問題にリソースと市民の関心を移す、地球にとって本当に必要な作業に着手すべきなのです。
 いまから日新丸の後継母船を新造させないようにするのは、おそらくもう手遅れでしょう。日本の勝ちです。効果的な対応を怠ってここまでズルズル引き伸ばした方が悪い。
 5年後○頭を前提として、日新丸より小型の中古トロールを改造転用させることで、捕鯨サークル側にとっても(カネを無理やりかすめとられる日本の納税者にとっても!)利点になる最少コストで済むようにすればよろしい。だからこそ、今年のうちに決着させるべきだったのに・・。
 今ゼロという数字を力づくで日本に呑ませることができないからといって、実績で○分の1にまで減らせるチャンスをみすみす手放し、「外圧一本で」この先ゼロにできる機会が訪れると、もし本気で考えているニンゲンがいるとすれば、相当のアホです。
 動物実験から死刑からパレスチナ解放から児童労働から森林破壊から農薬汚染から原発から核から米軍基地から、「いきなり全廃できない限り一歩たりとも譲るべきではない」という極論が罷り通ると考えるニンゲンが、現実というものを見ないアホだというのとまったく同じように。All or Nothingを唱え続けるその手のファンダメンタリストは、極右系外野応援団と太地関係者・ウヨ新聞・サークル幹部の一部だけで十分。
 10年(11年になっちゃったけど・・)先を見据え、他でもない日本で、国対国、原理対原理の構図から離れ、受益者たる産官学コングロマリットとは切り離されたところで、国民がコントロール権を確保できるようにしなければなりません。次の世代と世界中の人々のために、南極/海洋生態系・野生動物の将来を本当に憂える市民からの浄財は、日本国内での科学者と政治家を含む有識者及びマスコミへの効果的な啓蒙・情報提供に選択的・集中的に投じられるべき。どのみち、国際PR/捕鯨協会流の大衆向けプロパガンダ作戦(特定のNGO等に対するアンチブランドキャンペーンを含む)は馴染まないでしょうから、ね。筆者は個人的にぜってーヤだし。。
 望みが決してないとは思いません。先進国中最貧ともいわれる環境政策&環境教育のお粗末っぷりは高いですが、この国の知識人・文化人・マスコミ人と呼ばれるヒトビトは、「アングロサクソンけしからん」と自分から応援団に加わったり、パーティーやお土産にコロッと引っかかったり、「カガク」の一言でプロパガンダを鵜呑みにする連中ばかりではないはずです。
 その証拠。以下は農水相記者会見からの引用。


記者:調査を続けるということなんですけれども、一方で、日本の食文化を守るという考え方では、沿岸ができさえすれば良くて、南極に行く必要はないのではないかと考える日本の方もいるかと思います。それに対するお答えを・・・。
大臣:それも一つの見方だと、私は、個人的には思っておりますが。そういった、あらゆることを考えて、今回、IWCの結果次第では、日本も、本当に考えていかなくてはいけないのだろうと考えているところです
(中略)
記者:同じく、IWCの関連なのですけれども、イギリスのサンデータイムスが、日本の、カリブ海や何かの小国に対する票買いと言いますか、買収について、当局者の実名も上げて、かなり詳しく報じております。また、同じ新聞が、今回のリバプール副議長の渡航費や何かを日本側が負担しているのではないかという疑惑についても報じているのですが、このことへの受け止めと、事実関係について、お願いします。
大臣:そういうことについて、私が聞いている限りでは、一切そういう事実関係はないと、そう思っておりまして、いわゆる、意図的な、日本を駄目にする、そういう情報ではないかと、そう考えております。決して、そのような、「不正な」ということかどうか分かりませんが、そんなことをしてまでという気持ちはありますし、正々堂々と、IWCの会議で理解を得て、合意にこぎ着けるということが、私どもの使命だと思ってます。


 山田大臣、いいこと言ってるじゃないですか。常識、わかってるじゃないですか。染まってないことの証明。できればこのまま染まらないでほしいんだけどね・・・
 話せばわかる人はたくさんいるはずですよ、英語ではなく日本語で。

 そして、逆にこのを崩せない限り、望みがあるとはまったく思えません。
 いずれにしても、関係者は将来に向けた戦略の練り直しが必要。
 あと、いきなりゼロのウルトラCの手もないわけじゃないですが。それは、米軍がジュゴンを守るために沖縄から海兵隊を引き上げるというカードを使用すること──
 一点、異議申立について補足しておきますが、米国に積年の恨みを抱えるサークルの幹部にとっては思い出したくもない話だし、下野して言いたい放題になった自民党捕鯨議連など、非現実的な脱退論を掲げる連中の突き上げをコントロールできるとは筆者には思えませんし、官僚たちもおそらく望んでないんじゃないですかね。特に外務の方は。美味しいのは、逆予定調和路線に乗っかる連中だけ。どのみち、機能不全のままでは早晩破綻するのは目に見えてます。非消費的利用と先住民捕鯨管理を中心に、他の国際機関との統合も視野に公海海洋生態系/南極海生態系をトータルで管理する国際機関に脱皮させるのが、唯一の現実路線と筆者は考えます。加にも加入させ、日本の会費は減らし、米豪の負担分を増やしてもらいましょう。
 それにしても、普天間基地移設をめぐる日米協議などではひたすら低姿勢なくせに、今回の総会へも総勢40名の随行員を送り出し(サミットもかぶってるのにすごいよね・・関係者ばっかりだろけど)、外交力のほぼすべてをIWCやCITES(クロマグロ等サカナ関係が遡上に上ったときのみ)に注力しているかに見える日本の捕鯨外交──ODAそのものを含め、国家としてのリソース・エネルギーの投入の仕方がそもそも間違ってやしませんか? 内憂外患で山ほど問題を抱え、その程度がいずれも重症のいま、たかが捕鯨でここまでエネルギーを投入するお気楽・オメデタ国家セイギのためなら国民に内緒で売春婦まであてがって票を買うことまでやるトンデモナイ国家のままでよいと、あなたは本当に思いますか? 参院選を前に、何が私たちにとって本当に大切な問題か、考え直してみませんか?
 4ヶ月以上前に捕鯨サークルの描く<コンセンサス破綻シナリオ>に関する予言を的中させた化学者さんのコメントは、以下の拙過去記事をご参照。

■不勉強な赤松農相・2/日本にとって捕鯨情報戦争は人の安全より重いのか
http://kkneko.sblo.jp/article/35169812.html

 もひとつオマケ、今年の開催国モロッコ(日本からの水産ODA受取額ナンバー1!)と日本が持続的水産業に大失敗したイタ〜イお話はイカ(タコだけど)のリンクをご参照・・・

■捕鯨ODA資料:各捕鯨支持国の解説 (拙HP)
http://www.kkneko.com/oda5.htm
 

◇ラッドのアホは鳩山と同じ道をたどった

 豪ラッド前首相に対しては、個人的に腸煮えくり返っておったのですが・・
 ICJ提訴で起死回生を狙ったものの、オージーの皆さんもそこまでおちょくられるほどバカじゃないと。
 クジラを巻き添えにしやがって、ふざけんなバッキャロー!

 

◇その他捕鯨関連ニュース・クリッピング

■反捕鯨団体代表を国際手配=妨害指示の疑い−海保 (6/25,時事)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&rel=j7&k=2010062500413 (リンク切れ)

 青手配で実効性ゼロ。ただのパフォーマンスでSSCSそのものと一緒。
 それをまさにこのタイミングで海保にリリースさせちゃうことのできる、捕鯨官僚のパワーに脱帽です。
 ていうか、ワトソンにわざわざ箔を付けて寄付収入を増やしてるよねえ・・。お互い広報ボランティアを買って出て、持ちつ持たれつ実に仲のおよろしいこって。

 
 寝不足です・・・対デンマーク戦の所為じゃないけどニャ・・・
posted by カメクジラネコ at 01:26| Comment(7) | TrackBack(1) | 社会科学系
この記事へのコメント
今回のIWC年次会合の唯一の成果は、グリーンランドの先住民生存捕鯨でしょう。ミンククジラやナガスクジラを減らす代わりに、ザトウクジラ年9頭、3年間合計27頭が合意されました。
当初は年10頭を要望していて、科学的レポートもその頭数ならば問題ないと支持していましたが、最終的には9頭という政治的妥協の良い事例となりましたね。

日本は国内のうるさい捕鯨サークル・捕鯨推進派がやっかいなので、何も妥協することができません。沿岸捕鯨の再開を待っている零細業者は、いつまで待てばよいのでしょうか。
Posted by marburg_aromatics_chem at 2010年06月26日 15:47
>>marburg_aromatics_chemさん
>政治的妥協の良い事例
確かに・・。
昨年まで日本側は、この件が通らなかったことを「反捕鯨サイドの非妥協性の証」として鬼の首獲ったみたいに吠えてましたけどね〜。
大本営は反捕鯨国側の政治の問題としてメディアに取り上げさせていますが、一番の問題はやはりこの国の「国内事情」ですね・・
Posted by ネコ at 2010年06月27日 00:49
ここまで散々議論した挙句がこの結果では、各国やNGOが(責任を棚上げして)IWCの存在意義を疑問視する勢いを強める気がします。
もっとも、kkneko さんがおっしゃるような別の国際機関への統合を狙うとしても、火中の栗状態の IWC を好き好んで取り込む国際機関が出てくるかどうか疑問ですが・・・。

>ザ・コーブ騒動では、やはり大新聞各紙が表現の自由の原則を守る側につきました(優先順位が違ったのはウヨ産経のみ)。
本当にこの騒動も滅茶苦茶な展開を辿っているんですよね。
本来なら、上映中止になる前にメディア側から表現の自由を守る(上映中止に反対する)姿勢を鮮明にして欲しかったのですが・・・。
3K新聞がこのことを明確に言わないのは、表現の自由について「どうでもいい」と思ってるのかもしれませんね(謎)
Posted by flagburner at 2010年06月27日 18:05
時間のあるときにIWCの報道を再度眺めています。
日本の報道は商業捕鯨再開可能性の話ばかりで、IWCの一部しか、日本国民は知ることができないので残念です。

まあ今回は、EU諸国の代表のアガディール入りが遅れて(サッカーのため?)、EUとしてのまとまりが作れませんでした。

妥協案の扱いばかりが注目されましたが、毎回討議されているはずの、漁業での混獲、船舶との衝突事故、ホエールウォッチング、ストランディングの報道が皆無というのもさみしいものです。

そしてタイムリーな話題のはずの、BP海底油田事故による鯨類を含む海洋生態系への影響については、緊急決議すらありません。

なんだかIWCは、毎年どこかの高級リゾートホテルの宿泊ツアーみたいですね。
Posted by marburg_aromatics_chem at 2010年06月27日 19:52
>flagburnerさん
IWCが崩壊して無秩序状態になったり、自国一国のみの公海捕鯨に関して日本が買収した子分だけ率いて新機関立ち上げることになったら、それこそ深刻な外交問題に発展しますけどねぇ・・。わかってる外務系の役人は絶対止めるはずですが。 IWCを発展延長させる話は、ICRWに加え、CCAMLR、オットセイ条約、マグロカツオ関連、国連海洋法、マルポール条約、整備されてない回遊性の小型鯨類管理の新条約等をひっくるめて統合的に管理する機関を設置するのが合理的だということで、まあ一種の理想論ではあるけど、祭りしかやらないIWCよか実効性のある機関にはなるでしょう。実は20年前からの議論なんですけどね(汗

>marburg_aromatics_chemさん
EU、W杯もユーロも散々なのがこっちに飛び火したかもしれませんね(汗  BPの件もおっしゃるとおりです。仲介役の米に配慮した格好なのか・・。今回の米は豪の次にダメな感じでした(--;;
なんか、本部のある英で2年置きにやりましょってな話も出てきてるみたいで・・。祭りに金使うならそっちの方がいいと私も思った・・

ところで、舟山政務官がブログでとんでもないこと書いてますね。もともと農水官僚出身とはいえ、白紙だったのにもはや完全にバリバリの族議員。「セイギのためなら国民に内緒で税金注ぎ込みなりふりかまわずでいい」と言わんばかりで、ポール・ワトソン顔負けの主張には開いた口が塞がらないっす(--;; 官僚をきっちりコントロールして暴走を食い止める国会議員の務めを放棄して、これじゃ政治主導が泣きますな。。すっかり連中に操縦されて、ただのプロパガンダ人形も同然。メモ棒読みでマスコミ記者にまで「国会答弁よりひどい」なんていわれるようじゃ・・。 お人好しすぎるGPJなんかはエールを送ってますが、このヒトは信用できませんわ(--;; まあ、米国の態度やこーぶ(演出で勝手にクビにされちゃった人の件)で腹立てた気持ちは理解できなくもないんですが・・
Posted by ネコ at 2010年06月28日 01:30

お元気ですか?
酷暑をいかがお過ごしでしょうか。

タレントの岡崎友紀さんが
クジラやイルカの写真集を出して
イルカ猟の反対運動をしているよ。

捕鯨やイルカ猟に反対する人が少しずつでも
増えてくれるといいね。

Posted by みっく at 2010年08月21日 02:08
>みっくさん
岡崎氏はエルザの会の理事で、私とはスタンスが異なります。いずれにしても、参院選の与党候補として抜擢された人物(落ちましたけど・・)のやるべきことは、写真集の発行などではありません。ふざけるのも大概にしろと言いたいですね。
DD、最後まで読んでいただけず残念です。文章も相性ですから仕方がありませんが。
Posted by ネコ at 2011年04月07日 01:56
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2010年 IWC総会:最後の総会? 3
Excerpt: つーことで、昨日になって 2010IWC総会が閉幕したのだが・・・。
Weblog: flagburner's blog(仮)
Tracked: 2010-06-26 19:40