◇糊塗しても すぐに剥がれる 化けの皮 科学捕鯨の トンデモっぷり
そろそろ日本の調査捕鯨船団が南極海に向けて出発する日が迫っている“はず”ですね。こっそり船出した前年と同じく、また国際NGOに抗議行動の“絵”をやりたくないという理由からか、日新丸は下関港から姿を消した模様。
今年はIMO(国際海事機関)が南極海を航行する船舶に対する新たな環境規制を導入したため、母船日新丸はこれまで燃料に用いてきたC重油が使えなくなり、割高のA重油に切り替えることになったはず。おそらくそのためにモタモタしてるのでしょう。「ICRW8条!」「ICRW8条!」と常に自己正当化を図ってきた捕鯨サークル(水産庁・鯨研・共同船舶/捕鯨協会)のこと、国際機関の取り決めに背く言行不一致の真似はしないと仮定した上での話ですが。どのみち、燃料費上昇分は後で国の財布にツケ回しにするつもりにするつもりなんでしょうけど・・。
いっそのこと一年くらい休んで、シーシェパードのスーパーシップ(?)ようにバイオディーゼル機関に取っ換えでもすれば、「地球にやさしいエコ捕鯨」の名目も少しは立つでしょうに。それをやりたがらないのは、毎年予定されたとおりのノルマをこなすことが最優先事項の国策事業だから。年間2千万トンという世界最悪の食糧廃棄国でありながら、唯一南極の自然まで貪らずにはいられない捕鯨ニッポンにとって、地球環境は二の次ということ・・・
その代わりというのか、11/2になって、われらが鯨研(日本鯨類研究所)のHPに、突然新規文書の山が。比較的頻繁にアップしているのは、過激な極右団体じみた勇ましいプレスリリースくらいで、研究内容に関する項目は「工事中」のままほったらかしてるページが多かったのに・・・
■(財)日本鯨類研究所HP
http://www.icrwhale.org/
おそらく、船団出港間近の南極海調査捕鯨(JARPAU)に向けて、新政権に科学的正当性をPRしようと必死なんでしょう。
しかし、体裁を繕ったつもりでも、中身が伴っていなければ話になりません。一連の資料の中に目新しいトピックは別に何もなく、旧いページにリンクを張っただけの一目でわかるヤッツケ仕事。IWC−SC(国際捕鯨委員会科学委員会)で出された否定的な見解や注文には一切触れられておらず、中立公正な科学研究機関からはおよそかけ離れた内容。下掲リンクのflagburnerさんもおっしゃるとおり、「自画自賛乙」としかコメントしようもなし。
例えば、IPCCでの地球温暖化に関する議論から何周も遅れた、クロミンククジラの脂皮減少に関する研究。どこがオカシイのかは拙ブログで過去に指摘したとおりですが、同報告書では資源の将来予測からモニタリング手法に至るまで、その“成果”が何一つ反映されていなかったりするわけです。致死的調査としてはいちばん有用なテーマといえる有害物質の汚染状況については、検体が10年間で“たったの2頭”(雌の脂皮中の有機塩素化合物)。生物濃縮や母子間汚染など、鯨類の特性に沿った形で調査研究計画のアウトラインを設定するという基本中の基本がなっていないということ。
ま、「最初に調査捕鯨ありき」のケンキュウだから仕方ないんですけどね・・・
これでは、「いつかやった方がいいかなあ・・」とオトモダチの長崎ペンギン水族館に気兼ねしてこっそりボソボソとつぶやくだけの調査捕ペンギンや調査捕アザラシに、科学的プライオリティの点で数段劣るのも道理。その他の問題点については、拙HP上の過去の批判もご参照。
鳩山新政権は行政の無駄をなくすべく、科学研究費の予算も自民党時代からかなり削りこむ方向で進んでいます。個人的には科学の発展のための投資は必要なものだと思うのですけどね・・。ところが、ノーベル賞受賞者を含むまっとうな科学者の皆さんが肩身の狭い思いをしている中で、変わり映えせずハズレばっかりの低レベル論文をチョコチョコ出すだけの、あまりにも無能な研究機関が、毎年毎年数億円単位の補助金を国からせしめているのです。こんなことは科学行政としてあるまじき姿です。鯨研宛の助成金と補助金は全部取り上げてJAXAやJAMSTECに回すニャ〜!!
−JARPA/JARPAII の謎報告書|flagburner's blog(仮)
http://blog.goo.ne.jp/flagburner/e/e8068a6afaa61177ee406fa5f91c0fa6
−調査捕鯨論文の科学性はゼロ (拙HP)
http://www.kkneko.com/paper.htm
【JARPAレビュー報告徹底検証】(〃)
http://www.kkneko.com/jarpa.htm
◇文化の日に《ほげ〜ぶんか》について考える
ブンカブンカブンカブンカと世界中の人々の耳にタコができるほど吠えまくっている捕鯨ニッポン。世界に抗い北朝鮮並の強硬姿勢を貫くうえで、常に《でんとうぶんか》の錦の御旗を掲げてきた捕鯨サークル(水産庁+鯨研+共同船舶/捕鯨協会)と応援団ですが、その実日本国内でどれだけの格付けを与えられているでしょうか?
■文化勲章受章者一覧
http://www.geocities.jp/nakanolib/giten/bunka2.htm
■文化功労者の一覧
ä,è|§">http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%87%E5%8C%96%E5%8A%9F%E5%8A%B4%E8%80%85%E3%81%AE%E4%B8%80%E8%A6%A7
上掲は文化勲章と文化功労者の一覧。文化勲章は「科学技術や芸術などの文化の発展や向上にめざましい功績のある者」に授与され、文化功労者は「日本において、文化の向上発達に関し特に功績顕著な者」で文化勲章に次ぐ位置づけ(勲章受賞者も中に含まれる)。選考は文化庁の審議会。
さて、文化勲章を受けた方はこれまでに350人。そのうち、《食》に関連する分野に携われる方は、満田久輝京大名誉教授1人のみ('94)。この方は栄養化学専攻で『米、再考-コメは世界の主食です-』という著書があります。後は農業・農学分野の方が5人いますが、水産畑はいませんね・・。
当然ながら、鯨類学者、鯨肉料理関係者は1人もいません・・・
文化功労者の方は700人以上。世界的に著名な生態学者・今西錦司氏の名はありますが、大御所も含め鯨類学者や捕鯨会社関係者はやはりいませんね・・。
唯一、今年になってようやく文楽の人間国宝・吉田簑助氏が文化功労者として表彰されており、かろうじてクジラつながりといえるでしょう。もっとも、ゼンマイに使われているのは、現行の日本の商業捕鯨とは無関係なセミクジラ/ホッキョククジラのヒゲですが。ちなみに、吉田氏は文化勲章より早く2年前の'07年にフランスから最高位の勲章を授与されたそうな・・。
文楽に関する捕鯨論議は、かつてクジラヒゲが使われていたピアノが文化でないと主張するのと同じ。いずれにしろ、象牙やべっ甲と同様、依拠する自然に対して責任を持てないような文化は、その時点で優れた伝統とはもはやいえないでしょう。素材を文化と同列視する勘違いが事の発端。こんな浅はかな文化認識だから、鯨肉バーガーを「日本の食文化だ!」などというとち狂った主張が平気で飛び出すのです。ハンバーガーはアメリカの食文化、鯨肉はただの食材。そんなことはこどもでもわかるでしょうけど・・・
話を戻しますが、春秋の叙勲は毎回4千人くらい受賞者がいて、役人や政治家も山ほど含まれてますから、地方功労者とか勲位の下〜の方のをもらってる関係者はいるかもしれません。
ま、そんなもんです。日本での捕鯨ブンカ・鯨肉食ブンカの扱いというものは。四流、五流の格下文化とみなされているわけです。当たり前の話ですが。
捕鯨を「UNESCOに世界文化遺産として申請しよう!」という声だって、ぜーんぜん聞こえてきませんし。逆に、外から「価値が高いから登録しなさい」と推薦を受けている貴重な歴史的景観・鞆の浦を、たった3分の渋滞と没個性的な地域振興を口実に平気で潰そうというヒトたちがいたりするのだし・・・
文化には関心がなく、アイヌの文化が疎かにされている日本の現状に目をつぶり“矛盾”を放置しても、南極・公海の野生動物に対する持続的利用原理主義だけは絶対にムジュンがあってはならんという、常軌を逸した主張を内外で唱える捕鯨交渉担当の水産庁参事官・森下丈二氏であれば、世界遺産登録も文化勲章も「バカバカしい」と一笑に付されることでしょう。筆者もそこは同感ですが。
いま、日本全国で、地域に根付いてきた数々のかけがえのない文化が、時代の波に飲み込まれ、消え去るがままに任されています。代々続いてきた呉服の町の最後の一店舗から、宮大工を支える精巧な工具を作り続けてきた鍛冶屋にいたるまで。後継者がおらず、高齢の当主が店を続けられなくなった時点で、消滅してしまうのです。事業家が始めたノルウェー式近代捕鯨などとは違い、先代の技が失われれば二度と取り戻すことはできないのです。失われるにはあまりに惜しいそれらの貴重な伝統が滅びるまで、もう何年もありません。
しかし、行政はまったく何の手も差し伸べようとはしないのです。毎年のように何億円もの補助金で赤字を穴埋めし、政治家や官僚がイベントまで用意したり、至れり尽くせりの手厚い庇護のもとに置いてくれる特定の事業者のようには。官僚にとって天下りの甘い蜜があるかないかというだけの違いで。
文化の優先順位が完全に入れ替わってしまっている奇妙奇天烈な国、捕鯨ニッポン。
このような状況がまかり通ることは、日本の文化全体にとって、まさに百害あって一利なし。
本当に大切な伝統を守りましょう。伝統に値しないくだらない格落ちのブンカは要りません。
9千年の歴史を途中で移入してきた民族につぶされてしまった、本物の格上の伝統・アイヌ捕鯨のみ復活させれば十分です。中国から輸入されたとの説が有力な古式捕鯨とすら無縁の、明治期に資本家が外国を真似てこしらえた企業活動・自然の持続性を保持するという伝統としての最低条件を一度も満たすことのできなかった最低最悪の《デントウ》、「ハンバーガーにしても中身が鯨肉なら伝統なんだ」という、本質と上っ面がすっかりひっくり返ってしまった《ガラクタブンカ》、そんなデタラメな贋物はさっさとつぶしてしまいましょう。
日本の由緒正しい文化を守るために。
◇F1撤退すんなら捕鯨も撤退するニャ〜!
■<トヨタ>F1からの完全撤退を正式発表 豊田社長「苦渋の決断」 (11/4,毎日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091104-00000015-maiall-moto (リンク切れ)
大変なことになりました。ホンダのみならず、トヨタまでF1から完全撤退を決め、日本の参入企業がゼロになってしまうというのです。
これは一大事です!!!
日本古来の誉れ高き「リキシャ文化」が、このままでは消えてしまいます。それだけはなんとしても食い止めねばなりません。
リキシャは日本人の精神です。魂です。心の支えです。なにしろ、9000年かそこらの歴史があるに違いありません。貝塚を掘っくり返せば、たぶん車軸かなんか出てくるはずです。
ガソリンエンジンを発明したのはドイツのダイムラーとベンツですが、そんなことはどうでもよろしい。車輪が付いているという共通性がありますから。
文化は日本人が定義するものです。「これが日本の文化だ」と言い切ってしまえば、それはもう間違いなく「日本の文化」なのです。
商業F1がダメなら、調査F1に看板を書き換えましょう。
ホンダとトヨタでもって「共同車両」という合弁会社を設立し、国が毎年5億円の補助金を出して鈴鹿でレースを開催するのです。自民党F1議員連盟や民主党F1対策議員協議会の力添えのもと、天下り国交官僚OBをいっぱい理事に抱える主催団体に、全国各地でイベントを開かせるのです。そうして、コアなファンの熱烈な声をかき集めることで、赤字だろうがなんだろうがごり押しできちゃいます。声の大きな一部のレースマニアの声が、1億の日本人の心の声を代弁するのです。それ以外の非国民が「税金返せ」と言ってこようと、右から左に聞き流しゃいいんです。
江戸時代から続く沿岸リキシャの文化的正当性と、なんかの国際条約のもとで否定されてないはずだから粛々と科学的・合理的に推進してよろしい南極F1(IWCで南極海サンクチュアリを提案したフランスの隣りにあるモナコで開かれるF1GPの意味)との間に脈絡はありませんが、これはもうワビサビの精神のもとに一緒くたにできるのです。アングロサクソンどもに文句は言わせません。
鈴鹿には日本車類研究所を建てて、大手自動車の株を持たせてやりましょう。調査の名のもとにレースを行い、収益の一部を車両改良研究費に回す仕組みです。海外メーカーがイチャモンを付けてこようが何しようが気にするこたありません。あくまで人道的な調査F1であり、査読付きの学術誌でも論文を掲載してくれるところはあるはずです。なければコネで国内のカーマニア系雑誌にでも載せてもらえばよろしい。
なお、科学的なデータをとるためには車両を破壊する致破壊的調査が不可欠です。計算機上のシミュレーションなどの非致破壊的調査(企業名じゃないよ)だけでは、事故を防ぐために必要なパラメーターを十分絞ることができないのです。それに、車の間に破壊していい車種とイケナイ車種があるのは不平等であり、ファシズム的な人種差別につながります。オーストラリアもたぶん国内の野生車を破壊してるに違いないですから、日本だってやらないわけにゃいきません。そりゃもう絶対に。
ついでに、共同車両の社長の娘夫婦には、サーキット場の前でダフ屋でもやってせっせと稼いでもらいましょう。国策事業を引き受けるだけでは儲からないので、金の余ってる小成金に高額のチケットを売りつけるビジネスで元をとらにゃなりません。国からの補助金は、海外メーカーへの技術流出を防ぐためとか適当に理由をつけて非公開にすれば、細かい内訳を伏せておけます。プールした裏金で、いままでに破壊した車両のパーツを“お土産”として古株のパイロットやエンジニアに渡し、それをファンに横流しさせて小遣いにしてもらうのもまた一興。伝統的なリキシャ文化の街にきっとたくさんのF1御殿が立ち並ぶことでしょう。
日本企業のF1進出は、欧米のメーカーからだいぶ遅れをとりました。しかし、日本には技術があり、大和魂があります。サ○キットの鷹です。おまけに、日本は致破壊的調査でバラバラになった部品などを余すことなく利用してきた歴史があります。何しろ、日本はリキシャを大切にしてきた尊い文化があるのです。アングロサクソンどもとは大違いです。連中は経済的に成功した優秀な民族である日本人をやっかんでいるだけです。大新聞の論説委員をタダで鈴鹿の特等席に呼んで接待してやれば、二つ返事で礼賛記事を書いてくれるはずです。
日本のリキシャの呼び名はアジア諸国でもそのまま通っているくらいですから、リキシャODAをばら撒いて味方につけましょう。彼らはF1とはやはり無関係ですが、お金をばら撒けば何でも言うことを聞いてくれます。ホテル代やチケット代くらい、大事なリキシャ文化を守るためなら屁でもありません。
そうすればもう、リキシャオリンピックの優勝は日本のもんだニャ〜♪
補助金を受け取っている財団法人は、通常は「外部評価」というものを財団規約で定めており、数年に一度は評価書を公開するものです。問合わせ中ですが、そのような外部評価の話は聞いたことがありませんね。
あれだけ豪語しているのですから、論文の質もそうですが、研究体制や内容に加えて、財団の財政も審査してもらい、世界に冠たる鯨研であることを証明してもらいたいものです。
ただ、身内で評価委員を固めて、単なる作文で終わる可能性もありますが。
>身内で評価委員を固めて、単なる作文で終わる可能性もありますが。
"大"だと思いますニャ〜(--;; 思い出すのは、水産ODAの業界関係者によるお手盛り事業評価。彼らに中立性・客観性を期待するのは、残念ながら200%無理でしょうねぇ。。
IWC科学委員会にデータを提出して評価を受けているため、外部評価の必要性はないとのことでした。
調査捕鯨で得たデータの外部評価という、狭い範囲に勝手に解釈を変えて、的外れの返答をされても困りますね。
IWCとは関係なく、財団法人としての業務内容や財務の精査、税金の投入が必須かどうかなどを評価すべきだと聞いているのに。
それなら他の研究機関でも、学術論文を出して評価を受けているから外部評価は必要ない、となりますね。
外部評価を受けると困ることでもあるのでしょうか。
ご苦労様です。本来マスコミが徹底的に追及すべきことですね(--;;
それにしてもぶっ飛んだ回答をよこしますな。「海外にチェックしてもらっているので、国内の評価は必要ないんです」と?? そんな言い訳が通用する国の事業がいったい他にありますかね??? それもよりによって、伝統文化を錦の御旗に掲げる他に類を見ないほど愛国主義的色彩の濃い事業で???? 上位機関である本会議の決議は無視しよるくせに。
実際には、IWC科学委のメンバーのうち1/3は日本、つまり鯨研から送り込まれているわけす。登録者の中には翻訳者とか学位のない人物もいるそうな・・。それでもJARPAのレビュー報告では多くの疑問符が付けられたのですが、鯨研・水産庁は都合のいい意訳ならぬ"異訳"を出してごまかしています。大本営発表を真に受け英文を直接チェックする人がほとんどいないことをいいことに。。
外部評価・第三者評価の体裁を装って内輪のお手盛り評価にすり替えるという、ここまで悪質な手を使う官業セクターは捕鯨以外には考えられないんじゃないですかね・・
マスコミや与党関係者には、東大米本研HPにある抄訳版の方をちゃんと読んでもらいたいものです。
http://yonemoto.rcast.u-tokyo.ac.jp/m_5_k.html
事業仕分け人に即「却下」してもらいたいニャ〜
引用が多い論文のほとんどは、大学の研究者の論文で、鯨研はサンプルを提供しただけのように思えます。
鯨研主体の論文もありますが、引用は少なく、科学への貢献度には疑問があります。やはり第三者による外部評価が必要ですね。
まあ、クジラの生体サンプルがほしい研究者にとっては便利な機関なのでしょうが。
遅レスで恐縮m(_ _)m
有用な記事をご提供いただきありがとうございます。
読者の皆さんには以下のAdarchismさんの記事、拙記事とあわせて読んでいただきたいところ。
「名物にうまいものなし」
http://3500131221.blog120.fc2.com/blog-entry-32.html
「無価値に等しい調査捕鯨の科学性」
http://chikyu-to-umi.com/kkneko/paper.htm