2009年09月28日

捕鯨外交だけは聖域化して旧い自民党時代と何一つ変わらない!?/赤松農相&民主党にエール

◇(少なくとも当面の間)民主中心連立政権&赤松農相を応援するニャ〜

 連立与党の新政権発足後、鳩山首相は内外でウケのいいお茶目な奥さん同伴でニューヨークに赴いて外交デビューを果たし、一方各大臣はそれぞれマニフェストの実行に向けて具体的に動きだされました。新しい政権に日本の将来を負託した国民の立場からすれば、実に結構な話……のはずなのに、大物議員にヘイコラして独立メディアとしての責任を放棄した国営放送NHKや、今回到底勝ち目がないと踏んで選挙前には自民のデマゴーグ作戦にも乗っからず批判を手控えていた保守系新聞を中心に、こぞって民主党バッシングが巻き起こっているようです。米国で政権交代があった場合、100日のご祝儀期間はメディアも温かく見守るという話も、当の日本のマスコミが報じているくらいなのに・・。
 「いや、日本はよそと違って急ぐんだ」との説明にも一理ありますが、だからといって、あまり性急に事を運ぼうとしてもいいことはありゃしません。いくら急いでもなかなか変えられないガッチガチの構造をこしらえたのは自民×官僚に他ならず、それが主因で失敗した過去があるわけです。そして、「なんだ、結局何も変わらない(変えられない)じゃないか」と幻滅し、政治不信ばかりが募るパターンが、これまでずっと選挙の度に繰り返されていたのですから・・。
 批判自体は結構であり、また必要なことですが、ただ批判すりゃいいってもんじゃありませんよね。問題はその中味。どう見ても自民党目線。まるで、「顔ぶれがチェンジすりゃいいんで、中味を変えてもらっちゃ困るんだ」と言わんばかり。冗談じゃありません。立候補者や政党の掲げる公約が、反故にするためにあるような出任せにすぎなかったふる〜い政治から、有権者の投票に対する対価、国民との契約としてきっちり文書化されたマニフェストを堅実に実行する新しい政治へと、移行するよう再三求められていたのではなかったのですか? それが、今頃になって「マニフェストなんてどうせ誰も読んでないだろ」などと言い出す某有名評論家までいる始末。
 まあ確かに、前回の小泉劇場選挙と同様フィーリングに流されて投票した方も中にはいるでしょう。しかし、時代は「口約束にまんまと騙されたお前が悪いのだ」ではなく、「マニフェストをきちんと読まなかったお前が悪いのだ」に変わったのです。ていうか、みんなもちろん読んだうえで選挙に行ったよねぇ?
 マニフェストに掲げられているのは、基本的な政策方針とそれを実現するための手法・手順です。後者に関しては、実効性を検証・判断しながら効果がなければ中止する、よりベターな手法に切り替えるといったことはあり得る話で、閣僚・議員とサポートする官僚に、柔軟な対応とそれをこなす能力が求められるのは、ある意味当然でしょう。ですが、前者、つまり政権運営の基本方針そのものに関しては、少なくとも4年間は絶対に変えちゃいけません。投げ出し禅譲が続き、その間ブレまくった自民党流のやり方ではなく、その時は再び解散して国民の信を問うべきなのです。
 ところが、いま起こっている新政権に対する批判は、明らかに手法ではなく前者の基本方針を捻じ曲げろというもの。まさに政治の根本を履き違えているといわざるを得ません。「いや、そんなことしたら直ちに有権者の信頼を失う」、「『マニフェストどおりの政策を実行してくれ』と叱咤激励されているところだ」と、民主党議員の皆さんは正しい応答を返していらっしゃいますので、心配はなかろうと思いますが・・。
 そうした身勝手な批判の中でも、最たるものが八ッ場ダム建設中止問題。市民ブロガーの方が、推進派住民としてテレビに登場しているのが自民党系の推進派議員であり、ダム建設事業に天下り団体・企業が山ほど群がっている実態を見事に暴いてくれています。

−八ッ場ダム報道でヤラセ発覚|きっこのブログ
http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/2009/09/post-39f8.html

 大本営NHKや鯨研のオトモダチ新聞産経はまあしょーがないとして、あの「東京マガジン」(9/20)まですぅっっかり騙されちゃうんだもんねぇ・・。真相は上掲ブログを読んでもらいたいと思いますが、“人間感情”としては「大型ダムなんて二度とゴメンだ」って方が“自然”だろ〜と首を捻ってましたから、やぁっぱりねぇって感じです。村で水車を建てようとして止められたってんじゃあるまいに。国が強制的に押し付け、見通しの甘さで倍以上に膨れ上がった4600億円もの巨大事業。地域の個性・アイデンティティの元本である自然を根こそぎにしながら、ダムの“知名度アップ”補助金で村興しし、観光客を呼び込もうなどというとんでもない幻想を抱かされた挙げ句、後に残るのは自治体・住民が抱える途方もない借金の山というお定まりのパターンに陥るだけでしょう。そもそも、川野辺にはいる反対派の住民がゼロってのが、自由に物が言えない常軌を逸したシチュエーション
 民主党の脱公共事業政策は、菅直人氏がイギリス視察のうえで提起した緑のダム構想などを踏まえ練り上げられたもので、ぽっと出の単純なオールオアナッシングの話ではありません。脱ダムの先進モデル地区として積極姿勢を前面に打ち出し、国のバックアップを受けて過疎地域の中でも成功を収める可能性を有していたのに、長野原はみすみすそれをよそに譲ってしまったということでしょう。
 国民感情を蔑ろにする? それじゃ聞きますが、自公政権時に蔑ろにされた人は日本には1人もいなかったんでしょうか? だったら、今回の総選挙で自民は圧勝どころか全議席獲得してたでしょうな・・。北半球の飽食大国日本の調査捕鯨によって、自国の沿岸を回遊する野生動物を勝手に殺されて心を痛めているオーストラリアの人々はどうなるんですか? 騒音被害を我慢させられる基地周辺住民、切り捨てられ住むところのない派遣労働者、薬害被害者、差別が絶えず水産官僚に文化の尊厳を無視されるアイヌや在日外国人、生活保護を認めてもらえず孤独に餓死する方まで、「なんでもいいからともかくダム造れ」という理不尽な感情より、優先順位の点ではるかに上位に置かれるべき、もっと大切なものを踏みにじられている人が一体どれだけ大勢この国にいるでしょう?
 巨大ダム推進、死刑推進、ダム推進、拉致硬直外交、そして捕鯨といった、ナショナリズム昂揚と、自民党政治家&天下り官僚の利権という実利が絡むきわめて特異なケースのみ、普段は国が顧みてくれることのない“剥き出しの感情”が前面に押し出されてくるのですから、何とも始末に負えません。ネットをチェックしたりしないで専らマスコミ発の情報に頼っている少なからぬヒトたちが、これにまんまと引っかかり、「反捕鯨欧米はけしからん」てのと同様に「ダム中止なんてけしからん」と茶の間で怒り出してしまうのですから。
 筆者と前原氏とは価値観のズレが結構大きいのですが、国交相としての氏の姿勢は誠実な印象を受けますし、力量の点でも非常に期待感があります。マスコミを味方につけて足を引っ張ろうとする国交官僚たちに負けないよう、ぜひ初志貫徹でガンバってほしいところ。
 もう一つの例として、鳩山首相が国連でスピーチした、温室効果ガス排出25%削減(90年比)を引いてみましょう。このメッセージは、これまで排出量が多く削減に消極姿勢だった中国と米国、また開発途上国を引っ張り込んで姿勢転換を促す(オバマ大統領に対しては効果的な援護射撃となる)外交的にも非常に大きな意味を持つもので、EU諸国や環境NGOが大歓迎したのも当然でした。まさに環境技術立国日本の面目躍如。ローゼン元首相とはエライ違い。ところが、こちらでもまた各マスコミが経団連の片棒を担いでさんざん足を引っ張っています。
 その中で、CO2削減対策の家計負担分が自民党の15%案なら7.7万円に対し、民主党の25%案だと36万円という経産省の試算を産経がスクープし(こういうとこがいかにも捕鯨ヨイショのアンチエコ新聞らしいですが・・)、テレビやネットでも流布されています。が、消極派の立場を代弁する経産省らしく、太陽光発電の普及が阻害されている日本特有の事情が考慮されていませんし、日本が野心的な目標を掲げることで国際的な対策も急ピッチで進み、低炭素型産業の成長基盤が整えば数字もまた変わってくるはず。一方、洪水から熱ストレスによる健康被害に至るまで、対策をほったらかして地球温暖化がどんどん進行した場合、2090年には年間の国内被害総額が10兆円規模に達するという試算を今年環境省が発表したばかり。

−地球環境研究総合推進費戦略的研究プロジェクト「温暖化影響総合予測プロジェクト」成果発表について〜地球温暖化「日本への影響」-長期的な気候安定化レベルと影響リスク評価- 〜 (5/31,環境省)
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=11176

 民主党が目をつけている特別会計のムダに匹敵する金額です。対策コストなんて帳消しですよ。経団連や傘下の企業トップたち、テレビでブーたれている評論家たちには、この分をぜーんぶもってもらいたいものです。目先の損得勘定にばかり目がいって、長期的な大損失が頭からすっぽり抜け落ちるという短絡的思考は、株価チャートをにらんで先を読むのが得意なはずの賢明な方々らしくありません。それとも、いまの自分さえ儲かればよくて、後の世代がどれだけツケを払わされようが知ったこっちゃないというのが本音なのでしょうか? 新聞であまり大きくは取り上げられなかったかもしれませんが、環境省の報道発表を経産省や経団連が知らないなんておかしいですもん、ねぇ? 産経はともかく。。家庭負担の試算については岡田外相がさっそく見直しを指示したとのことですので、もう安心だと思いますが・・。

 続いて本題、赤松農水相の動きについて。今月21日に築地市場視察に訪れた際、「移転に限定せず白紙の状態で見てみたかった。賛成派、反対派を問わず広く公平に意見を聞き、最終的な判断をしたい」という旨の発言をされました。

−赤松農相築地を視察 (9/24,読売他)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090924-00000413-yom-soci

 前事務次官の大日本水産会への駆け込み天下りに関する見解も絶賛に値するものでしたが、実に素晴らしい、また頼もしいお言葉です。赤松農相には、捕鯨問題を検討する際にもぜひ同じ方針を貫いていただきたいですね。いまごろ捕鯨サークル(補助金・持ち株・天下り先という形で相互依存関係にある水産官僚・日本鯨類研究所及び株式会社共同船舶/日本捕鯨協会)は、農林水産行政に新風を呼び込もうとしている農相に対して、自民党時代とまったく変わらない方針を堅持してもらおうと躍起になっていることでしょう。しかし、他の公共事業・農林水産施策とまったく同様に、競合政党と同じやり方をそっくり踏襲する必要など何もありません。公海調査捕鯨に関しては、水産官僚の言いなりになって存続に固執せず、まずは白紙の状態で望んでください。そして、賛成派、反対派問わず、とりわけ国内の少なからぬ反対派の声にも公平に耳を傾けていただき、柔軟な姿勢で判断していただきたいと思います。
 この問題に関して農相にとくにお目通しいただきたい資料を挙げておきます。当ブログにお越しになっている方は既にご存知でしょうが、ご覧になってない方には同じく一読をオススメします。

・「捕鯨をめぐる問題――調査捕鯨問題を中心に」農水省国際研究課長鈴木亮太郎氏(『ジュリスト』'08/10/15号)
・「メディアが伝えぬ日本捕鯨の内幕──税を投じて友人なくす」慶応大学特別招聘教授谷口智彦氏(『WEDGE』2月号)
・「なぜ調査捕鯨論争は繰り返されるのか」(東北大学准教授石井敦氏(『世界』'08/3月号)
・「捕鯨ナショナリズム煽る農水省の罪」ライター長谷川煕氏(『AERA』'08/4/7号)
・「Whaling in Japan: Power, Politics and Diplomacy」酪農学園大学教授森川純氏(HURST,'09/8)

 4番目については要約をmarburg_aromatics_chemさんが紹介してくれていますので、皆さんもぜひご参照くだされ(下のリンク)。

−「Whaling in Japan: Power, Politics and Diplomacy」(森川純著)(その1)|ドイツ語好きの化学者のメモ
http://blogs.yahoo.co.jp/marburg_aromatics_chem/62255596.html

 そしてもう一つ、後ほどご紹介するこの土日に開かれた環境省主催のシンポジウムの資料もぜひチェックしてもらいたいと思います。
 ここに挙げた内容は、水産・捕鯨外交事情に精通された鈴木氏や谷口氏はもちろん、いずれも沿岸捕鯨については容認の立場で捕鯨反対ですらありません。国民の平均的な捕鯨観に沿いながら、なおかつ詳細な論考をなさっている点が特徴。鈴木・谷口の両氏は、自分もそのケがあるんだか利権団体に天下りした先輩たちを目一杯庇うジゾクテキリヨウキョウ原理主義者の嘘つき二枚舌参事官森下丈二氏とは大違いで、バランス感覚を備え大局的見地から広義国益を見据えることのできる、大変尊敬できる方々。
 ラディカルなスタンスの筆者としても、沿岸捕鯨を含めて「1頭も殺すな」という主張は、石井氏が指摘する逆予定調和に乗っかる「反対のための反対」でしかなく、現実性があるとは思っていません。これまでにも当ブログ上で何度も口酸っぱく説明したとおりですが・・。
 赤松農相にはもちろん、部下である当の捕鯨セクションの官僚、鯨研の理事、共同船舶の幹部らの説明も受けてもらいましょう。彼らサークル関係者や、産経記者・NHKやテレビ朝日のディレクターなどのように、立場の異なる側の主張をそっくり隠して都合のいいバーチャル反対派とすりかえるような卑劣な真似はしたくないですもんね・・。ただ、はっきりしているのは、当事者たる水産官僚と業界関係者に、赤松氏が築地移転問題で求めたような、客観的判断の材料となる資料を提供するのは不可能だということ。自民党捕鯨議連とつるみ、捕鯨協会が広告屋に頼んででっち上げた「伝統食文化を守れ」のスローガンを隠れ蓑にし、捕鯨+水産ODA利権の甘い汁を貪ってきた天下り水産官僚たちは、こうした主張や情報の存在そのものをひた隠しにしようとするでしょう。永田町のパーティーで御馳走してもらい、安倍元首相らのように根っから染み付いたルサンチマン的愛国魂をくすぐられてすっかり抱き込まれるようなことは、赤松氏であればよもやないだろうと思いますが、くれぐれもご注意いただきたいところ。場合によっては、両者の提供情報のあまりの落差に驚かれるかもしれません。その時は、民主党内や連立パートナー社民党に野生動物保護文脈からの捕鯨問題に精通した方がいらっしゃいますから、ぜひ助言を求めていただきましょう。

「これまで既得権益の構造から排除されてきた人々の立場に立ちます」「あらゆる差別と特権を憎み誰もが共生できる社会を目指します」と政策理念を掲げておられる赤松農相の賢明なご判断を信じたいと思います。
 この件に関連して、以前取り上げた捕鯨推進労組全日本海員組合調査捕鯨事業の異常な高死亡率の問題についても、また後日補足する予定。

 

◇聖域捕鯨外交だけは旧い自民党時代と何一つ変わらない!?〜ウヨガキ君の投稿紹介コーナーニャ〜


AFPに捕鯨の最新記事が出ていますので、次のとおりお知らせしてしておきます。
鳩山政権でも捕鯨は推進していくようです。残念でしたね。
あなたのように「ウヨ」だ「サヨ」だとレッテル貼りたがる単純な人もいますが、捕鯨に左も右もないということを付言しておきます。
(タコさん)


 上掲は愛蛸家(?)なんだか、相変わらず面白いハンドルネーミングセンスのウヨガキ君からの投稿・・・。
 さて、問題の記事はこちらですね。2chで和訳が出回ってるみたいですが。

−"Japan's new government stands by whaling"(9/24,AFP)
http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5g18OXO_qgbibJQmmJIjo2heRqBDw

 それにしても、こんな短い和訳の内容すらちゃんと読みこなせないんだね、チミたちは。。。AFPの記事の悲観的な書き方も多少問題はあると思いますけど。単純なヒト以外の読者の皆さんは大丈夫だと思いますが、一応補足しておきましょう。
 まず、先に外務省の報道発表資料の方をご紹介。

−日豪外相会談 (9/22,外務省)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/australia/visit/0909_gk.html


(7)捕鯨問題
 スミス外相より、捕鯨問題については、良好な日豪関係を損なうことのないよう二国間及び多国間の協議を通じ、外交的解決を目指したい旨述べ、双方で引き続き協議していくことで一致。また、岡田大臣より、シーシェパードのような過激な行動をする団体について、豪側の協力を要請したい旨述べた。 (引用抜粋)


 いっちばん最後にお互い遠慮しぃしぃチョロッと舌先に上らせる、まあいつものパターンですわな。先にスミス外相が触れたので、岡田外相はこの場で出来る「差し触りのない受け答え」をしたというのが正しい見方。
 ウヨガキ君たちは2つの誤解をしており、記事をしっかり読めば根拠がないことがわかります。
 一つ。外務当局関係者の発言自体が示しているとおり、岡田外相ないし鳩山首相の捕鯨に関するスタンスを彼らは聞いておらず、勝手に希望的観測を述べているだけです。そして、シーシェパードの妨害対応問題は調査捕鯨推進とは完全に無関係。多数の反捕鯨国が参加しているIWCで全会一致で非難決議が採択されたとおり。筆者もSSの妨害は非難してきましたよ。日本の調査捕鯨船団側も大差ないとも付け加えましたけど・・。IWCや筆者が「捕鯨を推進していくようです」というのと同じくらいトンチンカンな誤解。
 民主党の捕鯨政策に幻想を抱くつもりはありませんが、「ここ」だけ「変化ゼロ」情報公開脱官僚の対象外として聖域化するなど許されないことで、また絶対にそんなトンデモナイ事態には至らないものと筆者は確信しております。ま、とりあえず今後の経緯を見守るしかありませんが。
 「捕鯨に左も右もない」という点については、反反捕鯨論者の大多数がルサンチマンに駆られたかな〜り過激な右翼思想の持ち主であることは、従来から具体的に説明してきたとおりです。国内総会で街中をけたたましく走り回る数十台のリアル右翼の街宣車然り。検索エンジン等で引っかかるHNやブログタイトルで一目瞭然のウヨガキ君たち然り。櫻井よしこ氏はじめ威勢のいい保守系文化人・論壇人が多数いること然り。江川紹子氏のように、リベラルよりと世間一般に思われている風でも、日本の捕鯨ブンカのみ特殊視・神聖視することで本性がついポロッと出てしまった潜在的ウヨ文化人然り。捕鯨サークルと最も仲良しなウヨマスコミ産経然り。安倍晋三氏山際大志郎氏に代表されるネオコン議員が中心となった自民党捕鯨議連然り。素朴で無根拠の捕鯨性善説をNHKを使って国民に吹聴する秋道智彌氏然り。アイヌ文化はどうでもいい原理主義者森下参事官然り。一体どこの極右団体かと見まがうほどの戦闘的なプレスリリースを流す研究機関(?)鯨研然り。差別用語を運営サイトで野放しにする日本捕鯨協会然り。その捕鯨協会に雇ってもらったPRマンで右系オピニオン誌に寄稿しまくった捕鯨擁護プロパガンダの立役者である梅崎義人氏然り。オーソドックスなデモンストレーションに過ぎない行為を異文化として尊重せずに十年一日の如く根に持っている、水産幹部官僚・大手捕鯨会社トップ・大日本水産会などの利権団体役員を渡り歩いてきた、捕鯨擁護運動の中心人物の1人米澤邦男氏然り。
 そもそも、オーストラリアの野生動物保護文化やアイヌ文化は無視してよいが、資本家がノルウェーから持ち込んだ近代捕鯨でたかが40年前に開拓したばっかりの南極クロミンククジラ捕鯨だけは絶対死守して世界に対して押し通さなければ罷りならんとする特異な拡張主義的文化観からして、偏狭なナショナリズム以外の何物でもないわけですが。
 レッテル貼りといっても、筆者はウヨに対してウヨと言っているだけ。捕鯨賛成派が100%全員ウヨだとも言っていません。カネで捕鯨協会に雇われた広告屋梅崎義人氏のように、米豪など日本のもっとも大切な友人を差別国家扱いし、反捕鯨団体を人種差別団体に摩り替え、いわれのないレッテルを貼った人物と一緒くたにされちゃ困ります。
 ついでにいえば、ナショナリズム・愛国心というものは、どこの国にもあるありふれた普遍的な感情です。ほとんどのニンゲンが大なり小なり持っており、要するに、「群れに対する帰属・固着意識」という社会性哺乳類に広く見られる、進化史上有利であるという理由から発展してきた生得的心理に、文化という後天的な要素がゴチャゴチャ付随しまくって膨れ上がっただけの代物。現代の愛国心はどちらかというと、哺乳類の群れとはかけ離れた社会性昆虫の超個体に近い印象を、この本能的感情が薄い筆者なんかは抱いてしまいますけどね・・。郷土に対する愛着心は筆者も人並みに持ち合わせていますが、それはリアルな実体のあるもの。近代国家とは、国民に必要なインフラ・サービスを提供し調整を行う奉仕機関であるべきで、愛を強要するなどもってのほかというのが筆者の個人的立場。

 日本(自分たち)だけ特別な存在だと思いたがるシンドローム」に罹かっちゃってるヒトを見分けるのは簡単なこと。自分達だけではなく誰も(どこの国も)が特別であることを理解し、異なる文化・感情・価値観を尊重できるか否か。こどもでもわかることだよね。
 ところで、民主党は皆さんご存知のように、「自民党より鷹」と呼ばれるほどの右から旧社会党系の左までいる寄り合い所帯。民主党が捕鯨推進策を表明するしないは、誰が中心になって政策立案に関わったかにもより、捕鯨賛成派が右よりか左よりかの判断材料にはなりませんね。ひょっとすると、このウヨガキ君は自民党シンパで、「自民党を軸とすると民主党は左だから、民主党が捕鯨に賛成すれば右も左もないんだ」という思い込みからこんな投稿をしたのかもしれませんが。
 それにしても、なんでウヨガキ君たちはウヨと呼ばれるのを気にするんだろね? ヘンなコンプレックスだよね。。レッテル貼り手法を採用した捕鯨協会関係者だったら、その威力怖さをわかってるだろうけど。。。

 最後に、新しい動きをご紹介しておきましょう。26・27日の土日2日間にわたり、千葉で「環境経済・政策学会2009年大会」が開かれました。環境省も主催に入っています。26日には漁業・海洋生態系、27日には「捕鯨論争の解剖学」と銘打った企画セッションが。プログラムの要約がPDFファイルとして公開されており、これだけでも捕鯨問題を客観的に俯瞰するのに十分なものですので、皆さんもぜひチェックしてみてください。

http://wwwsoc.nii.ac.jp/seeps/meeting/2009/seeps2009program.pdf (リンク切れ)
http://wwwsoc.nii.ac.jp/seeps/meeting/2009/abst/prog0908_2009.html (リンク切れ)

 霞ヶ関1、2を争う天下り天国農水省とは対照的に、天下り利権と縁遠い日陰の存在として苦労症のマジメな職員が多かった環境省ですが、政権交代により温室効果ガス排出削減、グリーン・ニューディール関連などの面で大きな役割が期待されています。水産庁及び外務省内の出向組に好き勝手放題を許し、海洋生態系・野生動物保護において先進国としてあまりにも情けない地位に甘んじてきた現状を変えるべく、環境省にはぜひこの方面に対する発言力を高めていってもらいたいもの。また、セッションに参加された優れた若手の研究者の皆さんの勇気と知性に敬意を表するとともに、今後の活躍に注目していきたいと思います。 

posted by カメクジラネコ at 04:05| Comment(2) | TrackBack(0) | 社会科学系
この記事へのコメント
民主党・・・、意外に石橋を叩いて渡るというか、みた目以上に堅実に物事を進めているなというのが正直な印象です。
八ッ場ダムの報道は少しおかしいと思っていましたが、やらせというか、公平に語るべき立場にない人が同情を引くようなのは頂けません。
話は変わりますが、捕鯨の何が右をひきつけるのだろうという・・・、案外日本も欧米と一緒に捕鯨から撤退して、国際的に非難されるという事象がなければ、捕鯨に何の関心も持たなかったのでは・・・。
無茶な論理は情報を何一つ吟味するリソースが皆無である点に起因しているとして、本当はこういう事がなければ、感心も持たない人々なのではないかという気もします。
Posted by 猫玉 at 2009年10月01日 18:56
>猫玉さん
民主党その後・・少なくとも半年は様子を見ないとわかんないすね。国民の関心が下がってくると怖いかなあという気が・・。でも、半年間今くらいの関心を維持すんのは苦しいかも。。いまは比較的おとなしくしてる官僚は、それまでじぃっと耐えてんじゃないかニャ〜と思ったりして・・・
反反捕鯨ウヨは、ニホンv.s.オウベイの構図がはっきりしてりゃネタは何でもよかったでしょうね。海外が何にも文句言わなくなったら、逆に捕鯨サークルは支持を失ってあっという間に潰れるんじゃねーかってな<仮説>もあったり。。もっとも、誰も見てないのをいいことにえげつないことし放題になりかねないので、私はそこまで楽観的にはなれませんが・・
Posted by ネコ at 2009年10月02日 01:58
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