2009年09月14日

調査捕鯨ミステリー〜副産物鯨肉が途中で蒸発!?/捕鯨礼賛番組で10枚座布団持ってかれたNHK、1枚分取り戻す

◇鯨肉在庫最新情報──水揚されたのに倉庫に入る前に消えちゃった???

■冷蔵水産物流通量 (農水省HP)
http://www.maff.go.jp/www/info/bunrui/bun06.html (リンク切れ)

 10日に発表された農水省の鯨肉在庫統計について、読者の方から注意喚起をいただきました。

 まず、6、7月の入庫が493トン及び381トンと異常に少なくなっています。この両月はJARPN2(北西太平洋調査捕鯨)分鯨肉の水揚月に当たっています。年度によって漁期がずれますが(サミットを避けるとかつまらん理由だったりするけど・・)、昨年まではピークで千トン超の数字でした。今年の調査では、母船日新丸が6月26日に函館にいったん寄港、終了後の7月29日には東京の大井埠頭に入港し、鯨肉を積み下ろしたと見られるため、両月合わせて2千トン弱程度の数字が挙がっていなければならないのです。
 都市別在庫の方を見ると、確かに6月の函館が急増して3位に浮上していますが、増加分は350トン程度でしかありません。また、7月の東京は逆に350トンほど減ってしまっています。本来であれば、この両月のJARPN2分の入庫で、ピークに達した鯨肉在庫は5千トンを突破して3年前の水準にまで逆戻りしていても不思議はありません。というより、そうでなければおかしな数字ということになります。
 考えられるのは、過去記事でもお伝えした、7月大井埠頭での鯨肉積み下ろし作業の際発生した人身事故のために、当月入庫としての計上報告が遅れた可能性。もっとも、それだけでは函館入荷分が少ないことは説明できません。筆者らがアヤシイと睨んできた、調査対象外倉庫へ消す形で数字の操作が行われた可能性もかなり高いと考えられます。なぜなら、前年に比べると少し頑張ったとはいえ、昨JARPA2では船員転落事故等の影響で予定捕獲数には達しませんでした。にも関わらず、鯨肉在庫の方は再び5千トンの大台に乗ってしまったとなれば、マスコミや市民団体の注意を引くことは確実で、国民の鯨肉消費離れの実態を隠したい捕鯨サークルとしては、それは避けたいわけです。
 昨年も同様に、統計上の入出庫の数字をいじくって、従来ピークだったJARPA2後の4、5月ではなく9月に年間の最大値がズレるようにして、見かけ上在庫が増えていないように細工した疑いがありました。水揚時の一次入荷用には、統計調査対象の大型倉庫を使用しないわけにはいかないはずですから、もし来月になっても一連のおかしな数字が変わらなければ、罰則規定がないのをいいことに彼らが帳簿上で行った悪質な統計操作疑惑は濃厚ということになるでしょう。
 ただ、転売の操作とは異なり、入庫の数字がここまで大きく実情と食い違うのは異例。市民の監視の目も意に介さず、オトモダチ新聞産経熱狂的なシンパがヨイショ番組を作ってくれるNHKなどマスコミを味方につければOKとたかをくくり、同じ誤魔化すにしてもかなり大胆になってきたことの表れかもしれません・・。
 さて、来月の在庫統計で前月の数字が修正されているか、あるいは8月分として計上されているか、それともシラを切って誤魔化し通すか。鯨研が出す副産物販売時のプレスリリースの“副産物”量の数字と合わせて要チェック!
 もう一つの注目ポイントは、今年に入ってからの出庫量。いやはや少ないですね・・。1月から7月までの数字を昨年と比較してみると75%、2年前の’07年と比べるとなんと54%にまで落ち込んでいます。JARPA2増産後の出庫ピーク7月の数字653トンは、2年前の約半分、3年前の3分の1程度でしかありません。
 ちなみに、今年は5月だけ奇妙に出庫量が増えており、654トンと例年のピーク7月より1トン上。都市別で見ると、石巻にあった在庫が400トンも忽然と姿を消しており、これまたの出庫増・・。この5月以外の月間出庫の前年度比の平均は63%にすぎません。2、3年前の数字は、共同船舶社内に発足した販促別働隊「鯨食ラボ」大出血サービスにいそしんでいたおかげといえますが、もはや体力がまったく残ってないんでしょうか。昨年の販売状況についても、水産業界紙上で共同船舶社長が、赤肉は慢性的に売れてないけど白手物は昨年前半はそこそこ売れた(でも結局後半は落ちた・・)と弁明していましたが、今年はさらに厳しい数字となり、関係者もさぞかし青ざめていることでしょう。で、7月に出てきたのが、北海道新聞などが報じた「最大2割もの大幅値下げ」という措置だったわけです。
 前回の記事で取り上げた農水補助金の件と合わせ、Mさんが以下のように分析してくれています。


調査捕鯨の新規補助金ですが、今年の鯨肉販売の値下げ分に相当しているように思えます。販売の細目がないので概算ですが、キロ当たり平均100円の値下げとすると2億円の減収だと思われます。大口取引での割引もあるため、約3億円の新規予算追加は、伝統的「補助金」の性格を証明しているようなものですね。(Mさん)


 別の関係筋によると、7月発表の大幅値下げは、主に飲食店向けの比較的スジっぽい安物部位がメインで、社長発言で少しは掃けたとしている白手物の一部は値上げした模様。さらに値下げに踏み切ったのは、解体加工用の自動カッターを母船に積み込んだおかげでコストダウンできたという裏があるとの情報も。もはや食ブンカもへったくれもありませんが、辞めていく社員が続出していることとも合わせ、共同船舶にとっちゃ一石二鳥ということでしょう。
 この点について筆者は、ある強い疑念を抱いています。1台2千万円(業界の方はそれでも高すぎるとコメントしていかれましたが)しかしないLRAD装備だけでは合理的説明がつかない、H20の補正及び昨年の本予算の「円滑化(SS対策)事業」、保安上の理由で詳細が一切明らかにされない3億+8億円もの巨額の国庫補助金が、実は共同船舶・鯨研の赤字対策に流用されていたのではないかと──。

−調査捕鯨の闇がまたひとつ──不可解な鯨肉大幅値下げ、そのコストを負担するのは一体誰!!?? (拙ブログ)
http://kkneko.sblo.jp/article/30322511.html
−増える在庫/消える在庫 鯨肉在庫統計のカラクリを読む (市民ニュースJANJAN)
http://janjan.voicejapan.org/living/0811/0811140481/1.php
−グラフで解る鯨肉在庫のカラクリ (拙HP)
http://www.kkneko.com/zaiko.htm
 

◇NHK、少しはクジラの宣伝もしたけど、捕鯨業界礼賛偏向番組にはかなわず・・

■大迫力!水を飛ばすクジラ|ダーウィンが来た! (9/13 19:30-,NHK)
http://www.nhk.or.jp/darwin/program/program162.html
http://www.nhk.or.jp/darwin/report/report109.html

 オルカでも有名なバンクーバーに近いカナダ西海岸・クイーンシャーロット諸島周辺のザトウクジラ。北太平洋の個体群は、繁殖海域は沖縄、小笠原、ハワイ、メキシコ沖と分断されていますが、索餌海域はアリューシャン、アラスカからカナダ西海岸にかけて重なっており、尾ビレ標識撮影による個体識別では、異なる繁殖海域間を移動する個体も観察されています。解説フリップで表示されたのはハワイとメキシコだけでしたが、太平洋西側の日本の沖縄・小笠原のグループとの間でも交流はあるでしょう。
 その北太平洋のザトウの個体群に大きなダメージを与えたのは、古式時代から近代に至る日本の捕鯨産業に他なりませんでした(ウヨガキ君やNHKの別のディレクターは史実を無視したがりますが・・)。今では国内のウォッチャーも多く、人気の高い野生動物となった感のある、その同じザトウクジラの南半球の個体群に対しては、「殺すのが当然だが見逃しておいてやる」などという不届き千万なメッセージを、世界に向けて大声で発信しているのが水産庁なわけです・・・。
 番組のメインテーマは、これまでメディアで紹介されなかった、尾ビレで水面をたたくザトウの不思議な行動。いつものオヤジキャラと下手でわかりにくいCGは要らないんだけど、今回の解説では、餌のオキアミを集めるための行動と威嚇用のテイルスラップとの違いを映像で並べてわかりやすく説明していたので◎。フリッパリングを「機嫌がよい」ときの行動とするのはちょっと誤解を生みそうですが、大目に見れる範囲でしょう。番組中でも紹介されたバブルネットフィーディングと同様、音声による情報伝達で連携をとるチームプレイに加え、30年ほど前から新たに行動のレパートリーに追加されたということですから、非常に高度な後天的学習行動といえます。このような非定型的行動の進化は、サルやササゴイなど野生動物の多くで見られるもので、取り立ててクジラが賢いというわけではないのですが、それでも他の社会性野生動物と同様に知的であることは間違いないところ。
 エソロジーの観点からも興味深いものですが、番組ではエコロジーの切り口からも取り上げられていました。この行動の変化、実は主要な餌生物種がニシンからオキアミに変わったことで、“開発”を余儀なくされたものだったのです。「生きるために仕方なく」というNHKの解説はやや大げさだけど(無理やり駄洒落に合わせようとしなきゃいいのに・・)。で、その原因を作ったのは、他でもないニンゲンによるニシンの乱獲でした。カナダの自然保護団体の研究者の調査活動に同行取材して制作した番組であれば、もちろん別の部局に生態学のセの字も知らないディレクターがいたとしても、非科学的なトンデモ論を流布する真似はNHKとしても出来ないでしょう。

 解説は評価できるのですが、問題があったのは、30分番組なのに休憩代わりに挟んでる蛇足のコーナー。餌のオキアミについて、魚よりバイオマスが多いという説明に加え、「“養殖餌”として役に立つといって結んでしまったこと。主題でニシンの過剰漁獲が野生動物であるクジラたちを食糧難に追いやったと言ってるのに、なんでそっちに向かっちゃマズイでしょ(--;; 実際、地球温暖化の影響も懸念されている中で、養殖用の需要増に合わせオキアミ漁の漁獲量も増えており、クジラのみならずアザラシや海鳥など番組中でも取り上げられた多くの野生動物を脅かしかねない状況にあるのだから、どうせならそっちを紹介すりゃいいのにね・・。
 もう一点、天敵としてシャチの映像がチラッと出ましたが、今回の取材とは無関係の資料映像で、映りが悪く判然としませんでしたが、放り上げて捕食されていたのはおそらくネズミイルカと思われます。シャチは昨今ではタイプにより複数の種もしくは亜種に分けられるとする学説が出てきていますし、同海域には主にサケなど魚を摂餌する小型の定住タイプも生息しています。
 で、登場したザトウの母親の尾ビレにあった傷跡を、番組ではシャチの噛み跡と称していたのですが・・これ、ホントに研究者に確認した?? シャチはグループで駆りを行い、泳速もザトウより速いので、実際に狙われたらあんな噛み跡だけで済むか、少々疑問です。むしろあの傷痕は、マナティーなどでよく見られる船のスクリューによるものではないかと、筆者には思えました。要するにこれも人為的要因ではないのかと・・。

 いくつか注文をつけましたが、番組全体としては及第点。Webで掲載されているスタッフの裏話を読むと、同じ会社に勤める誰かさんと違い、環境問題に理解のある常識的な方であることがわかります。


なぜ、クジラが水を飛ばすのか?その理由として分かってきたのは、ザトウクジラの主要な食べもののひとつ、ニシンの減少です。ニシンと言えば、おせち料理には欠かせない「数の子」の原料となる魚。実は、私たち日本人の食卓とクジラの生態は、意外なところで繋がっていたのです。この番組をきっかけに、海と人間の関係はどうあるべきか、見つめ直して頂ければ幸いです。(取材ウラ日記から引用)

 今回の監修は、以前の土佐のニタリの回と同じ東京海洋大のヘンな里海論者加藤秀弘氏かと思いきや、川口創氏。過去に調査捕鯨にも参加した経験があるようですが、水産総合研究センター等を経てオーストラリア南極局へ行かれたオキアミ研究者の方のようです。ま、同名の鯨研理事「いつ機関銃が火を吹くんですか」発言の石川創氏よりゃマシでしょう。
 野生動物が環境に応じて柔軟に行動を変化させること、生態系の種間関係は可塑的かつ安定的な動的平衡を保っていることは、トンデモ理論にしがみついている無知なウヨガキ君と同レベルのNHKの別番組の制作担当者以外の、『ダーウィン』を観ている生物フリークであれば理解できることと思います。長期的なタイムスパンで眺めれば、ニッチにおける種の遷移は進化史の中で絶えず起こってきたことですが、永い生物の歴史を根底から覆したのはただ一種、自然の法則とはメジャーの異なるまったく別のルールを持ち込んだニンゲンのみです。クジラではありません。
 5千万年の間他の生物種と共存してきた鯨類のうち、ミンククジラやクロミンククジラ、ザトウクジラという特定の種がごく近年になって突然生態学の法則から外れるエイリアンと化すというバカげた話はありえないのです。皮肉にもJARPAの結果自体が明らかにしたように、クロミンククジラの個体数は安定しており、遺伝子解析によっても急増した可能性は完全否定されました。JARPNの結果が出る前からわかりきっていた話でしたが、クジラたちは他の野生動物と同様、それぞれのニッチでその時々に最も利用しやすい餌生物を利用します。この番組で紹介された、北太平洋ザトウのニシンからオキアミへの切り替えのように。再生産率が非常に低く、急激な個体数変動が起こりえない大型動物に相応しく、機動性とある程度の餌生物のバリエーションの広さ、そして発達した知能と社会性によってもたらされる臨機応変な適応行動によって、進化史を生き延びてきたのが、クジラという動物なのです。
 これも以前NHKの番組で紹介されましたが、シロナガスの亜種ピグミーシロナガスの個体群は、南極海まで回遊せずにオーストラリア南岸で浮魚を捕食する適応行動を示すようになりました。シロナガスの個体数がなかなか回復しない理由はただ一つ。ミンクにニッチを乗っ取られたなどという非科学的なトンデモ学説ではなく、絶対数の減少が社会行動など様々な理由で繁殖率の悪化に直結しているからです。未曾有の乱獲によって南極の海に住むクジラたちを軒並み追い詰めたニンゲンが、間引きなどという更なる愚挙を重ねれば、一層生態系のバランスを崩して(おそらく繁殖率の高い他の各種オキアミ捕食者を増やすことで)ますますシロナガスを苦境に追いやるのは必至。天下りなどで結び付いた業界の利益ばかりを慮り、結果に責任をとることを一切しない水産官僚たちと、業界に寄生するだけの無能な学者の所為で、日本人は「海のコンサベーション・ギャング」の烙印を押されて未来永劫非難され続ける羽目になるでしょう。そんなことは絶対に許してはなりません。
 致死的調査でいくら胃内容物を調べようと、得られるのは前述の当たり前の結論だけ。番組で紹介されたカナダの長期的な非致死的研究は、野生動物のユニークな行動生態を明らかにするにとどまらず、その行動変化の背景を探ることから海洋生態系に起きている変化まで推測することができる点で、日本の調査捕鯨とは比較にならない優れた研究といえます。特定の種に限って大量捕殺を毎年毎年繰り返しても、生態系の調査、漁業への影響を調べるうえではまったく意味をなしません。乱獲・汚染・開発という専らニンゲンの仕業による漁業資源への影響とそれに対する実効性のある対策から漁民・国民の目を逸らし、すなわち水産庁が負うべき責任を回避するのにはうってつけのスケープゴートかもしれませんが・・。
 生態学や行動学に関する知識や関心もなく、致死的資源学のアプローチのみを唯一至上の科学として崇拝する反反捕鯨論者たちは、こっちが何を指摘しようが馬耳(鯨耳垢)東風でトンデモ学説にいつまでもしがみつくでしょう。その彼らにネタを喜んで提供している鯨研の連中も、他でもない自らの組織の延命のために、長期観察によって初めて成果を得られる科学的資源を、スナップショットでしかない情報取得のみのために破壊してしまう低レベルの捕殺調査を続けようとするでしょう。
 付けるクスリのないウヨガキ君らはほっとくよりしょうがなし、科学を隠れ蓑にした鯨研と水産庁の官僚たちは引き続き責任を追及していくしかありませんが、問題は公共放送NHK。正直、今回のダーウィンだけなら2、3枚座布団をあげてもよいとこなんですけどね〜・・・。
 この件に関して、同じ番組をご覧になったMさんから、以下のお便りもいただきました。


ニシンが激減した原因として、「人間の乱獲」のみが挙げられていました。ニシンの減少にはレジームシフトも関係していると思いますが、ニシン激減の原因が人間であるという説を紹介したわけで、番組スタッフが違うと、こうなるのですね。「クジラ食害論」を信じている人たちは、NHKに抗議するのでしょうかね。


 どれのことを言っているか、皆さんにもおわかりになりますね。そう、近年の捕鯨プロパガンダ作品として最優秀賞を収めそうな例の同局制作番組。

■知る楽歴史眠らず・くじら物語 (8/11 22:25-,NHK教育)
http://www.nhk.or.jp/shiruraku/tue/index.html (リンク切れ)

 そして、筆者の問合せに対するNHK視聴者コールセンターからのブッ飛んだ再回答が以下。


いつもNHKの番組やニュースをご視聴いただき、ありがとうございます。
「カメクラジラネコ」様からいただいたお問い合わせにつき、ご回答申しあげたところ、さらに、番組ホームページのフォームに再質問(追加質問)をいただきましたので、次のとおり、お答えいたします。
「カメクジラネコ」様は「当番組の内容が事実に反する」というご意見ですが、当番組は、今年6月、ポルトガルで開かれたIWC(国際捕鯨委員会)での議論等をふまえ、「そもそも日本人は、古来どのようにくじらと関わり、どのような文化を育んできたのか。そして、なぜ今もくじらを捕ることにこだわるのか。また、反捕鯨国はなぜ日本を非難するのか。くじらと日本人との関わりを、国の歴史、地域の歴史の中に探る」番組であり、事実に反する内容ではありません。
また、「『知る楽』制作担当責任者の氏名・役職を教えてください」とのことですが、これについては、番組で表示しているとおりです。
そのほかの個別のご質問事項に関しては、すでに先の回答で説明は尽くしていると考えますので、さらなる回答は控えさせていただきます。
なお、今後同様のご質問をいただいた場合でも、当方の判断で回答しない場合がございますのでご了承ください。
今後とも、NHKをご支援いただきますようお願いいたします。
お便りありがとうございました。
「知る楽」制作担当 NHK視聴者コールセンター


 こういうのを慇懃無礼というのですな。ここまで視聴者をバカにした態度もないでしょう。「説明は尽くしている」「当方の判断で回答しない」などと視聴者無視も極れりの対応は、企業のCS担当部署なら即刻クビですな。まあ、ウヨガキ君たちからいっぱい応援メールをもらってることもあるんでしょうが・・。
 Mさんもおっしゃるとおり、逆にクジラを異常に差別したがる連中から大量の迷惑メールがダーウィン宛に送られ、正しい野生動物の生態を伝える番組の中で今後クジラだけ例外的な扱いを受けることになりかねませんね。。
 さて、当ブログ上で5回にわたって詳細に記してきたように、番組で主張された秋山氏の素朴な性善説は明らかに誤りであり、各種の姑息な演出も含め、制作者サイドが「客観性・中立性に配慮」したとはまったく思えない内容。日本の捕鯨は古式時代からですら、発祥地の三河や三浦を始め、各地で乱獲・競合により自滅し、過剰漁獲に陥りやすい商業的性格のきわめて濃い産業であったことは史実として明白であり、番組はその事実に真っ向から反するものでした。もはやあの森下参事官ですら認めざるを得ないように、非科学的なトンデモ食害論は科学界で否定されIUCNで勧告も出されましたが、まともな引用すらされてるとは思えない大隈御大の珍説や、日本の野生動物絶滅史をご存知ない新聞記者の個人的な主観を引き合いに対論をまったく示しませんでした。これが民放局であれば、スポンサーの意向次第で多少内容の偏った番組を提供しようと勝手でしょうが、従軍慰安婦訴訟番組で重要シーンをカットし右系オピニオンの論説を挿し込んだあのNHKが、徹頭徹尾一方的なヨイショ番組をこしらえるとは一体どういう了見なのでしょう??
 制作責任者=回答責任者と思われますが、上記に関して「どうやって客観性・中立性を確保したのか」という筆者の問いには一切答えず、卑劣にもこんなしょーもない逃げの回答を寄越してきたわけです。
 同番組の番組総括谷口雅一氏は番組制作局のディレクターで、「その時歴史が動いた」などの日本史系ドキュメンタリーにタッチしているほか、『「大化改新」隠された真相』などの著書もあるようです(番組をネタにしているくせに、なぜか版元はNHK出版ではなくダイヤモンド社・・)。もともと基本的に日の丸ニッポンバンザイ系のヒトなんでしょうが、捕鯨協会やPRコンサルタントを務めてきた梅崎義人氏との間にどんな接点があるのかも気になるところ。現在、「NHK視聴者コールセンター」への苦情窓口を教えなさいと再々問合せをしていますが、回答を寄越す気がなさそうな気配なので、今後場合によってはBPOやNHKの放送番組審議会等にさらに掛け合う必要があるかもしれませんね・・・

−谷口雅一氏のコラム (NHK)
http://www.nhk.or.jp/bs/fc/col/tue50802.html (リンク切れ)

 ダーウィンの方のウラ日記では、船の女性コックさんが紹介されていますが、「大の日本好き」で「鎌倉の尼寺で精進料理を教わったこともある」とのこと。日本の素晴らしい菜食文化が、エセ鯨肉食ブンカに負けてるのを知ったら、さぞかしショックでしょう・・。いくら「日本で野生動物としてのクジラの生態を知ってもらうんです」と説明しても、教養がメインの3chでこれほど歪んだ偏向番組を作ってせっせと捕鯨業界の宣伝をやっていたことを、カナダの自然保護団体が知ったとしたら、果たして今回の取材をOKしたでしょうか?

posted by カメクジラネコ at 04:15| Comment(5) | TrackBack(1) | 自然科学系
この記事へのコメント
この前はどうも。自分も色々調べてみたら、地元に新しく出来るダムの発電量は千戸分だそうです。勿体無い、新たに作らんでも今の発電所で増強できるとこあるのに。
さて、貴方が書いている「入庫が異常に少なくなってる」頃、近所(捕鯨基地ではない、日本海側の田舎の県庁所在地)のスーパーで鯨肉が並んでいました。「南太平洋産」と書いていて、「えっ、『南氷洋産』じゃないの?」と思いました。だから、出荷されたんじゃないでしょうか、多分。「環境破壊」だろうが「エセブンカ」だろうが、食べたい人はいるってことでしょうかね。
Posted by やっと at 2009年09月14日 17:29
>やっとさん
そうでしょうとも。きちんと調べて、じっくり考えて、拙速に答えに飛びつかないようにしないと、ウヨガキ君みたくなってしまいます。。
在庫の件も同じですよ。農水省の統計や拙HP、JANJAN記事の解説とグラフはご覧になりましたか? 今回問題にしているのはJARPN2(南極海ではなく北西太平洋調査捕鯨)の入荷月の在庫指標の従来との比較です。最後まで読み通してからコメントするようにしてください。
もっとも、鯨肉を扱っている小売店は、野生動物としてのクジラに関する知識がゼロに等しいもんだから、そういう実にいい加減な表示が罷り通っているのは確かです。
Posted by ネコ at 2009年09月15日 00:40
これはうっかり。失礼しました。
しかし読み返してみて、クジラが減ったはニシンの乱獲が原因とはびっくりしました。しかし正直言って、今から日本人全体を菜食主義にすることはまず無理ですよ。ニシンソバは美味しいし、鯨肉も食べてみたいし・・・。まあ普段は慎ましい食生活を心がければいいんですかね?
Posted by やっと at 2009年09月15日 18:05
NHKのトンデモ珍回答は逃げるだけで、あまり面白くなくてがっかりです(ヲイ)。
前回の滅茶苦茶な回答が凄かっただけに、少し期待してたのですが。

個人的にはシャチの分類が気になります。
相当細分化されるのか、二種に分かれたミンクの比じゃなさそうだし、気になりますねえ。

あと、菜食文化といえば、ちょっと前に美味しんぼで精進料理を作る人にベジタリアン批判をさせていました。
雁屋氏は自分で描いた鯨十字軍のボスと変わらない差別論者に成り下がりましたね。
Posted by 猫玉 at 2009年09月18日 01:04
>やっとさん
日本人全体を菜食主義にしないと公海母船式調査捕鯨から撤退することは不可能だなんて、トンチンカンなことを一体誰が、どこで、書いてるの?
1、2回は大目に見ますが、基本的なことはホームページ(上のバナーにリンク)にすべて書いてありますから、まず先に一通り読んだうえでコメントするようにしてください。

>猫玉さん
なんでしょね、NHK。アレ書いて寄越したのは谷口氏本人と思われますが、「おっ、こいつヤル気いっぱいだニャ」と思わせといて、いきなり腰が引けたよねぇ。。
雁屋氏もホントどうしようもないなあ。例のブログのアノ内容そのまんまでしょかね。私は高野山に知り合いいるし、国際交流もあるし基本的に仲良しですよ。大体コンセプト一緒なんだから。もっとも、日本の精進はニセモノもかなり多いけど。取材をまともにしてないか、ニセモノにあたったのかねぇ。
Posted by ネコ at 2009年09月18日 04:49
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