手間要らずでオイシイ実りを与えてくれる果樹の一つ、イチジクさんの季節。明日食べよーと思ってたらヒヨベェにやられちった(--;; いつものパターンですが・・。ヒヨドリたちは食べ頃、熟れ時をホントによく知ってますわ。ヒヨの食べ残しはカナブンたちのご飯に。
ところで、22日の日食、関東地方でも7割欠けだけど、天気は曇り時々晴れの予想・・大丈夫かなあ? 政局よりそっちが心配ニャ。
◇生きた鯨肉と泳ぎたがる日本人
■クジラ、海水浴客に人気 いけすから出す計画も (7/19,紀伊民報)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090719-00000003-agara-l30 (リンク切れ)
■クジラと一緒に海水浴 和歌山・太地町 (7/15,共同)
http://www.47news.jp/CN/200907/CN2009071501000025.html (リンク切れ)
これは最近国内の動物園・水族館でブームになっているいわゆる“客寄せタッチ”のひとつですね。旭川旭山動物園の興行的大成功を受け、どこもかしこもドジョウ狙いでエンリッチメントの“真似事”をやり始めたようで・・。しかし、客の視界にさらされない隠し場所を設けるといった工夫のないニンゲンとの接触は、文字通り反エンリッチメント。オプション料金を取ったり、自動販売機で餌の魚まで売ったりして、売上アップには貢献しているんでしょうけど・・。
「遊びながらクジラを身近に感じてもらえれば」とは町の担当者の弁。
オキゴンドウと一緒に泳がせる計画もあるとか。ちなみに、オキゴンドウは小型のイルカを捕食することもあり、シャチモドキの別称も付いてる結構気の荒いクジラ。人工飼育下ではバンドウイルカとの交雑例もありましたけど・・。ま、飼い慣らされた子なら心配は要らないでしょうけどね。でも、飼育員でもショーの最中にぶつかる事故が発生したり・・。それに、いくら慣れてるといっても、知らないニンゲンがウジャウジャ入ってきたら、ストレスになることは間違いありません。
捕鯨関連の展示をしている同町立博物館付属の同水族館は、飼育個体の死亡率が非常に高いという情報も。いずれにしろ、反生態学的な追い込み漁という致死的消費をしている地域が、一方では生体を観光資源として利用し、地域外から観光客を呼び寄せて収入源にしているわけです。“ふれあい海水浴”で「遊びながら身近に感じてもらう」とのことですが、この“大いなる矛盾”を遊んで感じた子供たちにどうやって説明するつもりなのでしょうか? 南房総の外房捕鯨のように、野生動物の自然な海での生態や社会生活に関する情報を完全に無視したまま、解体シーンのみを目に焼き付けさせようとするやり方が正しいとも思いませんが・・。
そういえば長崎ペンギン水族館でも、フンボルトペンギンを網で仕切った敷地内の人工ビーチに放すイベントを企画中とのこと。以前ブログで取り上げましたが、ここは南氷洋捕鯨時代に持ち帰ってもらった縁があり、今でも時々イベントで鯨肉を売っている差別的愛誤水族館。国内では最も飼育数が多く人工繁殖も進んでいるフンボルトペンギンですが、生息地の南米太平洋岸ではCITESの附属書Tに入る危急種。最近3万羽にまで回復したとの情報ですが。いずれにしても、この企画自体は野生復帰とは何の関係もありません。長崎の海にペンギン泳がせて環境教育もへったくれもなし。網から逃げたら大変なことになるけど・・。
ちなみに個体数と繁殖率を考慮すれば、日本が現在調査の名で捕獲している南半球のナガスクジラや計画保留中のザトウクジラも、絶滅危惧の度合に差はないといっていいでしょう。“養殖”できているペンギンの肉を売らないのは、たいした差別です。こどもたちが「殺さないで!」と言い出した途端、森下水産庁参事官や山際衆院議員、中田横浜市長、漫画原作者雁屋哲氏らに代表されるジゾクテキリヨウ教ファンダメンタリストたちが危機感を感じ、長崎市に同館でペンギンバーガーを直ちに発売するよう圧力をかけるかもしれませんけど。。。。きっと鶏肉と変わんないですよ。ナガスの尾の身じゃないけど、筋肉が発達して手羽先なんかイケるんじゃないですか? 森下参事官なんか殺して食いながら観る“両刀使い”的観光牧場を絶賛してるヒトですしねぇ。そうでしょう、森下さん? なんで南極の自然や国際社会に押し付ける前に、国内でゲンリゲンソクを通さないの?? それと、さっさと中田同志に弁明して彼のHPに謝罪訂正文を出してもらったら?
こどもたちには、水族館や動物園ではなく、ニンゲンに警戒心を抱き、会えるかどうかも運に任せるしかない本物の野生動物に会いにフィールドに出て行かせましょう。周囲の植生や痕跡なども合わせて学びながら、自分自身の目で探させ、一瞬目にしただけで逃げられたり、結局空振りに終わったりするリアルな体験をさせた方が、よっぽど意味のある教育になります。野生状態とはかけ離れた飼育展示は、「どこが嘘です」とはっきり言わなければ、それこそ教育上逆効果。生息地での生態をビデオ映像で観る方がまだマシというもの。
動物園・水族館問題は何度か当ブログにて取り上げていますが、筆者は動物園にしても捕鯨にしても、オールオアナッシングに還元して全否定を唱えるつもりはありません。肝心なのは方向性。そして、動物園についてみれば、採集活動が与える自然へのリスクと過去の負の歴史、環境コンテンツとしての限界、その真剣な自覚と反省のうえに立って、初めて存在が許されるものだと考えます。
動物園関係者でも理解のある方は少なからずいるのですが、日本の業界全体を見渡してみれば、残念ながら時代遅れの商業主義が罷り通っているといわざるを得ません。最近話題になった「パン君事件」はまさにその典型(さすがに協会からも除名されたけど・・)。求められる謙虚な姿勢とは裏腹の、非科学的な正当化。脱走事件を逆手にとった命名募集などの知名度アップ企画や、ストレスやトラブルのもとになるだけで野生動物の生態に関する知識を伝える効果は皆無の触れ合いイベントなど、体質的には五十歩百歩。
太地については、致死的利用からの転換が優先とはいえ、いまや「イルカは水族館での飼育展示に不向き」というのが世界の流れ。
筆者としては、動物福祉上の問題も環境負荷もコストも低く、おまけにイルカに負けない(?)癒し効果を発揮する、鑑賞用に適した動物・クラゲをメインに据えることを、各水族館に進言したいと思います。触れ合いタッチのオススメはヒトデやカシパン。まあ、自然の磯浜に足を運ぶに越したことはないけど・・・・
なんだかんだ言っても、反省や自覚の姿勢が絶無の日本の捕鯨サークルに比べれば、水族館業界も何ぼかマシですけどね。長崎のようにつるんでると同レベルになりかねないけど。
世界で唯一、南極の野生動物を高級嗜好品用に殺している飽食大国捕鯨ニッポンが、同時に動物園・水族館のエンリッチメント対策や環境教育の点でも他の先進国に比べ数段遅れた国であるという悲しい事実。それは、“命”や“自然”を《その程度のもの》としか見ない、見ることができない国の当然の姿なのかもしれません。捕鯨業界/マスメディアによるPRプロパガンダの計り知れない悪影響と、その責任は否定できませんが・・・
参考リンク:
−ふれあいペンギンビーチのお知らせ|長崎ペンギン水族館
http://www1.city.nagasaki.nagasaki.jp/penguin/pdf2/beach7.pdf (リンク切れ)
−イルカの貸し出し|ika-net日記
http://ika-net.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/post-24bc.html
−太地でクジラとふれあい??? (拙ブログ)
http://kkneko.sblo.jp/article/17320052.html
◇中国のトイレ文化と日本の捕鯨文化
■中国ブログ・日本人が中国トイレに呆然とする理由とは (7/15,サーチナ)
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0715&f=national_0715_037.shtml
中国のトイレの“衛生事情”は文化の問題でも何でもないし、“女体盛り”は日本人の目から見たって文化じゃなくて変態行為だろ!? ・・というツッコミはさておき、捕鯨とはまったく無関係な話。それがなぜGoogleやYahooのニュース検索で引っかかったのかと言うと、冒頭に次のヘンテコな一文があったからです。
日本の捕鯨は他国から見ると野蛮に見えるらしいが、文化や風習が異なれば習慣も当然、異なるものである。(引用)
この前文は日本の編集者が入れたものですが、中国ブロガーの方が書いたバランス感覚もウィットもある記事本文とは比較するのが失礼なほどのガラクタですね・・。そもそも内容とまったくかみ合っていません。
同じサーチナジャパン発の、まったく同じパターンの記事がもうひとつ。
■米国ブログ・根強く伝えられる日本の捕鯨に対する批判 (7/12,サーチナ)
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0712&f=national_0712_006.shtml
日本のニュースで伝えられるクジラの話題と言えば、迷いクジラに関するものが多いが、米国の自然保護団体のブログなどでは日本の捕鯨に関する話題が頻繁に取り上げられている。(引用)
何の根拠もないガセネタ。当たり前のことですが、海外でもストランディングはニュースになり、日本でも捕鯨に関して報道されています。水産庁や鯨研が一生懸命プレスリリースを流しているのだから、無視しちゃカワイソーでしょうに。たまたま田辺のマッコウの事件が巷を賑わせたから、こんな適当なことを書いたんでしょうけどね・・。個人ブロガーレベルの表現で、プロのジャーナリストとしてはあまりにお粗末。かぶれたマスコミ関係者の書く記事は大体こんなもんですが・・・
BBCの報道とあるのは、NYタイムズや豪州のネットメディアなどでも紹介されたものでしょう。やや科学的に冷たく突き放した言い方をすれば、シロナガスなど他の大型ヒゲクジラ類と異なり、ミンク/クロミンクは授乳期間が短く、索餌海域において泌乳状態にある個体は例外的なので、それだけでは新生児に与える影響が大きいとは判断できません。もっとも、社会行動学的な調査研究がまったく行われていない以上、泌乳状態の如何によらず、幼若個体の生残率に与える母体捕殺の影響が無視できない可能性も捨てきれませんが。
調査捕鯨で母クジラと未成熟の仔クジラをせっせと殺しまくるのは、統計的にはある意味当然の結果ではあります。鯨研・水産庁はコソコソと隠すような卑劣な真似をせずに、日本と世界の市民に向かって「日本は税金を使った野生動物の調査で毎年たくさんの母親とこどもを殺します。そして、そのような致死的調査を行っている低繁殖率の大型哺乳類はどの種であり、行っていない動物はどの種とどの種とどの種と・・・どの種であり、特定の種のみ毎年大量の致死的調査を継続することが“不可欠”である科学的根拠はムニャムニャです」ということをはっきりと明示すべきです。ムニャムニャが何なのか、筆者も知りたいんですがね。
−非科学的な動物愛誤団体“鯨研” (拙HP)
http://www.kkneko.com/icr.htm
おまけでサーチナ発ニュースをもう1コ・・。よくある海外動物ネタですが、こちらは編集者の方が別で、嫌味ったらしい前置きはなし。
■“イルカの恋”が評判に―大連の水族館で「ほぼ奇跡」 (6/29,サーチナ)
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0629&f=national_0629_029.shtml
中国の水族館事情は、上記の日本と同レベルか、それ以下かもしれませんが・・。別に奇跡でも何でもないって、社会性動物なんだから(--;; それより、水温設定はどうしているかが気になります。異なる気候帯の動物を一緒くたにする真似はやめてください・・・
さて、個人ブログと大差ないネットメディアなら、多少いい加減だったとしてもまだやむを得ない部分もあるかもしれません。が・・ジャーナリズムの鏡たるべきマスコミ、我らが鯨研のオトモダチ新聞・産経の記者コラムは、もっとヒドイ内容でした・・・
■イルカは食べるオーストラリアの“矛盾”…鯨文化衰退に違和感 (7/18,産経)
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090718/biz0907182222016-n1.htm (リンク切れ)
■[Re:社会部]鯨文化衰退に違和感 (FujiSankei Business i.)
http://www.business-i.jp/news/flash-page/news/200907180122a.nwc (リンク切れ)
Yahooのニュースサイトに記事本文が転載されていますが、2番目の産経HP上の記事はなぜか「ページが見つかりません」に・・・・。産経さん、なんで削除したんですかね? どのみちYahooと系列のフジサンケイビジネスアイの方はしっかり残ってるし、2chやネトウヨ君たちの個人ブログでもうとっくに引用されちゃってるよ。
ツッコミの必要もない代物ですが、何点かコメントをば(以下背景着色部分引用)。
>調査捕鯨に強く反対するオーストラリアでは、同じほ乳類のイルカを食べる。しかも「どれだけ捕獲されているのかを政府は把握していないほどだ」と関係者は明かします。しかし、こと捕鯨になると、厳しい態度で臨んでくるといいます。
おそらく別のとある動物と勘違いしたんでしょう。まさに匿名掲示板の書き込みレベル。ガセネタが十八番の産経新聞らしいとはいえるでしょうが・・。オージーの皆さんの目に触れたら、激怒すること請け合いです。「関係者」? ただの応援団でしょ。捕鯨サークルの中にそんなバカが本当にいたとしたら一大事ですが。それとも、酒と鯨肉を肴に「白豪アングロサクソンはけしからん!」と盛り上がってる最中でよっぽどうろ覚えだったか。
>その中国人は来日した当初、人に連れられて散歩している犬を見ると、「おいしそう」と思っていたそうです。日本人には到底理解できませんが、中国では当たり前のように犬を食べる。国によって食文化が違う。
まず、これも広く知られていることですが、日本でもイヌは食用にされていました。戦前・戦中派の血縁者などから「赤犬がウマイ」などと聞かされたヒトも少なくないと思いますが。中国・韓国でもペットブームとともに反対の声が大きくなっているのも周知のとおり。日本人1億人がクジラを見て「おいしそう」と“反応”するわけないのと同じく、中国人13億人がみんなイヌを食用と考えているわけではありません。
ちなみに、「親と机以外足の生えたもの以外は何でも食べる」という諺、知ってます? ガセかと思ったら、中国の方に直接うかがったので、一応本当にそういう諺があるみたいですね。単に食材のバリエーションが豊富だという意味で受け取るべきでしょうが。
食べる物なんて、場所によらず、時代に応じていくらでもコロコロ変わるもの。日本ほど変化の激しい国も珍しいでしょうが。食文化なんて所詮その程度の代物です。南極海に生息するクロミンククジラなど、たった40年前まで日本人の誰1人口にした者はいませんでした。森下水産庁参事官も述べているとおり、捕鯨問題はそもそも食文化などというクダラナイ次元の話ではないのですが・・。
>日本の調査捕鯨数は資源量の1%にもなりません。
「調査捕鯨数」とは何のことやらさっぱりですが、目視調査に基づく最新の個体数の数値は保留されておりますし、再生産率や種間関係、温暖化などの影響を無視した議論はナンセンス。
>最近では解凍技術が分からない料理人が増えるなど、伝統の食文化が廃れつつあるそうです。
・・・。解凍技術が伝統なんだってさ! 一体いつの時代から冷凍してたんだ? 電子レンジは日本の伝統食文化?? もう笑うしかないね・・・・
>鯨だけが外国の圧力によって食文化から消される現状に、どうしても違和感を覚えずにはいられません
上記したとおり、日本でもイヌやネコを食うのをやめて愛護するための法律も定めましたね。トキもコウノトリもカワウソもオオカミも狩猟対象でしたしね。日本初の本格的ベジタリアンマガジン『Veggy』は、筆者の予想を裏切り生き残って書店売りもされているみたいですが、限定的な地方食にすぎなかった鯨食なぞよりはるかに広い裾野を持っていた、日本古来の由緒正しき菜食文化は、いまや風前の灯。ヒエ・アワなどの伝統的な主食だった雑穀は、種もみを保存する農家がなく、入手自体困難な有様。アレルギーの人にとっては、鯨肉よりはるかに重要な主食のはずなのですが。
鯨食普及広報に国家予算が注ぎ込まれたり、売れずに大赤字を抱える業界のために学校給食として納入させ子供たちに無理やり口にさせるカネがあるのなら、栽培農家の支援や市場普及に割いたほうがよほど高い社会的意義があります。素材も調理法も技術も伝統とは似ても似つかぬ鯨食だけが、多額の税金を使って食文化として喧伝されている現状には、どうしても違和感を覚えずにはいられません。どのみち、本当に食文化を守りたいのなら、むしろ沿岸捕鯨再開の障害でしかない偽文化の南極調査捕鯨をとっとと潰したうえで、各国に理解が得られるよう厳正な管理のもとに、沿岸で慎ましくやればいいだけの話ですが。
新聞のコラム欄は、書きたい物を書く小説家やエッセイストと異なり、事実を公正に伝えることを要求される記者の鬱憤晴らしのためのもので、もともと情報としての価値はないも同然。それでも、まさに2chのウヨガキ君の書き込みレベルのデタラメなタイトルをはじめ、ここまで凄まじい駄文にはさすがに滅多にお目にかかれないでしょう。予備知識ゼロのうえに、取材内容の確認を怠ったまま見出しを付けた三流以下の記者。そんなガラクタを平気で載っけてしまう編集者。コラムはある程度記者の裁量に任せてるんでしょうが、タイトルのチェックすらできないのは編集者の責任。まさに産経ならでは。ジャーナリストとしての資質を疑います。
産経さん、毎度毎度逆宣伝ありがとうございます。呆れて物が言えませんが、オタクの購読層の中にはこの手のコラムを読んでやんやと拍手喝采を送る、オタクの編集方針と同じ思考回路のヒトたちもいるんでしょうね。。筆者としては、日本の人口比に占めるそれらのヒトたちの割合が少ないことを祈るばかりであります・・・
−産経「鯨肉生産は牛肉よりエコ」はデマだった (JANJAN)
http://janjan.voicejapan.org/living/0906/0906010416/1.php
ちなみに、中国と日本の古式捕鯨に関する面白いネタがあるので以下リンクもご参照・・
−太地の捕鯨は中国産!? 捕鯨史の真相 (拙ブログ)
http://kkneko.sblo.jp/article/18025105.html
◇水産庁の本音──大手の遺産“調査捕鯨”死守のためにはIWC脱退も沿岸捕鯨再開もなし
■IWC:年次総会 進展なく結論は来年に先送り−−石巻で報告会 (7/18,毎日宮城版)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090718-00000020-mailo-l04 (リンク切れ)
■沿岸捕鯨問題進まず・IWC総会/石巻で報告会 (河北新報)
http://www.sanriku-kahoku.com/news/2009_07/i/090719i-hogei.html (リンク切れ)
沿岸捕鯨地のひとつ石巻(旧鮎川)でIWCマデイラ年次会合の結果報告が行われたということです。河北新報と毎日では担当者の引用コメントが違うので両方ご参照。
注目すべきは、以下の水産庁遠洋課岡田係長の発言。
「感触としては昨年よりも対話できる雰囲気はある」(河北)
「IWCを脱会して沿岸捕鯨を再開する方法もあるが、この場合、南氷洋の調査捕鯨ができなくなる」(毎日)
まず、上の河北記事のコメント、両勢力の歩み寄りに尽力したホガース議長が退任し、米国の政権が交代してより強硬路線に転じたことで、関係者には悲観的な見方が広がっていたはずで、大本営発表に基づく各マスコミ報道も実際そのように伝えていました。しかし、岡田係長の見方はやや異なるようですね。沿岸捕鯨地でのレクチャーでこうした発言があったのは、対話・議論の余地があるのが他でもない沿岸捕鯨に関する部分だからでしょう。実際、反捕鯨国側で譲歩の声が聞こえるのも、強硬姿勢の豪州の在日大使の和歌山訪問時のコメントを見ても、ホガース議長が仲裁案として示した公海調査捕鯨撤退・沿岸捕鯨再開のセットが、いまなおたたき台となっていることを意味するといえます。
そして、毎日での言及。石破農水相も今春の中間会合後の会見で「脱退という選択肢がない」ということを明言されていました。石破氏は自民党の中じゃなかなか現実的で全体の状況を把握できる方ですね。で、当の水産庁の担当官僚も、今回「なぜ脱退があり得ないのか?」について一歩踏み込んだ発言をされたわけです。
現行の調査捕鯨は、半世紀前に今日の状況を予期せずに作られたICRW(国際捕鯨取締条約)の第8条という大義名分があって初めて可能なもの。日本が批准済みの国連海洋法条約の縛りもあり、IWCを脱退すればその正当性は失われます。この点は、国際外交問題に詳しい東北大の石井准教授が指摘してきたことであり、元外務省副報道官の谷口氏や農水省国際研究課長鈴木氏らも言及してきたとおり。MIXIや2chに入り浸っているウヨガキ君たち、あるいはもっと名前は通ってるけど同様の素朴な国粋主義的捕鯨礼賛思想にカブれた政治家や文化人たちがいくら吠えようとも、日本にとってIWC脱退という自ら墓穴を掘る選択肢は存在しないのです。
ついでに言えば、「調査捕鯨存続の優先度が上なので沿岸捕鯨再開は我慢してください」という本音がはっきり出ているわけですが・・。
沿岸捕鯨関係者の皆さん。マデイラまで出席した太地の町議長のように一蓮托生のポジションを捨てられずにいる限り、おこぼれで調査事業を回してもらうことはできても、沿岸捕鯨再開は永久にありませんよ?
未だに国際社会と同等の補償や捕鯨の権利を与えられていない日本のアイヌ、あるいは米国や豪州、デンマークにそれを認められているイヌイットやアボリジニなどの先住民は、土地も言語も何もかも取り上げられ、差別と抑圧の苦難の歴史を経てきた人たちです。彼らがアイデンティティに強固に拘り、またそれが先進国で尊重されているのには、それだけの明確な理由があります。
捕鯨推進派の、混乱した、支離滅裂で矛盾だらけの、国際社会に失笑を買ってばかりいる“あいでんてぃてぃ”の訴えは、国内総会で拡声器で叫んでくれるリアル右翼や、巨大掲示板や画像投稿サイトでの投稿に自由時間をふんだんに注ぎ込んでくれるネット右翼のような、ルサンチマンに駆られただけのヒト以外、誰の胸にも響くものがありません。なぜといって、モラトリアムを守ることのできる自律性、過去の乱獲や悪質な規制違反の事実を認め二度と繰り返さないことを誓約する真摯な姿勢が、あなた方には欠けているからです。本来であれば、危険な状態にあるミンククジラの日本海側系統群の絶滅を絶対に許さないという意気込みを伴う積極的な保護施策は、第三者に言われる前にあなた方が自ら唱えていていいはず。あなた方が本物の伝統の担い手であるなら。
共同船舶の調査捕鯨は100%紛い物のブンカですが、沿岸捕鯨の偽ブンカ度は90%だと筆者は思っています。それでも、残りの伝統文化としての正当性10%をこれから20%、30%に引き上げていくことを本気で目指すのであれば、沿岸捕鯨再開は国際社会に認められてもよいと思います。しかし、今のあなた方の態度を見ていると、この先10%未満へとどんどん下げていくつもりでいるようにしか思えません。
北朝鮮みたいに殻にこもる真似はやめましょう。世界に受け入れられるためにはどうすればいいか、その答えははっきりしているはずです。
参考リンク:
−日本の捕鯨外交に関する論文を送っていただいた|勝川俊雄公式ウェブサイト
http://katukawa.com/?p=434
−第三の道/実態に見合わない国際捕鯨取締条約は改正すべき (拙ブログ)
http://kkneko.sblo.jp/article/25798112.html
◇その他クジラ関連ニュースクリッピング
■このホネ 何の動物? クジラやウミガメなど600点 大阪市立自然史博物館 (7/16,産経)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090716-00000011-san-l27 (リンク切れ)
産経の地方記事。文頭がミンククジラで始まっているのは、一番大きな骨格標本だからなんでしょうが・・。余談だけど、無脊椎動物には相同な組織としての骨はないから、“ホネ”で括るのはちと非科学的だニャ・・
■相差天王くじら祭:クジラみこし練り歩く 海の安全、大漁を祈願−−鳥羽 (7/15,毎日三重版)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090715-00000120-mailo-l24 (リンク切れ)
>相差には漁師たちの信仰を集める、青峯山正福寺の本尊の十一面観音が、クジラに乗って現れたと伝えられている。祭りは1989年に、この故事にならって始まった。(引用)
面白いですね。なんかギリシャ神話のイルカのエピソードみたい。近隣には江戸時代に古式捕鯨の鯨組が進出し、中には乱獲や他組との競争に負けたりで自滅したところもあるのですが。日本各地の鯨塚にも、捕鯨とはまったく無関係に野生動物の死を悼む目的で建てられたものがたくさんあります。クジラは海の恵みをもたらしてくれる感謝すべき恵比寿様。世界に誇るべき、将来の世代に遺すべき価値ある日本の文化。
■今年はクジラが人気 ぎおんさんの夜見世 (7/14,紀伊民報)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090714-00000000-agara-l30 (リンク切れ)
ナスビでマッコウ、やっぱりそうきたか(^^;; 高齢化が進んで伝統的な祭りの維持も難しいとのことですが、南極の野生動物を企業的に捕殺する事業にカネを出す一方で、各地のこうした慎ましやかな、かつまっとうな伝統行事の保護に、日本政府は一体どれだけの予算を割いているのでしょうか??
■長門ヨットフェスタ:きょう開催 あす「通くじら祭り」 (7/19,毎日山口版)
http://mainichi.jp/area/yamaguchi/news/20090719ddlk35040247000c.html (リンク切れ)
こっちは捕鯨ヨイショ自治体の祭り。イベントは別にいいんですが、各種バザーとやらに共同船舶の関連会社とかが出店して、伝統文化と何の関係もない南極の野生動物の肉を売ったりしてなきゃいいね・・・
■世界自然遺産 小笠原を推薦方針 環境省 クジラ回遊域も編入 (7/10,産経)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090710-00000087-san-soci (リンク切れ)
小笠原推薦の話は各マスコミで取り上げられましたが、リンク記事は産経。ザトウクジラの繁殖場として広大な海域の保護をアピールするのは結構なんですが・・。CITESの附属書を留保したうえに、南半球の同種のザトウクジラに対しては捕獲計画をぶち上げて政治的カードとして利用するような姑息な真似を、同じ日本政府内の別セクションがしているようじゃ、UNESCOの審査でも割り引かれちゃいますよ、環境省&文化庁さん?
「イルカを食料と思わない人たちは、文脈から dolphin をシイラだと考えるが、それに対して日本人の多くはイルカとしか考えない」という、誤訳や異文化理解の題材として取り上げるならば意味があったでしょう。
ちなみにアメリカの水産会社の通販で dolphin を見ると魚ですね。
http://www.ifcstonecrab.com/Store/15/Products/Fresh-Fish.aspx
また、オーストラリアのサイトで、dolphin fish を釣り上げた人の紹介を見ても魚ですね。
http://www.spooled.com.au/Article:571
誤訳の問題として、ブログでもメモしておこうと思います。
情報ありがとうございます。そうでした、シイラは英語でdolphinでしたね(^^; コラムだからいくらいい加減なこと書こうがかまわんというつもりなんでしょうが、産経は恥ずかしい四流紙確定・・