2009年06月25日

国際捕鯨委員会2009マデイラ総会ウォッチ

 クサガメさんの飼い主が名乗り出ないなあ(--;; 黒いツヤツヤボディーの、とってもハンサムな子なんですけどねぇ・・・

 本日は先にオマケから。

■<沖縄慰霊の日>麻生首相や遺族らが参列 祈りをささげる (6/23,各紙)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090623-00000034-mai-soci (リンク切れ)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/okinawa/news/20090624-OYT8T00309.htm (リンク切れ)


「戦後64年を経た沖縄の地に、いまだ多くの不発弾が埋没していることを心に刻まなければならない」(麻生首相のあいさつ)

 不発弾処理は国が早急に進めるべき施策、「心に刻む」べきは沖縄に多大な犠牲を強いた戦争という過ちを二度と繰り返さないことなのでは・・・。エコポイント電子辞書買ったそうですが、漢字の誤読以外にも、もうちっと国語を勉強した方がいいんじゃないですか? 衆院選までもうあんまり時間もなさそうだけど。。このままじゃ、どっかの知事さんに乗っ取られちゃうかもよ?

■健康食品おから革命・ためしてガッテン (6/24,NHK)
http://cgi2.nhk.or.jp/gatten/archive/program.cgi?p_id=P20090624 (リンク切れ)

 45分中43分はわかりにくいだけのオヤジ駄洒落演出で知られる番組のため、滅多なことじゃチャンネル回さないんだけど、今回はオカラがテーマだというので晩飯時にチラッと見てみました。そしたら、使い物になるネタが全然なくて、全編ホントに時間のムダだった(--; 
 ただ、オカラが産業廃棄物として年間65万トンも捨てられていることも番組中では伝えられました。日本が自国の大切な食文化をいかに蔑ろにし、そのことで命を粗末にしてきた国か、番組をご覧になった方は身に染みて思い知ったことでしょう・・。マデイラの会場ホテルで流して、日本の食の現状をみんなに見てもらえばよかったのにね。
 我が家はもともとオカラをいろいろ食材として使っております。で、豆腐を扱っていた近くの地場農産物直売所に頼んで置いてもらったら、他のお客さんたちも買ってくれるようになりました。ちなみに、番組にも出たオカラ製ニャンコトイレも買ったことあるけど、うちの子には向かんかった・・。
 豆腐屋自体、今ではスーパーに押されて街中から消えつつあるわけですが、日本政府には鯨肉のポワレカキのフライ添えカフェドパリバターソースなぞといったワケわからんもんの宣伝に国費をかけるのでなく、本当にかけがえのない食文化の伝統を守るために有効に税金を使っていただきたいもの。その方が、膨大な食品廃棄の削減やフードマイレージの改善にもよほど役立ちます。オカラはダイエットにもなるっていうから、鯨肉や牛肉を食いまくってメタボってるウヨガキ君や捕鯨議連・懇親会のエライ先生たちも、自分と日本と地球の健康にいい食生活に切り替えた方がいいよ!

■セブンイレブン、廃棄損失の15%を本部が負担=加盟店支援策で (6/24,時事)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090623-00000177-jij-biz (リンク切れ)
■コンビニ弁当廃棄の一方、飢餓に瀕する人は世界で10億 (JANJAN)
http://janjan.voicejapan.org/business/0906/0906235651/1.php

 こちらも同じくすさんだ飽食日本の食糧廃棄に絡む話。本部への“上納金”を減らすことが肝心で、「焼け石に水」という指摘も・・。いずれにしても、食品大量廃棄という命を粗末にする社会風潮を見直す方向性とは相容れないもの。反旗を掲げる一部オーナーたちの方がまだ正しいですね。コンビニで廃棄される弁当などの食品だけでも年間17万トンに及ぶとのこと。
 そういえば、ドギーバッグも掛け声倒れで普及しなかったという報道がありました。日本の特殊事情みたいな言い訳をいちいちしたがるけど、そんなの見苦しいだけ。一体全体、命をとことん粗末にすることが日本固有の伝統文化なのでしょうか??
 援助と引き換えにIWC票を売らされているアフリカ諸国(リベートを受け取っている政府関係者でなく、明日食べるものにも困っている国民)に、南極の野生動物まで貪る飽食大国のここまで贅沢な食文化の真実を、ぜひ知っておいてもらいたいもの。そうでもしなけりゃ、この国は一向に反省しないでしょうから・・・・

 

◇IWC in マデイラ・ニュースクリッピング

 前半戦の報道をチェックするニャ〜。

<6月22日>
■日本の沿岸捕鯨再開、協議難航も IWC総会 (共同通信)
http://www.47news.jp/news/2009/06/post_20090622182804.html
■IWC総会が開幕=日本の沿岸捕鯨、議論進むか (時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco&k=2009062200449 (リンク切れ)
■IWC総会開幕、反捕鯨国との融和が焦点に (日経新聞)
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20090622AT3S2201N22062009.html (リンク切れ)

<6月23日>
■日本の沿岸捕鯨、1年後に結論=協議促進で合意−IWC総会 (時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2009062301021 (リンク切れ)
■IWC:総会開幕 枠組みなど議論 (毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/world/news/20090623ddm008020060000c.html (リンク切れ)
■沿岸捕鯨再開の影響協議・IWC総会開幕 科学的調査が焦点 (読売新聞・リンクなし)
■調査捕鯨削減が「最重要」  IWC議長、日本の譲歩促す (共同通信)
http://www.47news.jp/CN/200906/CN2009062301000647.html

<6月24日>
■ザトウクジラ捕獲枠を要求=グリーンランド、IWC総会で (時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2009062400032 (リンク切れ)
■デンマーク、ザトウクジラの捕獲再開を要求 IWC総会 (AFP)
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2614671/4297667
■太地町議長、沿岸捕鯨再開を訴え=IWC総会 (時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2009062400122 (リンク切れ)
■太地町議長、国際捕鯨委で演説  捕鯨再開は町の「悲願」 (共同通信)
http://www.47news.jp/CN/200906/CN2009062401000184.html
■捕鯨船乗組員がシーシェパード批判=「海賊」に断固対応を−IWC総会 (時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2009062400959 (リンク切れ)
■クジラ料理を堪能しよう、横浜の飲食店街に「くじら横町」 (AFP)
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2614323/4295168

 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 

 この3日間の報道は以上。開幕はどこも淡々と伝えています。全体に扱いが少なく、小さいですね。いろ〜いろ事件のあった昨年と異なり、やはり国民の関心が全般に薄くなったせいでしょうか・・・・。Web情報だけでなく図書館で紙面もざっとチェックしましたが、朝日はなし。そして、例年なら記事本数や掲載位置などで他紙を大きく引き離す、あの鯨研のオトモダチ新聞・産経も関連記事が見当たらず。。。。まあ最終日前後にはなんか出すでしょうが。産経さん、市民がしっかり目を光らせていることをお忘れなきよう。
 注目は、共同通信によるホガース議長へのインタビュー記事。米国出身で今期で退任されるホガース氏は、反捕鯨国では結構叩かれているようですが、鋭く対立する双方を歩み寄らせようと、現実的な落としどころを探る努力をされたことで、筆者としては高く評価したいと思います。で、その中立的議長の立場のホガース氏が、事態の打開を図るために最も重要な鍵「日本の調査捕鯨の捕獲頭数をもっと減らすこと」だと答えているわけです。
 実際のところ、JARPATより1.5倍も多い650頭を要求するなど、豪州などにしてみれば「てめえらなめてんのか!」と怒るのは当たり前で、まったくお話になりません。ごく一握りの尾の身ファンのためにナガス10頭を要求するのも、日本国民の目からしたって実にふざけた話。
 第三者の客観的立場からすれば、豪州の「調査捕鯨廃止が先」という頑なな主張も、日本の「公海調査捕鯨撤退はまかりならん」というわがままも、ともに正常化への道筋から外れる極論でしかありません。
 一部報道で、公海捕鯨の縮小・撤退と沿岸捕鯨再開はセットの議論であるという前提を無視し、沿岸捕鯨再開のみに焦点を当てているのは少々気になるところ。24日の太地町議長による「悲願の訴え」というやや感傷的な報道がそこに付け加われば、国内では国際的な議論の過程からずれた誤った印象が伝わるだけです(後述)。
 太地が「同じだ」と訴える海外の生存捕鯨、今年もグリーンランドのザトウ捕獲枠10頭要求があがりそうな気配(23日の時点で継続審議)。昨年のサンチアゴ総会と同様、今年も会議は対立を煽る決議をせず、コンセンサスのムードを維持する方針だそうですが、これだけはやっぱりもめそうですね・・。AFPの記事には「いつも捕獲枠の7割しか消化できてない」とありますが、要するにただのメンツにすぎないように思えます。それは反対する側にとっても同じことですけど・・。筆者はクジラの中でザトウを特殊視する趣向はありませんし、各国際NPOにはノルウェー・アイスランド・そして日本の商業/調査捕鯨の批判にもっと重心を移してもらいたいもの。
 ところで、そのグリーンランドに関連して、ちょうど機を一にするように以下の報道がありました。

■グリーンランドの自治権拡大、完全独立への鍵を握る天然資源 (6/22,AFP/NHK)
http://www.afpbb.com/article/politics/2613527/4290360
http://www.nhk.or.jp/news/k10013777501000.html (リンク切れ)

 女王夫妻がイヌイットの服装で出席したとか。日本の天皇なり皇太子夫妻がアイヌ装束を身にまとってイベントに参加するとか、あり得ますかねぇ・・。豊富な天然資源の権利まで返上しちゃうってのが、そもそも先住民の権利に対する認識が、日本とデンマークでは雲泥の差だという何よりの証拠ですが。
 もっとも、「温暖化で利用可能になった地下資源を元手に経済発展」という皮算用的な話は、地域の独立の文脈ではあっても、先住民の伝統とはもはや相容れない気がします。大きな責任がないのに、温暖化によって漁業やアザラシ猟への悪影響など被害のみ受ける側面もあるのは否めませんが・・。
 今後、グリーンランドがさらに外交主権を手に入れたなら、デンマークとグリーンランドはIWC上で別々の加盟国(地域)となり、しがらみを離れて異なる立場に身を置くということも、ひょっとしたらあるかもしれませんね。
 最後の野毛の話は、過去ブログ記事のコメント参照・・・

■いのちを大切にする捕鯨賛成派???
http://kkneko.sblo.jp/article/29480333.html

 

◇IWCマデイラ総会・記者会見レビュー

■IWC会議のページ (鯨ポータル・サイト=日本捕鯨協会運営)
http://www.e-kujira.or.jp/iwc/iwcmeeting.html (リンク切れ)
■持続的利用派レセプション (〃)
http://blog.e-kujira.or.jp/iwc2009jp/entry/423 (リンク切れ)

 お1人映っていらっしゃいますが、今回日本政府代表団に同行した国会議員は3名。玉澤徳一郎自民党衆議院議員(東北ブロック比例代表選出)、林芳正自民党参議院議員(山口県選出)、鶴保庸介自民党参議院議員(和歌山県選出)。延長国会をうっちゃらかして、こんなところで(鯨油?)売ってていいんですかねぇ? 
 レセプション上でスピーチされた玉澤議員は、自民党農水族のドン的存在として知られていますが、2年前の’07年に領収証を何枚もコピーして政治資金収支報告書の支出を五重計上していたことが発覚、不正経理の責任を取り自民党を離党・・でも1年後にあっさり復帰。
 鶴保氏は和歌山選出ということで太地町議長と同行したのでしょうか。
 林芳正氏はやはり捕鯨ヨイショ自治体下関出身。同氏の名前でググったらこんなのが出てきた・・。新春パーティーでは酒と一緒に鯨肉料理も出たんですかね。「暴力団顔負け」じゃシーシェパードも逃げ出しそう・・

参考リンク:
−林芳正代議士の車が当て逃げ
http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/hayasiyosimasadaigisinokurumagaatenige.htm

 さて、捕鯨協会のブログには以下の説明が・・・


「絶滅の危機に瀕しているものは徹底的に守り、ストックに十分余裕のあるものについては科学的根拠に基づいて持続可能な利用をすること」、それが“持続的利用(Sustainable Use)”の考え方です。(引用)

 漁業管理体制でノルウェーやNZなど先進各国から2歩も3歩も遅れ、消費者の意識もとことん低いうえに、後ろ向きな業界がまともな認証制度の導入を拒み、乱獲による沿岸の水産資源枯渇を無策の水産行政が指をくわえて眺めているに等しい、持続的利用派のリーダーとしては最も相応しからぬ国捕鯨ニッポンが音頭を取ってどうすんですか? アフリカなどの票売り国も、乱獲でタコ資源を激減させたモロッコやモーリタニアなどのように、単なる真似のみならず、日本の消費市場にいいように振り回されたケースもあるのですし。水産事情通ならみんな一種のギャグかと思うでしょう。《持続的利用についてマジメに勉強し直さなきゃいけない派》を変に短縮しちゃったんじゃないの?
 続いて、3本の記者会見についてコメントしておきたいと思います。それにしても、どっかの田舎町のケーブルテレビみたいなオープニングの動画はちと恥ずかしい・・・これも鯨研の広報宣伝費もとい「国際・文化」予算で制作会社に頼んで作らせたのかしらん?
 記者会見を行っているのは、外務省漁業室長の青木氏と水産庁遠洋課課長補佐の魚谷氏。
 22日初日の会見では、この他会議の進行、議長選出の話題などについて触れられています。魚谷氏の資源状態に関する説明で、今年の科学委でもまたIDCR/SOWERの結果についての合意が得られなかったことが述べられました。クロミンククジラの個体数について76万頭(2周目)と46万頭(3周目)の数値が出されましたが、両方チャラにするか、両方同一解析手法による結果として淡々と伝えるか、二つに一つ。2周目で海氷がゼロだった(無視できる程度だった)というのでない限り(そんなバカな話ないけど)。3周目の数字がどう補正されようと、この間の経年的な減少傾向は明らかだろうと思いますが・・。
 いずれにしろ、合意が得られない限り、商業再開はあり得ませんし、目視の足を引っ張る採集作業を中止し、正確な最重要パラメータの取得に全リソースを投入することが科学的には正しい結論でしょう。
 2日目の23日午前の会見では、豪ギャレット環境相による調査捕鯨の発給許可に関する提案と、それに対する日本側の反論を青木氏が説明。「コンセンサスのためには双方が妥協すべき」と言いつつ、南大西洋サンクチュアリに「反対しない」ことが日本側の妥協だなどと、ずいぶんとまた虫のいいことを言っています。これは噴飯ものの実に滑稽な主張ですな・・。
 南大西洋サンクチュアリは実現しているのでしょうか? 一方の調査捕鯨は豪州の反対によって実施に移すことができないでいるのでしょうか??
 脅迫じみたザトウカード使用もそうですが、核開発やミサイル発射の延期・中止をもって「譲歩だ」と言い張る北朝鮮にまさしく瓜二つ。国際社会は間違いなくそのように受け取るでしょう。北朝鮮の瀬戸際外交にお墨付きを与えんばかりの真似を、よりによって外務省にされたんじゃ、日本国民としてもたまったもんじゃありません。
 23日午後の会見に登場したのが、報道された太地町の三原議長。スピーチの内容は以下。

■IWC捕鯨全面禁止絶対反対太地町連絡協議会・三原勝利 会長の発言
http://www.e-kujira.or.jp/iwc/2009funchal/text/text_ext1.html (リンク切れ)

 「背美流れ」の唄とそのエピソードは、事件後に取って付けられたフィクションだったことが、郷土研究家の方によって明らかにされたんですけどね・・。日本の古式捕鯨自体、政治的・商業的色彩がきわめて濃いものだったことも知られています。初期の三河湾では百年たたぬうちにあっという間に乱獲で自滅したり、その後も各地で近隣の大手鯨組の進出によりクジラともども潰されるといった事態が進行し、米国帆船捕鯨の主要対象となっていなかったセミクジラやコククジラに少なからぬダメージを与えました。さらに、明治期以降は資本家によるノルウェー式近代捕鯨会社の乱立によって、瞬く間に資源枯渇に陥ったことも、史実としてつとに知られていること。
 先住民のそれと異なり、持続性のないブンカに、優れた伝統としての価値はありません
 理解に苦しむのは、文化的系譜を完全に異にする大手捕鯨の延長線上にあり、価格競合によってしわ寄せを食っているはずの国策調査捕鯨と沿岸捕鯨とを、太地の議長がわざわざ一体不可分・一蓮托生の関係にしてしまっている点です。価格下落による収益不足を、沿岸調査捕鯨の仕事を与えてもらって解消していることで恩義を感じているのか、国民的捕鯨推進運動を盛り上げるべく一緒に闘ってきた人情からか・・。
 しかし、三原氏の説く「沿岸捕鯨だけになると潰される」という主張は、まったく筋の通らない被害妄想としか映りません。
 実際に、ノルウェーやアイスランドは大規模な公海調査捕鯨をやらないからこそ、日本に比べて風当たりが弱く、近海の商業捕鯨を行えているわけです。そもそも調査捕鯨と沿岸捕鯨のトレードの話は、米国から過去に幾度も打診されながら、日本政府が強硬に蹴ってきた話。現実に政府は、小規模事業者を庇うどころか、親会社はとっくに水産食品商社に脱皮している大手の国策調査捕鯨を優先するあまり、沿岸捕鯨をずっと置き去りにしてきたわけです。
 沿岸捕鯨の再開を阻んできたのは、むしろ沿岸捕鯨と調査捕鯨を無理やり1つのパッケージにくるむことで、沿岸事業者を犠牲に公海調査捕鯨の延命を図りつづけた水産庁に他なりません。

 熊野を訪れた豪大使のコメントにもあったように、豪州は、自国の200海里内を移動する野生動物であるにもかかわらず、北半球の飽食大国が傲慢にも一方的にブンカを押し付けている現状に対して、国民・国家を挙げて怒っているのです。日本の沿岸のみとなれば、強硬な反対姿勢を貫くことは難しくなります。日本国内の味方も増えるでしょう。
 いかにも閉鎖的な太地の捕鯨関係者らしいといえるかもしれませんが、相手側の主張に何一つ耳を傾けずに自分の主張だけ一方的に押し付けようとしても、理解を得られるはずなどありません。南極調査捕鯨を正当化するプロパガンダのネタとして都合よく利用されているだけだと、世界は見るでしょう。実際、後半の発言は水産庁・捕鯨サークルの大本営見解そのまんまですし・・。このまま日本が沿岸と遠洋を両輪とする姿勢に固執するのであれば、国際社会は沿岸捕鯨を「しょせんその程度のもの」と解し、「やっぱり全部潰す以外に道はない」という判断を下すことでしょう。
 政府が再開を求める小型沿岸捕鯨の候補にあげている4箇所の沿岸捕鯨地の操業実態については、NPOがいろいろな問題点を指摘しています。とくに太地には、C・W・ニコル氏が目撃した悪質な規制違反、鯨体の不法投棄、生態学的にきわめて問題のあるイルカ追い込み漁のアテツケ的急増、水銀中毒のデータ無視など、体質上の問題が多々あります。モラトリアムを自主的に守ることのできる由緒正しい各地の沿岸漁民と異なり、文化の担い手としてはあまりに無節操でだらしないとみなされても仕方がありません。
 そうした検証を日本が自発的に行うことなく、「日本の捕鯨はすべてにして正義である」というシーシェパードと変わらない内向きの演出で乗り切ろうとするならば、沿岸捕鯨再開にはむしろ足かせにしかならないでしょう。
 利用したい連中に煽てられ、自分たちのブンカが他の文化(政治・経済的事由によりこの国ではしばしば蔑ろにされているところの・・)とは一線を画する神聖崇高なものだと勘違いして舞い上がったりせず、世界の厳しい目をしっかりと受け止めることが、太地の関係者には不可欠でしょう。本当に悲願を達成したいのであれば。

参考リンク:
−小型沿岸捕鯨について思うこと|ika-net日記
http://ika-net.cocolog-nifty.com/blog/2009/02/post-5ba3.html
−「日本が沿岸小規模捕鯨の主張で嘘をついている」というレポートが出た|ドイツ語好きの化学者のメモ
http://blogs.yahoo.co.jp/marburg_aromatics_chem/60444381.html

 それにしても日本政府は、反捕鯨各国も二つ返事で了承することは間違いない正当な日本の原住民生存捕鯨の担い手であるアイヌの人たちを、今回のマデイラ総会になぜ呼ばなかったんでしょうかねぇ???

参考リンク:
−捕鯨・鯨肉食は世界に通用する文化? (拙ブログ)
http://kkneko.sblo.jp/article/29027433.html

 続いて24日には、中間会合で捕鯨擁護側NGOの一つとして発言した全日本海員組合からITFにバトンタッチして共同船舶船員がスピーチ。

■国際運輸労連(ITF)・北嶋晃宏 氏の発言〜6/24 NGOセッション
http://www.e-kujira.or.jp/iwc/2009funchal/text/text_ext2.html (リンク切れ)

「人命にかかわる重大な事故が発生していないのは、むしろ幸運なことかもしれません」
「漁業労働者の職場が安全であることを望んでいます」
「南氷洋に送り出している家族がどんな想いで、このような事態を受け止めているか、想像していただきたいのです」
「この厳しい自然環境の中で、このような暴力行為を行うことが、いかに危険なことであるか」
(以上引用)

 太地町議長の方に対するのと同様、まったく理解に苦しみます。
 今年の冬も、人命にかかわる重大な事故は実際に発生しました。SSと無関係に
 これまでにも昨年のJARPN出港直前の船内自殺、火災や重機による痛ましい事故などで、これまでにも何名もの方々が命を落とされました。昨漁期のJARPAUにおける船員の方の転落事故では、国内の報道では伝えられませんでしたが、夜間に船外に出ながらライフジャケットを着用していなかったことが明らかになったはず。
 事故の詳細な経緯、労務管理に問題がなかったかどうかの徹底検証、安全対策について、水産庁・鯨研・共同船舶は国民に、世界に、一体どのような説明をしたのでしょうか?
 このような人命に関わる重大事を、実際に尊い命が失われたにも関わらず、ITFがなぜ問題にしないのかが理解できないのです。
 人命尊重を謳うのであれば、失明の危険性がゼロとはいえないSSの酪酸ビン投擲と同様、南氷洋上でゴムボートの乗員に向けて感覚を麻痺させ転落・凍死させる危険性がゼロとはいえないLRADを放射するような危険な行為を、なぜ「目には目を」とばかり自分たちがやってのけるのでしょうか? それも日本国民の税金を使って。原理原則を貫くという点では、調査捕鯨継続に執着するよりよっぽど大事なことでしょう。
 北嶋殿、「いつ自動小銃が火を吹くんですか」などという台詞を平気で吐いた上司に対して、言うことはないのですか?

参考リンク:
−「調査捕鯨」団の面子>乗組員の安否|flagburner's blog(仮)
http://blog.goo.ne.jp/flagburner/e/1b27a7a6ef6749aaf2dbd14657320d6d
−全日本海員組合がIWC年次会合にも再度シーシェパード批判声明を提出|ドイツ語好きの化学者のメモ
http://blogs.yahoo.co.jp/marburg_aromatics_chem/61521475.html

posted by カメクジラネコ at 02:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会科学系
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