2009年05月20日

ODAで買うクジラ票──非捕鯨国をご接待&疑惑まみれ水産ODA(続々)/先送りならぬ先走り産経

◇新型インフルエンザより怖いのは・・

■<新型インフル>機内検疫、近く終了…国内対策に重点 (5/19,毎日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090519-00000044-mai-soci (リンク切れ)

 感染者数で一気に世界4位ですか。もう感染拡大を阻止するのは不可能ですね。封じ込めなんて土台無理だとは皆さんも思われていたでしょうが。東日本での発症者が表に出るのは時間の問題でしょう。
 ただ、治療も可能で、季節性インフルエンザに比べてそれほど危険性が高いわけではないとのこと。毎年流行するインフルエンザ自体、高齢者や妊婦、慢性病をお持ちの方などにとっては危険っちゃ危険といえますね。ワクチン製造がどっちつかずで間に合わず、冬場に両方大流行ということになると、それはそれで深刻な問題かもしれません。マスクとかが売れて薬局は儲かるかもしれませんが、修学旅行や各種イベントなどの自粛ムードが高まり、自公の起死回生の迷案であるバラマキ定額給付金や、ツケの高速ETC割引の経済効果も、これですっかり台無しになりそうですね・・
 コメントいただいたflagburnerさんに報道と合わせて教えていただいたり、洞察力の優れたブロガーの皆さんの記事を読んで、なるほどと気づかされたのですが、インフルエンザそのものより、関東大震災時の暴動を彷彿とさせる過剰反応が蔓延していることには驚きを覚えます。ニンゲンという動物の心の醜悪な、弱い部分がさらけ出されたということでしょうか。深刻なのはこちらの不治の病(社会病理の方かも・・。
 実は、大きな盲点があったことに気づきました。うちの家族、うつっちゃうんですよね(--;; しかもかかったら結構ヤバイ。感染のシチュエーションはヒトからこの子たちへの一方通行でしかあり得ないのですが、濡れ衣風評被害も心配・・・
 もうひとつ、新型インフル騒ぎで浮き彫りになったことがあります。今回は図らずも、強毒性の鳥インフルエンザの流行に対する一種の予行演習になったといえますが、水際防止や感染ルート特定は見事空振りに終わったわけです。これじゃあ"本番"でうまくいくことは到底期待できそうもありませんね・・。



◇オトモダチ新聞のスクープ!? それとも“先送り”ならぬ“先走り”??

 本日(5/19)、IWC作業部会の結果について各マスコミが報じました。中間会合の感触からも予想されたことではありましたが。以下、見出しにご注目!

■IWC作業部会、沿岸捕鯨再開の結論を2010年に先送り (読売)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20090519-OYT1T00146.htm (リンク切れ)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20090519-OYT1T00383.htm (リンク切れ)
■IWC報告書、捕鯨再開問題先送りへ (朝日)
http://www.asahi.com/international/update/0519/TKY200905190112.html (リンク切れ)
■捕鯨の結論先送り、IWC作業部会が最終報告 (日経)
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090519AT2M1900519052009.html (リンク切れ)
■沿岸捕鯨で結論1年先送り  IWC、来年の総会で決着目指す (共同ロンドン/ジュネーブ)
http://www.47news.jp/CN/200905/CN2009051801001024.html (リンク切れ)
http://www.47news.jp/CN/200905/CN2009051901000222.html (リンク切れ)
■捕鯨再開の結論、先送り=来年総会まで−IWC (時事)
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&rel=j7&k=2009051900036 (リンク切れ)
■IWC 妥協案の結論を先送り (NHK)
http://www3.nhk.or.jp/knews/t10013058251000.html (リンク切れ)
■沿岸捕鯨で結論1年先送り 来年の総会で決着目指す (産経)
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/090519/erp0905190140000-n1.htm (リンク切れ)
■IWC部会、沿岸捕鯨再開と調査捕鯨縮小で最終報告へ (5/18,産経)
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/090518/erp0905181722007-n1.htm (リンク切れ)

 前日に早々と、あたかも「縮小で決まりだぜぃ」みたいな見出しを付けた産経。19日の報道は共同と同じです。18日も共同配信になっているのですが、報道したのは産経のみで、共同で検索しても該当記事は見当たらず・・。このところほげ〜礼賛にさすがにうんざりして距離を置き始めた日本の各マスコミの中で、未だに大本営発表どおりに“期待含みの記事”をスクープするオトモダチ新聞・産経(鯨研理事の1人馬見塚氏は元論説委員)だけが、浮いてしまった格好に。
 以下、先送りを淡々と伝えた各マスコミ報道から引用(背景着色部分、強調筆者)。

しかし日本は調査捕鯨の廃止に反対する立場を崩さず、捕獲数の削減案で合意を目指そうとしたが、反捕鯨国は受け入れず、結局、合意案を取りまとめることが出来なかった。(朝日)

反捕鯨国が「(日本近海での)ミンククジラの生存頭数には大きな懸念がある」(オーストラリア政府)と反発、日本が南極海で実施している調査捕鯨も停止を求めるなど強硬姿勢を崩さず、折り合えなかった。(共同ロンドン発)

反捕鯨国ながら日本の立場に理解を示してきた米国のホガースIWC議長が6月総会で任期を終えることもあり、日本の立場は今後、厳しさを増すことも予想される。(共同ジュネーブ発)

報告は特に困難でカギを握る問題として(1)日本の小型沿岸捕鯨(2)特別に許可された調査捕鯨(3)サンクチュアリ(捕鯨禁止海域)――の3点を挙げた。3つが相互に深く連関していることから、包括的な解決のほかに道がないとの認識も示した。(日経)


 続報として、農相談話をNHKと日経が伝えています。

■農相“捕鯨 合意に向け調整” (NHK)
http://www.nhk.or.jp/news/k10013065931000.html (リンク切れ)
■IWC結論先送り、農相「先行き楽観視できない」 (日経)
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20090519AT3S1901019052009.html (リンク切れ)

 石破農相、官僚の用意した原稿どおりの会見をしていると、民主党に勝ち目はありませんよ?
 1年延命しましたね、捕鯨関係者のみなさん。6年以内にどうぞ南極・公海から撤退してください。


 

◇ODAで買うクジラ票(続々)

■ODAで買うクジラ票(上) 非捕鯨国をご接待
http://janjan.voicejapan.org/government/0905/0905140329/1.php
■ODAで買うクジラ票(下) 疑惑まみれ水産ODA
http://janjan.voicejapan.org/government/0905/0905140329/1.php

 JANJAN記事、引き続き各方面に周知徹底のほどヨロシクお願いしますニャ〜♪

■捕鯨で儲けているのは奴らだ〜「ODAで買うクジラ票(下)疑惑まみれ水産ODA」ほかより|情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)
http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/beb56ee4479a9e6e53f78ed2a11fa333
■『海舌』 the Sea Tongue by Kaisetsu
http://blog.kaisetsu.org/
■バイオ塾情報創庫 水産・海洋DB
http://geocities.yahoo.co.jp/gl/riibs/view/20090516/1242440148
■ルシエルさんのブログw by Luciel
http://marpi.blog.so-net.ne.jp/20090519

 調査鯨肉事件の担当をされているヤメ蚊弁護士はじめ、市民のみなさんにブログで上掲記事をご紹介いただきました。ありがとうございますm(_ _)m
 今回の資料作成にあたっては、昨年の国会決算委員会質疑でODA庁費問題等を鋭く追及してヒントを与えてくださった牧山参院民主党議員にも謝辞を申し上げねばなりません。この件に関しては、谷岡議員、喜納議員ともぜひ情報交換をしていただきたいもの。そして、友党の保坂議員らと力を合わせ、クジラに優しい鳩山代表の新生民主党を引っ張っていって欲しいと切に願っております。西松建設を始めとするゼネコンとの腐れ縁をきっぱりと断ち、官僚が牛耳る政治の打破を国民にアピールするうえで、この問題ほど絶好のテーマはありません。
 拙記事はまた、会計検査院の職員の方々の誠実なお仕事があっての賜物でもあります。あなた方は国家公務員の鏡です。ついでに、データブックで本音をボロボロ出しまくってくれた農水省から外務省への出向者の皆様にも一応お礼を。。しかし、あなた方は少なくとも会計検査院の皆さんや、前漁業室長の鈴木氏、外務経験者の谷口氏、天木氏ら、優れたバランス感覚を備え、国益の何たるかをきちんと弁えていた方々を見習うべきでしょう。
 来年以降、あなた方がどう変わったかも、しっかりチェックさせていただきたいと思います。本音を隠すだけ、ということにならないよう、祈りたいものです。
 いつも詳細な情報をご提供くださっている赤いハンカチさんからも補足情報をいただきました。というわけで、本日はイタリアの市民団体サード・ミレニアム・ファウンデーションが発表したレポート(2007)の日本語訳の一部抜粋をご紹介いたします。赤いハンカチさん、ありがとうございますm(_ _)m

 

■JAPAN’S “VOTE CONSOLIDATION OPERATION” AT THE INTERNATIONAL WHALING COMMISSION (THIRD MILLENNIUM FOUNDATION Paciano, Italy May 2007)
http://www.ifaw.org/ifaw/dimages/custom/2_Publications/Whales/IWC/VB_REPORT_2006_FINAL_VERSION.pdf
http://news21.2ch.net/test/read.cgi/news5plus/1175413112/


3.日本の水産援助

 リクルートキャンペーンへの弾みとその戦略的計画が日本の水産行政と影響力の強い行動的議員たちの共同作業によって始まったことは明らかである。そうでなければ政府が多くの人材、財政資源を投入しなければならないキャンペーンの実施、継続を決定することはないだろう。内陸国のモンゴルを除いて、すべての新加盟国は日本との漁業関係を持っていたか、あるいは継続している。これはたとえば二国間援助、技術協力、入漁権協定、通商協定および/あるいは日本が政策目標への支援を得るためにその努力を集中しているような共通の地域的、国際的漁業機関などを通じて維持されている。水産援助は日本政府が使うことのできる最も重要な外交手段であり、特に東カリブ諸国機構(OECS)6カ国での実行は日本のIWCリクルートメントキャンペーンに折り紙を付けたというべきものなので、以下これを検証する。


3.1 漁業に対する無償援助

 漁業に対する無償援助は日本の無償援助プログラム全体の中の公式の項目であり、無償援助予算全体の約3%にあたる。水産無償援助額は他のほとんどの日本の無償援助枠同様、近年しだいに低下している。1990年代には100億円平均であったものが、2005予算年度には56億円(約5000万USドル)となった。日本のODAは一般的にインフラプロジェクトに強く重点を置いていることが特徴であり、これがOECD主要援助国の中ではユニークな姿となっている。水産無償援助プログラムもこの例外ではない。「水産無償資金協力は、漁業訓練・研究センターの建設、漁業訓練船、漁港その他の施設にわたる」。このインフラ建設への集中は特に小国には決定的な影響を及ぼす。


3.2 技術協力

 漁業部門への上記に加えた支援は他の2つのチャンネルを通じて行うことができる。
(a)外務省の国際協力機構(JICA)による技術協力だが、これには水産庁が深く介入する。
(b)水産庁が資金供給する半政府組織、海外漁業協力財団(OFCF)の「漁業開発のための技術協力」プログラム。通常、水産無償資金協力が主要プロジェクトを融資し、技術協力がこれをバックアップする。


3.3 水産プログラム無償援助の起源

 日本政府は水産無償資金協力を1973年に開始した。サンドラ・タルト(Dr.)は南太平洋における日本の水産援助に関する研究で以下のように書いている。このプログラムはその初期にはほとんど南太平洋の島嶼諸国に集中し、これらの島々周辺で日本の漁場を確保するためと、ここでの日本企業の水産関連ジョイントベンチャーを支援するために用いられた。彼女はまた、「日本の水産外交内に固有の経済的自己利益」が時折「援助供与者として、親善関係とポジティブイメージを作り出すという外交上の要請」と軋轢をおこしたとも指摘している。


3.4 日本水産庁の役割と海外漁業協力財団(OFCF)

 タルトの報告によれば、水産無償資金協力は形式的には外務省予算の枠でありながら「その配分については水産庁が基本的に決定している」。省庁間のクロスポスティングシステムにより、水産庁の予定項目はよく保障されている。水産庁と外務省のリンクは水産庁の官僚が無償資金協力要請を取り扱う外務省無償資金協力課に配属されることにより便宜がはかられている。「水産庁官僚によるならば、この出向人事が無償援助政策の水産庁による“管理”の“秘密”である」とタルトは書いている。
 タルトによれば、水産庁ははじめその独自の援助組織を設立するよう圧力をかけたが、これが了承されないということになり、その「協力のための独自のチャネル」を立ち上げた、これが海外漁業協力財団(OFCF)だということである。
 海外漁業協力財団の創立は1973年であり、これは水産案件の無償資金援助が開始したのと同じ年である。これは半官の非営利組織であり、その資金はほとんど水産庁によるものである。海外漁業協力財団は「水産庁と業界団体のジョイント企画として、日本の遠洋漁業船団あるいは貿易会社と沿岸国の間の協力関係を補助するために設立された。
 海外漁業協力財団はその技術協力プログラムにより、次第にJICAに似た役割を果たすようになった。援助希望国は海外漁業協力財団に直接、あるいは日本の民間企業を通じて援助を要請することができるが、この要請は水産庁によって了承されなければならない。
 海外漁業協力財団の漁業開発プログラム技術協力は1980年代に、日本との二国間漁業協定を結んでいる国々を対象としてはじまった。このことが東カリブ海6カ国への海外漁業協力財団関与の少なさを説明している。どの国も日本との漁業協定を結んでいないのである。水産無償全般と同じく、海外漁業協力財団のプログラムも「日本の漁業権と国益の確保に寄与すること」を目的としている。
 海外漁業協力財団の技術協力にはいくつかのカテゴリーがある。「プロジェクト・タイプ技術協力」は日本の専門家を対象国に送り、設備および資材の整備と訓練を行う。このプロジェクトは対象国で実施され、通常3〜5年継続するが、より長期間継続することもできる。別の種類のプログラムでは海外漁業協力財団が「海外漁業/水産訓練生」のホストとなり、対象国の訓練生を水産加工、養殖、漁法、漁船修理など、7つの訓練過程へ配属する。三つ目のプログラムは日本の水産援助プロジェクトを援助受け入れ国で実施するのを補佐するために現地へ派遣される日本人水産専門家をリクルートし、訓練することである。
 海外漁業協力財団は「海外漁業交流の促進」というプロジェクトも備えている。海外漁業協力財団によればこのプログラムの目的は「水産部門で深い相互理解を必要とする国々から要人を招待し、日本の水産施設を直に見聞してもらうと同時に水産庁および水産業界の幹部との会見を設定する」ということである。滞在期間は通常1〜2週間であり、費用は海外漁業協力財団が負担する。このプログラムは日本のリクルートメント動力の中心的役割をはたし、海外要人を自国、IWCあるいはその他の国際機関で日本の政策を支持するよう調整し、そのためのリハーサルを行うものとなっている。援助受取国と想定された国々の水産大臣や水産官僚はこのプログラムによって日本を訪れ、特別の待遇と日本の政策についての講習を受ける。
 1993年京都でのIWC会議では、日本の主要目的はフランス提案の南極海鯨禁漁区議案を阻止することであったが、この時の海外漁業協力財団のプログラムは日本のマスコミでロビーイング活動の一部と報じられた。読売新聞によると「国際捕鯨委員会の舞台裏では、現実の国際政治が渦巻いている。水産庁官僚達はこの年、太平洋の島嶼諸国やカリブ海の国々を歴訪した。これらの国々の代表者達が今、海外漁業協力財団その他の招きにより、次々に訪日している。」
* Yomiuri Shimbun, 13 April 1993.
 ドミニカのアサートン・マーティンは2000年11月BBCに語っている。「カリブ海諸国の水産部門で上級メンバーが日本との“特別な関係”を結んでいることに我々は気付いている。彼らは日本を訪れ、膨大な量の情報を受け取ってくる。」
 アンソニー・ブラウンは2001年5月、オブザーバー(UK)にレポートを書いた。「多くの有力政治家や官僚が日本に言いよられ、あご足付きの旅行をしている。ドミニカの大臣たちは連続して海外旅行を楽しみ、通常なら王族に限られているようなVIP待遇を気前よく振る舞われている。ロイド・パスカル水産大臣(当時)は昨年2回の訪日をした。」
* BBC “Newsnight”, transcript of interview with Atherton Martin, November 2000.
* The Observer (U.K:), Anthony Browne op. cit.
 ガボンの水産大臣、ロベール・オヌヴィエ(Dr.)は2000年3月28日から4月3日にかけて海外漁業協力財団のスポンサリングで東京を訪れ、日本のマグロ延縄漁船がガボン海域(12海里以遠)で操業することを承認し、同時に日本はガボンの水産加工部門の発展を支援することに合意した。後にこの年のうちに、ポート・ジェンティユの水産加工センター建設に関する交換公文が調印された。ガボンの閣議は2002年4月4日、水産大臣の提唱によって国際捕鯨取締条約に加盟することを承認し、したがってIWCのメンバーとなった。
 より最近の例だと、タンザニアの天然資源観光次官が「政府高官」とともに、海外漁業協力財団の招きで2007年早春に訪日した。水産庁長官との会談では「鯨の持続的利用」について議論し、次官は「すべてことがうまくゆけば、今年の年次総会の前にタンザニアはIWCに加盟するだろう」と語ったと伝えられる。
* Journal l’Union, (Gabon) 28.04.2002.
* Minato Shimbun, 23 March 2007.


3.5 水産無償協力のプロセス(1)
 外務省から得られる公式情報によると、すべての無償援助は「要請ベース」によらねばならないと説明されている。すなわち援助のサイクルは受入可能国からの要請からはじまらなければならない。しかしタルトその他が指摘するように、要請はしばしば日本政府および/あるいは民間日本企業に主導されている。水産無償協力の場合、水産庁が「援助と海外水産利益の密接なリンクを保持するために、すべてのプロジェクト選定作業をコントロールしようとしている」。
 この作業を実際に行うのが海外漁業協力財団(OFCF)であり、ここが「日本政府の実現すべきプロジェクトを見いだすことを、日本政府(水産庁)に信任されている」
 この過程に民間会社も時として参入する。水産援助の分野では、たとえば東京のオーバーシーズアグロフィッシャリーズコンサルタンツ株式会社(OAFIC)がしばしばプロジェクト選定過程、実現可能性調査、実施に移った段階でのプロジェクト設計、監督等に使われている。
* Tarte, Sandra. Japan’s Aid Diplomacy and the Pacific Islands, jointly published by the National Centre for Development Studies (Australian National University) and the Institute of Pacific Studies (University of the South Pacific), 1998., p. 40.
*
http://www.ofcf.or.jp/English/3/3-4.html


3.5 水産無償協力のプロセス(2)
 無償資金協力の要請文書ができあがると、これは日本の当該外交使節を通じて外務省経済協力局(ECB)にある無償資金協力課へ送られる。東カリブ海諸国の場合、当該外交使節は在トリニダード・トバゴ日本大使館である。日本はグアテマラ、ニカラグアにも大使館を持っている(ベリーズは在メキシコ大使館兼轄)。西アフリカではカメルーン、コートジボワール(ベナン、トーゴを兼轄)、ガボン、ギニア共和国、モロッコ、セネガル(ガンビア、マリ、モーリタニアを兼轄)に日本大使館があり、南太平洋では在フィジー大使館がマーシャル諸島、パラオ、ソロモン諸島、キリバス、ナウル、ツバルを兼轄している。日本大使館はカンボジアとモンゴルにも所在している。


3.5 水産無償協力のプロセス(3)
 水産官僚は漁業上の重要な利害のあるところでは時として大使館に派遣されている。外務省経済協力局は地域ごとに分割されており、通常当該地域担当の長が該当する要請文を受け取る。当該大臣あるいは政府部局への送付を裁量するのはこのポジションである。水産援助要請の場合は当該部局が水産庁となる。各地域担当部署が「自分の」国々のためにロビーイング活動をするのは、各省庁同様普通である。
 外務省無償資金協力課内のスクリーニング委員会を経て「基本設計調査」を行うかどうか(援助既受入国の場合)が決定される。調査の責任を持つのはJICAであるが、水産プロジェクトの場合は、チームリーダーや調査メンバーが水産官僚でもありうる。プロジェクトの費用を算定するのはこのチームの責任に属するが、これに基づき、外務省は財務省から予算承認を得なければならない。この時点ではじめて被援助国と交換公文草案についての協議が行われる。プロジェクトは閣議の承認を得るために送付されるが、これは通常形式的なものであり、交換公文は署名される。プロジェクトが一般に公表されるのは通常この時点だ。
* Tarte, 1998, p. 55.


3.5 水産無償協力のプロセス(4)
 タルトによると、無償援助の申請からプロジェクトの実現まで、通常3年かそれ以上かかるが、「被援助国との援助関係促進に強い利害があれば、日本国内の政治的支援がこれを早めることができる。」
 資金は通常プロジェクトの期間にわたって支払われ、典型的には30%が開始時に払い込まれる。プロジェクトは単年度で完結されるよう期待されているが、例外的により長期にわたることがありうる。この場合、単年度の「工期」への分割がなされることが多い。水産施設のような建設プロジェクトはまず第一に、日本企業へ契約が与えられることが要請され、これが地元企業への下請けをオファーすることができる。
* Tarte, 1998, p. 43.


 これが、“連中”が以前から「アヤシイ」捕鯨利権の黒幕と世界にみなされていたというお話。
 筆者の方からいくつか補足しておきます。モンゴルに対しては、その後OFCFにより内水面漁業の水産技術協力が行われています(3冒頭)。オーバーシーズアグロフィッシャリーズコンサルタンツは、拙HPの詳細版(4)と<表6>に記したように、取締役が業界団体海外水産コンサルタンツ協会(OFCA)の副会長を務めており、最多の水産ODAコンサル受注実績を誇っています(3.5(1))。
 筆者が新たに解析した、ODA全体を通して見たあまりに大きな"援助格差"と、調達の不透明性は、他のどこの国よりも日本国民にとって揺るがせにできない大問題ですが、南極の野生動物に関心を寄せる世界中の多くの皆さんにもぜひ知っておいてほしいもの。


 

◇拝啓森下参事官殿

 さて、日本国民である筆者の意見・質問を無視したオエライオエライ高級官僚・水産庁森下参事官殿。もっともあなたは、税金で私服を肥やす特定業界とのもたれ合いの構造=「官僚益」ではなく、国民に奉仕する公僕のはずですが・・。
 市民からの寄付で成り立ち、会計報告をきちんと公開している非営利法人の市民団体グリーンピースに向かって、貴殿は「金儲けだ」などと口汚く罵っていますが、貴殿にそんな台詞を口にする資格があるのですか? その前にまずご自身が、国策捕鯨の名の下に甘い汁を吸っている水産ODA関連業界団体の役員に天下りせず、退職金の二重・三重取りをしないことを明言するのがスジではないのですか? でなければ、さっさと異動願いを出された方がよろしい。
 正直な話、"連中"に合わせるのにあなたもホトホト疲れてるんじゃないの?? それとも、原理主義持続的利用教の教祖様の座は、そんなに居心地がいいですか???

参考リンク:
■捕鯨で儲けているのは誰だ?|情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)
http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/e2baa92ce2724c08db94c2df81c5478b

posted by カメクジラネコ at 00:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会科学系
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