2009年05月18日

ODAで買うクジラ票──非捕鯨国をご接待&疑惑まみれ水産ODA(続)

◇ご感想をいただきました

■ODAで買うクジラ票(上) 非捕鯨国をご接待
http://janjan.voicejapan.org/government/0905/0905140329/1.php
■ODAで買うクジラ票(下) 疑惑まみれ水産ODA
http://janjan.voicejapan.org/government/0905/0905140329/1.php

 インターネット市民メディアJANJANさんにて掲載いただいた拙記事に、多くの方々からコメントやメールでご感想をお寄せいただいております。皆様には厚くお礼申し上げますm(_ _)m 引き続き多くの皆さんとの情報の共有をお願いいたします。ついでにお気に入りボタンも押してね(^^;;
 その中から平賀さんよりいただいたご感想をご紹介いたします。
 平賀さんは、官製世論調査の奇怪なデータを解析して見事なツッコミを入れられたり、水産庁で捕鯨問題の国際交渉を担当している森下丈二参事官にも果敢に論戦を挑まれ、“工事中”だらけのずさんな鯨研HPの不備を突いて、Mr.捕鯨問題をタジタジにさせた方。筆者と同じく、一市民として日本の国策調査捕鯨を真剣に憂慮し、ウォッチされている方です。

■新情報センターの方々に教えてもらいたいものがあります。平成13年度 捕鯨に関する世論調査について|IKAN
http://homepage1.nifty.com/IKAN/news/toukou/08021902.html (リンク切れ)
■鯨論・闘論 (日本捕鯨協会運営の「鯨ポータル・サイト」内の投稿コーナー)
http://www.e-kujira.or.jp/geiron/morishita/1/#c32 (リンク切れ)
http://www.e-kujira.or.jp/geiron/morishita/1/#c27 (リンク切れ)
http://www.e-kujira.or.jp/geiron/morishita/1/#c21 (リンク切れ)

   ◇   ◇    ◇


カメクジラネコ様 


 「捕鯨推進は日本の外交プライオリティbP!?」を読ませていただきました。
 記載されている膨大な素情報の解釈の整合性、反論の余地の有無を含めてのきちんとした理解をするには熟読が必要ですが、それぞれの節のポイントは理解したし、「科学的調査捕鯨」が捕鯨問題などでは決してなく、いくつもの要素が組み合わされて出来上がった「鯨類資源の持続的利用」を名目とした複雑な利権の構造体であることを記述していることを理解したと思います。
 それにしても大変な、というよりは途方も無い挑戦でありかつ労作ですね。論文はもっとも解きほぐし難い相互依存の連関の構造、別の言い方をすれば、関係者の様々なたくらみが透明性の欠けるいくつもの組織の中に目立たないように複雑に分散されていて、官僚や関係者が容易に言い逃れをすることが出来る部分に、わずかにしか開示されていない関連する情報を集め、その相互関係を著者の事実関係に関する知識で連関付けをして全体の構図を明らかしようと挑戦している。探偵が犯人の残したかすかな断片的手がかりを元にして経験から来る推論の組み立てで事件の構図を明らかにしようとするのに似ている。
 簡単に言ってしまうことはネコ様に失礼になってしまいますけれど、この論文が示していることは、政・官・業の癒着構造がきっちりと組み上げられているということですね。論文では政治家は登場しませんでしたけれど。政治家は公には行動記録と言葉しか残しませんし、その行動に何かの疑義を向けられたとしても表向きは産業の振興あるいは保護の為に労を取っている、すなわち、たとえその一部分にしか過ぎなくとも国民/選挙民のために働いていると言い張ることができますからこのような解析的論文の対象にはなり難い。
 この癒着構造ではそれぞれが互いを利用しながらのもたれあいで得をする構造が出来上がっている。この論文は(税金の使い方を決める最大の力を持っているという意味では)官僚主権国家のもっとも手入れをすることが困難な部分に迫ろうとしている。
 この構造の中に置かれると鯨類研究所、あるいは農水省の担当官などは、他の目立つ要因が交雑しているという意味において複雑で、微妙に組み合わされたもたれあいの利権構造の中ではほんの一部分を代表するに過ぎない。それでも、この構造を支えている見えない強固な岩盤は、省益を超えた「官僚益」でしょう。官僚は他の省がその省益を守ることを了解しながら代わりに自分の省益(すなわち天下り先のプール)も多少に尊重してもらう。こうして官僚機構内でのもたれあい構造ができる。この論文の場合は外務省と農水省だけが登場しているが。農水省の担当官など(公務員上級試験を合格したような理解力を持つ人だから「調査捕鯨」のようなまやかしはやるべきではない事として論理的には理解をしているし、血税を使わない独立した事業としての商業捕鯨は最早成立しないこと、すなわち現代の日本人の食習慣からして一般人を対象とする鯨肉市場など意味のある形で存在することは無いであろうし、これに加えて往復3万Kmの彼方の南氷洋を夏場だけ猟場とする大変にコストのかかる捕鯨産業が全体としてビジネス・モデルとして成り立たないであろうことも、多分、理解している。しかしながら本当の狙いはそんなことではないからむしろ現在の中途半端な状況が継続すニことで現在の利権構造の継続が可能という意味において好ましいと思っているに違いない)が時代に逆らう施策の推進が日本にとって良いことだと恥ずかしげも無く言い抜ける。このような蛮勇を与えているのも先の利権構造と、「官僚益」があるからです。不用意に正論など吐こうものなら村八分になり、早期退職後の天下り先を失うことになる。この恐怖を排除することも彼を駆り立てる。一つの失われた「官僚益」の先例ができれば、次々とそれが他の利権構造に波及し「官僚益」が先細りになる。だからその防波堤としても頑張らなければならない。検察行政の基本として認知されている「検察一体の原則」ならぬ、官僚機構全体を見えないエーテルのように浸す暗黙裡の了解事項「官僚一体(一蓮托生)の原則」がここにある
 ここでの問題構造解明に障害として立ちはだかるのは、公金の無駄遣いであった国民休暇村や簡保の宿の場合のように単純ではなく、この構造のどこか一箇所に目立つもっとも重篤な「悪」の部分があって、そこを突き崩せば全体が崩壊するようなことにはなっていないことにある。逆に言えばだからこそ"科学的"「調査捕鯨」などというあやしの行為が四半世紀もの間長続きする一つの原因を提供している。だからこそ「捕鯨推進は・・・・」論文が挑戦しているように、関連する要素の全ての情報を集めてきて、それをつなぎ合わせることによって見かけではない、本当の構造の解明の挑戦をしなければならない。
 構造全体は世界中に悪臭を放つものなのだけれど、一つ一つに分解してしまうと、それぞれの構成要素(政治家、業者、官僚)は善なるものを訴求していると言い張ることができるし、登場する組織と人物のそれぞれの役割は一見限定的なものになってしまう。
 「調査捕鯨」の実体のお粗末さとおぞましさを正確に知らされていない、日本国首相をはじめとする一般人は、まことに情けないことに、「資源の持続的利用」の為の「科学的」調査という、もっともらしい表看板/隠れ蓑にごまかされてしまう。悪の部分はこの「科学的調査」の部分に存在するのだけれど、ジャーナリストを含めて専門的知識に欠ける一般人はここに切り込むことは出来ない。
 私自身は、この忌まわしい、まことに恥ずべき、いわゆる調査捕鯨が如何にあやしの科学であるかを、四半世紀の調査が科学的成果を全く挙げていないことを国民に理解させることが必要だと思っています。このためには名の通った科学者が断罪してくれることを望むのですが。
 皮肉なことに最大の存在理由である科学的調査の成果そのものが彼らのもっとも弱みの部分になっていることは、彼ら自身が記している調査結果報告から読み取れる。
 最後に付け加えたい。動物学者は対象としている動物を愛している。彼らは科学をしているのだけれど、同時に、対象に迫るには極めて人間的である。多分鯨類研究所で科学をしている「科学者たち」は耳栓骨を一つ採取するたびに失われた一つの命に涙を流し、母鯨の子宮から胎児を一つ発見するたびにその痛ましさに耐え切れず号泣していることだろうと思いをいたす。だとしたならば不必要に殺戮される動物ばかりではなく、この「科学的調査」は人間をも痛ましい扱いをしていることになる。

平賀


   ◇   ◇    ◇

 どうもありがとうございますm(_ _)m 平賀さんのご感想自体も調査捕鯨の「官僚益」を論じた立派な一つのコンテンツとしての価値があると思いますので、皆さんにご紹介させていただきました。
 森下参事官を始めとする官僚たち、あるいは鯨研に所属する研究者たちも、組織のしがらみと個人の良心との間で揺れ動いている──と信じたいところですけどね・・。森下参事官は、最近ますます持続的利用教ファンダメンタリストの教祖役が板についてきて、粘着的GP攻撃を繰り返すばかりで、官僚叩きに対する自己防衛本能が強く働いているのがまざまざと読み取れますが・・・


 

◇捕鯨批判ブログご紹介

■捕鯨で儲けているのは誰だ?|情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)
http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/e2baa92ce2724c08db94c2df81c5478b

 以下、その森下氏のYouTube投稿中のコメント(引用)。

「けして、そのぉ、ま、捕鯨だけのためにこれをやっているわけじゃなしに、日本の正しい主張、あるいは、その外交問題といろいろな交渉の仕方であまりにもおかしなことが起こっているので、この捕鯨の問題がこれ以上おかしくなると悪い影響もあるし、あるいはこれをちゃんと扱えないようであれば日本の外交って一体何なんだというかなり大きな問題としてわれわれとらえてまして、それが日本政府なり水産庁なりが捕鯨の問題にここまで力をいれる理由のひとつなんですね」

 びっくりです。彼の主張は筆者とまったく同じですね。結論だけ正反対ですが。

■鯨肉横領疑惑をあえて俎上に載せた裁判所|flagburner's blog(仮)
http://blog.goo.ne.jp/flagburner/e/6bd411f9e6f56ee0de0642f282f80b1b

 調査鯨肉問題の公判前整理手続の件を解説してくれてます。確かに裁判所まで疑惑隠しに手を貸したなんて言われたくはないだろね(^^;

■鯨研が口をひらく|紅海だより
http://inlinedive.seesaa.net/article/119620133.html

 クーちゃんやらタマちゃんやらと同じ感傷的対象にされつつある田辺の迷いマッコウですが、「親子クジラは殺してない」と愛誤っぷりを精一杯発揮してくれる鯨研のダブルスタンダードには、確かに「ふざけんのも大概にせい!」と言いたくなりますね・・・

posted by カメクジラネコ at 01:56| Comment(2) | TrackBack(0) | 社会科学系
この記事へのコメント
紅海だよりさんへのコメントに対して、あなたから意見されたものです。
紅海だよりさんに対しての発言に横槍を入れられて個人攻撃されることに大変な戸惑いを感じます。

>日本は年間2千万トンもの食糧を廃棄する、食品偽装がまかりとおる食文化がすっかり崩壊した飽食大国、世界中で最も命を粗末にしている国だというのが"現実"です。

あなたのおっしゃっていることは、日本のすべての食に関連する重要な問題だと私も思います。
しかし商業捕鯨の再開を中心に捕鯨問題を考えるとき、考慮すべき点ではありますが、直接的には関係ないことではないですか。逆の言い方をすれば、捕鯨の問題を考えるときに重要でありますが、同時に畜肉の問題、農業の問題、すべての食の問題を考えるときに、等しく重要な問題だと私は思います。
むしろ捕鯨問題についてだけ、上のことを持ち出し、それをもって捕鯨批判とするあなたの考え方こそが

>まったくの詭弁であり、偽善にすぎません

と、私には感じられます。

>あなたのおっしゃること(ハンドルネームも)は、まったくの詭弁であり、偽善にすぎません。南極・公海の野生動物を貪る資格などありません。

資格がないなんてことを、どうしてあなたが決められるのか。しかし、私の発言を読んで、そう思ったのなら、それはあなたの自由でしょう。
しかし、私は捕鯨賛成派であり、そして「いのちを大切」にしたいと心底思っています。
その思いをたくしたハンドルネームについて
それを詭弁だ偽善だと根拠も無く個人攻撃される謂れはありません。謝罪を求めます。
Posted by いのちを大切に思う捕鯨賛成派 at 2009年05月18日 09:41
>いのちを大切に思う捕鯨賛成派さん
直接的にまったく関係ない比較ばかり行うのがとりわけ好きなのは、あなた自身を含めた捕鯨賛成派の方々ですよ。自分のコメントを読み返してごらんなさい。
第三世界では年間500万人ものこどもたちが栄養失調で亡くなっているというのに、世界の食糧援助の総量を上回り消費の1/4に当たる年間2千万トン異常の食糧を捨てている世界最悪の食糧廃棄国家が、「南極の野生動物を貪っていいのだ」と、そんなことを堂々と世界に対して胸を張って叫ぶ資格があると、あなたは本当にそう思い込んでるんですか? 世界が納得するとでも思ってるのですか? 「先に減らしなさい」と言っているのです。最低でも年間の鯨肉生産量5千トン以下までに。
日本人が「いのちを大切にする国民」ではないというのは数字が証明する「厳然たる事実」なのですよ。捕鯨はあなた個人の自由な行為ではありません。多額の税金を投じた国策事業です。「資格がない」のは私とあなたを含めた日本人全員ですよ。
食糧問題はもちろんすべてについていえることです。捕鯨問題について"だけ"などとは一言も言っていませんよ。言い出したのはあなた。捕鯨問題についても当てはまる。例外になどならない。それだけの話じゃないですか。なぜ捕鯨"だけ"を特殊な例外としたがるのです? もっとも、日本が外でやっていることですから、「世界最悪の飽食大国が南極の野生動物までも貪っている」ことが国際的に大きな問題となるのは当たり前でしょう。
そんなにいのちを大切にすることと捕鯨問題に関心があるのなら、ついでに私のHPとブログを一通り読まれることをオススメしておきます。特にこの辺りを。
「捕鯨は畜産の代替になりえない」
http://chikyu-to-umi.com/kkneko/ushi.htm
ぜひご意見・ご感想をいただきたいですね。
私は体重40キロ台で1日2食玄米中心の地産地消型ベジタリアン(ヴィーガン)でしてね。もちろん、私の食生活に合わせることを他人に強要するつもりはまったくありません。しかし、日本人の捕鯨賛成派で私より犠牲の少ないライフスタイルを送っている人間が1人もいないことだけは断言できます。それ故にあなたに謝罪はしません。他の方はいざ知らず、あなたは自分の意志さえあれば私を越えることだってできるはずですよ。本当に「いのちを大切にしたい」のであれば。
Posted by ネコ at 2009年05月19日 01:01
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