2009年05月12日

あの西松建設も!? 捕鯨ニッポンを影で動かす黒幕の正体

■小沢氏民主党代表辞任関連ニュース (5/11,Yahoo)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?clu=20090511-00001234-yom-pol (リンク切れ)

 即断していれば民主党の痛手も最小限で済んだように思いますが・・。
 さて、今回のニュース、皆さんは捕鯨問題とはまったく無関係だと思われることでしょう。しかし、実はそこには捕鯨と密接な関わりのある一つのキーワードが含まれています。

 なぜ、ニッポンがこれほどまでにクジラに執着するのか? かくも莫大なエネルギーを投下するのか? それについては、内外でずっと一つのとされてきました。考えられる動機は2つ、「ルサンチマン説」「水産スケープゴート説」
 前々回に拙記事やリンクHPでお伝えしたように、捕鯨擁護運動とナショナリズムとは深く結び付いています。また、護岸工事など公共土木事業と大手遠洋漁業会社(旧捕鯨会社)を手厚く庇護する一方で、零細漁民をなおざりにしてきた水産行政の無策から当の漁民の目を逸らすため、大手の影響力が強く、官僚の天下り先でもある業界団体と手を結んで、スケープゴートにはうってつけの国際NPOや反捕鯨国を標的にしたことも疑いの余地はありません。
 しかし……多くの文化人・マスコミ人・政治家などが総力を挙げて援護をしている実情を説明するには、いまひとつ“弱い”と言わざるを得ないでしょう。
 調査捕鯨に関わる捕鯨サークル=$産庁・財団法人日本鯨類研究所・株式会社共同船舶は、水産庁(日本政府)が補助金を出して事業を委託し、鯨研が共同船舶から船舶や船員を借り受け、また事業コストの一部に充てるべく副産物(鯨肉)の販売を委託し、鯨肉の販売を収益源としている共同船舶の株は鯨研を中心に水産庁の外郭団体が所有し、その水産系各法人には水産庁・農水省の退職者が天下っているという、お互い持ちつ持たれつの関係にあります。
 ただ、補助金の総額は年間12億円にまで膨れ上がったとはいえ、鯨研は昨年8億円弱の経常赤字を出しており、年間の収益が1千万〜2千万円程度と見られる共同船舶とともに、一層の経営合理化を迫られている有様です。水産庁で捕鯨問題の国際交渉を担当する森下参事官も、「日本鯨類研究所の数人の役人 OB や,共同船舶株式会社一社の利益を守るだけだとすれば,果たしてこれだけの関係者が日本の捕鯨政策を支持するでしょうか?」と述べています。
 ピンチなのでみんなが救いの手を差し伸べている──という見方もできるでしょう。しかし、この半年の間に職を失い、住む場所にも困る非正規雇用労働者が何万人も街に溢れているというのに、従業員300人程度の特定企業・機関のみチヤホヤされているのは、やはり奇妙奇天烈と言わざるを得ません。

■水産行政とクジラ (拙HP)
http://www.kkneko.com/suisan.htm
■鯨論・闘論[ご意見:45]への森下参事官の回答 (日本捕鯨協会運営「鯨・ポータルサイト」)
http://www.e-kujira.or.jp/geiron/morishita/1/#45 (リンク切れ)
■メディアが伝えぬ日本捕鯨の内幕・税を投じて友人なくす (WEDGE2月号)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/721

 何かもっと、誰もが一目でうなずける、ポンと手を叩いて納得できる、わかりやすい動機はないのでしょうか──?
 あったのです、それが。
 そのキーワードこそ、あの西松建設を始め、防衛施設庁談合事件にも関わった多くの企業を含む、水産コンサル・ゼネコン業界の水産ODA利権だったのです。
 水産ODAは、ODA(政府開発援助)の中でもきわめて特異な性格を帯びた別格の存在です。農林省/水産庁(水産ODA案件は外務省への出向者が事実上牛耳っている)と、水産コンサル・ゼネコン業界、そして両者の橋渡しをする財団法人海外漁業協力財団(OFCF)社団法人海外水産コンサルタンツ協会(OFCA)という、天下り官僚と企業の役員が揃って理事を務める外郭団体によって、完全にコントロールされています。もともと遠洋漁業会社の入漁料代わりという極度に政治的な意図をもって運用されてきた水産ODAですが、日本が水産大国(個人ブロガーの方のHNではなく一般的な意味です。紛らわし(--;)から水産物消費大国へ移行してからは、IWC票の買収が、新たな名目としてより大きな位置づけを占めるようになりました。その調達は、JICAによる他のODA案件と比べても、競争性・透明性にひどく欠けるものとなっています。
 捕鯨支持国への援助の傾向と調達の透明性について、筆者はこの度詳細な資料をまとめました。市民メディアさんに許可をいただいて、先に拙HP上で皆さんに公開いたします。捕鯨利権問題に直行したい方は、(4)から読み始めていただいて結構です。

<捕鯨推進は日本の外交プライオリティbP!?──IWC票買い援助外交、その驚愕の実態>
(1)水産ODA──アナクロな札束外交の象徴
http://www.kkneko.com/oda1.htm
(2)捕鯨支持国とそれ以外の国との間で見られる顕著な援助格差
http://www.kkneko.com/oda2.htm
(3)日本に捕鯨支持という踏絵≠踏まされる開発途上国
http://www.kkneko.com/oda3.htm
(4)捕鯨援助で本当に利益を得ているのは誰か
http://www.kkneko.com/oda4.htm
(5)補足:各捕鯨支持国の解説
http://www.kkneko.com/oda5.htm

 詳細は記事をお読みいただくことにして、ここでは西松建設のケースについて簡単に触れておきましょう。
 水産無償援助の15年間の総額は1000億円以上、そのうちの6割は捕鯨支持国に渡っています。西松建設の水産ODA受注実績は1998年以降3回(他事業者との共同受注を含む)、パラオのカヤンゲル州漁業施設改善計画(2001年)など、総額20億円に上ります。ちなみに、パラオがIWCに加盟したのはまさにその翌年2002年のことでした。小沢氏事務所への献金は12年間で2億円近く、二階氏事務所への献金額は約8百万円ということですが、国からこうやって貰い受ける“美味しい確実な仕事”に比べれば、はした金にすぎないんでしょうね・・。
 また、ODA事業が賄賂のための裏金作りの温床になっていることも明らかになっています。リンク記事は鯨研のオトモダチ新聞・産経のもの・・。JICAは西松建設を3ヵ月の指名停止処分としましたが、同社は今でもOFCAの会員であり、OFCFは会計検査院に指摘を受けながら、指名停止その他についてほとんど情報公開をしていません。

■【疑惑の濁流】ちらつく「わいろ」「政治」 西松建設“裏金”はどこに流れた ('08/11/30,産経)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/081130/crm0811301532009-n1.htm (リンク切れ)
■会員名簿|海外水産コンサルタンツ協会
http://www.ofca.or.jp/meibo/kainH20.pdf (リンク切れ)
■競争入札に関する広告|海外漁業協力財団
http://www.ofcf.or.jp/info/tendering.html
■指名停止等の情報|JICA
http://www.jica.go.jp/announce/teishi/pdf/teishi_01.pdf (リンク切れ)

 日本からの水産ODA供与により、タダで開発をしてもらえる被援助国政府にとっても、確かに得したことにはなります。また、1000億円のODAの一部は、既に証拠の挙がっている捕鯨支持国のIWC加盟分担金や渡航費用として流用されたとみられます。中には、政府関係者にリベートとして手渡されたものがあっても不思議はないでしょう。それは西松建設やPCIの事例を見てもわかるとおり。
 とくに、海外漁業協力財団──21億円を鯨研に無利子融資しているオトモダチ外郭団体──が仕切る水産技術協力は、事業の収支明細がすっぽりベールに覆い尽くされています。また、直接ODAを用いたのではなく、ODA庁費の不明朗会計処理によってプールした裏金も、そうした用途に宛がわれた可能性もあり得ます。
 いずれにしても、捕鯨援助によって本当に甘い汁をたっぷりと吸ってきたのは、科学と文化の美名の下、言い値で仕事を受注し続けてきた水産コンサル・ゼネコン業界、そして彼らと結託した天下り水産官僚に他なりません。彼らこそ捕鯨ニッポンを裏で動かしてきた黒幕だったのです。
 炭鉱と同レベルにすぎない特定弱小産業の保護という超狭義国益のために、日本の外交方針がひどく歪められ、多額の税金がゼネコン業界の飯の種にされ、広義国益がなおざりにされている事実を前に、私たち国民は黙っていていいのでしょうか!?
 森下参事官殿、貴殿が「これだけの関係者が味方してるんだ」と胸を張るヒトたちの中には、これらの業界関係者はいますか? 業界関係者と“いろいろな意味で”仲良しの永田町の先生はいますか? 貴殿自身も、鯨研に天下るつもりはないけどOFCAやOFCFにポストを用意してもらってる、なんてことはないですか??
 今回の記事は、捕鯨問題に関心を持つすべての皆さんに是非ともお読みいただきたい内容です。そして、昨年と異なり一荒れしそうな6月のIWCマデイラ総会までに、認識を共有していただきたいと思います。とくにリベラル派の方は必見! 社民党と共産党の方々にもお目通しいただきたいところ。
 筆者がチェックしたのは、外務省やJICA、会計検査院などの公開資料のみですが、それでもこれだけの実態が浮き彫りになったのです。結構タフな作業でした・・言っときますが"援助"なしの"無償"労働ですよ。自民党、超党派、山口県など地方自治体議員で捕鯨ヨイショ連盟を結成している政治家たちと、これらの業界団体とのリレーションについては、きっとはたけばいくらでも“埃”が出てくるに違いありません。市民団体が告発した鯨肉横領・横流しは「強大な圧力」に負けて握り潰されましたが(こっちも監督官用“土産”など、まだまだ“埃”はたっぷりたまってそうだけど・・)、一体誰が検察を黙らせるほどの影響力を行使しているのか、そしてその動機については、これで明確になったはずです。
 ここはプロのマスコミ・ジャーナリストの更なる追及をお願いしたいもの。我こそはという気概のある方、募集ニャ〜!

posted by カメクジラネコ at 01:32| Comment(0) | TrackBack(1) | 社会科学系
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