2009年03月20日

クジラとイヌとトキと美少女ロボット/何かと悪いほうへ悪いほうへと合わせたがる捕鯨ニッポン

◇クジラ関連報道クリッピング

■ザトウクジラ、水平線に大ジャンプ! (3/15,産経)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090315-00000575-san-soci

 元論説委員を鯨研に理事として送り込んで強固なリレーションを気づいているオトモダチ新聞産経が、なぜか沖縄のザトウ・ウォッチングの記事を掲載。
 日本国内でもWWが盛んになるにつれて「ザトウを捕るのはやめてほしい」という声が年々高まっている中、オーストラリアなど南半球の国々の経済水域内を行き来し人々の目を楽しませているザトウのほうは「何が何でも殺さなければ」と捕殺計画を引っ込めようとしない捕鯨ニッポン(現在は一時中止しているだけ)。
 「他国の自然をまず貪る」というのは、道義的に許されないことではありませんか?
 産経さん、どう思いますか?


 

◇ブルドッグとクジラ

■“純血犬”追求が犬の健康被害に|BSきょうの世界 (3/18 22:15-,NHK-BS1)
http://www.nhk.or.jp/kyounosekai/lineup/index.html#wed (リンク切れ)

 イヌの品種改良に伴う問題を扱った海外報道(ABC)の紹介と解説。
 BBCではもうドッグショーの放映をとりやめたそうです。ご覧になった方にはややショックな映像もあったでしょうが、筆者も癲癇持ちやアレルギー持ちの子などを知っています。その他、股関節形成不全や膝蓋骨脱臼、口蓋裂、気管虚脱、椎間板ヘルニア、尿路系疾患など、多くの犬種が、何らかの遺伝疾病や障害の多発するリスクを抱えています。その発生率は、犬種によって4割以上に達するものもあります。
 スタジオには、ずいぶんラディカルな立場の獣医師の方が登場されていました。「やっとここまできたか」というご感想のとおり、前々から口酸っぱく言われてきたことで、別に今に始まった話ではありません。しっかり解説してくれてましたが、もちろん海外特有の話でもなく、日本は問題提起だけが後追いの状態。シェルターやアニマルポリスの格差と同じですね。
 海外の歴史的な品種改良は、曲がりなりにも合理的動機に基づくものでした。しかし、最近の日本のペット事情は少々異なり、繁殖業者が短期的な儲けのためにトレンド犬種の乱繁殖に走る傾向が顕著です。バカ犬が増えたスピッツと同じパターンを、ハスキー、チワワ、ゴールデンと繰り返してきましたし・・。
 改良でトラブルを抱える代表として登場したブルドッグは、ウシと犬を闘わせるブル・ベイティングという“趣味”のためにイギリスで品種改良された犬種。イギリス人もどこの民族と同じく残虐だったといえますが、200年近くも前に抵抗勢力にめげずくだらない文化を法律で禁止してしまえる点は見上げたもの。当の犬たちはまだ負の遺産を引き摺ったままですが・・。鼻吻が奥に引っ込んでいるのは、噛みついた際に息が出来なくなることを避けるための“改良”。そのせいで、日常生活でも呼吸に支障を来たすようになったわけです。顔の皮膚のたるみもウシの攻撃を防ぐものでしたが、これも皮膚疾患になりやすい原因となっています。獣医師の解説のとおり、短い鼻と口のせいで体温調節がうまくできず、お散歩の際の留意事項もあるのですが、売り手と買い手の資格・モラルが問われない日本では、飼い主が配慮できているかどうかさえ甚だ疑問。ブルドッグに限ったことではありませんが・・。
 ただ、犬種標準をスマートなブルドッグに変える、あるいは障害犬という“欠陥品”を「店頭から外す」といった対応は、本質からずれているのではないかと筆者には思えます。大事なのは、犬種という規格に評価のお墨付きを与え、ショービジネスとまで化した純血という“ブランド信仰”をやめることです。
 それと、戻し交配を厳に禁止すべき。“ふつうの人”が聞いたら驚くでしょうが、遺伝形質を固定するためにブリーダーが行う常套的な手法がこれ。ぶっちゃけて言えば親と子、親と孫を掛け合わせるわけです。病気や障害が多発するようになるのは当たり前の話。番組では辛らつなインタビューの場面もありましたが・・。
 命の取扱に、文化の違いなどありません。あるのは程度の差、時計の針の位置だけです。



◇トキとクジラ
 

■飼育トキを41羽増やす方針  マイクロチップ導入も (3/16,共同)
http://www.47news.jp/CN/200903/CN2009031601000702.html

 放鳥・野生化が惨めな失敗に終わりそうな中、個体識別もろくにできていなかった佐渡トキ保護センターが一気に40羽もヒナを増やすと言いだしました。個体数の少ない稀少動物の繁殖の際には、上のトピックじゃないけど近親交配を避けるために厳格な血統管理を行うのが、まともな動物園・野生動物保護関係者の間では常識のはずですが・・。
 もうトキ全部中国に返して、向こうが手遅れにならないように保護政策を全面的にバックアップするだけにしたら? ニッポニア・ニッポンを絶滅させてしまったという負の歴史をしっかりと胸に刻み込み、子々孫々まで決して忘れず語り継ぐだけにしましょうよ・・・



◇美少女(?)とクジラ・・・・
 

■産総研、女性型ヒューマノイドロボット「HRP-4C」を発表〜ファッションショーにも登場予定|Robot Watch
http://robot.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/03/16/1665.html
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090317-00000000-rbb-sci (リンク切れ)

 製作者には悪いけど、顔と動きがとてつもなくキショイ(--;; 中途半端に似せようとすると、なおさら気持ち悪くなるという、心理学者の分析もあったはずですが。災害救助用のムカデ型ロボットのほうが、「かわいさ」でも有用性でも断然勝ってるんじゃないでしょうか。。どうでもいいけど、筆者はポリゴン苦手な人です(--;
 どっかアキバ系の社長がポケットマネーでやる分には、森下参事官おっしゃるところの“個人の自由”で「どうぞご勝手に」と言うほかありませんが、産総研は国からの交付金が出ている独立行政法人なんですよねぇ?
 どうせ研究に国費を投じるなら、もっとマシな使い道がいくらでもあるんじゃありませんか?
 調査捕鯨とおんなじで──。


 

◇悪いほうに合わせるのがお家芸の捕鯨ニッポン

■<温室ガス削減負担>産業団体の意見広告に環境次官が疑義 (3/19,毎日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090318-00000122-mai-pol (リンク切れ)

 17日の朝刊(全国紙5紙)に経団連他57団体の意見広告が掲載されました。「結局何が言いたいのやらさっぱりわからない」という感想を持たれた方が多かったのではないでしょうか。
 「私たちみんなのコスト負担増」「次期国際枠組みには主要CO2排出国の参加が必須」という二つの文言の間には、直接には何の関係もありません。「私たちは、世界最高のエネルギー効率をさらに向上させ、地球規模での排出削減に積極的に取り組む決意です」という前口上は、IPCCの先生方からも花丸を貰えるだろう素晴らしい内容です。しかし、下のほうに読み進めていくと、“積極的な決意”とこれほど相反するものもないであろう“本音”が、小さな文字で書かれてありました・・。

また、京都議定書では1990年からの削減率で国際約束がなされましたが、過去の削減努力等は各国で異なり、公平性の観点から基準年の考え方については見直しが必要です。

 要するに、「3%削減なんてとんでもない」「自分たちは責任・負担を負わされるのはごめんだ、他の排出国に削減させろ」というわけです。主要排出国の参加が必須なのは確かにそのとおりですが、それを促す謳い文句として、これほど不適切なものもないでしょう。
 「考えてみませんか? 私たちみんなの負担額」と言うことなので、筆者なりに考えてみたいと思います。
 まず、「3%削減でも一世帯あたり約105万円の負担」というコピー。長期エネルギー需給見通しによる2020年までの削減コスト試算ということですから、1年当りに換算すれば1世帯当り10万円。日本政府の見通しほど当てにならないものもありますまい。それは、出生率、年金、国債、道路計画のケースを見ても明らか。
 そこはまあ目を瞑るとしても、そんな大げさな話なのでしょうか? 環境と並ぶ国民生活に不可欠な政策の柱というべき、医療・福祉や教育の10年間のコストはどれくらいでしょうか? それは重過ぎる負担なのでしょうか? 一方、道路やダム、新幹線などの公共事業、あるいは防衛費のコストは、10年間でどのくらいの金額に及ぶ(んだ)でしょうか? 私たちはそれを、将来の世代に健全な地球環境を残すための負担と比較して考えてみたことがあるでしょうか?
 「日本は世界トップレベルの低炭素社会です」というコピーはとんでもない話ですね。日本は間違いなく高炭素社会です。GDP当りの比較に何の意味があるんでしょうか? 過去の削減努力(日本だけが得をする指標)ばかりを声高に唱えますが、豊かな国と貧しい国を、豊かさと引き換えにこれまで大量の温室効果ガスを排出してきた国と、構造的な要因により経済発展を阻害されてきた国を、同じ基準で比べることのどこが“公平”なのでしょうか?
 誰もが一目でわかり納得するシンプルな指標は、総排出量(本来なら累積の)と国民一人当りの排出量です。基準年の見直しなんてことをどこかの国が言いだしたとたん、議論は一歩も進まなくなり、結論が出る頃には地球はとうに湯だってるでしょう・・。これほど予防原則に反する主張もありません。というより、単に足を引っ張るだけの戦術といえますが。せっかく、他国より省エネ技術や普及度に関して“現時点で多少”進んでいても、「もうやめます」といった時点で、日本の評価はすっかり台無しです。
 日本の経済界のトップリーダーたちがすべて、このような後ろ向きの環境哲学にしがみついているとは考えたくありません。しかし、経済団体の重鎮は、思考の時計の針が前世紀で止まったままのようですね。さすがに、斉藤環境相も厳しい批判をしないわけにはいかないでしょう。
 日本は自販機やコンビニに象徴される効率的な浪費社会です。省エネだけとっても、まだまだいくらでも改善の余地があると指摘されていますし、過剰消費型のライフスタイルを見直すことも必要。不況はそのよい機会でしょう。自分たちの目先の豊かさに囚われて、将来の世代が享受すべき豊かさを犠牲にするようなことはあってはなりません。

 ところで皆さんは、ここに見られる日本の産業界の姿勢、捕鯨問題そっくりだとは思いませんか? 命を浪費する飽食社会を見直すことをせずに、南極の野生動物までも貪ろうとする、捕鯨擁護論者の論調に。
「他の国が排出しているから・・・」
「他の国がウシやカンガルーを殺しているから・・・」
 CO2排出ゼロを目指すアイスランドは、国民一人当りのみならずGDP比の排出量でもおそらく日本よりずっと上をいっているでしょう。アイスランドは捕鯨だけでなくこっちでも日本を見習い、ゼロ排出国なんて“バカバカしい真似”はやめるべきなのでしょうか?
 これに関連して、今夜NHKが放送した特集は大変示唆に富む内容でした。

■特集・不況脱出のカギ 環境で仕事を生み出すグリーンニューディール・オバマの大胆戦略 (3/19 19:30-,NHK)
http://cgi4.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&date=2009-03-19&ch=21&eid=20453 (リンク切れ)

 ドイツや北欧を始めとする欧州の各政府は、日本人の目には過保護に映るほど、再生可能エネルギー事業を全面的にバックアップしています。オバマ政権になって、米国も大胆なグリーン・ニューディール政策を打ち出しています。
 対する日本は、セクショナリズム/縦割り行政というせせこましい理由(実際には原発推進が本音の通産省の厚い壁)に阻まれ、このままでは早晩環境途上国に転落することは必至です。
 欧米などは、ビジネスとしても成立するよう明確なビジョンをもとに、国家として積極的に取り組んでいるわけです。ところが、日本は環境問題に限ってコスト意識が浮上する不思議な国。といって、カネがすべてに優先するわけでもないんですよねぇ・・。立地自治体への大盤振る舞いや、ついこの間の出来事である柏崎刈羽の事故などにおけるロスや後始末一切にかかるコスト、あるいは数世代どころでは済まない将来にわたる放射性廃棄物管理のコストなど、経済性の観点からも疑問のある部分は不透明なまま、国策として原発推進の錦の御旗を掲げているのですから。
 電事連もこの共同意見広告主に名を連ねていますが、「温暖化は原子力業界の陰謀である」というトンデモ説もあるくらいなのに、経済界とつるんでCO2排出削減に後ろ向きな姿勢は如何なものでしょうか?
 同様のことは、調査捕鯨に対してもいえます。
 昨年、環境保護団体グリーンピース・ジャパンと参院喜納議員が、調査捕鯨の鯨肉販売に関して情報公開を求めたところ、今年1月に開示された文書は真っ黒けだったとのこと。調査捕鯨には今年度だけで16億円もの税金が投じられていますが、鯨研は昨年8億円の経常赤字に陥っています。「最初に国策推進ありき」の事業に限っては、秘密のベールですっぽりと覆い隠して国民の目から見えなくしてしまうわけです。

■国営捕鯨なら情報公開を!――黒塗り文書に隠された調査捕鯨の不正を追及 (3/19,GPJ)
http://www.greenpeace.or.jp/press/releases/pr20090319oc_html
http://www.greenpeace.or.jp/News/news20090319

 経団連に成り代わって、同じコピーを掲げましょう。

「考えてみませんか? 私たちみんなの負担額と、その妥当性について」

 筆者の答えは、CO2排出削減○、調査捕鯨×です。
 森下参事官をはじめとする捕鯨政策の中枢にいる方々であれば、「すべてを悪いほうへと合わせていく」という国の基本方針、“原理・原則”重視の立場から、CO2排出削減×、調査捕鯨○という答えを出すのでしょうか? そして、捕鯨に反対する主張を少しでも認めれば「原理・原則が崩れてしまう!」とばかり、経済界・産業界にも「捕鯨ニッポンにとって“瀬戸際のピンチ”だから応援してくれ! “仲間”だろ!?」と訴えかけるでしょうか?


 先日、ローマで開かれた中間会合について、伝え聞くところによると、「どうせ決まらねーだろ」という空気が、日本側にはある模様。筆者はマデイラがデッドラインという認識でいたのですが、ホガース議長が退任する6月までに仲裁案がまとまらない場合、IWC体制が崩壊する(日本が新組織をぶち上げることで・・)というシナリオはなさそうです。米国がオバマ民主党政権になり、調査捕鯨に対しても毅然とした姿勢に“チェンジ”したことで、譲歩の姿勢がまったく見えない日本との隔たりは埋めがたくなり、まとまらない公算も大きくなってきましたが・・。
 しかし、そうなった場合、毎年毎年“ケンカ祭り”をズルズルと続けることになりかねません。「それでいい」と言っているのでしょうか?
 日本が票買いした国々は“年会費”の支払いも滞りがちですし、遠からず破綻することは目に見えているはずですが・・・

 今後、仮に商業捕鯨が再開し、母船更新により巨額のコスト償却の必要が生じた場合、温暖化の影響なども重なってクロミンククジラにまで黄信号が灯ったとしても、調査捕鯨という抜け穴≠ナ埋め合わせて規制を無効化する手段を、捕鯨ニッポンは平気で行使してくるでしょう。国策調査捕鯨を延々続行する形ならなおのこと。フェイドアウトによる撤退を先延ばしにすれば、事態は一層悪化の一途をたどるだけです
 米国の姿勢転換にしても、ある種の不安を禁じ得ません。ポーズだけの強硬姿勢に終わってしまうのではないか、IWCがまた元の木阿弥に戻ってしまうのではないか──と。
 もし、ソフトランディングの提案、話し合いによる妥協が、北朝鮮並に態度を硬化させた捕鯨ニッポンの所為でおしゃかになったならば、米国には“環境ならず者国家”に対して、断固とした実効性のある措置を取っていただきたいところ。残念ながら、国内世論で廃止に持ち込むのは時間的にも厳しそうですし・・


◇いただいたお便りご紹介
 

 フォームメールにてウヨガキ君よりたいへんわかりやすいご意見をいただきました。これまで当ブログにお越しになられた捕鯨賛成派の方々はウヨガキ度10%〜80%というところでしたが、こちらの方は純度100%・・・

西洋の白豚どもに従う哀れな奴隷どもよ。目を覚ませ!(1さん)

 ルサンチマンの鎖に縛られ、自由のない奴隷と化しているのは、むしろウヨガキ君たちだと思いますが・・。コーカソイドもモンゴロイドも混血もホモ=サピエンス、ヒトもブタもクジラも哺乳類には違いないのですから。

posted by カメクジラネコ at 02:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会科学系
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