◇鯨肉在庫統計最新情報
■冷蔵水産物流通量 (農水省HP)
http://www.maff.go.jp/www/info/bunrui/bun06.html (リンク切れ)
2/10に昨年12月分の在庫統計が発表されました。11月に915トンと2008年中最大を記録した出庫量ですが、今月は415トンと半分以下に。前年比では92%。統計表の対前年同月比、対前月比の数字がおかしいので注意。入庫量(≒転売)のほうは、それ以上に落ち込んでいます。
最終的には、12月の月末在庫が前年より300トン弱となりましたが、3千トンを切ることはできませんでした。
以下は関係筋からいただいた情報。水産業界紙で共同船舶社長の記者会見が行われ、昨年前半の鯨肉の売上は好調だったものの、後半落ちたという話。赤肉は慢性的に売れてないとのことですが・・。後半はとくに、ベーコンの原料となる白手物も軒並み売れなくなったとのこと。
転売で利益をあげることを狙って(あるいは今後の急騰を見越して)、早いうちに買い付けた卸売業者が、リーマンショックも重なって追加買い付けができなくなったとの見方も。世界同時不況の所為で、クロマグロや数の子などがとくに打撃を受け、年末年始さっぱりだったようですが、いまや高級グルメと化した鯨肉の売行にも、当然シビアに響いたんでしょうね。
参考リンク:
■不自然な鯨肉廉売と在庫減少 (1/29,過去記事)
http://kkneko.sblo.jp/article/26040204.html
■増える在庫/消える在庫 鯨肉在庫統計のカラクリを読む
http://janjan.voicejapan.org/living/0811/0811140481/1.php
◇捕鯨船団第7の船
南極海に出漁している調査捕鯨船団には、公表されている母船日新丸と目視&最終船(いわゆるキャッチャーボート)5隻以外にも、中積補給船のオリエンタル・ブルーバード号(船籍問題を指摘され、今年出たかどうかは不明)、NGOの抗議船を監視する遠洋底引漁船第68福吉丸など、影の役者が含まれています。税金でサポートしている事業であるにも関わらず、国民には知らされていませんが・・。昨年度の鯨研の予算を見ると、今年はなんと傭船料が23億円という高額に上っています。
flagburnerさんがシーシェパードの発表をもとに、またしても日本のマスコミが伝えなかった調査船団からの怪我人発生の事実等について詳細に解説してくれていますのでご参照(以下にリンク)。
この第三十八大洋丸、所有者は焼津の遠洋漁業会社ということになっていますが、捕鯨と縁を切ったはずのマルハさんと資本関係はあるんですかねぇ・・。
参考リンク:
■Operation Musashi 6.1/6.2|flagburner's blog(仮)
http://blog.goo.ne.jp/flagburner/e/473c8ca0aa8604690749945a3ee8892f
■Hurt Japanese whalers evacuated (1/27,豪ニュース)
http://www.theage.com.au/national/hurt-japanese-whalers-evacuated-20090126-7q0j.html
■鯨研の収支予算書の解説 (12/30,過去記事)
http://kkneko.sblo.jp/article/24929446.html
◇動物保護先進国イギリスと後進国捕鯨ニッポン
■潜入!アナグマの地下迷宮|ダーウィンが来た (2/15,NHK 19:30-)
http://www.nhk.or.jp/darwin/program/program136.html
今回の放映はBBCからの借り物。庭先でキツネと一緒にピーナツを食べてたのがかわいかったですね。バランスを崩さないレベルの給餌で、身近な野生動物を観察できる環境は、羨ましい限りです。観光業者による愛誤給餌を段階を踏まずにいきなりやめて、水鳥たちを大いに困惑させたり、ムクドリやカラスを害鳥扱いして大量に捕殺駆除したり、家庭での野鳥への給餌にいちゃもんをつけたりと、一貫性も合理性もない愛誤対応が目立つ日本とは大違い。
捕鯨問題との関連で、動物観に関わる補足ネタが2点。
一つは、歴史的・民族的な動物観。番組でも取り上げられたとおり、日本原産の固有亜種ニホンアナグマが棲息しているのに、日本ではなぜか非常にマイナー。その理由として、そもそも昔から日本人はアナグマとタヌキとの区別もついていなかったことが挙げられました。一部の地域ではムジナという呼び方もありましたが、これもアナグマ、タヌキ、テンなどと明確に区別されていなかったようです。花鳥風月のイメージ先行で、リアルな自然に対する鋭い観察眼や分類等に関する科学的・合理的解釈が欠如していたのが日本人だったのです。
中でも、とりわけひどかったのがクジラ。もちろん、博物学的な目を持ち合わせている人もごく一部いましたが、捕鯨業者はクジラを本当に魚だと思い込み、近海に回遊する鯨種の分類認識もきわめていい加減で、ミンククジラ(コイワシクジラ)もイワシのこどもと思われていたようです。
もう一点は現代人の動物観。イギリスでは’92年にはアナグマ猟が禁止され、さらに2004年には捕鯨ニッポンがブッ飛んだ殺す平等論の観点から何かと引き合いにしてきたキツネ狩りについても禁止法案が成立。これはもちろん、「殺しの拡大論」の“タメにする”だけの陰湿な日本の捕鯨推進論者の功績などではまったくなく、動物福祉先進国として知られる英国の市民自らが勝ち取った成果です。旧い因習などより、より犠牲を少なくする人間らしい社会の価値を明らかに上位のものとして位置付けたのです。イギリスのみでなく、スペインのアクロバット闘牛なども、より優れた殺さない文化への転換・脱皮の好例といえるでしょう。
一方、日本では お金 >> 文化 > 命・自然 という価値観が国民にすっかり植え付けられてしまいました。その最たるもの、あるいは“教本”こそが捕鯨擁護論に他なりません。上述の野鳥駆除や、鯨研が「仲間だ〜」と大喜びしているエゾシカ大量駆除、下北のニホンザル駆除、個体数の少ないツキノワグマ駆除、トラバサミ規制の逆行など、国内の野生動物の置かれる悲惨な現状──世界の流れから逆行する野生動物管理行政、補助金がいくらでも出る天災と異なり、金を理由に無力な弱者に命で償わせようとする冷酷な社会に、捕鯨擁護論が影を落としていることは疑いの余地がありません。命をぞんざいに扱う動物観・自然観・生命観はまた、年間2千万トンという食糧廃棄量、年間40万匹という犬猫の殺処分数にみられる、世界に対してあまりに恥ずかしい動物保護後進国の実態と紛れもなくリンクしています。
国内の自然を徹底的に痛めつけた過去を持つ島国先進国として、共通性の多い英国と日本ですが、動物保護・福祉の分野において圧倒的な開きがある点は否めません。それは、かつての商業捕鯨国として乱獲の歴史を反省し、清算するためにIWCに働きかけ続ける脱捕鯨国と、過去の乱獲についての自覚がまったくない(実際には狡猾にも外向きと内向きの顔を使い分けているので、“反省する気がない”といえますが・・)現捕鯨国との差とみなすこともできるでしょう。
そしてそれは、間違いなく動物の一種である人の命や尊厳を軽く扱う社会へと向かっていることをも意味します。差別そのものをなくすのでなく隠そうとする同和問題、先住民として認められる権利が国際社会の水準からほど遠いアイヌ問題、ネットで氾濫する在日外国人に対するあからさまな差別、さらには病院の妊婦たらい回しから生活保護打ち切り、非正規雇用者問題まで、すべては命をますます軽視するようになった社会の方向性と密接に結び付いています。共同船舶/鯨研が船員の転落事故についての詳細な経緯や抜本対策について何も明らかにしなかったり、税金で音響兵器を搭載して人命を危険にさらそうとするのは、飽食の国が地球の裏側の野生動物までをも貪ることを正義とし、「もっともっと、好きなだけ殺さなければならない」と声高に叫ぶ、いかにも犠牲を増やす社会を目指す先導者、宣教者らしいといえるでしょう。
◇その他日曜動物・環境TV番組評
■どうぶつ奇想天外! (20:00-,TBS)
すっかり動物興行業界の宣伝番組になっちゃったね。。
警察犬、不向きな子に対するレベルに合わない訓練内容が痛々しかったです。視聴者の同情を引くための演出なんでしょうが。ワンコたちのテンションを下げるだけのくだらない実験も。
・・のでこっちにチャンネル変えた。。
■近未来×予測テレビジキル&ハイド (19:58-,朝日放送)
http://asahi.co.jp/kinmirai/hoso/090215.html (リンク切れ)
現在高層漁礁が日本周辺に千個も設置されているとのこと。さらには全長123mもの海底山脈まで。これは、すでに日本の海岸線をほとんど埋め尽くしてしまった護岸や港湾整備に続く、水産振興に名を借りた新手の大型公共事業にしか見えませんね・・。あの構造が本当に必要なのか疑問ですし、肝腎の建造に要する費用(これも税金)と環境負荷は一体どれほどに上るのでしょうか?
人工海底山脈については、底生生物の多様性への影響など、どっかで割を食う部分が果たしてないのかどうか。科学を掲げて捕鯨推進を謳う水産庁さんには、漁獲量向上に直接つながっていることを具体的なデータでもって示してもらいたいもんです。費用対効果も含めて。
乱獲を食い止められない時代遅れの漁業管理制度の見直しと、零細漁業者に不利益を負わせる流通システムの抜本的改革、文化と自然に吊り合う消費の抑制と“正しい食文化教育”のほうが、水産行政が取り組むべき課題としてはよっぽどプライオリティが高いんじゃないですか? 土建屋&大手捕鯨とつるんだ天下り役人を追い出すことも、もちろん重要ですが。
◇いただいたお便りご紹介
訪問者の方からご意見をいただきましたので、ご紹介させていただきます。鯨なんて小学生の時に給食で食べた以来、20年以上食べてませんし、今後食べるつもりもない生き物です。私の周りでも大人になって食べてる人は見たことがありません。ネットで、反捕鯨のせいで高くて買えなくなったと言っている人がしましたが、私がよく行く二つのスーパー、共に食べたければいくらでも手が届く値段で鯨肉が売られています。でもいつも売れ残っています。誰も食べたいとも思っていないものを毎年、税金をかけて捕るなんてあきれますし、それを知らずに反捕鯨国を批判している日本国民にもあきれます。もっと捕鯨の背景にあるものを知ってもらいたい。そうすれば無駄な税金を使ってまで捕鯨する意味のないことに気づいてくれるのではないかと思っています。(KBさん)
また、豪州在住のHさんから、今回の大規模火災に対して、プロスポーツ団体や企業からの寄付が多く寄せられ、市民のボランティアの気運も盛り上がっているというお話をうかがいました。欧米(豪含む)社会の寄付に抵抗がない文化的・社会的気質は、GPやSSその他のNPOの活動を支えるバックグラウンドといえますが、こういうときにこそ力を発揮するものですね。
ところで、市民ブロガーさんたちからは、ダブハンを使って方々のブログをアラシ回ってるウヨガキ君についての苦情も寄せられています。こういう場合は放置に限るんでしょうが、皆さんのせっかくの記事を汚されるのももったいないので、悪質なマナー違反者はさっさとIPで制限することをオススメします。