2009年02月10日

手塚治虫氏と雁屋哲氏/南極海捕鯨戦争関連報道続報

◇山火事とクジラ

■オーストラリアの山火事被害|Yahoo!ニュース
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/world/australia_fire/

 皆さんニュースでご存知と思いますが、オーストラリアで大変な事態が起こっています。豪在住のHさんよりお便りをいただきました。日本では山火事と伝えられていますが、Bushの火事ということ。

この国……昔々から夏になるとBush fire。もう、これは 自然の営みのようで、火事になって初めて種を落とす植物さえ存在するのです。た、だ、し……問題は放火です。自然発火する以外 に、人間の放火で今回のようなことになってしまっているのです。すで に逮捕された人がいるようです。
QLDでは、洪水です……。
でも、世界中変ですよね。ヨーロッパとか雪がすごいし。
日本でもニュースになっているのを知り、頭によぎっていたのですが、過激な捕鯨賛成の集団が、また、これ使っていろいろ言うのでは? と。2チャンネルでかなりオーストラリアのことを悪く言う連中がいるらしいですね。捕鯨と絡めて。
 某大手SNSの日記で、人の命を蔑ろにするかなりひどいことを平気で書いているヒトがいるという情報も入っています。もちろん、捕鯨に賛成するヒトがすべてそういう人ばかりだというわけではないでしょうが……。そういう発言をすること自体、日本の捕鯨賛成論者の人間性を語るものだと、オーストラリアや世界中の人々に受け取られかねないという点は、肝に命じておいたほうがいいのではないですか。 



◇ユルイ?

■『Veggy』'09春号
http://www.veggy.jp/

 爆風スランプのサンプラザ中野くん(いつのまにかくんがついた・・)、3年前からヴィーガンだそうでびっくり。ベジの間では結構知られてたそうですが、筆者は芸能人情報にあんまり関心がないもんで・・。実は母校が一緒なんですが、とりあえず応援したいと思います。
 そのサンプラザ中野くん、ヴィーガンなのに「本マグロトロ太郎」なるユルキャラ(?)を作ったらしい(--;; 主題歌の歌詞に「肉を食うより俺を食え、俺を食うより野菜食え」と入ってるのに、なぜか今年静岡で開催される世界寿司博覧会のイメキャラにまで選ばれたんだとか(--;;;; よおわからん世界ですが・・。
 ともかく、いま日本は海の環境負荷を下げるために徹底的にマグロの消費量を抑える必要に迫られていますから、このキャラをガンガン普及させて、すし屋でみんなにカッパ寿司か納豆寿司ばかり食べてもらうようにするっきゃないニャ。。

 


◇わたしの手塚治虫

■BS20周年企画 手塚治虫2009〜いのち・科学・未来へGO!〜
http://www.nhk.or.jp/tezuka/index.html

 没後20年ということで、NHK他マスコミも特集を組んでおりますが、何を隠そう筆者もファンの1人であります。IMEで「おさむ」を変換すると「治虫」と出たり、浦沢が『PLUTO』を描いたり(浦沢も好きですニャ)、未だに影響力絶大な手塚氏。日本が誇る世界の偉人として、筆者としても一押ししたい偉大な漫画家。わけても「火の鳥」はまさしく不朽の名作。小説にしろ映画にしろ音楽にしろ、他の文芸のジャンルにおいては、時代とともに古典を乗り越える作品が常に現れ続けるのが宿命。しかし、漫画において「火の鳥」の右に出る作品は、どれだけ時が流れようとも、決して現れることはないのではないかと思えます。
 それだけに、ディズニーの『ライオンキング』にも腹が立ったし、NHK制作・放映の火の鳥のアニメの政治的ぼかしにもメチャクチャ腹が立ったし、ハリウッドでまたリメイクアトムを作るとかいう話が出ていてアトムのデザインが「あんなのアトムじゃねー」ことにも腹が立ったし……ともかく、没後のクリエーターの尊厳を傷つけるのはやめてほしいとつくづく思うのであります。ご本人がご存命でいらっしゃったなら、間違いなく怒ったのではないかと筆者は思えます。アトム実写版にメチャへこんで「もうやだ」とおっしゃった話とかもありましたし、ね・・。
 手塚作品はまた、一般的には《ヒューマニズム》のイメージが強く、ある種の誤解が存在するのも事実でしょう。通の間では《“異端の”ヒューマニズム》と但し書きが入るわけで。今でも様々な人が、自分のメッセージを勝手に押し付けている部分もなきにしもあらず。アトムを原子力肯定のシンボルに使う評論家氏などは、その典型でありますが・・。
 手塚作品の特徴は、タブーを恐れない奔放な想像力にあったわけです。それは、こどもたちに大人の扉を開かせるものでした。彼がこどもたちに与えたのは、答えそのものではなく、「問いを発する力」「世界を懐疑的に見る力」「視野を広げる力」だったのです。親や教師といった黒を白と塗り固めがちな大人よりも、子供たちが漫画のほうに信頼を寄せるようになった、そうした漫画の力というものを示した漫画家の先駆けだったといえるでしょう。
 その点、持論の押し付けのオンパレードでしかない雁屋哲氏原作の『美味しんぼ』とは天と地ほども開きがあります。
 表現技法という点では確かに、手塚時代から格段の進歩を遂げた日本の漫画界ですが、“漫画の力”自体はむしろ衰えていやしないかと、筆者はある種の危惧を抱いてもいます。主要な原因の一つは商業主義ですが・・
 上掲リンクのNHKの番組の中で、精神科医・香山リカ氏が取り上げた『赤の他人』は、アンソロジー『SFファンシーフリー』に収録されている短編で、筆者も大変面白く読んだものです。アポロの月面着陸を主人公が「嘘じゃないか」と否定するとことかね。さすがにそのまま大人になっちゃうと、トンデモな方面に走っちゃいそうですが(汗) しかし、こどもというのは往々にして、こういう作品を読み重ねていくことで健全な想像力を養っていくもんです。筆者はこの短編集の作品も火の鳥と並んで好きです。いちばん好きなのは最後の話だったり。後オススメは『ワンダースリー(W3)』かな。
 表現の自由は最大限尊重されるべきだと思っていますが、異端といってもグロイばっかでヒューマニズムを感じられない、底の浅い今の漫画やアニメばかり鑑賞して、そのうえリアルな他人や自然とのコミュニケーションを欠いたまま育ってしまうと、やっぱり社会的不適合を引き起こしやすい気はします。こどもたちに野山を駆け回らせる余裕がないなら、せめて他の漫画だけでなく手塚作品も読ませるべし
 次世代の漫画に影響された評論家たちからは、「手塚は絵が下手だ」とさんざんにこき下ろされた時期がありましたが(むしろ生前に)、流行から外れたというだけで、高い画力・美術的センスがなけりゃこれだけの絵は描けません。当たり前ですが。手塚の絵とキャラクターの特徴として、官能的とさえいえる魅力的な異形キャラ(動物・宇宙人・ロボットetc.)が挙げられるでしょう。悲劇的なストーリー展開とあいまって、ツボにはまっちゃうんですよねぇ。やはりこの点でも、残念ながら、手塚を越える若い漫画家がなかなか出ていない気がします・・
 クジラ関係では『ブラックジャック』のオルカの話が有名。また、『ジャングル大帝』ではかなりぶっ飛んだベジ論が展開されましたが、実は筆者は影響を受けました。。。

関連リンク:
■捕鯨カルチャーDB(拙HP)
http://www.kkneko.com/culturedb.htm

 

◇対極にあるグルメ漫画原作者

■「美味しんぼ」原作者、SSと豪を猛批判 (2/8,サンスポ)
http://www.sanspo.com/shakai/news/090208/sha0902081722013-n1.htm (リンク切れ)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090208-00000547-san-soci (リンク切れ)
■ニタリ鯨と入れ墨 (1/29,雁屋哲の美味しんぼ日記)
http://kariyatetsu.com/nikki/938.php
http://kariyatetsu.com/nikki/939.php

 サンスポも、鯨研に役員を送り込んでいるフジ産経グループですね。有名人つったってただのニュースネタ個人ブログでしょ(--; そんなもんゴマンと転がっておろうに、強引に記事にしちゃうところがやっぱり産経グループか・・。

オーストラリアに20年以上住んでいるという雁屋氏だが、「ここまで日本人を馬鹿にし、日本人に対してテロ行為を行っているオーストラリアになんか、遊びに来るな」「『美味しんぼ』でさんざんオーストラリアを褒めちぎった私が言うのだ。この気持ちを分かって欲しい」と述べ、怒りをあらわにした。(引用)


 雁屋哲殿。オーストラリアのほうが暮らしやすい、オーストラリアのほうが居心地がいい、オーストラリアのほうがこどもの教育にもいい、ってのがあなたの移住の理由じゃないの???
 自分がオージーの皆さんにさんざ世話になっていながら、他人に向かって「オーストラリアに遊びに来るな」という資格があるとでも? そんなにオーストラリアが嫌なら日本に戻ったら?
 ところで・・このヒトのブログの記事見てびっくりしました。。。。

Bryde’s(これがどうしても、辞書を引いても分からない言葉なのだ。鯨の種類らしい。お分かりになる方のご教示をお願いします(引用)

 本当に開いた口が塞がりませんでした・・・・・・。ここまでいい加減なレベルのヒトが、よくあんな漫画を書いて世に送り出せたものだ・・・・・・・
 筆者にとって、手塚治虫が最も尊敬に値する漫画家なら、このヒトは最も軽蔑に値する漫画原作者です。
 『美味しんぼ』を読んで胃の膨満感を訴えられた方は、口直しに下掲リンク記事を読まれることをオススメします。


関連リンク:
■山岡さん、クトゥルーを究極のメニューに加える 「激闘鯨合戦」より ('07/12/4,トンデモ鯨食害論)

http://ameblo.jp/puneko/theme5-10004669027.html#main
■どうしてそこまで自信過剰なのか ('08/12/28,3500-13-12-2-1)
http://3500131221.blog120.fc2.com/blog-entry-60.html

 

◇南極海捕鯨戦争関連報道(続報)

■シーシェパードのワトソン船長、自ら信号弾のようなものを日本の調査捕鯨船に発射 (2/9,FNN)
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00149071.html

 鯨研に役員を送り込んでいる産経グループのFNNのニュース。はあ、そうですか。ワトソン船長、日本の国内世論に対して逆効果なのでやめてください。ご自身の心臓にもよくないですよ。
 水産庁の官僚や高い報酬をもらっている鯨研の役員、共同船舶の取締役、捕鯨議連の議員たちは、氷の海に転落したり火事に遭ったりクレーンに巻き込まれることもある危険な汚れ仕事を全部下のニンゲンに押し付けたうえ、音響兵器の使用や特攻までやらせてますな・・・

■シー・シェパード、今季の捕鯨妨害終了 燃料不足 (2/9-10,共同/産経/朝日)
http://www.asahi.com/international/update/0210/TKY200902090305.html (リンク切れ)
http://sankei.jp.msn.com/world/america/090209/amr0902092151009-n1.htm (リンク切れ)
http://www.47news.jp/CN/200902/CN2009020901000789.html

 
「より高速の抗議船を準備して妨害活動を継続」だそうです。これが税金3億円以上を投じた結果ですよ。とんだ無駄遣い関与した水産庁官僚と政治家の責任は厳しく追及されるべきです。

■オランダ、豪州に抗議 調査捕鯨妨害で水産庁 (共同/時事/産経/毎日/TBS/テレビ朝日)
http://news.tbs.co.jp/20090209/newseye/tbs_newseye4058982.html (リンク切れ)
http://mainichi.jp/select/world/news/20090210k0000m040079000c.html (リンク切れ)
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2009020900767

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090210-00000029-san-bus_all (リンク切れ)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090209-00000090-mai-soci (リンク切れ)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090209-00000128-jij-pol (リンク切れ)

 一部のニュース報道では、「謝罪なし」などと報じた模様。日本側も謝罪しないのと同じでしょ。
 オランダとオーストラリアの公使はすべての当事者に要請」「事実関係を調査」「政府は捕鯨に反対しており、クジラを殺さなくても調査は可能」とコメント。当然ですな。SS側から提供される証拠も調べることになるでしょう。
 日本の調査捕鯨の様々な疑惑について、これらの国は捜査する権限がありませんから、水産庁は「うちもきちんと捜査をし直します」と明言するべきでした。相手に誠意を求めるのであれば、自分がまず誠意を示さないとね・・

■調査捕鯨妨害 先鋭化するだけでは (信濃毎日社説)
http://www.shinmai.co.jp/news/20090208/KT090207ETI090005000022.htm

 「いまのやり方は先鋭化を招くだけで間違っている」というのかと思ったら、逆でした・・。まあ、先鋭化するだけでは調査捕鯨を止められないのは確かですが・・。

 
posted by カメクジラネコ at 02:57| Comment(3) | TrackBack(1) | 社会科学系
この記事へのコメント
『美味しんぼ』連載再開ですって。
今度は和歌山です。
http://www.wakayamashimpo.co.jp/news/2008/11/post_402.html

和歌山と言えば太地町。太地と言えばクジラですね。
反捕鯨活動家が、どう叩かれるか楽しみですね。
Posted by オキクルミ at 2009年02月17日 22:16
ご無沙汰しておりました。

本来この感想は雁谷氏のところで書くべき内容なのですが、読むうち愚痴りたくなってきましたので、失礼をば。

私のような市場原理主義者がいうのはオカシイのですが、
雁屋氏のいうことこそが「歯止めを失った市場原理主義」だと感じました。
行為には責任が伴う。少なくともアカウンタビリティーという第一関門があるはず。規制を撤廃しろ、とだけいう態度では、アカウンタビリティーを果たせてないのですが。

 「美味しんぼ」は、生産者との絆をけっこう大切にしてストーリーを作っていたと思ってましたが、
クジラの件では、その傾向が裏目に出て、彼に物事が見えなくなっているのか、と考えます。
ひょっとすると、彼は、「農業」の延長でクジラ漁を見ているのでしょうか。
しかし、クジラは農産物と違って、労力をつぎ込んだからって、オイシくもならないし、資源が増えるわけでもない……このあたりの原理を、彼にどう納得させればいいものなのか、

言葉に困ります。
Posted by デルタ at 2009年02月18日 21:38
>オキクルミさん
出版業界も不況で古い作品の焼き直しに逃げてるんでしょうが、捕鯨擁護派でも食傷気味のヒトが多いみたいですよ。
水銀入りイルカ肉の宣伝でもするのかいな。

>デルタさん
どうもですニャ〜。捕鯨関係のネタがピークになるのはIWCと南極海戦争の年に2つの時期ですもんね。
農薬の問題などは確かにツッコメてましたしね。まったく逆の見方(捕鯨ヨイショのみよい)というヒトたちも多いみたいですが。。
商業捕鯨は「歯止めを失った市場原理主義」が破綻し環境破壊に至った事例そのものですからね。
Posted by ネコ at 2009年02月19日 03:29
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