2009年01月21日

オバマ大統領とクジラ/自然環境以上に汚れた科学──調査捕鯨と環境化学

hato.JPG

◇ハトさんご帰還


 先日やってきた迷子のレースバトさん、「落伍者はそっちで処分してくれ」というような方ではなかったので、お戻りいただくことになりました。オメメのパッチリした大変に美人のハトさんで、ほんの数日とはいえ、いざ別れるとなると名残惜しいものがありましたが・・。
 お話を伺うと、なんと行方不明になったのは春のレースに参加した時だったとのこと。一体9ヵ月もの間、どこで何をしていたのやら。怪我もほとんど治りましたし、うちに来たのも含め、「運がよかった」と筆者も思います。
 日通のハト専用宅配便というものがあって、それで送ることに。送られ慣れているとはいえ、翌日配送だと少々心配でしたが、無事実家に到着し、さっそくハト小屋で旦那と喜びの再会を果たしたとのことで一安心。
 願わくば、長生きしてくれますように。


 

◇オバマ大統領誕生

 いまTV中継を見ているところ・・。日本でも視聴率はかなり高くなりそうですね。それにしても、何度も練習したんでしょうけど、原稿をちらとも見ずにすらすらと淀みなくスピーチできるのはさすがですね。日本の政治家とは雲泥の差。あと、ファーストドッグはラブラドゥードルでもポルトガルウォーターハウンドでもいいけど、やっぱりシェルター犬から選んで欲しかったニャ。
 昨日はグリーンピース・シンパで知られるU2も、就任コンサートで応援に駆けつけていましたね。全米熱狂はわかりますが、鉄面皮を装って批判の大合唱に耐えていたブッシュ氏と同じく、オバマ氏も1人の人間にすぎません。後でひどいリバウンドを味わうほど、過剰な期待を寄せるのは禁物でしょう。もちろん、温暖化対策や中東外交の路線修正など、世界にとって望ましい方向に米国の姿勢が転換することを、世界中が望み、また注目しているのですから、そこはぜひ期待を裏切らないで欲しいと思います。
 少々心配なのは、どこの国にもいる日本のネトウヨと同レベルのバカな連中が事件を起こすこと。民主党政権になれば銃規制も進むと思いますが、これを機会に所持禁止に向けて動きだしてほしいですね。おかげで警備代、バカにならんでしょ。
 どういうわけか、日本では未だに捕鯨という特定のイッシューに限って人種差別論が幅を利かせているようですが、米国はついに初のアフリカ系アメリカ人の大統領を選出しました。そして、大統領が白人であれ黒人であれアジア系であれ、米国の海洋環境保護政策は強化されることはあっても、逆はあり得ません。人種差別とは何の関係もないのですから。人種差別主義者は、いまではただの犯罪集団でしかありません。所得格差を始めとする各種の数字も、今後是正され続けるでしょう。少なくともアメリカの社会は、自国の社会の差別の実情にまったく目を向けようとしない日本の捕鯨擁護論者と異なり、国内の人種差別を負の歴史遺産として明確に認識し、前に向かって進んでいます。だからこそのオバマ大統領誕生なのです。
 翻って、日本の現状はどうでしょうか? アイヌ、沖縄出身者、在日外国人が首相に選ばれる日は、果たして今世紀中に訪れるのでしょうか? 未だに在日外国人については、納税の義務はあっても地方参政権すらない始末。差別がきわめて陰湿な形で根を下ろし、被差別者が法による保護を十分に得られないのも日本社会の特徴。
 捕鯨擁護論者の主張は、自力で鎮火しつつある対岸の火事を見て、自ら付けた火にただ外から見えないよう蓋をして燻し続けながら、「火事だ火事だ、火の粉が飛んでくるぞ!」と叫んでいるようにしか見えません。
 今回の大統領選でオバマ氏が勝ち、クジラを含むすべての動物の敵<yイリン氏が副大統領にならなかったのが、筆者が一番ホッとしたことでありました。アラスカ州も早いとこ民主党にチェンジして欲しいニャ。
 チェンジがいちばん必要なのは日本の政治。早く衆院選やって欲しいんですけどね。できれば、年次総会にある程度余裕を見て、春先のうちに決着をつけてもらいたいんですが。国際社会に与える影響という意味では、バカにできないので・・。


 

◇自然も汚されたけど、科学も汚されていませんか?

■万物は汚れている|爆笑問題のニッポンの教養 (1/20 23:00-,NHK)
http://www.nhk.or.jp/bakumon/previous/20090120.html

 '81年に捕殺されたペンギンが冷凍室に試料として保存されていたのを、視聴者の方はご覧になったかと思います。これが致死的研究というやつですが、もちろんこれは毎年行われている数百頭規模の調査捕ペンギンによって提供されたもの──ではありません。環境化学的研究で必要とされる野生動物の標本は、広く薄くまたはアヤシイやつという観点で集められるわけです。アヤシイやつ≠ニいうのは、汚染が強く疑われるストランディング等で得られた個体。
 中には、高い汚染濃度が予測される高次捕食者ヒトの髪の毛も。もちろんストレートに一番数字が求められる標本なわけですが、一番切実なはずの太地町出身者のデータは、国水研だけでなく愛媛大も取っておくべきですね。科学者という立場で政治に働きかけるべきという田辺氏の信条からすれば、ただちに緊急の警告を発する必要があるレベルのはず。
 実は、愛媛大の生物環境試料バンクには、調査捕鯨によるサンプルも相当数届いているはずです。田辺氏には、政治に物申す環境化学者の観点から、他種の検体との質・量的なバランス、調査研究にかけるリソースとしての適正性について、一言いただきたいところ。
 クロミンククジラのカドミウム蓄積に関しては、商業捕獲による個体数調整という人為的働きかけが、あたかも環境汚染と同じように作用するというきわめて興味深い仮説が、田辺氏と同じダイオキシン研究で有名な立川グループの本田氏から提唱されていました。その後どうなったのか、筆者はずっと気にかけています。鯨研からJARPA(南極海調査捕鯨)期間に採集された腎臓の標本は届いていませんか? IWCのレビュー資料を見ても、中途半端なグラフをちょこっと載せてるだけで、そもそも生データを送ってないんですよねぇ。何しろ、田辺氏とは別の意味で、政治的活動に非常に熱心で、そっちが本業なんじゃないかと思いたくなるようなヒトたちなんで。何度質問を送っても返事が来ないんで、こうやってブログに書くしかないんですが・・。
 指標動物には二つのタイプがあります。化学物質の環境中の挙動と濃縮のメカニズム、毒性と対象動物の生理との関係が明確に調べられている場合であれば、継続的な観測を行う対象としての指標動物としての価値はあります。具体的にはミジンコやメダカ程度ですかね。一方、汚染の影響を最も受けやすい動物も、環境の変化に対する警告を発してくれるという意味での指標動物といえます。具体的には海鳥やサメ、ウミガメ、猛禽類、大型食肉目、そして海棲哺乳類などが該当します。もちろん、クロミンククジラもこちら。後者の指標動物は、棲息域の汚染度に応じて「広く薄く」監視する対象です。繁殖率が低く、汚染が繁殖力低下に直結しやすいからこそ汚染の影響を受けるのですから、毎年毎年健康な個体の大量の標本を採集するなどという乱暴な手法を選択できるわけがありません
 まさにそれをやってしまっているのが鯨研。鯨研/捕鯨ニッポンは、「クロミンククジラはミジンコである」と世界に向かって言い続けているわけです。そういえば「海のゴキブリ」と連呼しているヒトたちもいましたっけ・・。
 その一方、彼らは“責任ある科学者”として、化学工業会に物申したり、途上国の現状を変えるために各国政府や国際機関に働きかけたり、調査捕鯨の成果をそのように活用することは一切何一つしていません。実際にそれに類する活動をしているのはグリーンピースを始めとする環境NGOなわけですが。
 彼らが何もしないのは当然で、調査捕鯨からそんな成果が挙がるわけないからです。出てくるわけがないから求められもしません。動物の命を奪うことと引き換えに有用な研究成果を挙げ、社会に貢献するという使命感、科学者としての命と社会に対する責任感というものを持ち合わせていません。くだらない研究をいつまでも続ける"場"を提供してくれる捕鯨業界に、ただベッタリと拠りすがっているだけです。しかも、証拠を社会に突きつけるどころか、“証拠”を隠そうとするヒトたちです。
 田辺氏の言うマスターベーション的研究よりなお一層タチが悪い擬似科学。まさに科学界の恥です。


posted by カメクジラネコ at 02:45| Comment(10) | TrackBack(0) | 自然科学系
この記事へのコメント
こんばんは。  

そしてお久しぶりです…(最近は忙しくてろくにクジラの事を調べれていません)

ハト<可愛いですね^^
以前鴨とカラスを家で飼った事があります(両方とも怪我をした個体)



捕鯨船の方で多々、問題があったようですが…。
Posted by オルカ at 2009年01月21日 18:10
>オルカさん
さすが。カラスもかわいいよね(^^;
今回の調査捕鯨はさんざんなことになってるね・・
Posted by ネコ at 2009年01月21日 22:18
こんばんは。

愚痴のようになってしまいますが…

日本って、言ってることとやってることが全然、違いますよね!政治にしろ今回の捕鯨にしろもうダメダメで、飽きれて物も言えません。
Posted by オルカ at 2009年01月22日 23:52
たまに読ませて頂いております。

全ての肉食大賛成の人間です。

私は鯨であろうが、あなたが食べたことのある牛であろうが豚であろうが鶏であろうが(鯨はありますか?)絶滅させなければ食べていいと思っております。

誰の領域でもない海へ行って鯨を捕ることは何故駄目なんでしょうか?

そして何故、邪魔される筋合いがあるのでしょうか?

別に他国の水域に領海侵犯しているわけではないですよね?

そして鯨を捕り尽くすわけではないですよね?

何故でしょう?

また、以前に人種差別は良くないと書かれていましたが、このCMには何かを感じませんか?

http://subzero.iza.ne.jp/blog/entry/426215/

そして、脳ミソが「鯨ベーコン」になっていると、よく日記に書かれていますが、少なくとも、あなたの脳ミソも、ビーフジャーキー、ポークジャーキー、チキンジャーキーになっていると思いますよ?

あなたも動物の命から栄養をとって生きているのでは?

クジラネコの名前で日記を書かれているあなたには少々、残酷でしょうが、私は、このように余った肉の種類に関係なくペットのエサにしています。

http://www.finderviews.com/archives/001217.html

別に残飯なので何とも思いませんが...

それでは失礼致します(-人-)
Posted by 肉食人 at 2009年01月23日 01:05
>オルカさん
ほんとだね。だけど言いたくないけど言い続けないともっとダメになっちゃうからね(--;

>肉食人さん
「全ての肉食大賛成」というと当然ヒトという獣の肉も入ってしまうので、とりあえずヒト以外とされては如何ですか。
先にブログとHPを一通り読んでおいていただきたいのですがね。何度も書いているとおり私は草食の哺乳類ですよ。
CMは単にセンスの問題でしょ。ネトウヨ君の書き込みや投稿ビデオと同レベルなのでどっちもどっちですな。
日本の食糧廃棄量は世界一ですよ。世界一命を粗末にしている国です。「飽食の限りを尽くしている国が南極の自然まで貪っていいのだ」というあなた方の主張に賛同する日本人が少ないことを祈るだけです。
Posted by ネコ at 2009年01月23日 01:41
肉食人さん、

「公海の利用は国際社会の合意の範囲内でのみ行い得る」、というのが現代の国際社会の常識だと思うのですが。環境問題に興味がある人なら誰でも、南極地域の生態系が温暖化など環境変化の影響を受けやすいために、野生資源保護の問題が世界的に論議されている地域であることを知っているでしょう。日本が加盟する国際捕鯨委員会(IWC)でも、南極海をクジラの保護区(サンクチュアリ)と定めています。そしてIWCは毎年のように、日本に対して南極海での致死調査中止勧告の決議を出しています。日本が国際社会の反対を無視して南極海のクジラ保護区でクジラを殺し続けていることは、国際的に決められた森林保護区で、他国の反対を無視して、好き勝手に森林を伐採しているのと同じ事です。なぜ悪いことは悪いと認められないのでしょうか?世界の流れを見渡せば、日本がどういう方向に進むべきか、わかりきったことでしょう。
Posted by リス at 2009年01月23日 13:59
>リスさん
的確なレスありがとうございます。すみません、ホストが舌足らずで(--;

P.S.肉食人さん
メールのほうに、肉食人さんのコメントに対する感想を他の方からもいただいたので、ついでにご紹介します。

「誰の領域でもない海へ行って鯨を捕ることは何故駄目なんでしょう か? そして何故、邪魔される筋合いがあるのでしょうか?」とおっしゃいますが、誰の領域でもないってことは、日本の領域でもないってことではないのですか。多くの捕鯨賛成、推進者の人たちの考えがここに凝縮されているように感じました。
(以上、Hさんより)
Posted by ネコ at 2009年01月24日 01:32
通りすがりのものです。
少し意見を述べさせてください。
私は捕鯨という行為には反対ではないのですが
捕鯨を全面再開することには意味がないと思います。
鯨保護という面もありますが捕鯨自体が仮に再開できても商業ベースにならなくては意味がないということからです。
苦労して捕鯨再開しても採算が取れず廃業したのでは話になりません。
それと賛成派の漁業資源保護という説も疑わしく感じます。
そもそも太古の昔から鯨も魚もお互いうまく共存していたのにそのバランスを崩した最大の原因は人間です。
そこを無視して鯨と魚の数の比率だけを揃えればいいという考え方は余りにも極論過ぎると感じます。
まずは乱獲や温暖化の防止に全力を尽くし海を本来の姿に戻すことが大事なのでは無いでしょうか。
そして自然を回復させた後、必要なものを自然がダメージを受けない程度に獲ればいいと思います。
その時、本当に必要であれば最小限の鯨をとる事に反対はしません。
しかし飽食にあふれる日本ではほかにやるべきことがあるはずです。
まずは無駄を無くすのが健全な日本の採るべき姿であるとおもいます。
ちなみに私は皆様が言われるネトウヨというタイプの人間です。




Posted by nayuta at 2009年02月09日 20:26
>nayutaさん
全面的に賛同いたします。というか、nayutaさんのコメントの方がよっぽど説得力が高い印象を受けました。私の書き方は、ともすればヒトの反感を受けやすいもんで(--;
一口にネトウヨといってもいろいろな方がいらっしゃるでしょうし、用語の定義にもよるんでしょうが、nayutaさんのような、他人に耳を傾けさせうる論旨展開ができるネトウヨさんは私は他に知りません。。。
Posted by ネコ at 2009年02月10日 03:12
Nayutaさんへ。
はじめまして。
2/9の書き込みに感銘を受けました。

将来胸を張って「日本に捕鯨産業完全復活」と宣言できるよう、
海の豊かさを取り戻していきたいものですね。
長い道のりですけども。
かつて赤潮・アオコ・外来魚の三重苦に苦しんだ琵琶湖も、約20年かけてなんとか小康状態まで戻すところまで来ました(異論があるのは判りますけれど、最悪期を脱したのも事実だと思ってます)

海でも、同じほどの時間と覚悟があれば……。
Posted by デルタ at 2009年02月18日 22:07
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