2009年01月19日

最大の謎は日本のマスコミの捕鯨報道

◇水産庁の真面目なお仕事

■水産庁漁業調査船照洋丸による浮魚類資源の変動要因の解明に向けた海洋観測調査の実施について (1/14,MAFF)
http://www.jfa.maff.go.jp/j/press/sigen/090114.html

 え〜と、何が言いたいかというとですね……水産庁であっても、真面目に働いている人たちは、鯨食害論なぞという非科学的なトンデモ仮説なんか相手にもしてないってことです。真面目に日本の水産業と水産資源の将来を憂える関係者の方々にとっては、同列に見られたり、足を引っ張られるのは、それこそ迷惑千万な話でしょう。


 

◇最大の謎は日本のマスコミ

■Japanese whaling fleet endures rising tide of opposition (1/15,LosAngelesTimes)
http://latimesblogs.latimes.com/outposts/2009/01/post-3.html
■捕鯨妨害船、豪に戻る (1/17,産経)
http://sankei.jp.msn.com/world/asia/090117/asi0901171318003-n1.htm (リンク切れ)
■【捕鯨】インドネシア、日本の捕鯨船のドック入り拒否! オーストラリアおよびシーシェパードの要請に応えて|痛ニュー速報!
http://itainewssokuhou.seesaa.net/article/112696791.html

 第2勇新丸がインドネシアのドック入りを断られた件を、ロサンゼルスタイムズが報道。日本のマスコミからはうんともすんとも聞こえてきません。鯨研がプレスリリースを出さずに隠しているからといって、合わせる必要はないでしょうに・・。
 出てきたのは2番目のリンクのオトモダチ新聞・産経だけ。産経さん、日本の捕鯨船団の深刻なトラブルより、米国籍のNPOの一挙手一投足の方に関心があるんだったら、出向者の送り先を鯨研からシーシェパードに鞍替えしたほうがいいんじゃないですか? 情報だって入手しやすくなるでしょ。年収1千万はもらえないかもしれませんが・・。
 以下、この間の報道についてちょっと要約してみましょう。

<日本のマスコミが報じていない重要情報>
 ・第2勇新丸がSSから逃走中にトラブルを起こして、調査活動から外れたこと。
 ・第2共新丸から転落した船員の方が、ライフジャケットを着用していなかったこと。その他、事故の発生の経緯にまつわる様々な不自然な点について。また、事故の詳細な経緯に関する報告が、その後鯨研/共同船舶から上がってこないこと。
 ・第2勇新丸がインドネシア・スラバヤ沖に停泊、現地の市民団体による抗議があったこと。また、インドネシア当局にも「違法漁業」を理由に入港を拒否されたこと。
 ・来年度予算では、調査捕鯨円滑化事業の名目で既存の国庫支出に加え、新たに約8億円も上乗せされたこと。さらに、第2次補正予算でも3億円が計上され、その使途の詳細が不明で、年度内に消化できるとは到底考えられないこと。


<日本のマスコミが報じたレベルの低い情報>
 ・SSのバター攻撃(実質的な被害なし)
 ・船員捜索時のSSの行動に対する鯨研のリリースそのままの報道(検証や確認を伴わない片手落ち報道)
 ・NZ当局が捜索を1日で打ち切ったこと(その後の日本の捜索と原因究明については報道なし)/読売
 ・SSが燃料補給のためいったんホバートに戻ったこと(第2勇新丸情報を伏せたまま報道)/産経


 インドネシア、豪州、英国、米国など世界のマスコミと、捕鯨船団をわざわざ南極まで送り込んでいる当の日本のマスコミとの間で、扱われる記事やその内容にこうも"開き"があるのは、一体なぜでしょうか??
 上記のトピックについて、事実を報道機関が伝えるかどうかは、捕鯨に対する賛否とは無関係。違いがあるとすれば、「報じられなかった重要情報」は、鯨研/共同船舶/水産庁(捕鯨サークル)が隠したがっている情報「報じられたレベルの低い情報」は、捕鯨サークルがPRしたがっている情報ということはできるでしょう。
 マスコミの偏向報道は、非常に深刻な弊害を生んでいます。2ch系の掲示板群等では、「シーシェパードが日本の船員を殺した」という悪質なデマまで飛び交っています。3番目のリンク先はほんの一例。
 事故とSSが無関係であることは、当の鯨研/共同船舶が発表していること。何しろ、きちんと事実を確認することをしない(できない)おバカなウヨガキ君たちのことですから、いくら正しい報道をしたところで、ある程度“ゴミ”が発生するのはいた仕方ないでしょう。
 問題はマスコミの報道。付加情報として加えるべき内容を履き違えているものが目立ちます。調査捕鯨の正当性や妨害の履歴などは、事故と直接関連のある背景情報とはいえません。少なくとも、この事故が妨害と関係するか否かといった情報に比べれば。国民が重大な誤解を招かないように、やはり事故と妨害の関連については、一連の報道の中で簡潔明瞭に付記すべきでした。

 何よりも、マスコミが公平性に欠ける報道を続けてきたことが、低レベルのネトウヨ捕鯨シンパを増徴させた一番の原因です。このままでは、「日本人の民度は恐ろしく低い」と世界に受け取られてしまいかねません。
 まあ、ベーコン化があまりにも進行してしまうともう付ける薬がないので、筆者としては広い視野を持った若い世代が育ってくれることを祈るのみ。決して希望がないわけではありません。

■読書感想文コンクール (1/18,毎日地方版)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090118-00000134-mailo-l37 (リンク切れ)

 


◇市民ニュースだけど・・

■日本の捕鯨は「恥知らずの茶番」 ('06/12/15)
http://news.ohmynews.co.jp/news/20070410/3848 (リンク切れ)
http://megalodon.jp/2009-0206-2219-08/news.ohmynews.co.jp/news/20070410/3848

 Googleのニュース検索でなぜか新規ニュースに引っかかったので、開けたら2年前の記事・・。今ごろ修正でもして更新日付が変わったのでしょうか?
 それにしてもひどい翻訳。調査捕鯨の理由は「クジラの繁殖及び飼育習慣を調べるため」だって。。。鯨研さん、直してもらったら?

 捕鯨問題に関する市民ニュースをお求めの方は、JanJanさんにアクセスしましょう。
 

◇マスコミに代わって情報を届けてくれるブログのご紹介

 マスコミがてんであてにならないので、市民ブロガーの皆さんによる、"ためになるブログ記事"をご紹介しましょう。

■調査捕鯨期間中に補正予算の緊急対策が実施できるわけがない (1/18,フリーランス英独翻訳者を目指す化学系元ポスドクのメモ)
http://blogs.yahoo.co.jp/marburg_aromatics_chem/59814938.html

 農水省が"鯨類捕獲調査円滑化緊急対策事業費"という名目で3億円も要求している2次補正予算に対し、捕鯨船団は4月まで帰ってこないのに、補正予算を年度内に使いきれるわけがないことをズバリご指摘されています。

■何を「調査」する捕鯨? (1/7,紅海だより)
http://inlinedive.seesaa.net/article/112274979.html

 国民をバカにして甘い汁を続ける捕鯨サークルの体質について、要領よくまとめてくれています。

■アジアのリーダ日本になるための課題とは何か (1/18,The Last ward from Sourthen Cross to my future)
http://blog.goo.ne.jp/shatnoir999/e/0c974e44588b7201d7417c4ec6b8ee75

 今回のインドネシアの寄港拒否について、大局的見地から「反対意見として受け止める姿勢こそ、自由を基本としたリーダ国」と論じられています。

■正義を行えば (1/8,3500-13-12-2-1)
http://3500131221.blog120.fc2.com/blog-entry-64.html

 いつも的確な比喩でニヤリとさせてくれるAdarchismさんのブログ。イスラエルの高官発言や韓国の論文捏造スキャンダルを例に、政治と科学の関係について考えさせてくれます。

■捕鯨騒動 (flagburner's blog)
http://blog.goo.ne.jp/flagburner/c/ee3eb0f977ae47ca194e63d02011b058

 英文のメディア記事を拾ってきてくれるので、いつも筆者がお世話になっています。今月はSSと日本の捕鯨船団の動きをウォッチ。

■妨害活動は無灯火で行われたのか? (1/9,海洋汚染情報)
http://blog.canpan.info/maikohinako/archive/753

 実はこの方は捕鯨賛成派。プロの海事関係者だけに記事内容は硬派で、筆者にしてみればネトウヨ君たちとは大違いで侮れない方。ですが、今回の船員転落事故とSSの対応については、冷静かつ客観的に分析されています。

 というわけで、ブロガーの方々の鋭い視点やツッコミには感嘆するばかりなのですが、ひとつ大きな疑問が・・・これってやっぱりマスコミの仕事じゃあないの!?!?

posted by カメクジラネコ at 01:17| Comment(7) | TrackBack(0) | 社会科学系
この記事へのコメント
日本のマスコミのレベルが低いニュース、そして、マスコミに簡単に左右されてしまう国民。まずい、パターンですよね。

実は私も日本に住んでいる間は気がつきませんでした。日本でないところに暮して、日本のニュースと、こちらのニュースを比べて、初めて疑問が湧いて来ました。

ニュースの内容だけでなく、例えば、TVでいったら、局のあり方もきっと違うのでしょう。儲かるニュースを報道しようとするか、人々に伝えなければいけない順に伝えようとするか...。
Posted by Y at 2009年01月19日 21:32
毎度の事ながら、あいた口がふさがりません。
こんな重大な事まで、それとも重大な事だから隠すのか・・・、正しい情報が流布されていないと言う根本的な・・・って、今更言ってもおかしいのは前からだけど、やっぱり酷いねえ。
Posted by 猫玉 at 2009年01月20日 00:52
>Yさん、猫玉さん
大本営発表どおりの翼賛報道に近いですよねぇ。クジラたちには失礼ながら、事は"たかがクジラ"で済む話じゃないように思います。日本人としてもうちょっと危機感を持たないと、このままでは本当にマズイんじゃないでしょうか。
Posted by ネコ at 2009年01月21日 02:52
こんにちは。久々にやってきました。
日本の報道、クジラにかかわらず、記者クラブ制度のせいでかなりかたよっていますよね。

クジラではないですが、日本のイルカ猟が豪州のTVで報道されたそうです。↓
あと、クジラやイルカは食文化とか、食糧確保のためなんて推進派のひとたちはよく言いますが、食の安全なんていうのを考えていないのでしょうかね?

●WEST TV: Dolphin Slaughter
http://www.westtv.com.au/?Channel=Today+Tonight&ClipId=1416_WAU1792&bitrate=300&Format=flash


●「鯨の町」住民から水銀40倍 - 和歌山県太地町で鯨を常食する8人の毛髪から検出
AERA 2008年6月16日号 p24-p26に掲載
http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=9490

●イルカ肉の水銀汚染について ―標準の48倍? 検査結果報告
http://www.elsaenc.net/mercury/info_dolphinmeat.html
Posted by あずーる at 2009年01月21日 12:31
>あずーるさん
情報ありがとうございます。日本のマスコミが第4の権力として機能していないことを示す典型的な例がクジラなのかもしれませんね。
イルカの水銀汚染に対する太地の動きはまさに「臭い物に蓋」ですよね。
食の安全の視点・・持ってたら食品偽装大国にはなってないかも(--;;;
Posted by ネコ at 2009年01月21日 22:15
 なぜ日本のマスコミが報道しないのかというと、インドナシアの入港拒否などはSSが言っているだけであり、それを海外の反捕鯨のメディアがまるで事実のように伝えていただけです。
 実際は日本の捕鯨船はインドネシアに入港しましたよ。
Posted by ヒナ at 2009年02月26日 19:31
>ヒナさん
現在SSとインドネシア領事館に問合せ中です。
それにしても、コメントを書くのが遅すぎますね。なぜ1ヶ月以上もかかったのでしょうか? これはあなただけでなく、毎日新聞に対して言っているわけですが。ヒナ殿はいつ、誰からこの情報を聞きましたか? ソースはどこでしょうか? コレは単に事実が知りたいから言っているわけですが。
で、報道しないのはやはり以前としておかしな話です。第2勇新丸がスティーブ・アーウィンから逃げようとして自分から氷に突っ込んでぶっ壊れてトロトロインドネシアくんだりまで行って、現地のNPOから抗議を受けてインドネシア当局や市長なども当初は「拒否します」と言って、捕鯨砲を隠したりして待たされて、どこかしらから圧力がかかったのか(日本政府からインドネシアへもODA行ってますしね・・)結局入港が認められて修理したにしても、結局1ヶ月以上も操業がまったくできない状態だったことを、なぜ1/15に報道しなかったのですか????
結論としては、LATimesやジャカルタの新聞が反捕鯨のメディアなのではなく、大本営発表に従って報道をせず事実をひた隠しにしようとする日本のマスコミが捕鯨擁護メディアだというだけの話じゃないですか。
産経は関係者を鯨研に年収1千万円の役員として送り込んでいますし、昨年までは毎日の系列のTBSの編集局次長も加わってましたしねぇ・・
Posted by ネコ at 2009年02月27日 00:48
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