2008年12月29日

日本の漁業をダメにした犯人はだれ!?/冗談じゃニャイワン 他

◇ハクジラとヒゲクジラの種分化
  

■ハクジラの種の分化、性選択的進化か (12/19,ナショジオ)
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=52801151
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081224-00000000-natiogeop-int.view-000 (リンク切れ)

 イッカクとオウギハクジラ系、ハクジラ全般の話を混同している部分があり、科学誌の記事としてはあまり褒めらません。訳文の問題かもしれませんが。クジラの生態に興味のある方は、さらっと目を通してみてください。
 ハクジラとヒゲクジラの種数差は、確かに生物学的には興味深いテーマなのですが、NOAAの研究者が指摘するとおり、「歯が摂餌用からディスプレイ器官に変化してそこに性選択が働いた」という説は疑問。イッカク(確実に性淘汰が働いたと考えられる)・シロイルカやオウギハクジラ(記事中で可能性が指摘・・)の仲間より、ネズミイルカやマイルカの仲間の種数の方がずっと多いので。
 鯨研さん、調査研究費を増やしたのは結構ですが、辛抱強い地道な行動・生態観察を続けないと、生物学界に貢献する真に有意義な研究はできませんよ。商売頼みのくだらん致死的調査からさっさと足を洗い、こっちに専心して早く世界に認められる成果を挙げてください。


 
◇日本の漁業をダメにした犯人はだれ!? 


■焼きサバ定食から漁業が見える!?|素敵な宇宙船地球号
http://www.tv-asahi.co.jp/earth/contents/osarai/0565/ (リンク切れ)

 船長の年収は1500万というノルウェーのリッチな巻き網漁船で、船内の食事に鯨肉ソテーが登場・・。別に本筋とは関係ないのでどうでもいいんですが。前々から言われてきたとおり、日本との格差には驚くばかりですね。国が船毎の漁獲割当までガッチリ決める代わりに、操業スタイルの効率化やネットなどを活用した有利な販売戦略を生産者自らが立てることで、競争原理を働かせ、ビジネスとして成立・成功させているわけです。

 翻って日本はといえば……名前はTACに変わったといえ、未だに旧態依然とした最悪の漁業管理であるオリンピック方式。乱獲を防ぐのにあまりに無力なことを最もあからさまに証明したのは、商業捕鯨に他なりませんが。多くの魚種で資源状態の悪化を防げず、重油価格の変動に振り回され、流通構造、高齢化も併せ、ジリ貧状態なのが、日本の水産業の現状。「同じ漁業国・捕鯨国なのに、なんでこんなに違うの!?」と誰もが首を傾げたくなるでしょう。
 なんだかんだ言っても、自然を持続利用する知恵と文化を育んできた環境先進国ノルウェーと、世界中の自然を壊して命をかき集め、飽食を謳歌することこそブンカと誇らかに叫ぶ捕鯨ニッポンとの差??? 
 いいえ。もちろん、すべて水産行政が悪いのですよ。
 番組では、品質と環境に配慮したハマチの養殖に取り組む漁業者の事例などが紹介されました。生産者の手取りを減らし、顔を見えなくするばかりの複雑怪奇な流通の弊害を取り除き、なるべく消費者の近くに届けようとするこうした試みは、しかし、まるっきり自助努力任せ大手捕鯨会社や土建屋に対しては至れり尽せりで奉仕してきた水産庁は、まったく主導力を発揮する姿勢がみえません。
 漁業者の皆さん。捕鯨をシンボルに仕立て上げることで、あなたたちの目を逸らしてきた国など、まったく宛にならないことは、あなたちももうとっくにわかりきっているでしょう? 


 

◇ルサンチマンの怪物

 シーシェパード関連報道をやるかと思って、夕べのTBSのニュースキャスターを見てたら、あの田母神氏が登場(結局SS報道はなし・・)。たけしに「気の好さそうな農家のおっさんみたい」とか言われて、精一杯愛想を振りまいていましたが、どうやらシビリアンコントロールをなくせ」と言いたいご様子。如何にも歴史を丸ごと否定するヒトらしいですね。こちらは背筋が芯から凍りつくほどの寒気に襲われました。
 「自衛隊の犯罪率は一般に比べて低い」
 ほぉ・・。で、リンチ暴行殺人は一般企業や行政官庁内で普通に起こる事件で、自衛隊で起こる件数は少ないと言いたいわけですか? タンカー事故の艦長は、責任逃れの発言を繰り返すあたごの艦長のように刑事上の責任を問われないのですか? 社内で集団暴行による死者が出ても、2週間もその事実を隠蔽している会社がそこら中にゴロゴロ転がっている、そう言ってるんですか??
 ま、隠してるとこはバレなきゃ数字が下がりますけどね。「一般社会より比率が低いんだから、お前らは気にしなくていい」と? それで隊員の規律、モラルが守れると?? へえ〜〜・・・・。
 このヒトは、人の上に立つに最も相応しくない人物でした。立たせてはならない人物でした。それがよりによって航空自衛隊のトップとは。懲戒解雇せず、退職金を満額支払った政治家こそ情けないけれど。
 何もかも、悪いほうへ、悪いほうへと、合わせようとする。日本をそんな醜い国にしてはなりません。絶対に。
 安住もたけしも、ツッコむべきところをツッコま(め)ないんだったら、侵略戦争を全肯定する危険人物なんぞ最初から呼びなさんなよ(--;;;;
 田母神ファンで捕鯨に反対している人が1人でもいるとは思いませんが、万が一いたとしてもオトモダチにはなれそうにないニャ〜。。


 

◇冗談じゃニャイワン

■無責任な飼い主減らせ、自民議連が「ペット税」導入論 (12/28,読売)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20081227-OYT1T00834.htm?from=navr (リンク切れ)
■ペット税導入に賛成?反対? (Yahoo!知恵袋)
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1411233959 (リンク切れ)
 議論は以前からあり、リンク下のベストアンサーに、非常に的を射た模範回答が示されています。

如何に奇麗事言っても、保健所OBの受け皿になるのは目に見えてるから反対に一票。
環境にしろ安全にしろ福祉にしろ結局法制化して現状悪化していると言うのが理由です。
一時的にしろ規制・課税により、捨て犬とか捨て猫が増えるのは目に見えてるし、、、、、、、
【税の使用目的】
・飼い主のマナー向上の啓発運動費用
・虐待されたペットの保護費用
・マナーの悪い飼い主によって汚された公共道路等の補修費用
↑全部利益誘導じゃない! by c9 9dさん '07/4/7(以上引用)

 出所の動物愛護議連、死刑執行をせっせと増やした鳩山総務相が会長ってのが驚きですが・・。愛誤議連に改名すべし。賛同している愛護団体もあるとのことですが、こちらも同じく愛誤団体の過ち。
 まず、用途を限定する目的税化ができるとは思えません。仮に実現したとしても、不透明な特定財源と化して、政治家・官僚とつるんだペット関連業者、もしくは上記のように道路工事屋の懐に入ることは目に見えています。記事上は今回の名目に含まれてないように見受けられますが、必ずいつの間にか道路補修費にすり替わっているはず・・。啓発活動などといえば聞こえはいいですが、市場価格とはかけ離れた高額の入札価格でこれまた癒着業者が落とし、センスゼロのお粗末なポスターやらパンフレットに使われた挙げ句、ろくに配布もされずにゴミ箱行きになるに決まっています。そして、何年か経って手遅れになってから会計検査院に指摘を受けることになるでしょう。
 問題は挙げればきりがありません。「盲導犬は別」という差別論は賛成論者から出ているようですが、一口に使役犬(猫)といっても盲導犬のみではありません。線引きは困難になりますよ。それに、ペットショップで購入していない子はどうするつもりなのでしょうか? 自家繁殖の子は? 親戚や近所、友人に譲り受けた子は? シェルターの子は? シェルターから保護した子は? 自分で拾った子は? 災害その他の一時預かりの子は? 高齢や病気もしくは亡くなった方から預かっている子は? 地域猫は? 外猫(程度もいろいろ)は? 犬猫以外のペットは? そして、それを誰がいちいち管理するのですか? 納税期間と扶養期間、納税者と扶養者の定義は? そういった諸々のハードルをどうやってクリアするつもりなのでしょうか?
 あるいは、クリアするつもりなどなく、見切り発車でどうとでもなると考えているのでしょうか? 高齢者や障害者の福祉政策の規制緩和路線≠見ても十分あり得そうなことですが・・。
 今回は手っ取り早くショップからの購入時に徴収する方式を掲げていますが、早晩課税対象を拡大する議論が起こるに違いありません。犬の場合は狂犬病予防法で登録管理が一応義務付けられてはいます。これも時代錯誤的かつ動物病院業界の既得権益化している側面がありますが。しかし、猫は扶養者と飼育個体の把握・管理だけでも、膨大な手間とコストがかかることになるでしょう。自治体や自治会(日本固有の強制力のある不可思議な任意団体ですけど・・)の負担を増やし、行政による個人のプライバシー侵害につながる状況がまた新たに生み出されるでしょう。
 Yahoo知恵袋の回答にもあるとおり、導入と同時に捨て犬猫が急増することは必至。当然殺処分を含めた行政の負担も膨れ上がるはずです。しかも、これは一時的な負担ではすまないでしょう。モラルの低い生体販売業者が十分な説明をせずに売り、モラルの低い購入者がそこから衝動買いしてはあっさり手放すというサイクルが一層加速されることになるでしょう。
 一方で、多頭飼育をしているNPOや個人、既に多くを自分たちの持ち出しで賄い無策の行政の尻拭いをしてくれているこれらの人たちに、きわめて不公平で過大な負担を押し付けることになります。非課税団体の線引きをすれば、いざこざのもととなるだけですし、実質的に保護者が減り、結局行き場のない子たちが多数生み出されることになるでしょう。
 一体なんで今ごろこんな話が蒸し返されたかといえば、動物たちの置かれた現状とはまったく無関係に、深刻な歳入不足を補うという文脈からきているのは間違いないでしょう。「うまく話を持っていけば、課税に反対する人間が少ないだろう」という思惑が透けて見えますね。
 大量殺処分とマスコミによる情緒的な愛誤報道が併存する、奇妙な動物愛誤大国である捕鯨ニッポンでは、「動物のことなんだから、飼っている人間に責任を負わせりゃいいだろ」と軽くみなされることで、こうした議論が罷り通ってしまうのではないでしょうか?
 しかし、よく考えてみてください。
 わかりやすい例えを挙げるなら、これは、児童の虐待や遺棄を防ぐ目的のために、児童のいる家庭から人数分の税金を徴収するに等しいですよ。
 子供の数や有無は、虐待とは相関しません。虐待や遺棄をなくすことは、本来社会全体が取り組むべき課題でしょう。子供のいる家庭、子供の多い家庭が負担を押し付けられる筋合いはないはず。
 児童虐待もなかなか外から見えにくく、行政・警察の対応も遅れがちで、日本の後進国ぶりが露になっている点も共通してはいます。それでも、虐待・遺棄した親は刑事処罰を科せられることになっています。その点、現行の動物愛護法は改正された後も看板効果のみで、とりわけ遺棄の検挙例がなきに等しいという違いはあるでしょう。さらにいえば、児童を虐待する親には血のつながりがあり、親としての自覚がある場合も多いですが(ない場合もあるけど・・)、ペットは里親/里子の関係で、虐待したり捨てたりするニンゲンはそもそも“親”の自覚など皆無です。その意味では、児童虐待を"する親"と"しない親"以上に、ペットを"虐待・遺棄する飼い主"と"家族として扶養している飼い主"を同列に扱い、負担を強いることは過ちといえます。
 ペット税の最大の問題は、受益者負担の原則に著しく反することです。
 今度は議論が進まない炭素税を例にとってみましょうか。この場合の受益者は、CO2排出と引き換えに利益を得ている化石燃料消費につながる産業と消費者です。それなのに、炭素税と称して、風力、バイオマスなどの自然エネルギーによる電力事業や、太陽光パネルを設置している家庭から税金を徴収するのはおかしな話でしょう。ペット税に関する議論はこれとまったく同じです。
 利益を得ているのは、数兆円の規模に膨らんだペット関連業界であり、家族を護るために医療費から食費から何から多くの自己負担をしているまっとうな飼い主≠ナはありません。捨て犬猫に限っていえば、行政が税金で"受け皿"を引き受けることでフローが生み出され、生体販売業者を潤わせているのです。
 欧米の多くの国・州では、店頭での生体販売は禁止されており、"資格のあるブリーダー"が"資格のある飼い主"に渡すか、シェルターに保護された犬猫の譲渡が中心です。「ガラス越しに目が合った」というだけの理由で、何の知識も経験もないまま後先考えずに金で命を買ってしまう日本人のモラルのなさと、そうしたシチュエーションをセットする業界、煽り立てるマスコミを含めた命を浪費する社会の構造は、密接につながっています。だからこそ、日本の殺処分数が世界に対してあまりに恥ずかしい数字になっているのです。
 許しがたいのは、議論をすり替えしまくっている今回の読売記事と愛誤議連(以下、着色部分引用)。

近年、ペットの飼い主が「飼うのに飽きた」などといった安易な理由で、ペットを捨てるケースが増えている。
2006年度末時点で全国の自治体に引き取られた約37万4000匹の91%が殺処分され、社会問題化している。

 実際には、30年前70万頭台だった行政による殺処分数は確実に減ってはきています。スピードが遅いのは問題ですが・・。理由の安易さ≠ェそれ以前と変化したわけでもありませんし、数字自体がそのことを証明しています。数を減らすのが何より先決で、「安易かどうか」の認定など瑣末なことですし。いずれにしろ「近年増えている」という記述はまったく事実に反します。社会問題化しているのはずっとずっと以前からですよ。

ペット業者にも『大きく育ち過ぎたから処分してほしい』といったモラルの低下が見られるという。


 だーかーら、なんでそれが飼い主の所為になるわけっ!? 議連だったら、厳格な罰則規程を定めた販売業者を規制する法律をただちに制定し、モラルのない業者を徹底的に排除するべき。ふざけるのも大概にしてほしいですね。
 道路工事に代わって掲げられた税収の使途については、(1)のチップや鑑札は、捨てるヒトがしない以上、法的に強制しない限り無意味で、やはり関連業者が儲かるだけ。(2)収容期間をどれだけ伸ばそうと、捨てるニンゲンが減るわけではありません。殺処分数削減を実績評価に組み込んで自治体職員にやる気を出させるか、シェルターNPOにアウトソーシングするべき。(3)上記したとおり、ゴミになるだけ・・。
 殺処分数を大幅に減らす最善の方策は、店頭もしくはネット通販での生体販売を段階的に廃止させていくことです。関連業界団体は、顧客に対して生涯飼育を完全に保障させる代わりに、リレーションを築いて関連商品・サービスの売上で収益をあげるビジネスモデルに切り替えていけばよろしい。
 「殺すのが多いのも文化」だという、捕鯨ニッポン流の開き直りはくれぐれもしないように。
posted by カメクジラネコ at 01:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会科学系
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