2008年12月28日

お笑い鯨人集団′~研の台所事情/捕鯨ニッポンv.s.SS第2ラウンド

 ◇お笑い鯨人集団′~研の台所事情

 何やら南の果ての海の方がにわかに騒がしくなっているようですが、先に鯨研が24日にHP上に掲載したディスクロージャー関連資料からチェックして参りましょう。

http://www.icrwhale.org/01-F.htm
http://www.maff.go.jp/j/corp/koueki/suisan/147.html (リンク切れ)

 またまた我らが鯨研どのがオモロイ真似をしでかしてくれました。市民団体を勝手にテロリスト認定しているヒトたちなので、筆者も非科学的な愛誤団体として各方面に認定を働きかけているところでありますが、今度からは新たにお笑い鯨人集団の呼称も授与してあげましょうかね・・。
 さて、国の補助金を受けている公益法人として、人事や財務の情報を一応HP上で公開している鯨研ですが、“目視調査”だけでもかな〜り興味深い“生態”が次々と明らかになりつつあります。
 今年9月に改正役員給与規程、11月に新役員名簿が発表され、今回H19年度の事業報告書とH20年度の収支予算書が付け加わりました(上のリンク先のページの下2つのリンク)。このうち役員名簿更新に関しては、以前拙記事にて取り上げました。オトモダチ新聞産経「SS逮捕しちゃうぞ!?」と一面トップで報じてもらうスキをついてこっそりアップし、しかも元産経論説委員など役員の経歴を隠すなど、見事なボケぶりを披露してくれました。今回も、SSが妨害活動をしかけてきたタイミングにぴったり重なっています。資料自体は9/30日時点のもので(事業報告書の役員名簿は旧いまま・・)、水産庁には日経が報じた経営合理化案提出時に出しているはずでしょうから、広報活動費5億円も費やしている組織にしては遅すぎますね。マスコミにSSネタを報道させて、国民の目を逸らそうという思惑でも働いているのでしょうか?
 ところで・・中身に目をやると、今回も「おや??」と首をかしげる部分がありました。そう、収支予算書の支出の項目から、昨年まで確かにあったはずの《広報活動費》が跡形もなく姿を消してしまっているのです・・・・。ちなみに広報活動費はH19年度で5億2千万円、H18年度で5億円。事業報告書に含まれる財務諸表にも記載されていますし、農水省の所轄法人の財務資料(上掲下のリンク)でも確認することができます(そのうち書き換えられるでしょうからお早めに!)。これは一体全体どういうこと!?
 まあ、カラクリはあまりにも簡単で、役員の経歴を水産庁の最終役職に摩り替えたのとまったく同様の手口。以下に、昨年と今年の収支予算書の支出項目(一般事業費)を抜き出してみましょう。ちなみに、調査捕鯨(JARPA+JARPN:沿岸調査込み)は特別事業費枠の70億円で、前年とほぼ変わっていません。 


         H20年度               H19年度      <単位:円>
   (調査研究) 798,879,000  (調査研究) 228,966,000
   (情報文化) 225,571,000  (収集提供)  14,522,000
   (国際活動) 410,970,000  (国際調査)  69,358,000
                        (広報活動) 533,356,000

 

 ご覧のとおり、調査研究以外の項目が今までとガラリと変わってしまいましたが、合計するとH20が6.3億円、H19が6.2億円で、単なる“名目替え”にすぎないことがわかります。使途が明瞭だったこれまでの費目を、なんでまた情報文化だの国際活動だのと「どうとでもとれる」わけのわからん名称に替えちゃったんでしょうか? いやあ、意図がさっぱりわかりませんニャ〜。国際活動≠ネんていったら、なんでもかんでも好きなだけドンブリ勘定にしてブチ込めそうですね。"国際調査"と"広報活動"を足して2で割って"調査"と"広報"を削ったんでしょうか? それにしても、"情報文化"って一体何??? 名大や私大には情報文化学部や情報文化学会なんてのもあるようですが、文理横断・融合型の教養学部レベルの内容だったり、単なるITリテラシーだったりと、定義もはっきりしません。そんな名目でお金を使っているところは、法人組織だろうと企業だろうとどこにもないんじゃないですか??
 そんなつまらんとこで笑いをとらないで、わかりやすく広報費に戻してくださいよ、鯨人さん。むちゃくちゃなプレスリリースを流したり、ヘンテコな造語を作ったり、鯨の道ばっか磨いてないで、日本語をもっと真剣に勉強してもらいたいもんですニャ〜。いや、ほんと。
 ところで、もう1点気になったのは、調査研究が2.3億円から8億円と大幅にアップしたこと。国際研究(米国のNOAAの衛星追跡プロジェクト等にはビタ一文出してないはず・・)や収集提供(帯広畜産大の"例の研究"とかにサンプルを用意してあげる費用でしょう)もこっちに含めたのかもしれませんが、これまで調査捕鯨そのものに比べると3%にすぎなかった独自の研究費を、3倍以上の1割にまで引き上げた点は注目に値します。「広報宣伝費に使っている分より少ない」と筆者やGPなどのNGOからもさんざんたたかれ、世界の科学者から「貧弱」だの「科学性ゼロ」だのとボロクソにこき下ろされ、科学誌からも論文の掲載を拒否され続けたことから、あまりにバランスが悪いと判断して、少しはまともな非致死的調査をやる気になったのでしょうか? 副産物収入と国からの補助金・借金に頼っているようでは、地道で純粋な生態研究が出来るとも思えないのですが、とりあえず見守りたいところ。
 収支予算書のその他の項目を見てみると、大きいのは借入金が前年の36億円から51億円にまで膨れ上がっている点ですね。収支は数字の上では+になっていますが、借金でやりくりしているわけです。事業報告のほうに財務諸表が含まれていて、そこに負債の内訳が掲載されていますが、長期固定負債の21億円国際漁業協力財団からの無利子融資です。流動負債の23億円"用船料他"となっていますが、共同船舶あるいはオリエンタル・ブルーバード号隠し玉のスパイ船など、船団に含まれる帰属の定かでない船の所有会社に借りを負っているということですね。21億円の融資と、今年5億円から9億円に引き上げられた国庫補助金、調査研究受託費として支払われる4億円が、国からの──すなわち血税から補填されている金額ということになります。また、経常外収益として今年は特定事業引当金4.4億円取り崩しています。鯨研にとっての特定事業、すなわち調査捕鯨のためにキープしていた特定資産の預金を、重油高騰の今年宛がったということでしょう。それでも、経常損益を見ると7.8億円の赤字で、前年より赤字幅がさらに1億円広がっています。補助金の4億円上乗せ雑収入2億円(これも・・)がなければ、経常赤字は確実に10億円を突破していました。直営店閉鎖などの経営合理化策を講じる必要に迫られるのも当然のことでしょう。
 今年の収支予算書では、補助金や雑収入の数字を元に戻していますが、実際の昨年の副産物収益56億円に迫る51億円という巨額の借入金依存しながらやっていけるつもりなのでしょうか? 何しろ、前年の予算より3億円ほど下げたとはいえ、見込みの副産物収入は昨年、一昨年の50億円台とはかけ離れた70億円超。鯨肉在庫がどんどん積み上がっている中、「下げれば赤字は膨らみ、上げればますます売れない」という深刻なジレンマに陥っている現状を認識できていないかに見える数字です。実際には、悪天候下のSSの接近に対し、“新兵器”を搭載しているはずなのに、事業そっちのけでそそくさと退散するなど、今年も妨害を口実に生産調整を行う意図が早くも見え隠れしているわけですが(前回の記事及び次項参照)。
 余談ですが、今年の会費収入は当初予定より2千万円増えています。このご時世に、「このままでは捕鯨ニッポンの食ブンカがヤバイ!」と危機感を覚えた文化人か政治家の先生方が、大盤振る舞いの寄付を施したんでしょうかね・・・・
 さて、筆者は学者じゃないし、何億円もの補助金や寄付もなしにボランティアでブログやHPを運営していますが、お笑い鯨人集団≠フ“生態”や“行動習性”の解明にそこそこ迫れている気はします・・。他人の税金注ぎ込んで捕殺調査をしていながら、クロミンククジラ生態に関しては肝腎の部分の多くが白紙状態という、お粗末な仕事ぶりの鯨研の学者先生、どう思われますか?

参考リンク:
「鯨研役員名簿更新」(拙ブログ記事)
http://kkneko.sblo.jp/article/23981718.html


 

◇捕鯨ニッポンv.s.シーシェパード 第2ラウンド

 まず各報道機関の記事のリンクをば。Yahooのリンクも併記してあります。

■シー・シェパードが調査捕鯨を妨害、接触は日本側に責任と主張 (12/27,AFP)
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2552850/3636994
■シー・シェパードが捕鯨船に体当たり、妨害行為 (IBTimes/財経新聞)
http://jp.ibtimes.com/article/biznews/081227/26196.html
http://www.zaikei.co.jp/article/biznews/081227/30319.html
■調査捕鯨:シー・シェパードが妨害 (毎日)
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20081227ddm041040020000c.html (リンク切れ)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081227-00000009-mai-soci (リンク切れ)
■シー・シェパード、今年も妨害 調査捕鯨船に異臭瓶 (朝日)
http://www.asahi.com/national/update/1226/TKY200812260359.html (リンク切れ)
■シー・シェパードが体当たり、薬品入り瓶投げつける 南極海で「海幸丸」 (産経)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/081227/crm0812270103006-n1.htm (リンク切れ)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081227-00000505-san-int (リンク切れ)
■シーシェパード、調査捕鯨妨害=危険行為、負傷者なし−水産庁 (時事)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&rel=j7&k=2008122700004 (リンク切れ)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081227-00000008-jijp-soci.view-000 (リンク切れ)
■「シー・シェパード」また異臭液体の瓶で捕鯨観測船妨害 (読売)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20081227-OYT1T00038.htm?from=navr (リンク切れ)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081227-00000001-yom-soci (リンク切れ)
■シー・シェパードが調査妨害 (NHK) 
http://www.nhk.or.jp/news/t10013276941000.html (リンク切れ)
■シー・シェパード、また調査捕鯨船妨害 (TBS News-i) 
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4026926.html (リンク切れ)
■シーシェパードが日本の調査船を襲撃|ICR
http://www.icrwhale.org/081226ReleaseJp.htm
http://www.icrwhale.org/gpandsea-img.htm
http://megalodon.jp/2008-0115-2148-50/www.icrwhale.org/gpandsea-img.htm
http://www.icrwhale.org/gpandseaJapane.htm

 水産庁の発表を受け、一部TVニュースで報道された模様。新聞報道は27日夕刊もしくは28日朝刊。地方紙は時事通信の配信記事。
 AFP以外はほぼ共通の内容で、シーシェパード側の“警告”についての細部の表現(「船舶無線」「日本語」「女性」etc.)の差異にとどまっています。SSのメンバーに日本人女性がいると一部週刊誌が報じたようですが、実際に乗船しているのか、事前にテープ取りしたのかは不明。おなじみオトモダチ新聞産経には「極秘裏に日本を出発したが、SSに発見されていた」との記述。他に、海保の職員が乗船していないことを伝えているところも。Googleの記事検索でIBTimes及び財経新聞というところが引っかかっていますが、財経新聞は日本法人とのこと。翻訳記事のためか、「捕鯨妨害を受けたが・・捕鯨はしていない」日本語としておかしな表記あり。
 これに関連して一点、各報道機関とも「今冬の調査で妨害は初めて」としていますが、これについては少々補足が必要でしょう。SSの船スティーブン・アーウィン号は、海幸丸ではなく第ニ勇新丸へのアタックを20日に試みていますが(前回の第1ラウンドの記事参照)、この時は悪天候でSS側の条件が今回より悪かったにも関わらず、捕鯨船側がスタコラサッサと逃げました。捕獲調査船の第二勇新丸が調査を一時中断しているのに対し、海幸丸は目視専門船なので捕獲調査への影響はありません。そういう意味では、妨害活動が効を奏したのは前回の接触で、今回ではありません
 ちなみに、水産庁はHP上では該当発表を行っていません。鯨研の方は久しぶりにHPを更新、最新の話題として複数記事を掲載し、メディア提供用の写真やビデオ映像をどっちゃり貼っつけています。ご丁寧に昨年の分までシリーズ化。キャプションも用意してくれてますが、日本語英語交じりのうえ「ナンセンス」「テロリスト」等々の用語を散りばめるばかりで、日本語の体をなしていない有様。事情のわからない人に対しては不親切極まりないですね。
 写真の説明の中では、SSの「発砲の瞬間」という主張に対して、「あれは違うんだ! 時計なんだ!! 信じてくれ!!!」痛切な叫びが聞こえてきそうなほど悲壮感の漂う反論を掲載してくれてます・・。筆者はSSがデタラメを言っただけだと思いますけど、一言「海保の職員が警告弾を発砲しただけ」と言えば済む話じゃないの? これで広報費もとい情報文化+国際活動費6億円も注ぎ込んでいる組織だとは、とても信じられません・・。
 第1ラウンドと第2ラウンドの捕鯨船団側の“反応”の違いについては、どのような説明が成り立つでしょう?
 減産のため、捕獲調査船はSSを利用できる“好機”があれば率先して作業を中断する。一方、目視専門船にアタックを受けたら、SS側の非道ぶりをアピールするため逃げずに引き付ける。そういう戦術がうかがえますね。
 鯨研提供の写真では判別できませんが、AFPに掲載されているSS側の写真では、前回と同様相手の右舷側から接近しており、COLREG条約上回避義務が生じるのは捕鯨船側です。もっとも、酪酸瓶を投げつけている時点でSS側の非は否めませんが。「やるんだったら、玉入れ競争の類いのアホな行動を一切やめ、船足を軽くして合法的な針路妨害に徹しろ」とせっかく教示してやったのに(--; まあ、こっちは日本語でブログに書いてるだけですし、日本のウヨガキ君たちとYouTube合戦を繰り広げている同レベルの反捕鯨派へのウケを狙っているようじゃ、聞く耳など持たないでしょうが・・。
 そもそも筆者としてはSSの過激な行動を最初から支持していませんが、母船や捕獲船でなく目視専門船だとわかって相手にするのは、戦術的にも愚かですし、知らずにやったとすればやっぱりアホとしかいえませんね。その点、前述のとおり、減産と国内世論喚起にSSをまんまと利用する一石二鳥作戦をとっている捕鯨船団側の方が、有利に駒を進めているといえそうです。
 ただ、昨年と比べても、人的被害が期待できない≠フと、国内が誰もクジラどこじゃない状況ですから、(産経以外の)メディアが記事を量産して世論へのPRにつながるとはとても思えません。SS頼み一本槍では、昨2シーズンと同等の減産も行えなくなります。そして、船籍問題を抱えている中積船のOB号が今回“参戦”できなければ、3千トンの生産を維持するのも苦しいはず。
 大体、キャッチャーも含めて無理やり詰め込むにしても、国内の冷凍倉庫が鯨肉で溢れ返りかねないところに市場供給を増やしてどうするつもりなのでしょうか? 赤字経営で直営店も閉鎖し、赤字販促会社の鯨食ラボも息切れする中、大幅値下げもできない相談。政治が停滞して景気もこの先いつ回復するかわからないのに、多少値下げしたくらいで鯨肉消費が伸びると考えるのは、あまりに虫の好い話でしょう。
 来年の年次会合でいよいよIWC体制が破綻し、日本と札束で抱き込んだカリブ・太平洋の一部の国々だけから成る新組織を立ち上げ、「商業捕鯨再開の悲願を果たした!」と一気にテンションを上げれば、国民がつき従って鯨肉をジャンジャン買いまくり、母船新造の道さえ開けるとでも楽観しているのでしょうか?? こっそり“お土産”を横流しして御殿を建てるプレミアムも付かなくなり、苛酷なだけの労働に共同船舶の船員が次々に辞めていっている中、外国人や失職した非正規労働者を宛にするつもりなのでしょうか? 仮にそんな愚挙に出たとすれば、経済的・外交的な損失は計り知れないほど高くつくでしょう。いくらなんでも外務省サイドが、そこまで水産庁の独善を黙って見過ごすことは考えられません。既に不満も燻っているようですし。
 SSなんぞと張り合うのはバカげています。国として愚かしすぎます。さっさとお開きにしましょう。農水省・水産庁がやるべきことは、自ら種を撒いた所為でグタグタになってしまった日本の食の現状を少しでも改善することのはず。尾の身好きのグルメ議員や無知なウヨガキたちに拠りかかり、世界の反対を押し切って南極の海の野生動物を脅かしている暇など、片時もないはずではありませんか?
 「地産地消」の掛け声が空々しく聞こえなくなるくらい、地場の自然でサステイナブルな食糧生産を実現すること。「命を粗末にしない」との誓いを、口先だけの謳い文句に終わらせるのでなく、国民に実践させ、数字で示すこと。それが、日本の果たすべき責務のはず。飽食・廃食・偽食・毒食の国が、これ以上世界に対して恥ずかしい真似を続けるのはやめてください。

参考リンク:
■Operation Musashi 3|flagburner's blog(仮)
 (双方のコメントを比較解説してくれています)
http://blog.goo.ne.jp/flagburner/e/fd8b83a955b9ae7c4da227916ce3750b

posted by カメクジラネコ at 02:10| Comment(0) | TrackBack(1) | 社会科学系
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Operation Musashi 3
Excerpt: 昨日になって、Sea Shepherd と「調査捕鯨」団が今シーズン2回目のご対面を果たしたのだが・・・。
Weblog: flagburner's blog(仮)
Tracked: 2008-12-28 16:47