◇第1ラウンド
■シー・シェパード、日本の調査捕鯨船団を発見 妨害試みる (12/20-21,AFP)
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2551786/3629345
■悪天候で捕鯨妨害取りやめ シー・シェパード (12/21,共同)
http://www.47news.jp/CN/200812/CN2008122001000716.html
■シー・シェパードが日本の調査捕鯨を妨害、今季初 (〃,読売)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20081221-OYT1T00076.htm?from=navr (リンク切れ)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081221-00000009-yom-soci (リンク切れ)
さて、前哨戦が始まったようですね。
皆さんも3つの記事を読んでいただければ、違いがおわかりになるだろうと思います。SSの報道機関向け声明をもとにしたAFPと共同通信の記事に対し、捕鯨擁護色の強い読売新聞は表現が大きく異なっています。「日豪関係筋」としていますが、SS側の声明以外の部分に関する情報源は、もちろん鯨研・水産庁でしょう。当事者をソースに使っていながらそれを明示しないのは、報道機関の姿勢としていただけません。捕鯨賛成は"オールジャパン"ではないのだから、少なくとも"調査捕鯨関係筋"とすべきでは。
そのSSに対しては、「執拗」といういかにも鯨研発らしい情緒的な表現を用い、「原液が目に入ると失明する恐れもある」と悪質ぶりを強調。もっとも、「原液が目に入ると──」云々については、そういう事態は起こらないはずなのでは? 今回は海上保安庁に対抗策を指南され、"秘密兵器"も用意していると報道されたはずですがね。
捕鯨ヨイショ新聞産経はまだ未確認ですが、早晩鯨研とのコネで、読売以上に情緒表現をたっぷり盛り込んだ記事を掲載してくることでしょう。当の鯨研も、まだHP上ではプレスリリースを掲載していません。
で、その産経が6日に一面トップで報じたように、「逮捕しちゃうぞ!?」という超強気の姿勢だったはずが、どういうわけか今回はSSの声明や上記の報道を読む限り、捕鯨船側が逃げてます。読売では、「調査捕鯨活動を中断し、現場海域を離れようと航行を続けて」と、SSに対するのとは対照的に、わかりやすい直截な表現を避けていますが・・。
皆さん不思議に思われるかもしれませんが──とりわけ血気盛んな財務相氏やウヨガキ君たちは「なんで新兵器をぶっ放して撃沈しないんだーっ!」と歯軋りしておられることでしょうが──これは筆者が以前当ブログで指摘したとおり、COLREG条約のルールがあるからです。公海/南極海は日本のものではありませんから。果たして、AFP・共同の写真(SS提供)を見ても、「右舷側から接近するように」という筆者の提案に従っているようですね。こうすれば、対抗手段があろうがなかろうが、捕鯨船側が逃げる(回避する)しかないわけです。
"腐ったバター弾"とやらを実際に積んでいるのか、支持者とマスコミ向けのパフォーマンスにすぎないのかはわかりませんが、最後まで使用しないで済ませ、SSにはあくまで国際条約上合法的かつ非暴力的に抗議行動を行うよう、筆者としては望みたいところ。そこまでは期待しすぎかもしれませんが・・。
いずれにしろ、鯨研/共同船舶側は、また昨シーズンと同じく、SSを口実にして生産調整を行うつもりでいるのでしょう。それは、悪天候でSS側に分が悪いにも関わらず、天候の所為にもせずに実にあっさり引き下がっているところからもうかがえます。鯨肉在庫の超過と消費の減少に歯止めがかからない状態では、計画どおりの捕獲数を達成しても返って困るだけなのですから。もっとも、赤字解消の方は、減産だけでは解決できず、彼らの頭をさらに悩ませ続けることでしょうが。
参考リンク:(拙過去記事)
■SUA条約関連
http://kkneko.sblo.jp/article/18205506.html
■産経報道関連
http://kkneko.sblo.jp/article/23981718.html
■過剰在庫関連
http://janjan.voicejapan.org/living/0811/0811140481/1.php
◇守るべき文化と捨てるべき分化
■パプア・ニューギニア|世界一周!地球に触れるエコ大紀行 (12/20-21,NHK-hi BS2)
http://www.nhk.or.jp/eco-journey/yotei/index.html
海外編は今回が最終回。場所はニューギニア本島で最近エコツアーへの取り組みを始めた村と、ゴクラクチョウを始めとする多くの熱帯鳥や"ホタルの木"が見られるニューアイルランド島。
庭先で100種もの熱帯の鳥たちが観察できるのはうらやましい限りですね。うちの餌台じゃヒヨやメジロやシジュウカラなど10種どまり・・。そして、ラッキーガイの柴崎アナがまたしても幸運を呼び寄せ、現地のガイドも滅多に見られないフキナガシフウチョウの雄の求愛ダンスがバッチリ。映像としてもなかなか貴重なのでは。
エコツアーの村でトリップの目的地となった滝では、昔部落の男性が成人を迎える際に石を抱えて滝壷に飛び込む度胸試しの風習があったとか。今は当然行われていませんが。守るべき文化と捨てるべき文化をきっちり理解し、切り分けている点は日本も大いに見習うべきところ。南極の野生動物を飽食国家の国策企業がグルメのために大量捕殺する偽りのブンカを捨て、日本人が便利さや強欲と引き換えに投げ出してしまった「命を粗末にしない」という大切な本物の食文化を今こそ取り戻しましょう!
最後に、ホタルの演出してくれる、日本の街中では決してお目にかかれない、星空と競演が可能な美しいクリスマスツリーのプレゼント。樹上に集合して点滅するなどホタルの特徴は日本の国産種とは異なりますが、原生自然とヒトの生活圏の干渉域を住処とする里山の生き物である点はやはり同じ。南極のクジラは捕鯨擁護学者が主張するような"里海の自然"ではなく、紛れもないコアとなる原生自然の一部ですが・・。
ともあれ、訪れるツアー客と現地の人たちの共同作業としてのエコツアーの役割を、番組中でしっかりと示してくれたなかなか有意義な企画番組でした。来週は琵琶湖での最終回があるそうですが、お2人の新人アナさん、一年にわたる長旅、お疲れ様でした。
2008年12月22日
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