2008年09月09日

正しい食文化と壊れた食文化/うちは"オキアミ"研じゃなくて"鯨"研です!/"裏作"調査捕鯨終了

◇正当な食文化の担い手

■南米パタゴニア〜大海の巧みな狩人・シャチ|自然へのいざない (9/8,NHK-BS2)
http://cgi4.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=608&date=2008-09-08&ch=12&eid=33687 (リンク切れ)

 たまたまたTVを付けたらやっていた番組(こういうのに限って良質な感じ・・)。この子たちはいわゆる"毛皮派"(といっても小説を読んでない方にはわからんでしょうが)。最近の研究では、索餌や回遊によって2、3タイプの種もしくは亜種レベルに区分されるとの見方が有力だそうですね。
 オタリアにしてみれば、体重差で千倍もある恐るべき天敵には違いありません。ですが、ポッドの親や長子が狩りの仕方を教えるシーンは、つい微笑ましく感じられてしまいます。彼らこそは、正当なるクジラの捕食者、誇り高き海の狩人(鯨)といえるでしょう。


 

◇食文化が崩壊する捕鯨ニッポン〜事故米転売問題

■うちは大丈夫?!週末返上で確認作業 汚染米問題で小売・外食業界 (9/7,産経)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080907-00000930-san-soci (リンク切れ)
http://megalodon.jp/2008-0908-0550-32/headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080907-00000930-san-soci

 信用失墜しまくりの食品関連業界。お菓子も自分の畑で採れた作物を使って作るしかありませんね。焼酎はムリだけど・・。
 こうした問題が引きも切らないのは、食文化が徹底的に破壊されてしまった捕鯨ニッポンだからに他なりません。昨日の記事もご参照。


 

◇「ブームみたいだから温暖化を看板にしてみたけどぉ、うちはどうせクジラ専門だから他の分野なんてわかんないしぃ、興味もないしぃ・・・」

■鯨研発メディアブリーフィングメモ(例の脂皮厚論文のやつ・・) (9/5,ICR)
http://www.icrwhale.org/pdf/080905BriefingNote.pdf

 ガーディアンの記事に対抗するつもりでマスコミに流したようですね。先日拙ブログ上で行った批判に、新たに付け加えるところはありません。
 ナショジオとの一問一答中の回答が笑えます。「なんでオキアミで研究しないんだ?」という問いに、「うちは"鯨"研だもん!」と答えてるわけですが、この研究からは「クロミンクの脂皮厚の変化」以外に何の知見も得られないという筆者の指摘を、見事に裏書してくれています。鯨研には、南極海生態系の解明や地球温暖化の影響評価に貢献できる研究は何一つできないというわけです。
 最初っから「温暖化に関する研究もできた私って偉い?」なんて見栄を張らなきゃよかったのにね。。

■調査捕鯨の科学的理由を"後から"探し続ける鯨研
http://kkneko.sblo.jp/article/18846676.html


 

◇調査捕鯨船団、裏作≠終えてこっそり帰港

■鯨研発今年のJARPN前後のプレスリリース
http://www.icrwhale.org/080822ReleaseJp.htm
http://www.icrwhale.org/080606ReleaseJp.htm

 今年行われたJARPNU(第二期北西太平洋鯨類捕獲調査)が終了し、8月22日に日新丸船団が帰港。マスコミではまったく取り上げられませんでしたが、ミンククジラは事前の発表(下のリンク)予定していた捕獲数の100頭を下回る59頭。マッコウも10頭から2頭へ。致死的調査で2頭なんて、科学としてはまさに最悪ですね。GPJが分析しているように、サミットを睨んで調査日程を政治的に平気でずらせる時点で、微塵の科学性もないのですが。
 今年はGPJによる告発と、直前の母船船内での船員の方の自殺というアクシデントがありながら、洞爺湖サミット前にそそくさと出航しています。そして、捕獲枠が未消化であるにもかかわらず、当初予定の8月下旬の頭に、早々に調査を切り上げてきたことになります。
 なぜ捕獲枠に達しなかったのかについては、一切説明がありません「ほぼ計画通り」と記述してありますが、ミンクの捕獲数は6割弱なのですから、科学的にはこんないい加減な話はありません。彼らにとっての"計画どおり"とは、鯨肉の生産量(つまりトン数の大きいイワシクジラは予定数を満たしたため)を意味するのでしょうか?
 一つの解釈は、原油高騰の最中、裏作に対する表作であるJARPAUを優先するべく、あらかじめ日程(かける燃料消費量の上限)を決めていたため、予定の6割未満の59頭という半端な数で打ち切ったということ。他の漁業者のように、原油高騰の危急を訴えることをしていないのは、海外漁業協力財団からの助成をアテにしているので、逆にマスコミや市民、漁業者にこの件に触れられたくなかったということでしょう。
 続いて調査の内容について。餌生物の解析は、ほとんど夏休みの自由研究のレベルです。海洋生態系の解明や漁業資源管理に活用できる要素は微塵もありません。上掲の脂皮厚研究と同じく、ミンクの摂餌生態の変化は、当の餌生物や他の捕食者に関する研究(ついでに漁獲調査)と並行してやらない限り、「ミンクの餌」に関する情報以外何一つ提供しやしないのですから。
 日本の漁業管理の後進性は既に広く指摘されているとおりで、水産庁はこんなくだらない研究に予算を割かずにやるべきことが山ほどあるはず。豊漁なのに消費者離れが進んでいるサンマの食害を訴えても、説得力は欠片もありません。
 ところで、鯨ポータルサイトで大御所大隈氏が、致死的調査と非致死的調査の比較考証をやっています。

■鯨論・闘論 「鯨類資源調査における致死的調査と非致死的調査」
http://www.e-kujira.or.jp/geiron/ohsumi/2/ (リンク切れ)

 結論からいえば、非致死的調査で不可能なものはなく、他の野生動物研究者からは彼らの主張は"甘え"にしか聞こえません。
 奇妙なことは、「ミンクやイワシは泳速が速くバイオプシーに向いていない」「ザトウやセミと違ってミンクは特徴に乏しい」と言いながら、同じく泳速が速く特徴に欠けるシロナガスで、バイオプシーや標識撮影をやっていること。「ちゃんと両方やってるんだぞ」という、建前上の調査ではありますが・・。「特徴がないから殺さなきゃ」なんて、そもそも陸上の野生動物研究者の長年にわたる努力をとことんバカにした話ですが。
 大隈氏や鯨研の主張は、科学者としての努力を放棄する"言い訳"にすぎません。致死的調査と非致死的調査との間には、クジラであれ他の野生動物であれ、調査手法として明確な傾向の違いなどありません。明瞭な特徴は次の2点のみです。
−致死的調査は捕鯨産業と不可分である
−非致死的調査は命を粗末にしない科学である

■無価値に等しい調査捕鯨の科学性
http://www.kkneko.com/paper.htm

posted by カメクジラネコ at 01:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 自然科学系
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