2008年09月08日

奇妙な動物大国・捕鯨ニッポン/捕鯨翼賛体制に反旗を翻し始めた捕鯨の味方たち(その2)

◇奇妙な動物大国・捕鯨ニッポン

■外来種は警告するvol.6 大都会の侵入者を捕獲せよ・素敵な宇宙船地球号 (9/7,TV朝日) 
http://www.tv-asahi.co.jp/earth/midokoro/2008/20080907/index.html (リンク切れ)

 埼玉であったワニ騒動も、犯人(魚)はやっぱり同じでしたね・・。
 日本は"奇妙な動物大国"という表現がありましたが、軽はずみな気持ちで知識もないまま買った外来種を、買いきれなくなってあっさり捨てるという、モラルの低い人たち(とそこにつけ込んで儲けるヒトたち)が、それだけ多いということ。
 かつて日本はCITES(ワシントン条約)の規制対象となっている保護動物を大量に密輸入し、熱帯木材輸入、捕鯨と合わせて"コンサベーション・ギャング"との不名誉きわまりない呼び名を被せられていました。今日でも、ネット・オークションの興隆で未だに合法・非合法に大量の野生動物が国内に持ち込まれ、それが国産生物にも当の外来生物にとっても悲惨な状況を生み出し続けているわけです。
 外来生物大国有害鳥獣駆除大国ペット殺処分大国フードマイレージ大国食品廃棄大国食品偽装大国──すべての汚名が重なるのは、捕鯨ニッポン必然です。何故といえば、民族のアイデンティティというべき自然観・生命観を、利便性や経済性の追求という浅薄な動機で根底から変質させ、その結果として自国の自然と文化を荒廃させ、よその国や南極の海の自然にまで迷惑をかけてはばからない国であればこそ、命がここまで蔑ろにされるのですから。

 
◇ 捕鯨翼賛体制に反旗を翻し始めた捕鯨の味方たち(その2)

 一昨日の記事の続きです。ニコル氏が日本の公海/調査捕鯨に明確に異を唱えだしたことは知っていたのですが、三崎氏と同じくJapanTimesに掲載された論説記事の情報を入手しました。いまネット上でも読めるので、リンクを張ってご紹介しておきます。ニコル氏ファンが多い捕鯨賛成派も、ナチュラリストとしての氏については評価している捕鯨反対派も、ともかく必読です。

■Killing calves makes Japan's whaling indefensible (2/9,JapanTimes)
http://www.japantimes.co.jp/text/nn20080209f3.html

 前半では、ニコル氏が日本の鯨捕りに共感を抱くに至る過去の経緯が述べられています。この経緯については、すでにご存知の方も多いでしょう。そして、その彼が、個体識別されたザトウクジラの捕獲をやめるよう直接水産庁に訴えたこと、未成熟のクロミンククジラの捕獲を推進している日本の調査捕鯨に非常に大きな失望を抱いたことが綴られています。
 実際には拙HPでも取り上げたように、仔クジラの大量捕殺は20年前からずっと行われ続けてきたことですし、ニコル氏が問うハンターとしてのモラルに著しく反する行為だとしても、これが商業捕鯨でなく名目上調査捕鯨である以上、IWCでも違反対象として取り締まることはできません。ですから、言ってみれば彼の主張は"感情論"ではあります。
 おそらくニコル氏は、「日本の捕鯨に対する強い思い入れが、自分の目を曇らせていたのではないか」と、深い悔恨の情に捉われたのではないでしょうか?
 とはいえ、たとえ捕鯨ニッポンに裏切られたとしても、氏が極端な反動に走ったわけではありません。最後の一文はまさしく正論でしょう。在日外国人として、捕鯨問題にも精通したニコル氏ならではの、抑制された、非常にバランスのとれた感情論といえるのではないでしょうか?
 ニコル氏をこれまで崇め、何かにつけ氏の主張を引き合いにしてきた日本の捕鯨シンパの皆さんは、YouTubeや2chでさんざんこき下ろしてきた所在不明な"センチメンタルな白人"と彼を同列に扱いますか? それとも、なぜ捕鯨ニッポンが、最大の味方だったニコル氏にまで愛想を尽かされ、見捨てられてしまったのか、その原因を真剣に省みるきっかけにしますか?

 
posted by カメクジラネコ at 01:57| Comment(2) | TrackBack(0) | 社会科学系
この記事へのコメント
よほどニコル氏の発言がうれしかったんですね。日本じゃ少数派の反捕鯨さんの気持ちはすごくわかります。
Posted by Q at 2008年09月13日 22:06
>Qさん
意外だとは思ったけど、別に私はうれしくもなんともないよ。もともとファンじゃないから。記事にも書いてあるとおりですが。ただ、ナチュラリストとしての彼を評価していて捕鯨に対する姿勢のみに違和感を感じていた少なからぬ人たちにとっては朗報だったんじゃないですか。
それよりも、これまでずーーっと何かというとニコル氏の主張を引っ張り出してきた捕鯨擁護論者が押し黙ってるのが不気味っちゅーか、よっぽど都合が悪かったんだニャ〜とは思うけどね。ま、新世代ネトウヨ諸君にはニコル氏の知名度はあんまり高くないのかもしれないけど。。
Posted by ネコ at 2008年09月15日 00:51
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