■アクが強すぎる自主制作ゲーム−捕鯨活動をゲーム化した「Harpooned」
http://www.4gamer.net/games/036/G003691/20080807035/
拙サイトでは、捕鯨カルチャーDBと称して、捕鯨問題を取り扱った様々な文芸作品を収集してきました。主に国内の日本人向けの作品に限定しており、W/L的にも主旨としても、海外のものまで含めることは今のところ考えていないのですが……先日Googleのボットが拾ってきたのは、オーストラリア発の異色のフリーゲームの記事。ユーザーは日本の捕鯨船を駆って、GPの追跡をかわしつつクジラに銛を打っていき、んでもってクジラバーガーを売って得点を稼ぐ、という珍趣向のシューティングだそうな・・・。
まあ、ね・・・・。表現の自由として許される範囲ですし、フリーですからね。さすがに限度ってものはありますけど、同じリンク記事には限度を越えた作品も他にいくつか紹介されているようで・・。
筆者自身はサブカル世代で、マンガ・アニメ・ゲーム等は旧来の文芸ジャンルに勝るとも劣らぬ立派な"文化"だと思ってますし、日本を起点に世界にも浸透しつつあるそれらサブカルの受け手兼作り手でもあります。
(もっとも、以前筆者が「日本が世界に発信できるのはメーカーのブランド以外何もない」と記事中で書いたら、どっかの掲示板で「サブカルがあるじゃないか!」という反論がありましたけど・・。あんまり「クール!クール!」と暑苦しく連呼してると、せっかく世界に誇る圧倒的な質と量が急速に萎んじゃうと思うんですけどね。。)
そうはいってもこの「Harpooned」のセンスにはやっぱり首を傾げざるを得ません。オージーだろうとどこの国だろうと、プレイしてつまんないゲームをわざわざやりたがるユーザーなんていないでしょ(--; 制作者は「日本の調査捕鯨に疑問を持っているらしく,彼の信じる"日本側の主張"に基づきゲームを作ってみた」ようですが、少なくとも野生のクジラが好きな、日本の調査捕鯨に眉をひそめる一般のオージーの皆さんが、こんな代物を手に取りたがるわけもないでしょう。むしろ、爽快感を味わえるのは日本のネトウヨなんじゃないでしょうかね。。
もっとも、日本国内では、DBで紹介しているとおり、歴とした大手メーカーによるコンシューマー(こども)向け作品で、クジラを釣るミニゲームの入ったRPGなんかも発売されてますし、レベルはどっこいどっこいかもしれませんが。
風刺がメインのトピックとして成立するのは、さすがに新聞の1コマ漫画のレベルまででしょう。ネタにするのはかまわないけれど、本気で中身まで作り込むのは、どうみても無駄なワークロードに思えてしまいます。「捕鯨反対のメッセージ」云々とは無関係に、ヘンテコなスプラッタシューティングを職人としてぜひ完成させたかったというのなら、話は別ですが。
先日のレンタカーのニュースではありませんが、オーストラリアはじめ日本国外で捕鯨問題をネタにアクションを考えている方々にくれぐれもお願いしたいのは、すでに十分意識が浸透している同国人や国内メディアでの内輪ウケを狙った派手なパフォーマンスより、万国共有のウィットとセンスを磨いて欲しいということです。笑い飛ばすのはいいけど、少なくとも日本人でも笑えるネタにしてもらいたい。下手に逆効果を招くような代物は勘弁してほしいわけです。
現に、この記事を紹介したゲーム誌の特派員には、「鯨に銛を撃ったときに出てくる血の量は残酷なほど多いが,明確な捕鯨反対のメッセージはいまいち伝わってこない」と皮肉たっぷりのコメントを載せられてしまいました。本来なら捕鯨問題にニュートラルな一般の日本人が、カチンときて捕鯨応援団よりに傾いてしまうようでは、クジラにとって百害あって一利なしです。いま、捕鯨問題を左右する鍵を握っているのは日本人に他ならないということを、どうかお忘れなきように。
とりあえず、日本の皆さんには、アングロサクソン流のゲームを使った過激な直接行動を一つ紹介して、バランスを取っておくことにしましょう。ファーストフードショップ経営シミュレーションと思いきや、プレイすると必ず環境破壊に収斂してしまう反マクドゲームだそうです。アンチ欧米捕鯨シンパも、筆者と同じように笑えるでしょう。英国政府主催のゲーム業界コンベンションに講師まで送り込む気合いの入れようには、もはや脱帽するしかありません。
関連リンク:
■マックと嘘とビデオゲーム
http://www.4gamer.net/weekly/kaito/083/kaito_083.shtml
■捕鯨カルチャーDB(拙HP)
http://www.kkneko.com/culturedb.htm
■芸術性と人間性(拙ブログ)
http://kkneko.sblo.jp/article/13986763.html
攻撃するたびに、'research start'って、あくまでも、”調査”ってしてあるところも皮肉たっぷり。そして、捕った肉は商品化でしょ。
これでは、反捕鯨のメッセージが、大量の血はあるが、見えない...ってのは、日本人が感じることなのでは?
まぁ、ネコさんも、万国共通のウィットとセンスを磨いて欲しいと申しておられるが、どうしても乗り越えられない部分ってあるんじゃないでしょうか。
私からすると、このゲーム知って、”明確な捕鯨反対のメッセージはいまいち伝わって来ない”と感じる日本人の方々の感覚が恐いです。こんなに皮肉たっぷりに作ってあるゲームなのに......。と、私はYoutubeで見ただけですが...(PCじゃないので)この伝わって来ないっていうのが皮肉だとすると、双方、やっぱりわからない...で終ってしまうんですよ。ネコさん、わかりますか?
「捕鯨をなめるな」
だろうね。
あちらの人たちは鯨を
「頭のいい七面鳥」
くらいにしか考えてないことが
わかるもん。
推進するなら鯨と人との戦いなら
分かるがあのゲームは
正に鯨を七面鳥やニワトリぐらいにしか
見えませんでした。
なるほど。。TBをいただいたAdarchismさんも論じてらっしゃいますが、確かに欧米流のブラックジョークの一種として普通に通る内容かもしれませんね(^^; 政治に対する痛烈な風刺が可能なのは、むしろ健全な感覚の証であって、日本人としては羨ましい限りかも。そういう目で見たら捕鯨を特別扱いしてるとはいえませんね。となると、やっぱり日本人の欧米文化に対する無理解と無感覚のほうが問題か(--;
でも、プレイした人の感想も伺ってみたいですニャ〜。クリアに何日もかかるようじゃやっぱりやりたくないかも。。
>あははさん
七面鳥と絡める理屈はよくわかんない。
捕鯨文化の宣伝もいいけど、欧米の由緒ある風刺文化を日本人はもっと勉強した方がいいかもしんないニャ〜(と、自戒をこめて・・)