2008年07月25日

鯨研査読論文の徹底検証・拡大版

 HPを更新しました。

■無価値に等しい調査捕鯨の科学性
http://www.kkneko.com/paper.htm

 7/16の記事で昨年分のみチェックしましたが、鯨研のサイトに掲載されたものをひととおり全部洗ってみました。Adarchismさん、Beachmolluscさん、情報提供ありがとうございましたm(_ _)m

関連リンク:
■鯨研の論文ちょこっと点検(当ブログ過去記事)
http://kkneko.sblo.jp/article/17021914.html

posted by カメクジラネコ at 00:01| Comment(15) | TrackBack(0) | 自然科学系
この記事へのコメント
>20年かけて1万頭を越えるクジラを殺す必要のあった研究とその成果はやはりゼロでしたね・・・。

ゼロではなく1本のようです・・。(もちろん大差ありませんが)

"Whaling as Science"(「バイオサイエンス」誌 2003年)
http://www.disciara.net/downloads/Clapham_etal_2003.pdf
によれば「鯨資源管理に直接関係する国際査読論文」はたったの1本だそうです。
そしてその1本は下記のことだと思われます。
    ↓
[Kishino et al. 1991](岸野洋久、加藤秀弘、笠松不二男、藤瀬良弘)
http://www.springerlink.com/content/j714wg1221647807/

そして“Japan's whaling plan under scrutiny”(「ネイチャー」誌 2005年)
http://www.nature.com/nature/journal/v435/n7044/full/435883a.html
http://www.oceania.org.au/soundnet/jun05/plan.html
によれば「種の管理のために用いられる科学的パラメーターに関連した査読論文」はたったの1本(系群構造に関するもの)だそうです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E6%8D%95%E9%AF%A8%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A


またニューサウスウェールズ大学アーチャー理学部学部長が「カタリスト」(オーストラリア公共放送局)で語ったところによると
http://www.abc.net.au/catalyst/stories/s1657789.htm
「18年間の日本の調査プログラムで、クジラを殺さなければ得られなかったデータによる査読論文は、4本に過ぎない」そうです。
《第一段階で学術誌の査読論文(学会の専門学者による審査を経たもの
だけ掲載するというやりかた)だけ抽出して、これが55本。そのうち鯨類の資源管理、
水産業にとって意味のあるものだけを選ぶと14本。さらにその中で、致死調査を
必要とするものだけを残すと4本》
http://pc11.2ch.net/test/read.cgi/streaming/1206288577/

http://8323.teacup.com/kujiradonano/bbs/1067
「あまりにも酷い」
「これでは(日本の調査捕鯨は)smoke screenといわざるを得ない」
http://8323.teacup.com/kujiradonano/bbs/1071
"extremely depressing"
(「まったくひどいものだ」)
"I have to say, having seen it all it’s more like a smokescreen than science."
(「全部見させてもらったが、これは科学ではない、インチキと言わざるを得ないようだ」)
Posted by 赤いハンカチ at 2008年07月25日 07:42
Catalystのスクリプトを見てきました。
調査捕鯨の守護神の森下さん、頑張っていますね。カンガルーを持ち出すクロスカウンターで追求されたポイントから逃げる技がさえていました。
RESEARCHと書かれた船体に FAKEというのを並べられた写真、GPにもユーモアのセンスがあることを知りました。

smokescreenは煙幕ですが、「偽装」と訳す方が意味が合っていると思います。インチキというのは誤訳ですね。
depressing も「がっかりだ」とした方が近い。
Posted by beachmollusc at 2008年07月25日 08:52
長い
三行で
Posted by Zちゃんねらー at 2008年07月25日 19:09
>赤いハンカチさん
情報提供ありがとうございます。
いや、おもしろいですわ。というのも、91年の1本は、出版社はSpringarlinkですが発行元は日本の統計数理研究所で(その年報)、主筆の岸野氏はそこの人。算数のお手伝いで入ってもらったわけですな。で、これは初っ端の予備調査のデータに基づいた解析モデルの話なわけです。それがいちばんまともで、それ以降、それを越える論文が1つも出てないと・・・。
系群構造の調査はもうバイオプシーで十分ですし。もっとも鯨研側はこいつをJARPA2の増産の理由に使おうとしたようですが。耳垢や生殖器官とにらめっこして細部をいじくったって目新しい話は何も出てきようがないですから、科学誌に載せてもらえる論文なんて書けないわけです。どのみちRMPじゃ要らないし。IWCに何本も出してるったって、そんなノルマ仕事でこなしてる程度の代物を立派な科学論文だと言い張るんだったら、さっさと外部に公開すればいい。他の研究者の検証に耐えられないものだから、公開仕様に決まったらきっと提出論文はがくっと減るでしょう。
4本となると、私の評価のさらに1/5ですね(^^; 査読といっても、役員を送り込んでる国内の学会が発行元のとこなんかもありますし。私は中身をきっちり読んでませんし、研究者じゃありませんから鯨研さんに遠慮しましたが、専門家はもっとずーっと厳しい評価を下しているわけですね。
do-na-noサイト、ときどき心配になってのぞきますが・・。2chのスタイルがすっかり定着してしまった日本では特に、ネット上で開放型のまともなディベートが成立する余地は、残念ながらまったくないですね(--;; マナーを守るのは当然ながら、参加者とコメント数を同数にしてレフェリーを付けるくらいしないと建設的な議論にはなりませんわ。建設的な議論がしたい、見たいという方がどれだけいるかも少々、というか大いに疑問ですが・・。

>beachmolluscさん
ABCはわざわざ親切に森下氏を呼んであげてるわけですね。日本のマスコミはそもそも情報を流さない。鯨研のQAにも引用リンクさえない。ともかく、「都合の悪い情報」を遮断しようとヤッキになってるのはわかりますが・・。科学者としてもメディアとしても到底フェアとはいえませんね。国民に一方的な情報ばかりを流しておいて、「IWCの合意がどーたら」なんてどの口が言えるんだか・・。
粕谷氏なんかは潔すぎるタイプなものだから、そういうところが何より許せないんだろうと思います。
GPはこういうセンスをもっと磨かなきゃいけませんね(^^;

>Zちゃんねらーさん
調査捕鯨は科学のためっていっているけど、世界中の科学者に「まともな論文が出ていない。やっぱり商業捕鯨の隠れ蓑だ」って言われていて、有名な科学雑誌にも載せてもらえないんだよ。それで、日本は「うるさい、つべこべ言うな!」って開き直ってるんだよ。
3行に入ったかニャ
Posted by ネコ at 2008年07月26日 02:14
Catalystの動画を見ました。前のコメントはスクリプトを読んだだけでしたので、しゃべっている英語を聞いた印象とは少しずれています。

森下さんは東京で単独インタビューされた時のコメントを適当な箇所だけ取り出されていました。

extremely depressingのくだりは、クジラが(結果として無意味に)多数殺されたことに対する感傷的なコメントですね。「まったくひどいものだ」というのは適訳です。私は期待はずれだったというニュアンスかとスクリプトを見た時に感じましたが、それは誤りでした。

この番組についての私の全体的な印象は、いわゆるkangaroo courtに近い、かなり一方的で恣意的な攻撃に見えました。この番組にでていたセンセーたちは特に偏っている人たちには見えません。編集者が上手に誘導したな、という感じです。

ゲイ研の科学、学術的成果について評価するならば、公平を期するために、オージーではなく、カナダあたりのしっかりした水産研究者にやってもらう必要があります。学術研究の成果というものは、当初の目的に沿った仮説の確認作業だけのためにあるものではなく、意外な結果や、いろいろな波及効果があるような情報が出てくることに大きな意味が(あることも)あります。捕鯨だけでなく海産哺乳類一般あるいは動物関係全般に広く意味があるような成果があれば、それなりに評価してあげましょう。羊とクジラの配偶子による交配実験なんてものは想像もできない結果をもたらすのではないでしょうか。クジラの祖先についての論争にも関係がありそうですから、頭からダメを出すのは控えましょう。クジラのゲノムを解読するプロジェクトなどもすばらしいかもしれません。(肉のきれっぱしだけですむので調査捕鯨のメニューとしては無理かな)
Posted by beachmollusc at 2008年07月26日 12:43
赤いハンカチさんんおご紹介で
<"Whaling as Science"(「バイオサイエンス」誌 2003年)
http://www.disciara.net/downloads/Clapham_etal_2003.pdf
によれば「鯨資源管理に直接関係する国際査読論文」はたったの1本だそうです。
そしてその1本は下記のことだと思われます。
    ↓
[Kishino et al. 1991](岸野洋久、加藤秀弘、笠松不二男、藤瀬良弘)
http://www.springerlink.com/content/j714wg1221647807/

アブストラクトだけしか読んでいません(中身を読んでも得るものが期待できない)が、これが専門的な学術雑誌に掲載されたというのが不思議です。

これは20年前の予備調査での報告ですが、クジラの分布に空間的な偏りがあるので、生息数の推定が難しいよ、という報告です。そこで、数理統計の専門家と一緒に今後の調査をどうするベー、そして数学的手法を駆使してみようかナー、というシロモノですね。

野生動物の空間分布に偏りが激しく、限定的なサンプリングでは推定の誤差が大きくなって、データを集めてもモノが言えない、ということは生物調査をやったことがある研究者にとっては常識です。それを改めて指摘しても、当該分野の学術雑誌は掲載受理してくれませんから、数理関係の雑誌に逃げたのでしょうね。

つまり、資源量の変動を論じることが出来るほどのデータを集めるためには初期の調査規模ではダメだったと白状したものでしょう。大船団を組んで、海域を満遍なく調査するのはドダイ無理だから、小規模サンプリングを続けて、結果、予想通りモノが言えないままズルズルと続けて、さらに二期目でやっと調査規模を拡大させたということですね。解釈が間違っていたらごめんなさい。
Posted by beachmollusc at 2008年07月26日 16:30
>beachmolluscさん
おやおや。編集されてなおクロスカウンターを繰り出す森下氏はやっぱりなかなかのやり手ですな。。
まあマスコミなんてどこの国もそんなもんで、前にも触れましたが、日本は×で豪州は○(あるいはその逆)なんてわけもないですわな。
科学の中立・公平性はただの理想論かもしれませんが、本来であれば日本だろうと豪州だろうと加州だろうと、検証できないプロがいない方がおかしいわけで、どっぷり政治に漬かってしまった悲しい現実を象徴しているのかもしれません。
もっとも、私や他の皆さんの指摘はまさしく、調査捕鯨は「動物関係全般」に波及する意味のある成果が全然ないという一点に尽きるわけです。交配実験なんてのは、M・Sか、ネタが何もなくて業績評価(ペーパーの数)のためにやるだけの代物です。そんなものが科学者ならではの思いつきだと思います? こどもの発想でしょ。系統学が判断するのは形質と遺伝情報でこんなもの補足にさえなりませんよ、同属の近縁種間ならいざ知らず。ましてや、それを致死的研究の根拠にするのは言語道断です。粕谷氏のように毅然としてなおかつ謙虚な方は尊敬できますが、科学者というステータスのみで経緯を払うことは私はまったくしませんので。
ゲノムはストックが十二分にあるはずですからこれ以上は不要ですが(水族館にもいますし)、穀物や線虫、家畜ならともかく、野生動物でやるのはコストパフォーマンス的にも、割くべき研究リソースの観点からもどうかと思いますが・・。
何にせよ、国内で検証を買って出て、その結果を市民とマスコミに伝えられるプロの科学者があまりにも少ないのが最大の問題点といえるんじゃないですか。
例の論文は、主筆の岸野氏が発行元所属ですから、査読を通ったという言い方はできないでしょうね。ただの年報ですし。それでもイチバンなわけですが。。
Posted by ネコ at 2008年07月26日 17:47
実は"Whaling as Science"(「バイオサイエンス」誌 2003年)
http://www.disciara.net/downloads/Clapham_etal_2003.pdf
が出たのはそれなりの布石(理由)があったのであります。

まず事の起こりは2002年5月20日付のニューヨークタイムズ西部版に全面広告として
3人のノーベル賞受賞者を含む世界の著名な21人の科学者たち(非IWC科学委員会委員)が
(その中には「利己的な遺伝子」で有名なドーキンス博士もいらっしゃいます)
「調査捕鯨は信頼するに足る科学として最低限の基準を満たしていない」と批判した
公開質問状を掲載したことから事が始まります。

○日本は調査結果を外部の専門家が評価することを受け入れていない。
○科学的な調査として行われているにもかかわらず「信頼するに足る科学として最低限の基準」を満たしていない。
○日本の捕鯨計画が持つ商業的な性質は科学的独立性と相容れない。
○調査捕鯨のデータのほとんどは非致死調査で得る事ができる。
○切羽詰った科学的必要性が無いにも関わらず毎年何百頭ものクジラを殺す。



ところがその公開質問状に対して同年(2002年)、アロン氏、バーク氏、フリーマン氏ら三人が(←二名は捕鯨擁護派として良く聞く名前ですね)
(自然科学畑と言えるのはアロン氏一人だけで、あとの二人は法律屋さんと人類学か何か文系の人)
『BioScience』誌上において
「150を超える多数の学術論文が発表されているぞ!」として
その150のタイトルを鯨類研究所のウェブサイト上に公表したというわけです。



(そして当然のこととしてその反論に対してIWC科学委員会委員の20人の科学者たちが『BioScience』誌上において再反論を加えます)

(2003年)
"Whaling as Science"
http://www.disciara.net/downloads/Clapham_etal_2003.pdf
The Japanese program in the Antarctic
(JARPA) has similar problems.
JARPA has been conducted for 16 years
and has to date killed over 5900 minke
whales.Yet as was noted in last year’s SC
discussions, the value of JARPA’s work
to management is certainly not apparent
in its publication record, which is
remarkably poor for a scientific effort
on this scale. Aron and colleagues’pointing
to “over 150 articles”resulting
from JARPA is highly misleading:
The list to which they refer readers
(see www.whalesci.org/contribution) includes
only a single paper (Kishino et
al. 1991) that concerns IWC assessment
needs and that is published in an international
peer-reviewed journal; 19 similar
papers were published by IWC. The
remaining 137 “publications”consist of
cruise or progress reports (7), unpublished
IWC papers (58), SC meeting reports
(14), Japanese theses (6), conference
presentations (40, many of which
repeat the same unrefereed and irrelevant
results in multiple forums), and
peer-reviewed articles (12) on topics of
no value to management (e.g., “postthawing
viability of frozen spermatozoa
of male minke whales”. JARPA’s failure
to publish in international refereed
journals says much about the quality
and motives of its science.

(ミンクたまお氏訳)

日本が南極海で実施している捕獲調査(JARPA)……は16年間にもわたって調査を実施し、5,900頭を超えるミンククジラを捕殺している。
しかしながら、客年のIWC科学委員会での議論が示すように、JARPAが資源管理に有用であるのかは、その成果刊行物を見る限り、明らかとはいえない。

というのも、かような大規模の科学調査を実施したにしては、その結果は驚くほど価値が低いからである。

アロンらは、JARPAの結果「150を超える」論文が発行されるという成果があったと主張しているが、これは余りに事実を歪めた解釈である。

彼らが読者に示している論文リストのなかで、IWCでの資源管理に関連している国際査読論文は、僅か1本であるに過ぎないからである。

19の類似の論文はIWCが発行元であり、残りの137本の「刊行物」の内訳は、調査航海報告書或いは中間報告書(7本)、非刊行のIWC提出ペーパー(58本)、科学委員会での報告書(14本)、日本語論文(6本)、学会報告(しかもこの多くは非査読かつ不必要な同様の報告結果を複数の会合で重複発表しているに止まる)(40本)、及び査読論文ではあるのもも、資源管理には全く関係のないもの(「雄ミンククジラ凍結精子の解凍後における生存可能性」等)(12本)、というものである。

JARPAの調査結果が国際査読論文にほぼ全く掲載されなかったという事実は、JARPAが科学的公準からは程遠いものであり、調査の動機が科学的なものとは到底言えないという点を、物語るものである。
Posted by 赤いハンカチ at 2008年07月26日 19:47
beachmolluscさん

>限定的なサンプリングでは推定の誤差が大きくなって、データを集めてもモノが言えない、

(既出でしたらごめんなさい)
JARPATから得られた自然死亡率は精度が悪すぎて(信頼区間がマイナス値から10以上に渡る、広すぎる)使い物にならないことが判明したわけですが、実は
1990年の時点で「この程度のサンプル数だと自然死亡率を推定することは不可能である」と論文に書いていた人がおられます。

           ↓

特別捕獲による主要研究対象である南極海ミンククジラの自然死亡率は「実際上、推定不可能であることは、南極海調査捕鯨が開始されてから間もなく指摘されていた。シミュレーション分析から……(自然死亡率)の信頼区間は正負どちらの値もとり得る、つまり不老不死(!)のクジラもあり得るほど広がってしまう、という結果が報告されたのである。これは反捕鯨国の科学者が発表したものであるが、捕鯨推進国の日本が皮肉にもその分析を裏付ける結果となった」との指摘が石井敦東北大准教授よりなされている。石井敦「調査捕鯨における『科学』の欠如は漁業資源交渉に悪影響を及ぼしかねない」『科学』第78巻7号(2008年7月)、704〜705頁。なお、上記の旨が指摘されている報告は以下のものである。
W. K. de la Mare: in International Whaling Commission, "Report of International Whaling Commission," Vol. 40 (1990), pp. 489-492.
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E6%8D%95%E9%AF%A8%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A

実際の科学的水産統計調査に関するオーソリティによると、「年齢別死亡率」が統計的に
有意な水準で出せるためには、現在の日本の調査捕鯨の何十倍、何百倍という規模の
データ数が必要なんだそうです
(Nature 1990年6月28日Vol.345p.771,DeLaMare)。
http://news24.2ch.net/test/read.cgi/news5plus/1213179510/42
Posted by 赤いハンカチ at 2008年07月26日 20:39
赤いハンカチさん、

http://www.disciara.net/downloads/Clapham_etal_2003.pdf
著者一同の中に粕谷さんの名前がありますね。

念のためにBIOSCIECEサイトにて検索したら、編集者のコメントeditorialがありました。

Researchers are right to speak out if they believe commercial activities are being misrepresented as science. They should recognize, however, that they are venturing into alien territory and consequently take extraordinary care to acknowledge differences of opinion on science as well as on policy. Otherwise the emotional side effects of their pronouncements on colleagues may trigger counterattacks from unexpected quarters. The resulting passion may diminish science's influence rather than enhance it.

サイエンスとポリシーに関する感情的な意見の対立の連鎖が起こることで、サイエンスの影響力が損なわれる(=社会的信用を失う)恐れがあるので、このような世界に踏み込むことには極めて慎重にしてほしい、という警告です。私も同感ですが、水産庁とゲイ研のあり方が国際的に研究者にとって目に余るというわけですね。
Posted by beachmollusc at 2008年07月26日 20:53
>赤いハンカチさん、beachmolluscさん
自然死亡率の推定誤差については始まる以前から指摘されていて、NMPを経てRMPで「届かない虚しい夢を無駄な調査捕鯨で追っかけなくてもすむ管理方式を用意してあげるよ」って話になったんでしたね。本来ならこの時点で調査捕鯨を続ける科学的根拠はゼロになったはずなんですが・・。
NYタイムズに載ったのは風の便りに聞きましたが、あっちより毎年IWCの季節が来るたびに日本の新聞に載せたほうが効果的ですね。水産庁が政府広報で対抗しようとするでしょうが、国民の目から隠すよりマシでしょう。カネの問題もあるけど・・。
JARPAレビューの件については鯨研通信と別所に最近掲載されたので、これについても取り上げたいと思います。
何十倍、何百倍の調査捕鯨は、本気で考えるヒトもいるので少々怖い話・・・
Posted by ネコ at 2008年07月27日 00:25
科学的には捕鯨は再開可能 - WEB講義 - 環境goo
http://eco.goo.ne.jp/business/csr/lesson/nov01-2.html
科学的には捕鯨は再開可能
資源的に健全なミンククジラなどを捕鯨しても科学的には十分対応できる

IWC科学委員会が算出した生息数
生息数 95%信頼区間
ミンククジラ
南半球全域(60度以南) 761,000 510,000〜1,140,000
(以下略)
加藤秀弘(独立行政法人水産総合研究センター
遠洋水産研究所鯨類生態研究室室長)さんのオンライン・れくちゅあですが、いろいろ気になっています。

クジラ資源の利用を里山にこじつけて、管理せんといかんとしているのは無理があるようです。

IWCの科学委員会が公表している?クロミンク
の資源量(推定個体数)について、この人は信頼区間つきで採用していますが、ミンククジラという名称でよろしいのでしょうか。

海洋区分で南緯60度以南の海域面積が2000万平方キロということで、その夏場の結氷していない面積割合が不明ですが、半分としても、均等に分散していれば半径数キロにクロミンク1頭はいることになるように思われます。そうであれば、群れの平均的な大きさがわからないのですが、密集していなければ、調査捕鯨の目視観察だけで個体数が推定できるような密度かもしれないな、と素人は想像します。

素朴な疑問が一つあって、クジラたちは調査捕鯨船の脅威を認知できているのでしょうか。つまり、船の出す音響と殺されて悲鳴を上げている仲間の情報をキャッチして、このような音が聞こえる海域から逃避する行動に出るかどうかです。もし捕殺行為が逃避行動を誘発しているのであれば、資源量(個体数)の推定に大きな影響をおよぼすはずです。殺さないで、走りまわって目視調査する方が確かな方法のように思われます。さらに、航空機あるいは衛星で上空から見る方法で種の認識が可能であれば、それがベストでしょうね。資源量の推定で「科学的」に資源管理するという思想は(捕鯨の観点からは)正しいと思いますが、殺戮調査がその目的に対して適切な方法とはとても思えないのに、それに固執している調査関係者の「科学的」な思考回路はどうなっているのでしょうか。
Posted by beachmollusc at 2008年07月27日 06:04
>beachmolluscさん
これもなあ・・加藤氏ももうすっかり固まって大隅氏と同レベルですねぇ。
98年とか2000年にはもうクロミンク(ミナミミンク)は別種として同定されてるはずなんですが、それ以降も水産庁の資料は"便宜的に"とか注釈つけてミンクでごった煮にすることが多いです。
里山なんて、陸上の野生動物保護と里山保全の問題に取り組んでいる研究者が聞いたら激怒するでしょう。南極海はコアでバッファーではありませんね。少なくとも、正しい「里海の持続的利用」ができるようになって初めて言う資格のあることですよね。
ミンクについては社会構造がそもそもまったく研究されていないので不明ですが、群れでいることが多いです。夏期(南半球の)の南極へ索餌のために行くわけなので、氷縁のオキアミの集中している部分に集まるわけです。あと、いちばん厄介なのは「相手も移動する」ことですね。こっちも何百隻も用意していっぺんにやれば違うでしょうが、さすがにそれは(^^; それと、鯨研のレビューにもありますが、個体群の判別。2系統が考えられていますが、混交の程度が不明。ドワーフミンクという亜種(種に昇格の可能性あり)もいますし。また、性状態や年齢で分布が大きく異なる傾向もあったりします。JARPAレビューについては改めて記事にする予定ですが。
船の存在や捕鯨活動と行動特性の変化が推定に影響を及ぼすことは考えられてはいます。逆のケースなのですが、イルカの場合は船に近寄りますし(省エネ泳法で)。イシイルカやスジイルカの突き取り漁法はその習性を利用していたわけですが。でも、鯨研/JARPAでは無視ですね。海況で発見率が変わるとかそういうことばっか気にかけていて、社会行動学的見地はゼロです。
実は、捕獲調査そのもののせいで目視の精度が落ちていることは鯨研自身が報告の中で述べているんですよ。わざわざ無駄な労力と時間を割いて科学的精度を落としている。それでも、「最初に調査捕鯨ありき」なので矛盾を感じてないみたいです。
Posted by ネコ at 2008年07月28日 00:36
クロミンクをあくまでもミンククジラと呼ぶのは水産庁の政策でしょうね。たとえ別種ではないとしても別々の海域で独自に繁殖しているものですが、南氷洋でミンクが増えている、北太平洋では日本人が食べるはずのサンマをミンクが食っている、つまり害獣が増えているので困るのだ、それ駆除だ駆除だという面白い三段論法を維持しないといけませんからね。
Posted by beachmollusc at 2008年07月28日 08:26
>beachmolluscさん
まったくおっしゃるとおりだと思います。たぶん、「なんで別種にしやがったんだ、ったく・・」と苦虫を噛み潰してるヒトもいるでしょうね。。
Posted by ネコ at 2008年07月29日 02:29
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