■引退の捕鯨船「第25利丸」 下関漁港で無料公開 港の資料展示室 クジラの骨なども 8月31日まで (7/19,西日本新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080719-00000007-nnp-l35 (リンク切れ)
■平成15年度事務事業評価シート・くじら文化発信事業|下関市
http://www.city.shimonoseki.yamaguchi.jp/seisaku/kikaku/fukufuku/h15pdf/0328.pdf (リンク切れ)
記事にもあるとおり、第25利丸は大洋漁業所属の捕鯨船として60年代から南極海や北太平洋で操業し、その後は調査捕鯨に参加する形で2002年まで捕鯨を続けてきました。引退後は大洋と縁の深い下関市に寄贈され、一般公開に付されています。まあ、歴史を学ぶ資料として有効活用するのは結構なことだと思います。下関には元捕鯨大手大洋の本社ビルもあり、こちらは取り壊すことになったようですが。
下関市の担当者は「郷土のクジラ文化を体験してほしい」と言っています。が、記事を読めば、海外の資本と技術を導入して明治維新後に開始された日本の近代捕鯨産業は、位置付けや性格としては炭鉱業にきわめて近いものだったことがわかるでしょう。
下関市では2005年、国内ではモラトリアム後2回目となるIWC(国際捕鯨委員会)総会が開かれ、昨年は伝統捕鯨サミットを開催(今年は太地)。捕鯨議連のメンバーである安倍元首相のお膝元である山口県では、先日も長崎県に続いて全県議による「食文化を守る議連」が発足しています。市長は今年IWCに参加するためわざわざサンチアゴまで出張していますが、その間に教育長の問題発言も飛び出しています。
その下関市では、H15年度の政策評価をHP上で公開しています。それによると、H15年までの3年間に1億4千万円、その後今年までの5年間に1億2千万円が支出されることになっています。そのうち市の「クジラ食文化を守る会」への補助金が年40〜60万円。成果指標として経済波及効果(資材調達+関係者の消費額)となっていますが、要するに鯨食イベントでどれだけ関連業者にカネ撒いて、消費者に買ってもらえたかってことですね。H13、14年度の実績はいずれも目標を下回っていますが・・。で、ABCの基準がさっぱりわかりませんが、事業評価は妥当性がA、有効性と効率性がB。下関在住のみなさんは、市税の使い道として一応把握しておいたほうがよろしいでしょう。当事業は「現状のまま継続」となっています。
捕鯨船の公開は別に結構なのですが、問題は食文化普及啓発をうたった各種の鯨食イベント。つまり、下関市で鯨肉消費量が他の自治体に比べて多いのは、行政が税金をつぎ込んで(少なくても年5百万円近く、多いときでは年8千万円以上)せっせとPRをしている所為だったわけです。自然な消費とはまったくいえないんですね。
鯨肉消費が減ったのは捕鯨が禁止されて供給が減った所為だというのが捕鯨擁護派の言い分ですが、国内で在庫が膨れ上がっている状況の中、このように政府・自治体主導で無理やり需要を生み出しているのが真相なのです。
◇その他
ブログ意見集に掲載されました。よかったらGoodで投票してニャ〜(^^; みなさんも是非「調査捕鯨と捕鯨禁止運動」に関するブログに投稿してください。今のところ数、順位ともクジラの味方がやや劣勢なので・・
beachmolluscさん、情報提供ありがとうございましたm(_ _)m
http://www.blog-headline.jp/themes/0006/000058/ (リンク切れ)
長崎ペンギン水族館がブログを持っていたので、昨日の記事のTBを送ったのですが、はねられてしまいました。。まあ、プロバイダを限定しているだけみたいですが。
この文書を作成した担当者、出世できないでしょう。展示用の古い捕鯨船を見に来た人の過去の実績数字が記入されていないで見込みが報道関係者というのは、誰も見に来てくれないからマスコミを招いてPRしてもらうつもりだったのか。そのために、PRの謝礼として、クジラ肉の極上を手土産にする予算も組んでいたのでは?それより、誰もチェックするはずがない数字なので、適当に1万人とでも書いて置けばよかったでしょうに。それが出来る役人は必ず出世するでしょう。
下関市の市役所から改めて辿ってみましたが、やはりH15が最新ですね。霞ヶ関なら2、3年前の情報でも仕方ないとは思いますが・・。
最近はどこの自治体も「業績評価」を謳うようになりましたが、残念ながら大体このレベルでしょうね。
報道関係の数字を出してるのは、捕鯨業界からの刷り込みですね。市民そっちのけですニャ〜。
3500-13-12-2-1さんの記事を全部見てきました。
ルイセンコが出てくるなんて、懐かしい話がありました。クジラ害獣論を滅多切りでしたが、その裏をとるためにゲーケンサイトへ行って、北太平洋でクジラがサンマを食害しているという報告をめっけ。
http://www.icrwhale.org/img/03-A-b-11-6.jpg
この図で:漁業とのミンククジラの関係として、
<魚をめぐって、ミンククジラと人間との間に競合関係のあることが示唆されています。>というのを見て口が開いたまま閉じません。想像力がとても豊かな著者ですね。すばらしいスタッフをゲーケンが抱えていることがわかりました。
Adarchismさんのサイトは大変勉強になります。
リンクの図はJARPNの報告のやつですね。それにしても・・これだけですべてが説明できるとばかり自信たっぷりに載っけてしまえるゲーケンの神経はある意味アッパレですニャ〜。。食害論の否定はあちこちでしてくれてますが、GP含めみなさんオーバーなほど丁寧に解説してるのに・・
サンマも他の魚もニンゲンのためにのみ存在しているという、研究機関というより原理主義的カルト集団といったほうが合っているかもしれません。。