2008年06月29日

IWC総会閉幕──メディア・ランキング

 HPを更新しました。

■捕鯨報道マスメディアランキング その2・IWC2008サンチアゴ総会関連報道
http://www.kkneko.com/media.htm#2

 ここではいくつかの記事で、各紙に対してほぼ共通するコメントを残しておきたいと思います。
 まず27日、デンマークが要求したグリーンランド先住民捕鯨のザトウ捕獲枠10頭追加が否決された件について。各紙とも暗雲」「冷や水」「禍根などの表現を用い、「作業部会形式移行後も捕鯨推進・反対派の対立が根強く残っている」「今後の動向が懸念される」という、日本政府関係者の発言をそのままなぞる形で報道しています。しかし、この件は、5年おきに更新される先住民捕鯨捕獲枠として昨年度の総会で採択済みの提案を、デンマーク側が再度持ち出したもの。IFAWが現地のスーパーで鯨肉が売られていることを報告したように、消費形態が変化する中で枠を増やすことは、そもそも持続的・伝統的な利用の定義に反します。しかし、NGOの指摘を伝えたのは、日本国内ではAFPのみ。否定された"デントウ"性のレベルが日本の沿岸捕鯨と近いため、こういう解説をプレス向けに用意したのでしょう。
 同27日のシーシェパード非難決議見送りは、単にロンドン中間会合で「もう済んだ」というだけの話です。
 28日最終日の閉幕の記事、NHKを始め各メディアとも「"念願の"沿岸小型捕鯨再開に向けスタート」という表現をしています。しかし、まるで小型沿岸捕鯨再開こそが日本政府の最優先目標であるかのような書き方は、明らかに誤りです。従来の政府の姿勢を見ても、増産による沿岸事業者圧迫の事実を見ても、日本にとっての優先順位が調査名目の大型・遠洋・母船式捕鯨>沿岸捕鯨であることは火を見るより明らかです。報道関係者もきっちりウォッチしていればわからないはずはないのですが・・。NHKのラジオでは、記者が正直かつ得意げに"解説"していたとの情報も。まあ、実際にはこれも、代表団のコメントをそのまま記事にしただけにすぎないでしょうが。
 これから先、作業部会での議論は、来年の総会で結論が明らかになるまで密室で行われ、市民の目からは隠されてしまうことになります。日本政府部内でも"押せ押せどんどん"の超強硬派ばかりではなくなったはずですが、「主導権を握れ」「主張が通らなければ脱退しろ」と息巻く人もまだいる以上、予断は許しません。
 正直筆者は、NPTや6ヶ国協議における北朝鮮の役回りを、日本が地でいくのではないかという懸念を隠せません。日本政府が、この先最終合意にこぎつける段になって、沿岸小型捕鯨再開を、パッケージ化した複数懸案の中での捨て札にするつもりでいることは疑いないでしょう。南極での調査捕鯨という手札を残すための。北朝鮮が金融制裁やテロ国家指定を解除させるために、ミサイル発射や核開発という挑発行為に出たのと同じ、オトリの取引材料にすぎないのでは──。

 来年、そういう事態になることを避けるためにも、代表団の言葉を鵜呑みにして小型沿岸捕鯨再開を最大テーマに掲げたマスコミは、杜撰な調査捕鯨の実態を追及するという、ジャーナリズムの本来果たすべき仕事をきちっとやってのけて欲しいものです。NGOのやり方を批判する前に。日本のマスコミは、NGOに無謀な真似をさせなければ真実を暴けないほど、頼りなく、情けないといわれないように。
posted by カメクジラネコ at 02:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会科学系
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/16463863
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック