■“海のピエロ”水中を飛ぶ!|ダーウィンが来た! (5/11,NHK)
http://www.nhk.or.jp/darwin/program/program101.html
パフィンではなくニシツノメドリという正式な和名を使うべきですね。きちんとした科学啓蒙番組なら、語感で決めないでほしいもの・・。
餌のイカナゴが減っているというので、クジラの所為にでもされるのか(アイスランドだし・・)と一瞬ひやっとしましたが、やはり温暖化の影響抜きには考えられません。大西洋のまん中で、平均海水温1度の上昇はとてつもなく大きい値です。いくらアイスランド政府がCO2排出ゼロを目指して努力しても、世界が変わらなければ、ニシツノメドリたち野生動物を守ることはできません。口先だけの日本と違うアイスランドが、本気で米国などの大量排出国に発破をかけるなら、ぜひ応援したいところ。だからといって、日本に鯨肉を輸出することだけは考えないでいただきたいですが・・・
餌不足で捕食シーンが捕れなかった(というより、予算不足で粘れなかったのでわ・・)とのことで、やはりアイスランドから持ってきたという上野のニシツノメドリを使って撮影。それにしてもヘッタクソだニャ(--;; 園内で繁殖させた子で、捕り方を親に教わらなかったからでしょう。現在上野にいる子は葛西からもってきた模様。
ちなみに、羽毛用の雛を獲るのに使われていた珍しい犬種パフィンドッグは同じ捕鯨国ノルウェー産。今では殺させるのはやめたそうですが。
■動物奇想天外! (TBS)
http://www.tbs.co.jp/doubutsu/
筆者としては、クジラたちの頼もしい味方として魚クンを今後も応援したいと思います。ダンゴウオやクチバシカジカのような、マイナーにしてなおかつこどもたちの注意を惹きつけるユーモラスな形態と生態を持つ(非食用の!)魚たちにスポットを当てて、グルメ番組化を防いでもらいたいところ。今回は研究友達の"魚おじさん"も登場? 水産研究者がみんな"魚くん化"したら、日本の海の未来は多少明るいかもしれませんね・・。彼を見てお魚博士を目指す子もいるでしょう。水産学の未来にとっても、魚クンの貢献度は鯨研所属の"給食係"の比ではありません。
番組中では東京湾の簾立てという漁法も紹介。干満の差と魚の習性を利用して自分から入ってもらう仕掛け。由緒正しい日本の漁業文化であり、きわめてサステイナブル。しかし、いまでは観光用(旅館の客に"手づかみ大会"をやらせる・・)にしか使われていない模様。簾立ては東京湾のみとのことですが、沖縄の島嶼の石垣を使ったものなど、同じ原理を用いた漁法は各地で見られます(/見られました)。水産庁は、捕鯨なんぞよりはるかに環境にやさしい日本の伝統漁業を守るために、まずやるべきことがあるのでは?
もう一つのトピックはゴリラの続き。内戦と飢餓がゴリラを始めアフリカの野生動物たちを追い詰めるのです。たとえ食糧不足に苦しんでいても、絶滅に瀕した野生動物の密猟を許すわけにはいきません。NPOによるオルタナティブも一応提示されていましたが、人口や森林減少など環境変化を考慮すれば、食習慣を変えていくことも不可避の課題です。飢餓とは縁遠い飽食国家ニッポンが、グルメのために南極の野生動物まで屠っていては、彼らに対して示しがつかきません。このままでは世界の恥です。
■絶景アジア紀行 (TBS)
http://www.tbs.co.jp/program/asian_travelogue.html
年間5万人が毒蛇に噛まれて命を落とそうと、目の前で焼きたてのチャパティをサルに全部かっさらわれようと、インドの人たちの頭に"駆除"などという言葉は思い浮かびません。日本とはエライ違いようですね・・。
ガネーシャ、ナーガ、ハヌマーン、ナンディなどなど、インドでは動物がニンゲンより高位の存在として神格化されています。獣頭人身のそうした神々は、振り返れば世界の至る所で見られたのです。ネコやイヌ、カバ、ライオンからフンコロガシまで崇めた、古代エジプトもまた然り。アメリカ先住民やアイヌなどにみられる、一族を守護するトーテムとしての野生動物も。かつてのヤマトの八百万の神々も。
ニンゲンは、宗教や文化というものを独立した排他的なものと捉えがちですが、どれもニンゲンが頭の中で捏ね上げ、産み出したものには違いありません。独自に発生したにしろ、岐れたにしろ、細かい相違を超えた、底辺を流れる大きな類似性・普遍性があったとしても、何の不思議もないでしょう。
民族によらず、自然と調和できた地域社会に共通する、他の動物を神として捉えるこの傾向は、自然に対して抱く畏敬・尊崇の念の証といえます。そしてそれは、現地を訪れたナビゲーターが体験したように、雄大な自然を前にしたときに感じる「自分たちニンゲンはなんてちっぽけな存在なんだろう」という謙虚な気持ちから湧き起こってきたに違いありません。
生身のニンゲンが放り込まれれば、あっという間に死ぬしかない、荒々しい南極の海の自然を前にしながら、捕鯨業者はついにインド人のように達観することはありませんでした。まあ、自然も命も資源としかみることのできない企業・国家と、その部品にすぎない従業員に、そんな崇高な悟りの境地に達することを求めるのが、そもそも無理というものでしょうが・・。
ちなみに、インドの菜食主義について番組中で紹介されていましたが、翻訳の不手際か、少々誤解を招く解説もあったようです。根菜まで食べないというかな〜りハイレベルなベジについてですが、あれは別に「ミミズを殺さないため」ではありません。ミミズなんてまた土に戻してやりゃ平気なんだから(--; 「葉や実などは植物の一部なので、収穫しても本体を殺すことにはならないけど、根っこごと引き抜いてしまうと植物自身がもう死んでしまうからダメ」という"理論"なのです。まあ感性の問題で、生物学的根拠はあんましないんですけどね。。筆者はそこまでできないニャ...
インドは抱える人口と増加率を考えると、中国とともに今後ますます地球に重い負荷をかける国となりそうな気配。しかし、この哲学さえ変わらなければ、今の先進国に比べずいぶんマシなのではないかという気もします。国民的に数学に長け、IT技術者を世界に輩出し、商売上手。何より日本人と違うのは、国の将来へのビジョンを持っているところ。その彼らが、道路で車よりウシの通行を優先する限り、"殺しを減らすこと"こそ"人の道"と考え続ける限り、日本や欧米と同じ過ちは繰り返さないでしょう。逆に、彼らが"人口が一桁多い日本"化することを考えると、あまりに空恐ろしくて震えが走ります。もっとも、中国はすでにそうなりかかっていますが・・・
殺さない動物を数え挙げるときりがないベジ大国インド。過去の反省もあり、野生動物保護に熱心で、もとが牧畜民でありながらベジ人口が増えつつある西洋諸国。そして、本来は豊かな菜食の伝統を持っていたにもかかわらず、不殺生の文化をあっさり捨て去り、危機に立つ国内の野生動物を駆除し続け、ヒトに最も近しいイヌやネコたちも税金で大量に殺処分し、飽食の限りを尽くしながらグルメのために地球の裏側の南極の野生動物まで世界の反対を押し切って殺し続けようとする"動物殺し大国"ニッポン──。内外の不殺の文化には目もくれず、形骸化した殺すブンカを絶対神聖な侵さざるべきものと崇拝し、「殺しを減らすことは罷りならん!」と、世界に向かって恥も外聞もなく息巻き続ける限り、この国が生命を尊重する国として世界から敬意を払われることはないでしょう。