2008年04月13日

自由の順位付け

■ビラ配りは犯罪?最高裁判決は|NEWS23 (4/11,TBS)
http://unkar.org/r/livetbs/1207923998
 

 自衛隊イラク派遣反対ビラに対する住居侵入罪適用の是非をめぐって最高裁が上告を棄却した件。
 はっきり言えば、多くのマスコミがあたかも正論であるかのように指摘する住民の"防犯意識の高まり"は、この事件とは何の関係もありません。防犯意識の高まりを数字として把握するためには、"同種の事犯"に対する住民の苦情と検挙の件数の年次推移が明らかにされなければなりません。一体"この件"以外で検挙されたニンゲンがいたでしょうか? 何人? どういうチラシで?
 わが家も含め、全国どこの家庭でも、毎日のように見る気にもならない広告が大量に郵便受けに投函され続けています。「青少年に悪影響を与えるビラお断り!」のステッカーをいくら貼っつけようが、業者はお構いなくピンクチラシを放り込んでいきます。キャッチセールスや宗教の勧誘で不法に住居内に侵入し、最高裁が「優先すべき」と判断を示したはずの住民の権利を脅かす輩は、一向に後を絶ちません。ンなもん誰も見たかないし、第一紙資源の無駄。みんないちいち訴える手間をかけたくないだけ。見たくもないものを見せられるという意味では、丸めて捨てれば(あるいはリサイクルすれば)済むチラシより、TVCMのほうがはるかに有害でしょう。
 もし、検挙数が年を追う毎にうなぎ登り、ということであったなら、世間のセキュリティに対する感覚が変わった結果とみなすことも可能でしょう。どのDM業者も同じように取り締まっているのなら、自衛隊員だけでなく庶民がガンガン訟え、逮捕者が続出しているのなら、最初の検挙でチラシの内容が「派遣反対」を訴えるものだったのはたまたまで、"狙い撃ち"したわけではなく、よっぽど運が悪かったのだと諦める気にならなくもありません。
 誰もがわかるとおり、そうじゃありませんね。これは"見せしめ"表現の自由、言論の自由を萎縮させるための75日の拘留がその何よりの証拠。エロビデオ業者は見逃しても、反戦NPOは拘置所にぶち込むというのは、憲法の下で許されない思想・信条に基づく差別に他なりません。
 軽犯罪法や道交法といった警察側の恣意的判断で"挙げやすい"ものでとりあえずしょっぴいておく──というのは、民主化度の低い国で思想犯・政治犯を確保するための常套手段。過去の日本でもそうでした。表向き民主主義国家の皮を被ってはいても、体質は結局何も変わっていないということですかね・・。何より始末が悪いのは、司法がそれになびいてしまっていること「著しい不公正が生じる」とした一審の判断は常識に沿ったものだったのに。上に行くほど庶民の感覚とズレていくのもパターンですが・・。最高裁判事、次の選挙でも×を入れるしかないですニャ〜。。
 自分の〒ポストに物を入れられない権利」「アパートの敷地に一歩も踏み込まれない権利が、個人の尊厳と最も深く関わる崇高な権利であるところの「表現の自由」より、明らかに優先順位が上に来るほど尊い権利であるのなら、今後徹底した厳格公正な取締りが追及されていくのが正しい道ということになるでしょうね。反戦ビラだけが引っかかるような、目のムチャクチャ粗いザルではお話になりません。でもって、社会科の教科書でも"表現の自由"ではなく、"敷地に入られない自由""〒ポストを守る自由"デカデカと太字表記で書かれ、入試問題の暗記必須事項になる……のでしょうか???

1.庶民であれば気にしない、自衛隊員が〒ポストを死守する権利。
2.エロビデオを作ってエロチラシを各戸に配る権利。
3.戦争反対を訴える権利。

 日本という国では、こういう順番になっている模様。
 それ、やっぱり世界に対して恥ずかしくない?

 
 実は筆者はいま、雑誌の宅配のバイトをしております。この裁判の結果は決して無関係ではありません。捕鯨推進という国策に反する意見を持っているというだけで、大変なリスクを背負うことになってしまいました。。戦々兢々ですよ(--;;
posted by カメクジラネコ at 01:38| Comment(0) | TrackBack(0) | クジラ以外
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