2008年04月02日

捕鯨政策の裏側/残飯があふれる食ブンカの国

■捕鯨ナショナリズム煽る農水省の罪(4/7,AERA)
http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=9252
http://ci.nii.ac.jp/naid/40015929275
 

 3Pの紙面でコンパクトに要点をまとめた大変優れた記事。
 筆者としては、捕鯨の国策化を推進した立役者だった小松正之氏に同情する気にはまったくなれませんが・・。調査捕鯨の捕獲枠や対象鯨種の拡大は、関係者にとって"輝かしい功績"だったといえるのでしょうが、沿岸捕鯨の不正、密輸・密漁の根絶のために彼が立ち向かったなどとはお世辞にも言えません。C・W・ニコル氏がBC級どまりでも、小松氏は捕鯨推進のA級戦犯との謗りを免れないはず。
 ともあれ、外部から見れば、数々の著作を著し、未だ推進派から信奉されている小松氏と水産庁との間の"罪のなすり合い"は、一つの見ものではありますね・・。せいぜい派手にやっててくださいな。捕鯨行政の内実がグッチャグチャなところが、国内外の人たちによぉ〜くわかるように、ね。。
 小松氏の後を引き継いだ現交渉官の森下丈二氏曰く、「白か黒かでなく中間点を探っている」とのことですが、「どこまで黒に近いグレーに持っていけるか」というのが本音でしょう。アフリカ諸国をターゲットに精力的に展開中の、援助をエサにした"票買い"勧誘は、まさにその証といえます。鯨食ラボ設立の経緯も然り。
 「伝統文化」「独自外交」の大義名分は、鯨肉在庫の超過と消費低迷の現実から目を逸らす大義名分にすぎません。あとは、キャパシティを最大化した状態で新造母船の建造にこぎつけ、既成事実化してがむしゃらに突き進もうという腹づもりなのでしょう。しかし、はたして薄っぺらな看板だけで、目論見どおり在庫を払底して消費を伸ばすことができるでしょうか?
 鯨食ラボの販売サイトが、なぜか"閉店大売出し"をやってたのが少々気になるところ。統計の数字を作るために無理やり抱え込んで、バーゲンで何とか消化しようというつもりなんですかね? これじゃ、民間の通販業者に返って迷惑かけるんじゃないかしら?
 今や鯨肉販売はネット通販が主流になっていそうな気配ですが、1月の水産物流通統計の数字を見る限りでは、需要が拡大する傾向は依然として見られません。筆者は正直、シーシェパードの逆宣伝のせいで急増してやしないかと冷や冷やしたのですが・・。ネット右翼が威勢のいいのは口先ばっかりで、金を払って台所ピンチの捕鯨ニッポンを支える気まではなさそうですね。とりあえず、まもなく農水省で掲載される2月(年間の最低水準になるはずの)の在庫の数値を注視しましょう。
 筆者の希望は、森下氏と逆に、「限りなく白に近いグレー」の形で平和裏に決着してくれることです。 

 今号のAERAを買われた方には、「残飯ミシュラン」覆面調査も併読することをお勧めします。とりわけ鯨肉グルメにはまっていたり、食糧危機論を唱えている御仁に・・。
 農水省の統計による年間の食品廃棄物1千万トンという数字は、家庭などから排出される分の推計値を合わせてある環境省のそれの半分ですが、いずれにしろ鯨肉の生産量など雀の涙、というよりオキアミの涙にもなりません。鯨肉が食糧危機を救う!? バカ言っちゃいけませんな。栄養失調で毎年数百万人もの児童が途上国で餓死しているこのご時世に、世界で一番モッタイナイことを平気でやっている日本人が、一体どの面下げてそんなことが言えるでしょう。
 もう一点、リサイクル率59%と言っていますが、そもそもこれはリサイクルなんかじゃありません。迂回生産と一緒。食べ終わった残りや、生産の段階で除去される"不可食部分"を活用しているのとは訳が違います。食べずに捨てているのです。命を無駄にしているのです。生きていくのに必要がないものまで、最初から殺しさえしなければ済む話なのです。
 まずやるべきことはリサイクルじゃありません。こんなふうに無駄に命を奪うことをやめること。たとえゼロにすることが不可能でも、今日より明日、明日よりは明後日、減らしていくことはできるはず。それが"ニンゲンの証"なのではありませんか!?

参考リンク:
■十能が火掻き棒を嘲る(3500-13-12-2-1)
http://3500131221.blog120.fc2.com/blog-entry-58.html

posted by カメクジラネコ at 01:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会科学系
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