2010年02月12日

捕鯨サークルの御用新聞・産経奮闘記

◇ブログご紹介

■日本は南極海で約1200頭のクジラを獲る?:海外報道で見つけた数字の独り歩き (2/11,ドイツ語好きの化学者のメモ)
http://blogs.yahoo.co.jp/marburg_aromatics_chem/62862632.html

 『ザ・コーブ』上映時の日本のイルカの年間捕獲数(太地と日本全体)なども同様のケースでしたね。一般の視聴者・読者は化学者さんのように裏を取ったりしないので、マスコミの発信したこうした数字は独り歩きしがちなもの。この1200というひとつの数字をめぐっても、実数(何年の)なのか、計画数(平均か最大か)なのか、クロミンクのみか、さらに北西太平洋及びその沿岸調査を含むのか、ブラフにすぎないザトウを含むのか……という具合で、一筋縄には判断がつきません。このケースは単純な事実誤認で、理由も見当がつきますし、はなはだしい誤解を招くとまではいえませんが。
 出所はどこか、いつの時点の数字か、理論値か実測値か、どのように計算されたのか、信頼区間はetc.etcと、ひとつの数字であってもさまざまな解釈が可能なのが私たちの社会です。門外漢の一般市民が扱いきれない数字に意味を持たせるのが、専門家の仕事ではありますけど・・。とはいえ、プロの手で扱われる数字であっても、新たな発見や学説の登場により、常に塗り替えられる運命にあります。さらに、科学者・研究機関といった権威でさえミスを侵し、時にはもつきます。
 数字が政治性を帯びることを象徴するものとしては、紛争や災害、あるいは沖縄の集団自決や南京大虐殺による犠牲者数などがその典型といえるでしょうが、環境問題もまた例外ではありません。野生動物の個体数や環境・生物組織中の有害物質の濃度からIPCCの発表する地球の平均気温の上昇値まで、専門の科学者を含め、数字を「こう見せたい」という勢力間のせめぎ合いが必ず起きるわけです。
 市民ブロガーの皆さんに対しては釈迦に説法ではありますが、マスコミの発信する情報、そこで示された数字には常に注意深くありたいものです。
 もっとも、「捕鯨ニッポン性善説」「食害&間引き論」「エコ捕鯨」「オージーはイルカ食い」といった捕鯨サークル周辺(産経含む)発情報の場合は、恣意的な情報操作が非常に強く疑われますが。森下参事官は火消しの“ふり”をしているだけだもんね。。

■Critical Blow to Japan Govt from UNHRC? (2/9,flagburner's blog(仮))
http://blog.goo.ne.jp/flagburner/e/f4b0af47d57840d22a9e7557eb03f670

 ネトウヨから政府機関まで、ブンカから国際条約・法律の運用まで、世界にはまったく通用しない「自分ルール」が流行っている模様。末期的症状を呈しはじめた捕鯨ニッポン・・・
 せめて閣僚や上級官僚、大手メディアはSSCSを見て「他山の石」としてもらいたいものです。

 

◇捕鯨関連ニュースクリッピング

■日本、調査捕鯨縮小をIWCで提案準備 関係筋 (2/11,AFP)
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2693669/5298686

 この件については2/6の拙記事をご参照。「新しい提案をするんだぁ!」と得意げにぶち上げた赤松農相の不勉強ぶりに対し、見て見ぬふりをした国内のマスコミと異なり、AFPは昨年までの経緯についてきちんと補足しています。外交の常識で考えるなら、一度頓挫した案を再度持ち出すのであれば、更なる譲歩が必要なのは当然ですが。
 悲観的な見方になりますが、おそらく捕鯨サークルは削減幅を最少にとどめようという腹積もりでいるんでしょう。「沿岸で百やらせろ、その代わりJARPAUは50削ってやる」といった、お話にならないふざけた提案をして、まさに北朝鮮顔負けのトチ狂った瀬戸際外交ぶりをさらさなければいいのですが。あるいは、最初から妥協する気など微塵もなく、ご破算にした責任を全部相手に押し付けるつもりでいるのかもしれません。
 「すべて反捕鯨国に非がある」とばかり、ポール・ワトソンとなんら変わらない唯我独尊の姿勢を貫けば、世界はやはり「SSCSも捕鯨ニッポンもどっちもどっちだ」と判断せざるを得ないでしょう。そうした強硬姿勢の後ろ盾となる捕鯨推進ヨロン醸成を援けているのは、もちろん捕鯨サークルにとって「無二の友」であり、わざわざアングロサクソンから資金を調達してくれるもんだから税金を使った広報宣伝費まで浮いて大助かりの、いくら拝んでも拝み足りないほどありがた〜い存在であるシー・シェパードに他なりませんが・・。「ケンカするほど仲がいい」っていうけど、ここまで見事な共利共生/敵対的共犯関係はなかなか見当たらないよねぇ〜。
 

◇捕鯨サークルの御用新聞・産経奮闘記

■シー・シェパード、今度はクロマグロ漁妨害へ「衝突はすべて日本に非」 (2/9,産経)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100209/crm1002092003037-n1.htm
■止まらぬ暴力 シー・シェパードの実態(上)エコ・テロリスト 捕鯨船爆破、殺害予告も (2/10,〃)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100210/crm1002100033001-n1.htm
■止まらぬ暴力 シー・シェパードの実態(中)反捕鯨国にも理解されない過激すぎる抗議 (2/11,〃)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100211/crm1002110016001-n1.htm
■止まらぬ暴力 シー・シェパードの実態(下)身の危険にさらされる船員ら、動かぬ政府… (2/12,〃)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100212/crm1002120008000-n1.htm

 産経にとってもSSCS様々ですなあ。こんなにネタをくれるんだもんねぇ。
 同紙が捕鯨ニッポンの一点の曇りもない完全無欠ぶり、潔白ぶりをことさらに書き立てるばかりで、調査捕鯨が抱える数多くの問題点に一言も触れないのはなぜかといえば、鯨研の役員に元客員論説委員・馬耳塚達雄氏を送り込んで親密な間柄を築いているオトモダチ新聞だから・・・

−ディスクロージャー資料・役員名簿(H21年) (鯨研HP)
http://www.icrwhale.org/YakuinList.pdf (リンク切れ)

posted by カメクジラネコ at 02:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会科学系