2008年06月22日

メディア版捕鯨ヨイショ度ランキング

 HPを更新しました。

■鯨肉横流し事件の全貌解明を
http://www.kkneko.com/yoko.htm
■捕鯨報道・マスメディアランキング──その1・鯨肉横領疑惑・GP職員逮捕関連報道
http://www.kkneko.com/media.htm#1

 報道機関としては"ダメダメで賞"が読売、報道ステーション(昨日の記事参照)、週刊新潮。"まっとうで賞"は東京新聞。(現時点)
 IWC総会開催期間中も、ベーコン電波に毒され、増幅・中継役を買って出るマスコミを監視することが大事です。皆さんも各自見張っていてくださいニャ〜。何か見つけたら当方にもぜひおしらせくださいm(_ _)m

 
■不起訴「理解に苦しむ」=鯨肉横領容疑告発のグリーンピース (6/21,時事)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080621-00000067-jij-soci (リンク切れ)
http://megalodon.jp/2008-0624-1215-16/headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080621-00000067-jij-soci

 GPJには、ともかく打てる手を尽くしてほしいと思います。 

 さて、今回の逮捕劇、青森県警側が強行逮捕に及んだ理由として「証拠隠滅の恐れ」を掲げたのはナンセンスというしかありません。証拠は東京地検に渡してるのに・・。警察の中でもとりわけ旧い体質のとこに当たっちゃったのかも。。
 非があるとすれば、"あちら側"が最悪の手を選んだ場合のシミュレーションがはたして十分だったのかどうか。まさにそういう結果になってしまったわけですが。昨日の記事でも述べましたが、GP側は捕鯨ニッポンの"良心・良識"と"政治的IQ"を高く買いかぶりすぎたんじゃないか、という気もしなくはありません。
 GP(組織)と筆者(個人)はいろいろ考え方の食い違いも大きく、最初に件の報道に触れたときは「まずいやり方だなあ・・」と舌打ちしたのですが(何よりイタかったのは、勝てる見込みの少ない"共同船舶からの横領"ではなく"横流し"のほうの物証を押えられなかったこと)、一方的に逮捕され、相手側がお咎めなしとなってしまったいまの時点では、むしろ「よくやった!」と喝采を送りたいと思っています。法に触れる形での証拠品確保という手段を賞賛・推奨はしませんが、卑劣な横流しと陰湿な"証拠隠し""口裏合わせ"に比べれば大分マシだと本心から思います。世間が著しくバランスを欠いているなら、その分の埋め合わせはしておかないと。
 何より、今回のGPJのレポートは優れた出来でした。しかし、肝腎の成果の方は、あまりに高くつきすぎた代価に見合っていません。IWCの場で、水産庁・鯨研に姑息な言い逃れを絶対許してはなりません。危険を顧みず内部告発してくれた方の誠意と労力が水泡と化すことは、あってはなりません。
 新聞には共同船舶社長のコメントも掲載されていました。

   「まじめに働いている乗組員や家族を不安な気持ちにさせたことについてグリーンピースは反省して欲しい」

   "大丈夫だ。ボロは出させない。こいつらからは守ってやるから、安心して国と会社に身を委ねてろ──"

 そういうわけですか? 不安ってなに? シーシェパードの物理的妨害に対してはそんな台詞一っ言も出なかったよねぇ。すっごく不思議なんですけど。
 何が不安なの、まじめな社員の皆さんは?
 何かがバレる不安?
 悪いとわかりつつ組織の"慣行"に従うことへの不安?
 "慣行"に背いて捨てられる、弾かれることへの不安?
 不安といえば、出港直前に船内で自殺された方の件、会社として何かコメントはないのですか? 「反省して欲しい」とは、これまた妙に柔らかい物腰ですが(鯨研の今期のレポートに比べても・・)、何かニンゲンとして後ろめたいことでもあるのですか? それとも、ガードはがっちりだから、この先何をやっても無駄だよという自信の表れ?
 社長のコメントと内部告発者の証言、どちらかが真実でどちらかが偽りです。100:0で、筆者は後者を信じます。「土産はない」と既にあからさまな嘘(それともやっぱりこっちが真実なのか・・)を吐いていたこともありますが、一方は持てる者にして組織の歯車であるトップの肩書が吐く脚本どおりの台詞なのに対し、他方はたとえ失うものが大きくとも真実だけは曲げられなかったニンゲンの言葉なのだから。
 まあ、社員の中には経験が少なくあまり事情を知らない若者もいるだろうとは思います。それでも、「お前らにはまだ早い。そういうしきたりだ」と、ウネスを要求されたことを口止めされたにしろ、上申してくれないのは残念な限りですが・・。
 逮捕されたスタッフに対し、一部のマスコミやネットに集う烏合の衆は、ここぞとばかり総"口"撃を加えています。シーシェパードに妨害された分の仕返しとばかり。まるで、シンボル化した捕鯨と自身のアイデンティティを重ね合わせているかのように。彼らの言い分に一切耳を傾けようとせずに。まだ裁判も始まっていないのに。
 正論? 自業自得? 筆者はそうは思いません。
 法治国家? 確かに。
 しかし……この国の法律は完全無欠ですか? 一分の隙もないのですか? 本当は誰も、日本の法律が完璧だなんて思っちゃいないんじゃないですか? マスメディアは法の判断に異を唱えたことが"一度"もありませんか? い・ち・ど・も?? いや、違うでしょ。右左問わず、自分たちの気に入らなければいくらでも批判するでしょ。それこそ毎日のように。ねえ、古舘さん。
 法を軽んじろとは言っていません。しかし、疑いを一切差し挟まない市民、十分な検証を行わずに論じるマスコミは、むしろ法を尊重しているとはいえないのでは? 法とはそもそもヒトを守るためにあるものなのではありませんか? そんなことでは、権力が都合のいいように書きかえたり新たに作ったりしたときに、困ったことになるのは法に守られるハズだった国民ですよ。
 例えば再生紙偽装。例えばトンネル耐震工事偽装。食品偽装のいくつかも。同じように勇気ある内部告発者がいたわけですが、取り上げるマスコミがいたからこそ、広く世間に知れ渡るところとなったのではないですか? 受け皿となるマスコミが、スクープと判断してヒトとカネを投入したが故に(そこに、視聴率がとれる、他社を出し抜けるという功利的な判断が含まれる点も否定はできないでしょう)、あえて違法行為に頼ることをせずに済んだのではないですか?
 もしマスコミが取り上げなかったら、そして、"ならばとやむをえず"たとえ法を犯してでも真実を白昼のもとにさらけだす"方法"を誰かがとらなかったとしたら、どうなっていましたか? 真実はずっと闇に葬り去られたまま、消費者はだまされ続け、いつか食中毒が発生したり、手抜き工事のまま完成したトンネルがくずれて多数の死傷者を出すこともありえたはずです。
 同様の事例は、挙げればいくらでもきりがないでしょう。中には、告発とそれを裏付けるための"行動"がとられてさえいれば、防げた事故・事件も間違いなくあったはずです。電車の運転マニュアル。原発の保守作業。医療過誤。エレベーター事故。ホテルの火災etc.etc.
 GPの直接行動は、筆者の目には「センスがずれてるんちゃうか?」「コストパフォーマンスどうよ?」と思えるものも確かに少なくありません。それでも、NGOの綿密な調査に裏付けられた大胆な行動は、企業の環境破壊活動(しばしば不法、不正行為を含む)を社会に告発するためのものです。日本と欧米との差は実績だけで(どういうパフォーマンスがウケを狙えるかという点では文化の違いも関係しますが・・)、市民の立場から国や企業を監視する必要性について、"価値観の違いロン"がしゃしゃり出てくる余地などありません。
 人命や福祉に関わる問題に比べ、日本において野生動物保護はあまり重い価値を置かれていないということもあるでしょう。筆者にとっては悲しいことですし、この国で人命がどこまで尊重されているかというと疑問を感じる部分もなくはありませんが・・。それでも、調査捕鯨という看板を掲げてウラで行われ続けてきた"社会的不正義"は、誰かが糾さねばならないことだったはず。
 もし、日本という国が、GPだけを悪者扱いして、調査捕鯨の内実に一切目をつぶるならば、それが日本人の国民性なのだ、日本人の体質なのだと、世界中が受け止めるでしょう。
 鏡にしっかりと映っているのですよ。世界中が見ているのですよ。私たちの反応を。

関連ブログ:
Greenpeace のメンバー逮捕の社説を英語版にしないナベツネ機関紙|flagburner's blog(仮)
http://blog.goo.ne.jp/flagburner/e/6cf36cedda547c5a857fc7c79fae89a6

posted by カメクジラネコ at 01:52| Comment(44) | TrackBack(0) | 社会科学系