2008年06月14日

法と正義

■ラッド豪首相:調査捕鯨「外交的な解決を」…来日会見 (6/12,毎日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080611-00000145-mai-int (リンク切れ)
http://megalodon.jp/2008-0612-0023-14/news.livedoor.com/article/detail/3680098/
■<NHK番組改変訴訟>市民団体側の敗訴が確定…最高裁判決 (6/12,毎日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080612-00000055-mai-soci (リンク切れ)
http://megalodon.jp/2008-0612-2001-33/mainichi.jp/select/today/news/20080612k0000e040087000c.html

 来日したラッド首相の会見について、リンク先の毎日などは豪州政府が日本の調査捕鯨を強く非難する姿勢に「変化はない」、ICJへの提訴の可能性も「捨ててない」と伝えています。一方、保守系紙の中には「外交的決着の道を探っていく」とのコメントを先読みしすぎたのか、"姿勢の軟化"と受け止める内容で、"強気外交"を貫いた成果である」と暗に示唆するところもあるようです。
 どことなく対北朝鮮政策をめぐる議論を彷彿とさせますが、類似しているのは北朝鮮と豪州ではなく、北朝鮮と日本のほうです。北朝鮮が日本で常識の通用しない"特殊な国"とみられるのと同様に、環境保護・野生動物保護の方面では日本ほど"特殊な国"はないと、欧米市民の目には映っているに違いありません。
 ラッド首相の方はあくまで現実的で、戦術としての観点から、国際司法裁判所(ICJ)提訴で現状を変えるのは難しいとの認識がある故に、上記の発言となったのでしょう。何しろ相手が日本ですから。。ホガース議長のコメントもありましたが(昨日の記事)、IWCの場で他国と連携し、日本が口実にし、抜け道として"悪用"している条約を改正するなど(加盟国の3/4の賛成という高いハードルがありますが・・)、より実効性のある手法を模索するものと思われます。

 国連の常設司法機関・ICJの本部のあるオランダのハーグは、ユーゴ紛争に関わる国際戦犯法廷なども開設された平和と司法の町=Bそのハーグの地で、内外のNGOの主催により開かれた女性国際戦犯法廷では、昭和天皇を戦争犯罪人としてストレートに断罪したことで、国内で物議を醸しました。法的な拘束力こそないものの、首席検事は国連下の旧ユーゴ・ルワンダ国際刑事法廷の法律顧問と国際法律家委員会(ICl)の慰安婦問題報告書をまとめた担当者で、権威ある法律の専門家。
 よりによって公共放送が、判決をただ淡々と客観的に報道するだけのことすらできず、国民の目から隠そうと不自然にカットしてしまう辺り、日本における報道機関の政治からの独立が建前にすぎないことを如実に示しています。お偉い政治家の先生が、「ヨロシク」と一言いえば、「畏まりました」と言外のニュアンスまで受け止めて気を配るのが日本の"報道ブンカ"だとするならば、政権放り出し超無責任元首相・阿部氏とNHKの間に何があったか、推して知るべしというもの。
 同様に、鯨肉横流し捜査に関しても、南極産尾の身を食べ続けたい議連の先生から「ヨロシク」という圧力があったであろうことは想像に難くありません。ムシャクシャした気分でパーティーに出るより、気に入らない外国の手先の泣きっ面を肴にニタニタしながら鯨を頬張りたいとでも思ったのでしょうか? 市民団体を立件すれば、サミット会場から排除して捕鯨問題のアピールをやめさせられるという判断も働いたのでしょうか?
 これに味を占め、法を恣意的に運用できる強大な立場にあるのをいいことに、彼らはこの先もずっと不正をうやむやに誤魔化し続けるでしょう。産・官・学・政の強固な連携でがっちりガードして、納税者と世界の目を欺き続けるでしょう。
 今後、名ばかりの調査捕鯨に厳格な縛りをかけるべく、国際捕鯨条約の改正論議が起これば、日本はきっと、「科学という崇高な使命のもとに行っているのだ」というこれまでの姿勢を一転させ、科学性の片鱗もない屁理屈を散りばめた難癖を付けてくるでしょう。まるで北朝鮮のように。あるいは、"ありのまま"を伝えると約束をしながら、肝心のクライマックスシーンを勝手にカットするNHKのように。それを許してはなりません。
 間もなくサンチアゴで行われるIWCの動向を、市民として注視しましょう。

posted by カメクジラネコ at 01:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会科学系