2008年05月31日

もうじきクジラの季節・・

 IWC2008チリ・サンチアゴ会合の日程表が発表されています。
http://www.iwcoffice.org/meetings/meeting2008.htm (リンク切れ)
http://www.iwcoffice.org/iwc60docs
 
 すでに5/29からプレミーティングが始まっており、6/1から2週間かけて科学委、6/17からは予算委や先住民生存捕鯨小委、そしていよいよ6/23からの5日間が本会議となります。
 今年はIWC発足60周年、"還暦"にあたる節目の年。3月のロンドン中間会合で、今後のあり方について検討され、ある程度レールが敷かれたはず。そして、「調査鯨肉横流しスキャンダル」は、今回の議論の中心になることでしょう。そうでなくては話になりません。中間会合では、日本のマスコミはあたかもシーシェパードの妨害のみが議題であったかのように報じましたが(実際には右から左へ流されただけでまともな議論にさえならなかったのに・・)、今度の事件はロンドンのSS非難なぞよりはるかに大きな扱いを受けることは間違いのないことです。
 共同船舶スキャンダルがIWCでどう扱われるか、世界が一体日本の調査捕鯨をどれほど厳しい目で見ることになるか、果たして日本のマスコミはメディアとしての責務を果たし、きちんと報道するコトができるのか、注視したいと思います。
 
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2008年05月30日

和歌山の未来とクジラ

■マッコウクジラに歓声 熊野灘でホエールウオッチング (5/29,紀伊民報)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080529-00000000-agara-l30 (リンク切れ)
http://www.kyodoshi.com/news/435/


 このクジラたちは、紀伊水道を挟んで室戸沖との間を行き来しているのでしょう。もし、沿岸大型捕鯨が再開された場合、この子たちの命も危うくなってしまうということを、歓声をあげた乗客たちはわかっているでしょうか?
 和歌山といえば、太地の殺す伝統ばかりが強調されている嫌いありますが、同県民や訪れる観光客のすべてが捕鯨を望んでいるわけではありません。こうした生きたクジラとの付き合いがぜひとも定着していってほしいものです。
 世界遺産の高野山・熊野古道は海外での知名度も高く、いままさに脚光を浴びている日本の観光スポットとして、地元自治体も外国人旅行者の受入態勢を整えているはずです。和歌山県が捕鯨から脱皮をはかり、そのことを世界にアピールするなら、日本の自然や野生動物との出会いを体験したがっている多数の潜在的な外国人観光客を呼び込むことができ、県・市町村の観光産業の発展に大いに寄与することでしょう。これぞ本当の"クール・ジャパン"といえるのではないでしょうか? ホエールウォッチングと高野山のベジ文化の組み合わせなら、親和性も高いですし・・。
 逆に、太地でのイルカ虐殺や捕鯨に拘り続けるなら、観光客も受入側にとっても大変気まずい/来にくい"空気"が醸成されることになり、国際化と地域自立への大きな障害となってしまうでしょう。英文のパンフレットをせっかく作ったって、みんな"ワカヤマ・パッシング"しちゃいますよ。。
 最低でも、あのC・W・ニコル氏すら非難するイルカ漁をやめ、古式時代の網取捕鯨に戻って、せいぜい年間10頭前後捕獲するレベルなら、名実ともに伝統的捕鯨といえますし、筆者としてもかまわないとは思うのですが・・。 

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2008年05月29日

2つの捕鯨国

■アイスランド、2008年の商業捕鯨の詳細を発表 (5/20,AFP BBNews)
http://www.afpbb.com/article/economy/2393847/2948883
■アイスランドが商業捕鯨を再々開して既に1頭捕獲した (ドイツ語好きの化学者のメモ)
http://blogs.yahoo.co.jp/marburg_aromatics_chem/56486276.html


 再開しちゃやめ、を繰り返しているアイスランドが、今年また近海のミンク40頭を捕るといいだした模様。
 商業捕鯨に切り換えたのは、調査捕鯨枠では需要のほとんどない国内でしか利用が認められないため。もちろん輸出先は日本を想定しています。その日本では、JARPA2(南極海調査捕鯨)の"増産"後、在庫がさらなる勢いで膨れ上がり、船員1人頭20キロ以上横流しさせても到底カバーできない状況にあるというのに・・。おまけに、北大西洋産のミンクは有機塩素や重金属の汚染度が非常に高いことでも知られています。
 再開については、国内でも異論があるようです。いま、魚の需要が増えている欧州市場をにらんで、アイスランドの漁業者はMSCにもパスした厳格な資源管理を行っていることを、消費者にアピールしたいはず。しかし、捕鯨再開の動きが欧州各国の消費者にそっぽを向かせ、せっかくの売り込みの機会に水を差すことは避けられないでしょう。
 アイスランドと日本は、火山や温泉が多かったり、四方を海に囲まれ海の幸に恵まれた島国として多くの共通点を持っています。バイキングの地でもあり、"島国根性"も日本とちと似ているのかもしれませんね。。捕鯨に関してだけは、国益を度外視した判断をするところなんかも・・・
 もっとも、人口やGDPもさることながら、日本と大きく違うところもあります。米国の軍事基地に"NO"をつきつけ、CO2排出ゼロを目指して国を挙げて努力しているところなど。日本の場合、外交問題で米国の顔を窺うことなく独自路線を掲げるのは捕鯨くらいのものですし、温暖化問題についても口先ばかりで覚悟はまったく示せていません。
 捕鯨に関しても、南極までわざわざ出向いて年間も千頭近く捕獲しながら、臆面もなく"調査"の看板を掲げてしまう日本とは、数・質とも比較にならないでしょう。
 GDPは日本より低くても、GNH(国民総幸福度)はずっと高いに違いないアイスランドの皆さん。自国の海をダメにしてよその海まで荒らす、日本の悪いところなんか真似しないで、ぜひ現実的な選択をしてください。


◇オマケ
 
 アフリカ開発会議、開催地の市長が市長だし、水産庁/外務省の関係者がIWC票買いに裏でせっせと動いていないか心配。。。
 
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2008年05月28日

沿岸調査でも仔鯨殺し

■三陸沖鯨類捕獲調査:仙台湾で60頭捕獲 コウナゴ捕食を初観察 (5/23,毎日・宮城)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080523-00000079-mailo-l04 (リンク切れ)
http://deracine69.exblog.jp/8198088/
 
 非致死的な調査手法・バイオプシーで済む話。
 釧路沖と三陸沖で行われている沿岸調査捕鯨は、公海調査鯨肉による価格調整に翻弄される沿岸捕鯨事業者に対し、一種の代償として宛がわれたもの。「仕事をまわしてやるから我慢しろ」というわけです。
 例年の調査であるにもかかわらず、その場で判明するはずの結果がこれまで明らかにならなかったのは、要するに調査の手落ち(未成熟個体の餌生物の経年変化を調べる気がなかった)ということ。もともと(鯨肉の歩留まりが高い)成熟個体しか捕る気がなかったけれど、来遊数が少なくて"業者の販売益"がなくなると困るので、今回仔鯨を捕ってみたところ、「こんな結果が出てきた」というわけなのです。
 いずれにしろ、小女子(イカナゴの幼魚)の捕食がわかったところで、餌不足への適応にすぎず、生物学的に新たな重大発見などとは到底いえません。
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2008年05月27日

捕鯨批判ブログ集

 HPを更新しました。

■捕鯨批判ブログ集
http://www.kkneko.com/framel2.htm
 
 現行の日本の商業捕鯨・調査捕鯨に異を唱える様々な声が国内にも多数あることを実感してください。
 引き続き調査中。リンク登録も随時受け付けております。
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2008年05月26日

ハレムじゃないよ・・

■オットセイ・ハレムの真実|ダーウィンが来た! (5/25,NHK)
http://www.nhk.or.jp/darwin/program/program103.html
 
 前回のオウサマペンギンに続く南極サウスジョージア特集、今回はミナミオットセイ。
 「一夫多妻のハレム社会で、その主となったオスが圧倒的に強く、メスはひたすら服従するとの"定説"を覆す、したたかに力強く生きる、メスの"新伝説"」とありますが……野生動物の社会関係に関する認識がどうも根本から間違っているようです(--;; まあ、ハレムなんて呼称を付けたのがそもそもの過ちだったのですが・・・
 夫婦ハレムも、ニンゲンによる後天的な文化です。アザラシにしろ他の鳥や獣にしろ、恋人という社会的概念≠ヘありません。当然、法律の縛りもありません。野生動物の繁殖行動には、種/個体によって保守的か気まぐれかという傾向の違いがある、というだけの話なのです。
 ミナミオットセイに関する最新の研究成果が示す事実は、従来繁殖オスを中心にした交配のための集団≠セと考えられていたものが、実はテリトリー・繁殖のための場所・資源を確保する便宜に基づく集団≠セったということです。雌雄の利害が対立する場合は、オスは確保したメスが他のオスとつがうのを阻止する行動をとるように、選択圧が働くはずです。よそのハレムからメスがやってくるのを迎えればいいのですから、オスがメスの浮気に口を挟まず放っておくのは、動物行動学の見地からは理に適っているのです。要するに、(ニンゲンと同じ意味での)浮気などではないのです。メスがしたたかなわけでもないのです。一見、自分とつがわないメスのために他のオスとの闘争のエネルギーを割くのは理屈に合わない気がしますが、遺伝子を共有する血縁個体であれば(遺伝子にとって)有利に働く、という解釈なのです。
 野生動物の社会集団は、細かい差異はあっても、近親交配を避けるために必ず父系ないし母系のいずれかのタイプに分けられます。ミナミオットセイの場合、父系/母系どちらとも判別つきかねますが、非常に巧妙な仕組みに出来上がっており、興味をそそられます。
 もっとも、この社会のシステムがどの程度自然に成立したものなのか、疑問の余地もあります。というのも、番組中でも解説されましたが、ミナミオットセイは南極海捕鯨が盛んだった頃に乱獲され、一時島で50頭のレベルにまで個体数が落ち込んでしまったのです。下手人は西洋の捕鯨業者ですが、意識レベルはアホウドリを乱獲した日本人と何ら変わるところはありません。結果を予期できなかった、自然の生態系のシステムを理解できなかったニンゲンの仕業なのです。
 ハレム(に代わる呼称を早く考えたほうがいいケド・・)のおかげで、400万頭のオーダーに回復できたとされていますが、むしろシロナガスなどの大型鯨類の激減による南極海生態系の乱調の結果とみるべきでしょう。捕鯨推進派のロンリに従えば、オットセイたちを殺して間引かないのは"不合理な差別"ということになりますね...
 ちなみに、オオフルマカモメに襲われた仔アザラシを成熟個体が救うシーンがありましたが、撮影スタッフが実の母親≠ニきちんと確認したのかは疑わしく思えます。目玉をつつかれたりするのは、ニンゲンの目には残酷に映るかもしれませんが、これが自然の摂理というもの。フルマカモメたちもそうやって命をつないでいるのですから、"悪者扱い"はやめて欲しいですね。ペンギンやオットセイやクジラたちにとって、真の"悪者"は、南極海生態系にまったく場違いなニンゲンという殺戮者だけなのですから。
 どうも公共放送NHKは、以前に比べ野生動物の捕食関係を情緒的に解説する傾向が強まっているみたいですね。。なんとかしてもらわなければ。あと、返ってわかりづらいだけの無駄なCGに割く予算があるなら、取材費に回してもらいたいところ。。
 
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2008年05月25日

粘菌のはなし

■不思議生物 粘菌の力をいかせ|サイエンスZERO (5/24,NHK)
http://www.nhk.or.jp/zero/contents/dsp210.html
 
  なんだかわけのわからん単細胞生物をプロトゾアとしてひとくくりにしていた四半世紀前に比べると、系統分類学上の位置付けが最も大きく変化した生物群(界からして別組になったものも多い・・)。今は専らクジラにかかずらってる筆者ですが、小学生くらいのころは原生動物フリークでした...
 今回の番組は、経路選択などの電算用に使えるのではないかという応用生物学の話題。多くの種の美麗な子実体の映像などを期待していた身としては、少々物足りない感はありましたが、それでも興味深い内容でした。生物の走光性の原理などは、もはや分子レベルで解明できる時代になったのだなあとつくづく感じます。また、佐倉統氏の指摘されたとおり、生命現象に働く根源的な原理というかルールがあって、それは粘菌の行動特性からヒトの神経回路・意識や感情、知性の"メカニズム"に至るまで共通なのだと、筆者も思います。デイヴィッド・ブリンのSF小説『ガイア』に、「ニューロン・ネットワークの発達の仕組みは神経細胞同士の競争と共存の原理として理解できる」というくだりがありましたが、粘菌にしろ脳細胞にしろ、やはりルーツを等しくする生物なのだなあと改めて思った次第です。
 このほか、宮崎駿のナウシカと南方熊楠のエピソードも紹介。粘菌は単細胞としては巨大で活発ですが、表面からATP消費用の酸素をじかに吸収しているので、いまの地球大気の酸素分圧では数ミリ程度のサイズが限界だったりします。あんなバカデカイ人食いアメーバは設定にムリがありすぎなんですけどね。。ナウシカは生態学的にはかなりつっこみどころの多いファンタジー。映画はわりと好きだったのですが・・。今夏の金魚姫(?)も・・淡水魚のデザインで海の人魚(?)はどうかと思いました・・。どうでもいいネタですけど。
 南方熊楠は、日の当らなかった日本のナチュラリストして、最近脚光を浴びるようになった人物。「活力に満ちた変形体を蔑み、死を控えた子実体にばかり目を向けるニンゲンこそ自然界の異端である」という、独特の発想は、まさしく彼ならでは。ちなみに、筆者の師匠は"ベジ界の熊楠"と呼ばれる歩くオールジャンル生物図鑑です。
 
 今日はクジラと関係なかったけど・・粘菌ならぬ年金とクジラの関係はこちら・・・(強引)

■年金記録問題、原発の耐震性、そして薬害肝炎からクジラへ──
http://www.kkneko.com/kagaku.htm#2


◇追記
 
 四川大地震、有名な臥竜のパンダ保護センターはほぼ壊滅したとの情報が。マスコミの情報はやっぱりあてにできません。。野生のパンダたちも、竹開花や豪雪以上のダメージを被っていそう。上野行どころではないでしょう。
 ヒトも死者5万人以上、5百万人が家を失い難民と化している状態で、五輪どころじゃないんじゃないの。。
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2008年05月24日

日本の食の崩壊はだれが引き起こしたのか

■総務省が厚労、農水両省に勧告「輸入食品の検査が不十分」 (5/23,産経)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080523-00000904-san-pol (リンク切れ)

http://megalodon.jp/2008-0523-1140-09/headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080523-00000904-san-pol

 両省の地方局による輸入食品の検疫体制が、あまりにお粗末だったことが発覚。サンプルを業者任せにするなど、他の先進国ではおよそありえないことです。これは、単に職員を増やせばいいという話ではありません。職員が貿易業者から便宜供与を受けていないかどうかも含め、徹底的に洗うべきではないでしょうか。
 先日は、水産食品会社がカニを装って国産牛肉を中国に密輸する事件も起きました。一部混ぜて通関をごまかす手口。農薬や添加物などをガンガン使った輸入食品が、同様な手口で入ってきていても不思議はありません。これほどザル検疫の日本であれば、いくらでも可能ですね。中国製農薬入り餃子のケースは、そもそも加工食品でノータッチだったわけですが・・。食材すべてにおいて、もはや食品表示はまったくあてになりませんね。鯨肉を含む野生生物の密輸入についても、同じことがいえますが。
 これで国交省や社保庁と同様、農水省の地方局の役人も、国民をまったく見ていないことが明らかになりました。外部からのチェックが入らないとまともな仕事ができない、隙を見ちゃ私腹を肥やそうとして不正を働くってのは、一体どういう国なんでしょうね。。こどもに愛国心を刷り込む前に、全公務員&政治家に徹底した"愛国民"教育を施すのが先決ではないでしょうか・・・
 産地や食品名偽装のニュースも、連日後を断ちません。最近はとくに水産物が際立っていますね。業者を監督できない、部下の役人を監督できない農水省・水産庁が、国民に向かって「月に一皿魚を食べなさい」などと号令をかけたところで、一体だれが耳を貸すでしょう?
 環境負荷を測る大まかな指標としてのフードマイレージで見ると、日本は他の先進国より圧倒的に高くなっているわけですが、数字をはるかに越えて日本人の食生活は悲惨なのです。日本の食糧事情をここまでボロボロにしたのは行政です。中でも農水省の責任は重いといえます。
 そして、食文化の破壊を進むに任せてきた大きな元凶の一つが、捕鯨推進プロパガンダであるといっても過言ではありません。PR会社の立案したキャッチコピーにすぎない上っ面の食ブンカを、ナショナリズムとうまくブレンドさせて、マスコミや著名人を巧みに抱き込み、国民の目を食の内実・食の本質から逸らせてしまいました。それが、今日の惨憺たる状況につながったのです。
 いまからでも遅くはありません。日本の食のパラダイムシフトは、南極の捕鯨をやめることから始まるのです。 

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2008年05月23日

いまこそ撤退を

■調査捕鯨の法的措置、当面見送り=日本政府との協議を優先−豪 (5/21,時事)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080521-00000095-jij-int (リンク切れ)

 ネット右翼は豪政府が弱腰になったとでも思っているようですが、"大人"の国のこと、「提訴しなくても、日本側の譲歩を引き出せる材料が出てきた」と判断したのでは?
 二国間対話で、当然今回の調査捕鯨委託事業者のスキャンダル、暴かれたあまりに杜撰な調査の実態について、俎上に上らないわけがないでしょう。これだけ大きなネタをわざわざ自分からさらけ出してくれるんだったら、監視船をわざわざ差し向けるまでもなかったと思っているかもしれませんね。
 豪州と日本の外交関係は、いままさに岐路にあります。世界に恥をさらさないように、くだらないメンツのために重要な国益を損なわないように、福田首相には賢明で思い切った判断を下してもらいたいものです。
 
■問われるニッポンの外交手段 (拙ブログ記事)
http://kkneko.sblo.jp/archives/20080511-1.html
 
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2008年05月22日

なぜ物証確保が必要だったのか

■グリーンピースが鯨肉を提出 東京地検の要請受け (5/21,産経)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080521-00000938-san-soci (リンク切れ)
http://blog.livedoor.jp/kuromacyovipper/archives/51205774.html
 
 後は検察当局が粛々と捜査を進めてくれるのを祈るばかり。できるだけ早急に立件していただきたいものです。
 GPJの今回の一見過激と映る証拠保全措置は、一体なぜ必要だったのでしょうか? 正直筆者も、ニュースを知った時点では「ずいぶん危ない橋を渡るなあ・・」と思いました。
 しかし、これまで日本中を騒がせた政治がらみの事件の内幕については、みなさんもマスメディアを通じてよくご存知のはずでしょう。道路手抜き工事、耐震偽装、食品偽装、再生紙偽装、そして地方自治体から公益法人、防衛省に至るまで、公的な地位を利用した汚職の罪を犯した当事者が、納税者を、消費者を食い物にして私腹を肥やすことに、データや行政に提出する報告書を平気で改竄することに、何の良心の呵責も感じていないことを。それというのも、自らを企業や組織・国家という集団の一部とみなすことで、倫理観・責任感というものを預けてしまっているからなのです。彼らが頭を下げるポーズをとるのは、いよいよ責任から逃れる余地がなくなった時だけです。それまでは、いくらでも事実を隠し嘘で塗り固めてきたのではなかったでしょうか──?
 内部告発者が自ら高いリスクを背負って訴えなければ、マスコミが大々的に報じなければ、市民の怒りが爆発しなければ、彼らの犯罪行為はいずれも未だに続けられていたに違いないのです。
 日本ではただでさえ、告発という"裏切り行為"に対して高い不利益が伴います。しかも、相手は産官学の捕鯨サークル。"第四の権力"であるはずのマスコミも、ずっと不甲斐ない有様でした。GPが鯨肉の押収に動かなければ、捕鯨利権にたかってきた連中は、中でいくらでも口裏合わせをしてもみ消そうとします。家族と収入のことを考えれば、普通のニンゲンではなかなか踏み切ることのできない、勇気ある行動が、このままでは水泡と帰しかねませんでした。今回の危険な手段には、そういう側面があったことも否めません。行動に移す前に、もっと補強できればなおよかったのですが・・。
 共同船舶のあまりにも図々しい前言撤回、開き直りは、そういう意味では予想されたことではありました。この先、偽装工作でさらに罪を重ねる真似はしないことです。言っても無駄かもしれませんが・・。日本の鯨捕りはそこまで地に堕ちたのでしょうか? プライドの欠片も残っていないのでしょうか?
 今回のスキャンダルを"尻尾切り"に終わらせてはなりません。国内での刑事告発以外にも、IWCの場で別途徹底的に追及していく必要があります。 
 
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